邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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1章 テルミア王国 王都編

邪族の目的と陰謀

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   アルテハイム王国、獣人が築いたもう1つの国、レーデンブルクとは同盟関係にある。文献によると、元は1つの大きな国だったけど、500年前、邪族が獣人達との関係を裏で操り引き裂いた。それによって生じた国だ。原因は邪族とわかっていても、わかった時点で関係がこじれにこじれていた。建国当時は国家間での戦争が頻繁していたが、当時の勇者達の活躍により、関係は修復され平和条約が締結された。元々国自体が非常に大きかったため、国王の権力自体が全ての領土に行き届いていなかった。そこを邪族に突かれたわけだが、今では2つに分けた事で、お互いの長所と短所が明確にされ、現在ではそれをお互いが補っている関係となっている。


「フィン、落ち着きなさい。リッチの言葉を聞いてなかったの。ソフィアは邪族に操られていたのよ。おそらく、あの子自身、フィンに呪いを発動させたこと自体気付いてないわ。全ては、邪族が悪いのよ。多分、あなたが持つユニークスキルと称号を剥奪させることが目的なのでしょう。」

「-----あ、はい、ソフィア様の意志では、ないんですよね?」

「そうね、意志ではないでしょう。でも、心の中で思った事、あるいは潜在的な思いを利用されたんでしょう。」

「そんな!でも、ソフィア様は自制して、こんな私とずっと接してくれたんだ。----邪族、許せません!」

落ち着いたようね。

「邪族に操られたソフィア・アレンシャルは、ガルム一味にあなたの誘拐を依頼したんでしょう。」

「-----はい、そうだと思います。ソフィア様は、レオン様と同い年の14歳で、本当に優しい方なんです。学園で知り合い、レオン様との3人で話し合い修行して楽しかったのを覚えています。私がステータス異常を引き起こしてからも、レオン様同様、凄く心配してくれました。」

なるほどね、根は良い子のようね。話し合っていくうちに、レオンに恋心を持ったのね。そして、それを邪族に利用された。


「リッチ、ソフィアはまだ生きているの?」

「はい、健在です。度々観察していましたが、今は、邪族に操られていた事にも気づいていません。ただ、気付くのも時間の問題だと思われます。夢に魘されているようですから。」

不味い!もし気付いたら、罪の重さに耐えかねて自殺するわ。となると、


「リッチ、フィンの呪いを解放後、ソフィア・アレンシャルに同じ、いやそれ以上の呪いを掛けてちょうだい。力が足りなければ、私の力を使いなさい。呪いの内容としては、全能力値を50に固定、現在所持しているスキル・ユニークスキル全て剥奪、そしてスキルに【精神耐性 レベルMAX】、称号に自殺不可を付けなさい。呪いの発動期間は5年よ。」


「はい、サーシャ様のお力をお借りすれば、造作もありません。」

「ふぇ~~!全能力値を50、スキルも全て剥奪!ちょっと待って下さい。ソフィア様は邪族に操られていたんですよ。いくら何でも酷すぎでは?」


「何甘い事言ってるの。あなたは私に会わなければ、間違いなく死んでたのよ。それに、闇魔法の禁術『サクリファイス』、おそらくリッチに命令させるために100人ぐらいの獣人が生贄になっているわよ。」

「100人の獣人!そんな生贄だから、同じ邪族を使ったと思ってました。、無関係の獣人達を100人も生贄にしたんですか!」

相当、驚いてるわね、無理もないけどね。

「邪族より異なる種族を生贄にする事で、効果が高まるのよ。あなたのステータスがおかしくなった時、周りで何か起こらなかった?」

フィンは、ずっと考え込んでいたが、思い当たる事があったみたいね。顔が急に青ざめた。

「---あ、あ、ありました。貧民街の方で、大人・子供合わせて100人近い人数が行方不明となりました。騎士団は行方を追いましたが、結局分からずじまいでした。」

「それね。『サクリファイス』は身も心も犠牲にするから、身体は完全に消滅しているわ。」

「そんな!」

「操られていたとはいえ、ソフィアはそれだけの獣人達を殺したの。貧民街とフィンの行方不明事件、全て自分がやった事だと、いずれ、本人も気付くでしょう。その兆候は、もう出始めてる。気付けば、罪の重さに耐え兼ねて間違いなく自殺するわ。そうしないための戒めの呪いを掛けるのよ。」

「でも、でも、」

「安心しなさい。ソフィア自身が精神的におかしくならないように、【精神耐性 レベル MAX】を付与させるわ。」

「呪いでも、可能なんですか?」

「それ相応の力が必要だけど可能よ。この呪いを与えておけば大丈夫でしょう。それじゃあ、リッチ、フィンの呪い解放後、ソフィアに先程の呪いを与えなさい。私の邪力は、これぐらいでいいかしら。」

