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2章 家族との別離(今世)
16話 猫又のフリード
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私たちは猫たちの溜まり場に到着した。
溜まり場中央には、猫たちの視線を一手に集めている1匹の黒猫がいる。見た目は普通の猫なんだけど、尻尾を見ると3本もあるわ。あの子が《猫又》という魔物なんだね。
あ、猫又様がこっちを見ているわ。
「おやおや、これは驚きました。まさか、こんな辺境の街中でフェアリーバードのルウリと再会するとは。およそ50年ぶりですかね?」
まさかのルウリの知り合い!?
人の言語で話しかけられてきたから、やっぱりこの子は知能の高い猫又様なんだ。
「正確には53年ぶりだよ、フリード。まさか、猫又の中でも最強格と言われている君にここで再会するとはね。それで、僕に用でもあったのかい?」
2人が知り合いなのは驚きだけど、仲も良さそうだし、これなら問題も起きることなく、献上品を渡せそう。
「あなたとの再会は偶然ですよ。私は世界中を旅する流離の猫又、昨日この街に到着したばかりなんです。ほほほ、こういった旧友との再会が稀に起きるからこそ、旅は面白いのです。それに来て早々、猫たちから面白い話題を拾いましたよ。私は、猫語を理解できる《咲耶》という女性に興味を持ちました」
猫たちに慕われているのなら、私の名が出てもおかしくない。
もしかして、猫カフェの件も聞いたのかな?
「へえ、奇遇だね。今の僕は、その咲耶の従魔なんだ」
従魔と聞いた瞬間、猫又様が少し驚いた表情を私たちに見せる。
「ほう、人嫌いで霊峰に篭っていたあなたが従魔ですか。これは驚きです。そうなると、そこの女の子が?」
人嫌いで、霊峰に篭っていた?
今、初めて知ったわ。
そういえば、野生の鳥ハミングバードも、人嫌いで山の奥深くに生息していると、ベイツさんが言っていた。昔はそうだったかもしれないけど、今のルウリは初対面の人であっても警戒こそするけど、そこまで人嫌いのように見えない。
「あの…猫又様、初めまして。私は咲耶と言います」
ここで初めて猫又様と、目が合ったわ。
「私の名はフリード、ほ~う、これは驚いた。齢10歳でその魔力量、属性が《時空》であれば納得です。スキル自体も大変興味深いのですが、魔力感知や魔力制御も拙いようでは、せっかくの能力が台無しですよ」
出会って間もないのに、いきなり貶された。
しかも、私のステータスもスキル《鑑定》で無断で見られたわ。
凄く失礼な行為なんだけど、可愛らしいせいもあって怒れないよ。
「スキルや魔力に関しては今日目覚めたばかりなんだ。これから訓練すれば、成人する頃には、かなりの強者になれると思う。それに、今時珍しいほどの清浄な魂を持っているしね。僕は、最後まで付き合うつもりさ」
私を貶した相手に同調して、普通に会話しているルウリも凄い。
この2人、友人というだけあって、結構気が合うのかな?
「ほほほほ、なるほど、なるほど、なにやら事情がおありのようで。なんにせよ、幸先がいいですね。なんせ、友人のフェアリーバードと53年ぶりに再会できたのですから」
この言い方から察すると、私のことを貶しているわけじゃないんだ。
私に、今後生きていく上でのアドバイスを与えてくれたのかな?
2人の雰囲気もいいし、献上品のことを言ってみよう。
「あの…フリード様。猫たちの要望で、献上品を持ってきました」
猫又のフリード様は、再び私に視線を合わせる。
なんだろう…全てを見透かすような視線だわ。
「ほう…献上品ですか。それは、どのような物ですか?」
他の猫たちもヒヤヒヤしながら、私たちを心配な目で見ている。
緊張する…強い魔物だから、気に入らなかった場合はどうなるのかな?
今は変なことを考えず、精一杯もてなす事だけを考えよう。
「フリード、君は運がいい。献上品は異世界の品で、それも猫に特化した極上品だ」
「む、異世界ですと!?」
ルウリの言葉に、フリード様も興味を持ってくれた。
地球のことを知っているのかな?
