カードガチャでリスタート‼︎〜パーティーを追放されたカード戦士は導き手となって最善ルートを突き進む〜

犬社護

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13話 カード戦士、フィリアナのステータスを知る

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フィリアナによって、魔力暴走による大騒動は全て鎮静化された…らしい。俺自身が中心地にいないため、それが真実なのか皆目わからないものの、彼女の言葉を信じることにした。この大騒動は、本日中に冒険者ギルドへ伝わるだろうから、明日にでもリダさんから全内容を聞いておこうと思う。

そして現在、俺達は森を抜け出て、王都ブルセイドへと通じる街道を歩いているところだ。あのまま森近辺に止まっていると、学生達と鉢合わせして一悶着起こる可能性が高い。特に、あの女がフィリアナに気づく可能性もある。聖獣だと一目で見抜いた力があるのなら、獣人化している彼女にも気づくかもしれない。そうなったら、その場を騒がせてしまう。

フィリアナもあの女に復讐したいと訴えていたが、俺が『他の生徒達を巻き込んではダメだ。君も生き返ったばかりだから、まずは身体を休めよう。学園に行けば、いつでも復讐できる』と諭すと、彼女も納得してくれた。魔力暴走の影響からか、俺達は魔物と遭遇することもなく、森を無事に抜け出し、街道へ出ることができた。

やっと落ち着ける状況となったため、俺は自分のステータスを確認したのだが、どういうわけかノーマルスキルの欄には何も表示されておらず、新たに称号欄だけが追加されていた。

魔力属性:風、土、水、NEW《光》
ノーマルスキル:なし
称号:聖獣フリーゼの加護
(《光属性》と《状態異常耐性スキル》の取得、身体能力値【三倍上昇】)

どういうことだ?

称号欄にはフリーゼ様の言った通り、状態異常耐性スキルの取得が表示されているけど、肝心のノーマルスキルの欄には何も記載されていない。これでは、スキルを取得したのかがわからない。身体能力も数値通り上昇しているのだろうか?

とりあえず、フィリアナの強さの方も確認しておこう。

従魔 
種族:《聖獣形態時》聖獣パピヨン種、《獣人形態時》獣人
名前:フィリアナ
性別:女
年齢:百十二歳
魔力属性:嵐(風の上位)・大地(土の上位)・森(木の上位)・海(水の上位)・聖(光の上位)・空間
職業:セラピードッグ Lv35

職業固有スキル:アニマルセラピー
種族固有スキル:透視、伝播、獣人化、聖獣化、クリアシート

ノーマルスキル一覧
伝達系:念話、
格闘系:体術、聖爪術
魔力系:魔力感知、魔力制御
遮断系:気配遮断、魔力遮断、擬態、潜伏、隠密
補助系:身体強化、威圧、限界突破、聖呪反転、鷹の目

魔法一覧    
聖属性:ミストフォッグ、クリアキュアヒール、ホーリーブレス、ホーリーフィールド
光属性:キュア、ヒール、ハイヒール、エクストラヒール、ワイドヒール、パーフェクトヒール
嵐属性:テンペストウォール
大地属性:クラックウォール
海属性:津波

職業《セラピードッグ》
周囲にいる者達の身体や精神を癒すことができる職業。スキル《アニマルセラピー》と併用することで、魔法を使用しなくとも、身体面だけでなく、精神面の回復を促す効果もある。その場合の効果範囲は職業レベルに依存する。回復特化型の職業であるため、物理攻撃力は低く、攻撃魔法を殆ど取得できない。なお、聖獣形態になると、物理攻撃力が大幅低下する反面、全ての回復効果が三倍UPする。


やはり、俺と同じく、具体的な強さを示す指標が記載されていない。攻撃や防御、魔力量といったものが数値化されていれば、ある程度参考になるのだけど、職業の説明欄だけで判断するしかない。

これを見る限り、フィリアナは回復特化型の前中衛に属するようだ。攻撃魔法も僅か二つしかない。《ブレス》と《津波》、どう考えても初級魔法じゃあないだろう。どの程度の威力なのか把握するまで、実戦で使用しない方がいい。

「フィックス、その様子から察するに、妾のステータスを見たのじゃろう?」

彼女は浮かない顔をしている。
この言葉遣いになったのも、何か事情があるのかもしれない。

「ああ、見たよ。君の職業は回復特化型、今後二人で冒険者活動を続けていくから、戦闘方法も考えないといけないね。もう、君を死なせたくない」

いくら回復魔法があろうとも、今回のような突発的事象が起きてしまったら防ぎようがない。互いの情報をきちんと交換しておかないと、後々不味いことになる。

「それだけ…なのか…の?」

なんだ?
何故、モジモジしながら俺を見ているんだ?

「その…妾のスキルや魔法を知って、フィックスは何も抱かない? 嫉妬とかしたり…利用したりしない?」
 
嫉妬?利用?

「どうして? 別段怖いとも思わないし、嫉妬もないよ。というか、《嫉妬》という感情は当に尽きたよ。周囲にいる連中は、皆俺より強いし、個性も持っている。そりゃあ、子供の頃はその強さに憧れ嫉妬もしたけど、そんな感情を抱いても何も変わらないことを学んだからね。俺にとって、フィリアナは従魔というよりパートナー的存在だ。君に対して、嫉妬なんか抱かないし、その力を悪用しようとも思わないよ」

俺の答えに満足したのか、フィリアナはパアっと和かな顔となり、さっきまで感じた奇妙な緊張感が無くなり、スキップをとりながら歩を進めていく。もしかしたら、彼女はこの特異体質のせいで、何か事件に巻き込まれたのだろうか?

どんな事情があろうとも、俺が彼女を蘇生させた以上、責任を持って彼女の強さを見極め、二つの形態を使い分けながら生活を共に歩んでいこう。ただ、俺は主従契約もあって、フィリアナのプライバシーに大きく踏み込んでしまった。もっと彼女のことを知りたいと思うけど、俺ばかり聞いては彼女も不機嫌になるだろう。

今度は、自分の過去を彼女に話そう。

「フィリアナ、王都に到着するまで、まだ時間がかかる。だから、俺のことを話しておくよ」

俺が孤児であること、平民の中でも貧民に入る部類で、寝ぐらがスラム街にあること、スラム街出身の三人と五年間パーティーを組み、冒険者活動をしていたが、つい先日追放されたことを話すと、彼女の顔色はどんどん険悪化していった。

「復讐じゃ、復讐じゃ~~、フィックスは《フェンリルの牙》の三人、妾は《あの女》に復讐じゃ~~」

はは、やっぱりそうなるか。

「復讐したいのは山々なんだが、俺の場合、力が足りないし、必要なカードも足りない」

俺の答えに納得がいかなかったのか、フィリアナは首を傾げる。

「力はわかるが、《カードが足りない》というのは、どういう意味じゃ?」
「それは、俺のねぐらに帰ってから教えるよ。ここだと、誰が聞いているかわからないからね」
「む…それもそうじゃな」

俺の場合、《復讐》ではなく《見返す》が正しいかもしれない。それに、自分の職業のことで、まだ不明な点が多い。加護を貰えたにも関わらず、何故かノーマルスキル欄に反映されていない。仮に加護で強化されたとしても、元々の能力が低い以上、力で見返す事は困難だろう。だからこそ、【カードの力】が必要なんだ。

いつの日か必ず、俺の納得するカードが出現するはずだ。
それまで、自分の力を磨いていく。
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