「これ程、使用しません。1/3程余ってしまいます。」

「余ったのなら、あなたの道具、そうね、その杖の宝石に入れなさい。かなり強化されるはずよ。攻撃力も上がるし、あなたの弱点を補えるんじゃないかしら。」

「良いのですか、ありがとうございます。非常に助かります。それでは、フィンよ、こちらに来なさい。」

「ふぇ!あ、はい。」

これで、フィンの呪いは解放された。

「あとは頼んだわよ。ソフィアやレオンが何か質問してきたら、正直に答えてあげなさい。今度、邪神について聞きたい事があるから、近いうちに召喚するわ。」

「は!畏まりました。それでは、失礼します。」


リッチの気配が消えた。物分かりのいい奴でよかった。無駄な戦いは避けたかったからね。あらら、フィンは緊張してたのかな、そのまま寝ちゃたか。このまま、奴隷商人 のところまで行って、奴隷を解放してもらおう。



呪いの解放と奴隷の解放、全てが問題なく終了した。ただ、お金も無くなった。まあ、明日冒険者ギルドに行けば、懸賞金が貰えるから一安心かな。あ、フィンも起きたか。

「よく眠れたかしら?」

「あ、師匠、変な夢を見ました。私には呪いが掛かっていて、その実行者がソフィア様で、師匠が呪いから解放してくれました。」

寝ぼけてるわね。

「フィン、それは全部本当の事よ。ついでに、奴隷からも解放されたわよ。」

あ、これはくるね。『サイレント』をしておこう。

「----え、え、え~~~~!全部、本当なんですか。ステータス出てきて。」

私もフィンのステータスを確認しておこう。

名前    フィン・レーデンブルク
種族    獣人、レーデンブルク王国第3王女
年齢     12
レベル    1
基礎能力値
攻撃     35  → 473
防御     30 →  326
素早さ    45 → 638
運       13 →  20
魔力     10 →  210

スキル     俊速3  体術3  爪術1  魔力循環1  魔力操作1  雷魔法1
ユニークスキル  神獣化(フェンリルとなる事で全能力値10倍  制限時間10分)

称号  神獣フェンリルの加護 (全能力値 中補正)

嘘~~~!フィン強いじゃない。12歳で、この強さて何よ!あ、この称号のお陰か。ユニークスキルも強力だ。邪族にとって、この2つが脅威に感じたのね。


フィンも大きく口を開けたままになっている。



「師匠、これは本当に私ですか。呪いを受ける前よりも、基礎能力値がかなり上がっているんですが。」

「おそらく、呪いを受けてから、余程の修行を重ねたんでしょうね。よかったじゃない、12歳のレベル1の数値から完全に逸脱してるけど。」


「でも、嬉しいです。やっと、やっと呪いと奴隷から解放されました。師匠、ありがとうございます。あ、ソフィアさんは大丈夫でしょうか?」

ふふ、喜んでもらえて良かったわ。それにしても、ここにきてソフィアの心配か。

「大丈夫よ。リッチには質問されたら、全て正直に答えるようにと言ってあるわ。フィンが生きている事もわかるでしょう。おそらく、それが救いになるはずよ。」

今後、邪族は私達を狙ってくるけどね。もちろん、全員始末するけど。

「さて、そろそろ夕食の時間ね。さあ、いっぱい食べましょう。」
「う、う、ぐす、はい!」

1階に降りると、レインさんがいた。

「サーシャ、聞いたわよ。ガルム一味を捕まえたんですって。大手柄じゃない!」

冒険者一同「「「なんだって~~、こんな可愛い子が~~」」」

「あ、はい、そうしないと奴隷にされそうだったんで。」

「あのね、もっと胸を張りなさい。ガルム一味はB級ブラックリストに入っていて、進出鬼没と言われてたのよ。」

全員、私が捕まえた事に驚愕している。あいつら、そこまで強かったのか。

「ギルド長からも言われたんですけど、まだ実感が湧かないんですよ。」

「まあ、無理もないかね。いきなり、あんな大物を捕まえたんだから。隣の子が奴隷だった子かい?」

「はい、もう奴隷からも解放されました。これからは、私の弟子として、一緒に旅をしていきます。

「あ、初めまして、私はフィンと言います。これからは、サーシャさんを師匠として、どんどん強くなっていきたいと思います。よろしくお願いします。」

「うんうん、可愛くて良い子じゃないか。レインだ、宜しくね。」

他の冒険者の人達とも、挨拶し握手してもらえたようだ。

「あ、明日懸賞金を貰えるから、フィンの奴隷解放のお祝いも兼ねて、夜、ここで宴会しませんか。もちろん支払いは、全部私持ちです。その時に合わせて、新作料理も出しますよ。」

1階にいる全員 
「「「よっしゃ~~!!!あの唐揚げだけでも美味いのに。その上、サーシャちゃんの新作手料理~~」」」

えー凄い絶叫だ。そこまでして欲しいもの?

「ゲイルさん、どうでしょうか?」
「俺は構わんぞ!うちの料理は増えるのなら大歓迎だ。」


こうして、明日の夜は、宴会となりました。
フィンのお祝いもあるし、たまには良いよね。
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