9 / 13
めでたき日の裏側
もっとおしゃべり、したかったのに -ナナ-
しおりを挟む
(むー)
わたしはとってもお怒りちゅー。
今日はかぞくみんなでおでかけ。「しんがくしき」とかいうののためにたくさんの人が集まってるみたい。
でぃー姉が出るらしいっていうから楽しみにしてたのに、でぃー姉どこにも見えないしもう飽き飽き。楽しみがなくなってしまった今では、ただただうるさくて仕方がないの。
キョロキョロと首を振って左右を見てみる。右にはママとパパ。左にはりー姉にさー姉にえー姉。パパはまじめに。ママは今夜はごちそうねーとか。でっかいケーキ、食べたい。
りー姉はでぃー姉かわいいかわいいばっかり。さー姉とえー姉は、おねむで早く終わんないかなーって。
わたしもおねむしたいけど、こうもうるさいと寝るのもむずかしい。だから、むーって口を尖らせるしかないの。
くるりと左に目を向けると、ひざとひじをくっつけてつまんなそうに顔を支えてるえー姉がこっちを見た。ぱんぱんとひざを叩いて、えー姉たすけて、と呼びかける。
えー姉もさー姉もむーって時にはすぐたすけてくれる。やさしくて好き。
でぃー姉も、たすけてくれるけどちょっとうるさい。りー姉は、こそこそしながらたすけてくれる。ふしぎ。
その声が聞こえたみたいで、ナナ、ナイス!って言って、おねむしちゃったさー姉とかわいいばっか言ってるりー姉の邪魔をしないように後ろがわを通ってこっちに来るえー姉。そのままママとお話してる。
「ナナがつまんなそうだからちょっと外出てくるね」
「あらあら、仕方がないわね。でも、二人だけだと心配。ファナ、お願い出来る?」
「承知しました」
それから、わたしの脇をつかんで持ち上げて、抱っこしてくる。えー姉、甘えん坊さん?
「行こっか、ナナ」
うん、ってそういう前に歩きだしちゃうえー姉。後ろからふぁながこっそりついてくる。ふぁなは、うるさくなくて好き。
ドアをあけて左のほうのかいだんをおりてから、足が地面につく。それからえー姉の左の手をぎゅってしながらてくてくてく。
こわい顔したおじさんたちの真ん中を通り抜けてやっとお外。それから少し歩いて、おっきな噴水の前で二人でおすわり。ふぁながおみずの入ったつつをくれる。
「ぷはー!ありがとね、ナナ!天使!女神!」
おみずをゴクゴクしてる途中であたまをナデナデされる。よくわかんないけど、あたまがポカポカになって、うれしい。
「やー、おめでたいと思わないわけじゃないけど、ああも固っ苦しいと流石におめでたさもどっかに行っちゃって眠くなっちゃうよね。新しい魔法じゃないの、あれ」
べつにお祝いなんて家ですればいいじゃん、とつけ加えるえー姉。それから、りでぃ姉にちょっとごめんって。
「……でぃー姉、どこかわかん、なくて。つまんない」
あんまり口をうごかさないから、たまにしゃべると良くわかんなくなっちゃう。えー姉もナナが自分からしゃべってる、めずらしい、って。やっぱりおかしかった?