先程から3本の尻尾をふりふりと振ってくれているから、献上品にかなり興味を持ってくれているのがわかる。お昼も近いし、まずは高級キャットフードと最高級缶詰のダブルで攻めてみよう。
「フリード様、こちらです。昼食としてどうぞ」
私は《アイテムボックス》から、フレークタイプの猫缶、カリカリで芳醇なキャットフード、天然ミネラル水の3種と受け皿2枚を取り出し、蓋を開け食事の準備を進めていく。すると、フリード様だけでなく、周囲の猫たちも匂いに気づき、餌を凝視する。
「この…嗅いだことのない芳醇な香りは…これが昼食だと…人の用意する料理程の豪華さはないが…なんだ…この魅せられるような感覚は…目が離せん」
食べてもないのに、食レポしてない? 私は猫缶の中身をスプーンで全てお皿に盛り、キャットフードと混ぜていく。
「準備完了です。どうぞ、お食べになって下さい」
フリード様は徐々に近づいてきて匂いを嗅いでいき、パクッと少量を口の中に入れる。
「む、これは…美味い!! どうやら魚肉をメインにしているようですが、いくつもの野菜の味を感じます。私は野菜をあまり好まないのですが、この一体感は素晴らしい!! 肉と野菜のハーモニーですよ!! 全てが絶妙にマッチしています!! む…もう終わりですか、少し物足りないですね」
食レポしながら、凄い勢いで食べていったわ。
次は食後のデザート、ペロチュールを与えてみよう。
○○○
フリード様は、最後のペロチュールに対して、どんな食レポをしてくれるのかな?
「食後のデザートです」
本当はデザートじゃないけど、量も少ないから仕方ない。
「これは良い‼︎ この濃厚な味、どんな魚が使われているのか知りませんが、魚肉のエキスを濃縮させた味、ほのかに甘く鼻腔を燻らせる匂い、全てが一級品です‼︎」
私の抱いた猫又フリード様への感想、それはただただ食レポの上手い芸人さんという印象だわ。だって、喋り方が少し怖いわりに、話す言葉が物凄く饒舌でユーモアもあり、そのギャップを面白く感じてしまったのだから。
周囲にいる猫たちも、涎を垂らしながら、空っぽとなったお皿を見つめている。フリード様のおかげで、献上品のことがかなり気になるみたい。これなら猫たちにご褒美としてあげても問題ないかな。
「ふ~咲耶さん、私は満足です。まさか、これ程の貴重な献上品を用意されるとは思いもしませんでした。ただ、これらをこの街で再現させる事は可能なのですか?」
あ、そこは気になるよね。
「スキルに目覚めたばかりですが、それらを活かしきれば再現可能だと思います。というより、猫たちの楽園のためにも必ず実現させてみせます‼︎」
フリード様は、私をじっと見つめている。
猫たちが神と崇める猫又様には、嘘を付かずに、自分の目標をきちんと伝えたい。
「素晴らしい、そして面白い‼︎ ルウリが気にいるのもわかりますよ。咲耶、右手の掌をを私に向けなさい」
「へ? あ…はい」
私がしゃがんで右手を差し出すと、フリード様は左前足を私の右手にくっつけた。すると、何かが流れ込んできた。あれ? この感覚はルウリの時と似ている。あの時は、ルウリの嘴が私の額とくっついて、魔力が流れ込んできたんだ。
あ…まさか!?
「ふふふ、これで私はあなたの従魔となりました。これからは、フリードと呼びなさい」
「良いんですか!? 私は、弱いんですけど!!」
従魔契約って、そんな簡単にするものなの?
「構いませんよ。10歳という年齢で、強い方がおかしいですから。そもそも、精霊や魔物は《強い者と契約を結ぶ》という訳ではありません。魔物や精霊たちの性格次第で、求めるものが違うのです」
そういうものなの?
