10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護

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3章 異世界交流

36話 家族団欒 *光希視点

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お父さんが早めに帰ってきたから、久しぶりの4人全員で夕食を食べています。今日のメニューはハンバーグ、私の一番大好きな食べ物だからパクパク食べていくと、いつの間にか全部食べちゃった。

「ご馳走様~~~」
「光希、いつもより食べ終えるのが早いな。何かあったのか?」

ふふふ、お父さんにはまだ咲耶お姉ちゃんのことを伝えていない。
絶対、びっくりするだろうな。

「あのね、今日ね、咲耶お姉ちゃんといっぱい話し合ったんだよ!!」
「ブフ~~~~ゴホゴホ、なんだっゴホゴホ」
「あなた!?」「父さん!!」

夕食後に話す予定だったけど、我慢できずに言っちゃった。そのせいなのか、お父さんが驚いて、飲んでいる途中のビールを床に吐いちゃった。

「もう光希ったら、こうなると思ったから夕食後に話すように言ったでしょう?」
「ごめんなさい」

お母さんが慌ててタオルを持ってきて、お父さんに渡している。
お兄ちゃんは、クククって笑ってる。

「咲耶だって!? 母さん、悠太、どういうことだ?」
「父さん、夕食後に話すよ。早く食べて、後片付けも終わらせよう」
「悠太も、何か知っているようだな。なんだ、俺だけ仲間外れなのか?」
「違うよ。今日の夕方に起きた出来事なのさ」

お父さんは納得して、そこからは超スピードで黙々とハンバーグを食べ、ビールを飲んでいく。夕食が始まってから30分ほどで、後片付けも終わっちゃった。これは、最短時間かもしれない。

私たちはソファーに座り、食後のジュースを飲んで一息付くと、お母さんが今日起きた出来事を話してくれた。そして、私がタブレットのアプリ[異世界交流]を起動させ、メッセージ欄を見せると、お父さんはそれをまじまじと見つめる。

「お~~~これは咲耶で間違いない!! まさか、異世界に転生した咲耶とこうして話し合える日が来るとは……いやはや驚きに尽きる」

お父さん、お兄ちゃんと似た事を言ってる。

「あ、お姉ちゃんがスキルを動かしたよ!!」

あれ?
お姉ちゃんの顔が表示されたけど、メッセージが飛んでこない。
なんで?

「うん? おい光希、交流レベルが2になってるぞ」
「「「え!?」」」

私もお母さんもお兄ちゃんもタブレット見ると、確かにさっきまで[1]だった箇所が、[2]に変化してる。2になったら、何ができるのかな? 説明欄も表示されないから、全然わからない。

「お、メッセージが来たぞ!! あれ? 文章の下にあるものって、もしかして添付ファイルか?」

《光希、レベルが2に上がったことで、写真の送受信ができるようになりました。私の仲間達と写真を撮ったので、それを送るね。全員が強くて、とっても頼りになります。私も、もっと強くなりたい》

写真の送受信!?
もう使えるの!?

「あれ? さっきからタップしているのに、全然反応しないな。そうか、光希専用のアプリと聞いたが、こういう意味だったのか。光希、ファイルを開けてくれないか?」

「うん!!」

写真を早く見たい!!

私がファイルをタップすると、一枚の画像が画面いっぱいに表示され、そこには10歳くらいの女の子が2人、大人の男性が1人、綺麗な鳥さんが1羽、3本の尾がある黒猫さんが1匹いて、みんなが笑顔を見せている。ご丁寧に、誰なのかも名前付きで描いてくれている。お姉ちゃんの場合、咲耶(=リリアーナ)になってる。

「この中央にいるプラチナブロンドの髪色をした外人さんが、お姉ちゃんなんだね。可愛いな~」

「驚いたな、これが今の姉さんなのか」
「可愛いわ~。もう少し成長したら、男にモテモテになるわよ!!」
「そうだな。今からでも、咲耶の将来が気になる」

勿論、咲耶お姉ちゃんも気になるけど、私は隣にいる獣人のユウキさんも気になるよ。獣人さんの耳を触りたいし、尻尾ももふもふしたいな~~。そうだ、私の希望を書いちゃえ!!

《みんなが、お姉ちゃんたちの姿を見て絶賛してるよ。私は、ユウキさんが気になる。こっちには、獣人さんなんていないから凄く新鮮!! 耳を撫で撫でして、尻尾をモフリまくりたい》

《そっか、獣人は地球に存在しないよね。ユウキに聞いたけど、獣人の尻尾は結構敏感らしく、モフリまくるのは勘弁してだって》

《そっか~、尻尾は獣人さんの弱点なんだね。それを聞くと、ますますモフリまくりたいです。何処かで出会ったら、必ずモフらせてください》

《あはは、ユウキが両手で自分の尻尾を必死に庇ってる》

ユウキさんって面白い人だな~。
ビデオチャットの機能を実装させて欲しいな~。
それがあれば、互いに話し合えるのに、残念。

「あら? 咲耶とユウキばかり見ていたけど、ルウリは地球のハミングバードにそっくりね」

「ああ、これは間違いなくハミングバードだ」

ハミングバード?

お母さんとお父さんは、この鳥さんを見たことあるんだ。お姉ちゃんからルウリのことも聞いているけど、この鳥が地球にもいるんだ。

「お兄ちゃん、この鳥さんがいるなら、3本の黒猫さんも地球にいるかな?」
「流石に、猫又は地球に存在しないよ。ハミングバードなら、日本国内の動物園を探せば見つかるかもしれない」

「本当に!? 休みの日に、動物園に行きたい!!」

猫又さんがいないのは残念だけど、ハミングバードがいるのなら、絶対見たい!! 添付画像の中には、お姉ちゃんの左肩に乗っていて凄く可愛いもの!!

「それじゃあ、連休の日にでも行ってみるか?」
「うん、行く!! そうだ、お兄ちゃん、こっちの写真も送ろうよ」

「お、そうだな。保護者のベイツさん、友達のユウキ、従魔のルウリとフリードは、俺たち家族のことを姉さんから聞いているだけで、姿を知らない。写真を撮って、一言《咲耶[姉さん]を助けて頂きありがとうございます》というメッセージも載せておこう」

「うん!!」

私はお父さんたちと一緒に写真を撮り、それをお姉ちゃんに送ると、今度は一人一人の写真付きメッセージが添付されてきた。

ベイツ
[私は2年前の天災で、妻と娘を亡くしています。だからこそ、あなた方の家族の絆の深さがわかります。保護者として、責任を持って咲耶を育て上げます]

ユウキ
[咲耶は、私の命の恩人です。彼女がいなければ、私は確実に何処かで死んでいたでしょう。仲間として、咲耶と共に生きていきます]

フリード
[そちらのご両親には感謝しています。あの餌類は、私たち猫にとって極上の品々です。あの品々を再現してもらうためにも、咲耶を生涯守り抜きましょう]

ルウリ
[神の御使をしているルウリだよ。この世界の咲耶の両親は、僕とフリードとベイツで懲らしめておいたから安心してね]

私たちは内容を見ると、お父さん、お母さん、お兄ちゃんも優しく笑みを浮かべていて、軽く涙ぐんでいた。この人たちがいれば、お姉ちゃんも安心して暮らせるよね。

お姉ちゃんのおかげで、私たち家族も幸せな気持ちでいっぱいだ。
お姉ちゃんが、私たち家族の絆を深めてくれているんだ。





○○○


これにて、第3章終了となります(๑>◡<๑)
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