「そうだよね~。貴族席で広くてふかふかなのは良いんだけど、あんな見渡す限り居たら全員ディー姉に見えちゃうよね~」
「でぃー姉、おめでとう、したかった、の」
「そっかそっかー。まぁ今夜はお家でお祝いするらしいから、おめでとうはそこですれば良いよ」
「うん……。おうちでおめでとう、する」
「よしよし、いい子いい子」
またナデナデしてくれるえー姉。それからかわいいって。
えー姉とそれからさー姉は、お話してるといつもほめてくれて、ナデナデしてくれる。それがうれしくて、いつもがんばって口を開ようにしてた。
「でぃー姉、いつ帰って、くる?」
「うーんとねー。確か後一時間半くらいで終わって、中等部の時と同じならそれから顔合わせだったはずだから、三時……おやつの時間には帰ってくるかな?」
「さびしい」
「ん?私がいるのに寂しいなんて、エー姉傷付いちゃうなぁ。ナナは私じゃダメなの~?」
そう言ってえー姉はまたわたしの身体を抱っこして、おひざの上にすわらせてくれる。
「ダメ、じゃ、ない。けど。でぃー姉に早く、おめでと、言いたい……」
「そうだよねー。ディー姉もおめでたい式なんかより、ナナにおめでとうって言われる方が絶対嬉しいと思うなー」
「ほんと……?」
「本当本当!可愛いナナに褒められて嬉しくないわけが無いでしょ~?」
「じゃあ、いっぱいおめでとした、ら、いっぱいよろこんで、くれる……?」
「そりゃもう当然!」
おめでとう、ありがとうがくりかえされそうだなーとも言ってたけど、いっぱいありがとう言われるとうれしい。でぃー姉帰ってきたら、たくさんおめでとう言おう。
「ディー姉は……」
何か言おうとして止まってしまうえー姉。くびを上に向けてみたら、どっか全然違う方見てた。
「ナナ~、お姉ちゃんちょっと用事出来ちゃって行かなきゃいけないみたい。ゴメンね~」
そう言っておひざにすわってるわたしの腰に手を当てるえー姉。ふかふかの感触がなくなって、足が地面についた。
「ファナ~」
「はい」
いつのまにかそばに居たふぁな。静かすぎて、ふぁなだけは近くにいてもあまり気づかないの。
「ナナをお願い」
「かしこまりました。エリアニーネお嬢様はどうされるのですか?」
「ちょっと野暮用~。大丈夫大丈夫、学園の敷地からは出ないから」
「では、旦那様と奥様に聞かれた際はそのように伝えておきます。お気を付けて」
「はいは~い」
そう言ってどっかに行っちゃったえー姉。ねずみさん、どこにいるのかな……?
もっとおしゃべり、したかったのに……。
わたしはとってもお怒りちゅー。
今日はかぞくみんなでおでかけ。「しんがくしき」とかいうののためにたくさんの人が集まってるみたい。
でぃー姉が出るらしいっていうから楽しみにしてたのに、でぃー姉どこにも見えないしもう飽き飽き。楽しみがなくなってしまった今では、ただただうるさくて仕方がないの。
キョロキョロと首を振って左右を見てみる。右にはママとパパ。左にはりー姉にさー姉にえー姉。パパはまじめに。ママは今夜はごちそうねーとか。でっかいケーキ、食べたい。
りー姉はでぃー姉かわいいかわいいばっかり。さー姉とえー姉は、おねむで早く終わんないかなーって。
わたしもおねむしたいけど、こうもうるさいと寝るのもむずかしい。だから、むーって口を尖らせるしかないの。
くるりと左に目を向けると、ひざとひじをくっつけてつまんなそうに顔を支えてるえー姉がこっちを見た。ぱんぱんとひざを叩いて、えー姉たすけて、と呼びかける。
えー姉もさー姉もむーって時にはすぐたすけてくれる。やさしくて好き。
でぃー姉も、たすけてくれるけどちょっとうるさい。りー姉は、こそこそしながらたすけてくれる。ふしぎ。
その声が聞こえたみたいで、ナナ、ナイス!って言って、おねむしちゃったさー姉とかわいいばっか言ってるりー姉の邪魔をしないように後ろがわを通ってこっちに来るえー姉。そのままママとお話してる。
「ナナがつまんなそうだからちょっと外出てくるね」
「あらあら、仕方がないわね。でも、二人だけだと心配。ファナ、お願い出来る?」
「承知しました」
それから、わたしの脇をつかんで持ち上げて、抱っこしてくる。えー姉、甘えん坊さん?