「私の場合、数百年も生きていますから、今更強い者に従っても面白くありません。私の求めるもの、それはズバリ……【食事】です!!」
少し間が空いたから、どんな言葉を言うのかと、私も猫たちも期待していたのに、出てきた言葉が食事なの?
つまり、私自身ではなく、ペロチュールや猫缶に興味を持ったってこと?
数百年も生きてきた猫又が、餌に釣られて従魔契約していいものなの?
プライドとかないのかな?
「あの…餌目当てで、契約ってありなんですか?」
「大アリです‼︎ 私は美食家として数百年も世界中を渡り歩き、これまでに様々なものを食してきました。世界には美味なる物が沢山あると言われていますが、流石に200年以上も渡り歩いていると、舌が肥えてしまい、全てに飽きてしまうのですよ!!」
う~ん、声を張り上げていうものだから、妙に説得力を感じるわ。
どんなに美味しい料理であっても、それを毎日食べていたら飽きてしまうもの。
「今食べた品々は、私が予てから求めていた飽きのこない新規の味なんです。人間の寿命など、所詮80から100年程度、あなたの従魔になっても、なんら問題はありません。猫たちから、既に猫カフェの件も聞いています。私がその店を守る代わりに、あなたは献上した品々を必ず実現させ、それを私に毎日与えなさい」
「それで良いのか、猫又フリードよ」
ルウリ自身も、日本から持ち帰ってきた鳥用の餌にご満悦だったけど、そこは何も言わないのね。
「いいんです!!」
本当にいいんだ。
餌目当てで従魔契約する魔物っているんだね。
私はこの世界で目覚めて間もないし、今後もこんなひょうきんな魔物さんたちと出会えたら面白いだろうな。
「わかった。必ず実現させ、猫カフェで提供することを約束するわ」
私がはっきりと断言した者だから、周囲にいる猫たちが嬉しさのあまり、高々と遠吠えらしき鳴き声をあげる。みんなが和気藹々と歓喜の声をあげている雰囲気、私は大好きだ。こんな雰囲気をずっと保てるよう、素敵な猫カフェをアマンガムさんたちと協力して建設していこう。
○○○
次回以降、旧版とは全く異なる展開となります。
溜まり場中央には、猫たちの視線を一手に集めている1匹の黒猫がいる。見た目は普通の猫なんだけど、尻尾を見ると3本もあるわ。あの子が《猫又》という魔物なんだね。
あ、猫又様がこっちを見ているわ。
「おやおや、これは驚きました。まさか、こんな辺境の街中でフェアリーバードのルウリと再会するとは。およそ50年ぶりですかね?」
まさかのルウリの知り合い!?
人の言語で話しかけられてきたから、やっぱりこの子は知能の高い猫又様なんだ。
「正確には53年ぶりだよ、フリード。まさか、猫又の中でも最強格と言われている君にここで再会するとはね。それで、僕に用でもあったのかい?」
2人が知り合いなのは驚きだけど、仲も良さそうだし、これなら問題も起きることなく、献上品を渡せそう。
「あなたとの再会は偶然ですよ。私は世界中を旅する流離の猫又、昨日この街に到着したばかりなんです。ほほほ、こういった旧友との再会が稀に起きるからこそ、旅は面白いのです。それに来て早々、猫たちから面白い話題を拾いましたよ。私は、猫語を理解できる《咲耶》という女性に興味を持ちました」
猫たちに慕われているのなら、私の名が出てもおかしくない。
もしかして、猫カフェの件も聞いたのかな?
「へえ、奇遇だね。今の僕は、その咲耶の従魔なんだ」
従魔と聞いた瞬間、猫又様が少し驚いた表情を私たちに見せる。
「ほう、人嫌いで霊峰に篭っていたあなたが従魔ですか。これは驚きです。そうなると、そこの女の子が?」
人嫌いで、霊峰に篭っていた?
今、初めて知ったわ。
そういえば、野生の鳥ハミングバードも、人嫌いで山の奥深くに生息していると、ベイツさんが言っていた。昔はそうだったかもしれないけど、今のルウリは初対面の人であっても警戒こそするけど、そこまで人嫌いのように見えない。
「あの…猫又様、初めまして。私は咲耶と言います」
ここで初めて猫又様と、目が合ったわ。
「私の名はフリード、ほ~う、これは驚いた。齢10歳でその魔力量、属性が《時空》であれば納得です。スキル自体も大変興味深いのですが、魔力感知や魔力制御も拙いようでは、せっかくの能力が台無しですよ」
出会って間もないのに、いきなり貶された。
しかも、私のステータスもスキル《鑑定》で無断で見られたわ。
凄く失礼な行為なんだけど、可愛らしいせいもあって怒れないよ。
「スキルや魔力に関しては今日目覚めたばかりなんだ。これから訓練すれば、成人する頃には、かなりの強者になれると思う。それに、今時珍しいほどの清浄な魂を持っているしね。僕は、最後まで付き合うつもりさ」
私を貶した相手に同調して、普通に会話しているルウリも凄い。
この2人、友人というだけあって、結構気が合うのかな?
「ほほほほ、なるほど、なるほど、なにやら事情がおありのようで。なんにせよ、幸先がいいですね。なんせ、友人のフェアリーバードと53年ぶりに再会できたのですから」
この言い方から察すると、私のことを貶しているわけじゃないんだ。
私に、今後生きていく上でのアドバイスを与えてくれたのかな?
2人の雰囲気もいいし、献上品のことを言ってみよう。
「あの…フリード様。猫たちの要望で、献上品を持ってきました」
猫又のフリード様は、再び私に視線を合わせる。
なんだろう…全てを見透かすような視線だわ。
「ほう…献上品ですか。それは、どのような物ですか?」
他の猫たちもヒヤヒヤしながら、私たちを心配な目で見ている。
緊張する…強い魔物だから、気に入らなかった場合はどうなるのかな?
今は変なことを考えず、精一杯もてなす事だけを考えよう。
「フリード、君は運がいい。献上品は異世界の品で、それも猫に特化した極上品だ」
「む、異世界ですと!?」
ルウリの言葉に、フリード様も興味を持ってくれた。
地球のことを知っているのかな?
先程から3本の尻尾をふりふりと振ってくれているから、献上品にかなり興味を持ってくれているのがわかる。お昼も近いし、まずは高級キャットフードと最高級缶詰のダブルで攻めてみよう。
「フリード様、こちらです。昼食としてどうぞ」
私は《アイテムボックス》から、フレークタイプの猫缶、カリカリで芳醇なキャットフード、天然ミネラル水の3種と受け皿2枚を取り出し、蓋を開け食事の準備を進めていく。すると、フリード様だけでなく、周囲の猫たちも匂いに気づき、餌を凝視する。
「この…嗅いだことのない芳醇な香りは…これが昼食だと…人の用意する料理程の豪華さはないが…なんだ…この魅せられるような感覚は…目が離せん」
食べてもないのに、食レポしてない? 私は猫缶の中身をスプーンで全てお皿に盛り、キャットフードと混ぜていく。
「準備完了です。どうぞ、お食べになって下さい」
フリード様は徐々に近づいてきて匂いを嗅いでいき、パクッと少量を口の中に入れる。
「む、これは…美味い!! どうやら魚肉をメインにしているようですが、いくつもの野菜の味を感じます。私は野菜をあまり好まないのですが、この一体感は素晴らしい!! 肉と野菜のハーモニーですよ!! 全てが絶妙にマッチしています!! む…もう終わりですか、少し物足りないですね」
食レポしながら、凄い勢いで食べていったわ。
次は食後のデザート、ペロチュールを与えてみよう。
○○○
フリード様は、最後のペロチュールに対して、どんな食レポをしてくれるのかな?
「食後のデザートです」
本当はデザートじゃないけど、量も少ないから仕方ない。
「これは良い‼︎ この濃厚な味、どんな魚が使われているのか知りませんが、魚肉のエキスを濃縮させた味、ほのかに甘く鼻腔を燻らせる匂い、全てが一級品です‼︎」
私の抱いた猫又フリード様への感想、それはただただ食レポの上手い芸人さんという印象だわ。だって、喋り方が少し怖いわりに、話す言葉が物凄く饒舌でユーモアもあり、そのギャップを面白く感じてしまったのだから。
周囲にいる猫たちも、涎を垂らしながら、空っぽとなったお皿を見つめている。フリード様のおかげで、献上品のことがかなり気になるみたい。これなら猫たちにご褒美としてあげても問題ないかな。
「ふ~咲耶さん、私は満足です。まさか、これ程の貴重な献上品を用意されるとは思いもしませんでした。ただ、これらをこの街で再現させる事は可能なのですか?」
あ、そこは気になるよね。
「スキルに目覚めたばかりですが、それらを活かしきれば再現可能だと思います。というより、猫たちの楽園のためにも必ず実現させてみせます‼︎」
フリード様は、私をじっと見つめている。
猫たちが神と崇める猫又様には、嘘を付かずに、自分の目標をきちんと伝えたい。
「素晴らしい、そして面白い‼︎ ルウリが気にいるのもわかりますよ。咲耶、右手の掌をを私に向けなさい」
「へ? あ…はい」
私がしゃがんで右手を差し出すと、フリード様は左前足を私の右手にくっつけた。すると、何かが流れ込んできた。あれ? この感覚はルウリの時と似ている。あの時は、ルウリの嘴が私の額とくっついて、魔力が流れ込んできたんだ。
あ…まさか!?
「ふふふ、これで私はあなたの従魔となりました。これからは、フリードと呼びなさい」
「良いんですか!? 私は、弱いんですけど!!」
従魔契約って、そんな簡単にするものなの?
「構いませんよ。10歳という年齢で、強い方がおかしいですから。そもそも、精霊や魔物は《強い者と契約を結ぶ》という訳ではありません。魔物や精霊たちの性格次第で、求めるものが違うのです」
そういうものなの?
「私の場合、数百年も生きていますから、今更強い者に従っても面白くありません。私の求めるもの、それはズバリ……【食事】です!!」
少し間が空いたから、どんな言葉を言うのかと、私も猫たちも期待していたのに、出てきた言葉が食事なの?
つまり、私自身ではなく、ペロチュールや猫缶に興味を持ったってこと?
数百年も生きてきた猫又が、餌に釣られて従魔契約していいものなの?
プライドとかないのかな?
「あの…餌目当てで、契約ってありなんですか?」
「大アリです‼︎ 私は美食家として数百年も世界中を渡り歩き、これまでに様々なものを食してきました。世界には美味なる物が沢山あると言われていますが、流石に200年以上も渡り歩いていると、舌が肥えてしまい、全てに飽きてしまうのですよ!!」
う~ん、声を張り上げていうものだから、妙に説得力を感じるわ。
どんなに美味しい料理であっても、それを毎日食べていたら飽きてしまうもの。
「今食べた品々は、私が予てから求めていた飽きのこない新規の味なんです。人間の寿命など、所詮80から100年程度、あなたの従魔になっても、なんら問題はありません。猫たちから、既に猫カフェの件も聞いています。私がその店を守る代わりに、あなたは献上した品々を必ず実現させ、それを私に毎日与えなさい」
「それで良いのか、猫又フリードよ」
ルウリ自身も、日本から持ち帰ってきた鳥用の餌にご満悦だったけど、そこは何も言わないのね。
「いいんです!!」
本当にいいんだ。
餌目当てで従魔契約する魔物っているんだね。
私はこの世界で目覚めて間もないし、今後もこんなひょうきんな魔物さんたちと出会えたら面白いだろうな。
「わかった。必ず実現させ、猫カフェで提供することを約束するわ」
私がはっきりと断言した者だから、周囲にいる猫たちが嬉しさのあまり、高々と遠吠えらしき鳴き声をあげる。みんなが和気藹々と歓喜の声をあげている雰囲気、私は大好きだ。こんな雰囲気をずっと保てるよう、素敵な猫カフェをアマンガムさんたちと協力して建設していこう。
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