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「愛妾…?」
アーモンドの形に似た瞳が大きく見開かれた。
長いピンクブロンドの睫毛と、その下にある紅い宝石が震える。
「そう。来月卒業式を終えたらそのまま後宮へ来て欲しい」
「後宮…」
「君のための花園だ」
長く節ばった指が、ほんのりと紅い頬をなぞるとぴくりと震えた。
「受け入れてくれるかい?」
彼女を見つめる漆黒の瞳が細められる。
———この吸い込まれるような眼差しで見つめられ、請われて抗える者などいない。
「…で、でも…」
けれど彼女は震えるように、小さく首を振った。
「あの人が…」
「サファイアの事?」
問われてこくん、と頷く。
「大丈夫。彼女とは話がついている」
「え…」
驚いたように、紅い瞳が大きく見開かれた。
「サファイアも君が後宮に入る事を納得してくれたよ」
「…本当に…?」
「ああ。君が彼女から受けていた仕打ちはよく知っている。それでも私は君を手放せないし、サファイアもまた王妃として欠かせない存在だ」
諭すように大きな手がふんわりとした髪を撫でる。
「もう君には手出しをしないと誓わせた。それにサファイアが住むのは王宮、君は後宮。会う事も滅多にない」
後宮。
それは王の愛を受けられる者だけが入る事のできる花園と言われている。
そこに妃が入らないという事は———
「ガーネット。君は私を愛してくれるのだろう?」
潤んだ瞳を見つめて彼は言った。
「そして私の愛を受け止めてくれる。そうだね?」
「…はい…オニキス様……」
うっとりとした赤い瞳が黒い瞳を見つめ返す。
「ああ、嬉しいよ」
彼は彼女を強く抱きしめた。
ふと黒い瞳が離れた所から見守っていた私を捉えた。
しばらくそのまま私を見つめて…ふ、とその瞳が細くなる。
(これで…本当に良かったのだろうか)
心の奥に宿る不安。
———でももう…私が出来る事は何もない。
私は彼———私の婚約者に向けてスカートをつまみ、礼を取ると抱き合ったままの二人に背を向けて歩き出した。
アーモンドの形に似た瞳が大きく見開かれた。
長いピンクブロンドの睫毛と、その下にある紅い宝石が震える。
「そう。来月卒業式を終えたらそのまま後宮へ来て欲しい」
「後宮…」
「君のための花園だ」
長く節ばった指が、ほんのりと紅い頬をなぞるとぴくりと震えた。
「受け入れてくれるかい?」
彼女を見つめる漆黒の瞳が細められる。
———この吸い込まれるような眼差しで見つめられ、請われて抗える者などいない。
「…で、でも…」
けれど彼女は震えるように、小さく首を振った。
「あの人が…」
「サファイアの事?」
問われてこくん、と頷く。
「大丈夫。彼女とは話がついている」
「え…」
驚いたように、紅い瞳が大きく見開かれた。
「サファイアも君が後宮に入る事を納得してくれたよ」
「…本当に…?」
「ああ。君が彼女から受けていた仕打ちはよく知っている。それでも私は君を手放せないし、サファイアもまた王妃として欠かせない存在だ」
諭すように大きな手がふんわりとした髪を撫でる。
「もう君には手出しをしないと誓わせた。それにサファイアが住むのは王宮、君は後宮。会う事も滅多にない」
後宮。
それは王の愛を受けられる者だけが入る事のできる花園と言われている。
そこに妃が入らないという事は———
「ガーネット。君は私を愛してくれるのだろう?」
潤んだ瞳を見つめて彼は言った。
「そして私の愛を受け止めてくれる。そうだね?」
「…はい…オニキス様……」
うっとりとした赤い瞳が黒い瞳を見つめ返す。
「ああ、嬉しいよ」
彼は彼女を強く抱きしめた。
ふと黒い瞳が離れた所から見守っていた私を捉えた。
しばらくそのまま私を見つめて…ふ、とその瞳が細くなる。
(これで…本当に良かったのだろうか)
心の奥に宿る不安。
———でももう…私が出来る事は何もない。
私は彼———私の婚約者に向けてスカートをつまみ、礼を取ると抱き合ったままの二人に背を向けて歩き出した。
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