「行こっか、ナナ」
うん、ってそういう前に歩きだしちゃうえー姉。後ろからふぁながこっそりついてくる。ふぁなは、うるさくなくて好き。
ドアをあけて左のほうのかいだんをおりてから、足が地面につく。それからえー姉の左の手をぎゅってしながらてくてくてく。
こわい顔したおじさんたちの真ん中を通り抜けてやっとお外。それから少し歩いて、おっきな噴水の前で二人でおすわり。ふぁながおみずの入ったつつをくれる。
「ぷはー!ありがとね、ナナ!天使!女神!」
おみずをゴクゴクしてる途中であたまをナデナデされる。よくわかんないけど、あたまがポカポカになって、うれしい。
「やー、おめでたいと思わないわけじゃないけど、ああも固っ苦しいと流石におめでたさもどっかに行っちゃって眠くなっちゃうよね。新しい魔法じゃないの、あれ」
べつにお祝いなんて家ですればいいじゃん、とつけ加えるえー姉。それから、りでぃ姉にちょっとごめんって。
「……でぃー姉、どこかわかん、なくて。つまんない」
あんまり口をうごかさないから、たまにしゃべると良くわかんなくなっちゃう。えー姉もナナが自分からしゃべってる、めずらしい、って。やっぱりおかしかった?
「そうだよね~。貴族席で広くてふかふかなのは良いんだけど、あんな見渡す限り居たら全員ディー姉に見えちゃうよね~」
「でぃー姉、おめでとう、したかった、の」
「そっかそっかー。まぁ今夜はお家でお祝いするらしいから、おめでとうはそこですれば良いよ」
「うん……。おうちでおめでとう、する」
「よしよし、いい子いい子」
またナデナデしてくれるえー姉。それからかわいいって。
えー姉とそれからさー姉は、お話してるといつもほめてくれて、ナデナデしてくれる。それがうれしくて、いつもがんばって口を開ようにしてた。
「でぃー姉、いつ帰って、くる?」
「うーんとねー。確か後一時間半くらいで終わって、中等部の時と同じならそれから顔合わせだったはずだから、三時……おやつの時間には帰ってくるかな?」
「さびしい」
「ん?私がいるのに寂しいなんて、エー姉傷付いちゃうなぁ。ナナは私じゃダメなの~?」
そう言ってえー姉はまたわたしの身体を抱っこして、おひざの上にすわらせてくれる。
「ダメ、じゃ、ない。けど。でぃー姉に早く、おめでと、言いたい……」
「そうだよねー。ディー姉もおめでたい式なんかより、ナナにおめでとうって言われる方が絶対嬉しいと思うなー」
「ほんと……?」
「本当本当!可愛いナナに褒められて嬉しくないわけが無いでしょ~?」
「じゃあ、いっぱいおめでとした、ら、いっぱいよろこんで、くれる……?」
「そりゃもう当然!」
おめでとう、ありがとうがくりかえされそうだなーとも言ってたけど、いっぱいありがとう言われるとうれしい。でぃー姉帰ってきたら、たくさんおめでとう言おう。
「ディー姉は……」
何か言おうとして止まってしまうえー姉。くびを上に向けてみたら、どっか全然違う方見てた。
「ナナ~、お姉ちゃんちょっと用事出来ちゃって行かなきゃいけないみたい。ゴメンね~」
そう言っておひざにすわってるわたしの腰に手を当てるえー姉。ふかふかの感触がなくなって、足が地面についた。
「ファナ~」
「はい」
いつのまにかそばに居たふぁな。静かすぎて、ふぁなだけは近くにいてもあまり気づかないの。
「ナナをお願い」
「かしこまりました。エリアニーネお嬢様はどうされるのですか?」
「ちょっと野暮用~。大丈夫大丈夫、学園の敷地からは出ないから」
「では、旦那様と奥様に聞かれた際はそのように伝えておきます。お気を付けて」
「はいは~い」
そう言ってどっかに行っちゃったえー姉。ねずみさん、どこにいるのかな……?
もっとおしゃべり、したかったのに……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。
第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。
生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。
その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。
「加護縫い」
(縫った布に強力な祝福を込められる)
「嘘のほころびを見抜く力」
(相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする)
を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。
さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる