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間章1 勇者達の旅立ち
Aクラス邪族との戦い
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○○○ 桜木春人 視点
ついに最下層までやってきた。目の前に大きな物々しい扉がある。ここのボスは、ミノタウルスだ。体長は8m、攻撃力重視の邪族と聞いている。連戦で、次は3体の邪族と戦う事になるんだ。極力、力を見せずに倒したいところだ。ミノタウルスを短時間で倒す手段は考えてある。恐らく、あの3体はボスとの戦いで俺達を観察し、俺達が最も油断する時、つまり討伐直後を狙って襲ってくるはずだ。魂を察知出来たおかげで、前もって予想出来たけど、なかったら殺されていたか、誰かが犠牲になっていたかもしれないな。全員覚悟を決め、扉を開けた。
そこは、大きな広間だった。奥の玉座にミノタウルスが座っている。これがBクラスか。事前情報によると、ミノタウルスはBの中位に位置する邪族と聞いている。奴は玉座から立ち上がり、
「も~~~う」
『威圧』をかけてきた。
叫び声が牛そのものだったから、全員転びそうになった。奴は、威圧が効いたと思ったのか、ニヤと笑いやがった。ある意味、出鼻を挫かれた。
「全員、予定通りいくぞ!散開!」
「「「「おー!」」」」
久保は奴の左側、竜崎は奴の右側、島崎と吹山は2人行動で俺の後方に移動し、予定通り、半径3m程の聖魔法『ホーリーフィールド』(邪族を寄せ付けない魔法)を唱え、そこで新たな魔法を使用するまで待機だ。そして、俺は奴の正面まで移動した。やはり、勇者である俺しか見ていない。
「ミノタウルス、俺しか見ていないな。正々堂々勝負しよう---という面じゃないな。俺が勇者だからか。いいぜ、かかってこいよ。それとも怖いのか?図体だけ大きい弱虫野郎だな。」
この言葉に怒ったのか、奴は大きな唸り声をあげ、こちらに突進を仕掛けてきた。
----が、突進は失敗し、前に転んだだけとなった。奴自身も混乱し立ち上がろうとするがすぐに転んだ。悪いな、お前とまともに勝負するつもりはない。俺は、追撃するように島崎達に合図を送った。といっても、右腕を上げただけだ。
「「任せて」」
「「『ストーンパイリング』」」
奴の両手両足の真上に大きな杭とハンマーが現れ、脱出不可能とさせる為に、4つ同時に両手両足に深く撃ち込んだ。
《ガーーーン》《ガーーーン》《ガーーーン》《ガーーーン》
「ぐもも~~~~!」
奴は、あまりの激痛に呻き声を上げた。言っておくが、容赦は一切しない。お前らのせいで清水が邪族になり、俺達と離れ離れになってしまったんだがらな。『ストーンパイリング』により、両手両足には杭が撃ち込まれ、その杭はダンジョンの土に深く刺し込まれた。
「さて、ミノタウルス、この後どうなるかわかっているよな。悪いな、お前と真正面で勝負する時間がないんだ。早々に終わらせてもらう。」
俺は自分の身体に魔力を纏い、聖剣に炎を圧縮し鋭く纏った。
《ゴオオ~~》
「じゃあな。」
「ぐもも、ぐもも!!」
奴の命乞いを無視し、首を切断した。よし、討伐完了!次は、あの視線の奴等だ。
------妙だな、襲ってこない。仕方がない、ここで討伐しないといけないからな。
「おい、そこにいる邪族共、いつまでも隠れてないで出てこい。このダンジョンに入ってから見られているのは知っているんだよ。ここで決着をつけようぜ。」
すると、入り口の扉に近い壁から3つの人間の影が現れた。見た感じ、本当に人間の影だ。3体とも黒一色で、背は俺より少し高い2mぐらいか。こいつら、ミノタウルスのような威圧感はないし、邪力も感じられないが、底知れない何かを感じるぞ。みんなもわかっている様で、俺に集まって来た。
始めに声をかけてきたのは、吹山だった。
「みんな気をつけて。こいつらAクラスだ。基本能力値は、平均8000前後だよ。」
Aクラスか。冷や汗が出るぜ。底知れない何かを感じるな。そのうちの1体が話し始めた。
「初めましてと言っておこうか、勇者とその仲間達。本当は、ミノタウルス討伐直後に一瞬で死んでもらおうかと思ったんですが、まさか君達の力量でミノタウルスを瞬殺するとは思いませんでしたよ。今後の参考にしたいんで、どうやったのか教えてもらえませんか?」
お前ら見ていたんだろう。だったら察しがつくだろう。俺がミノタウルスと話している間に、久保と竜崎が奴の背後に回り込み、両足のアキレス腱をぶった斬ったんだよ。転んで体勢が不安定になったところへ、両手両足に魔力で固めた石の杭を撃ち込み逃げられないようにしたところで、首を切断した。見たまんまじゃないか。
「ここで討伐される奴等に教える必要はないね。」
「はは、なるほど、その言葉そっくりお返ししますよ。」
「勇者はあなたで間違いないですか?」
「ああ、俺が勇者だ。」
「聖女は、長い髪を後ろで綺麗にまとめている女性で間違いないですか?」
「そうだよ、私が聖女。それが何?」
その瞬間、辺りは深い闇に閉ざされた。
「島崎!」
「うん、『ホーリーフィールド』」
魔法が発動した瞬間、
『ギイイ~~ン』
と何かが『ホーリーフィールド』の膜とぶつかる音がした。
「ほう、咄嗟に結界を張りましたか?いいんですか、攻撃は防げても、私達を討伐出来ませんよ。」
こいつらの空間に閉じ込められたのか。それに3体ともいるということは、久保達は大丈夫そうだな。
「桜木どうしよう?あいつらの位置が全くわからないよ。それに夕実達のことも気になる。」
「ああ、安心して下さい。あなたたち以外、興味はありませんから放っておいてます。強いて言うなら、あなた達を殺してから友人達を殺しておきましょう。」
「ご親切にどうも。島崎、あいつらの言っていることは本当だ。3体とも、この空間の中にいる。」
「え、嘘!どうして、そんなことを教えてくれるのよ。おかしいでしょ。」
確かにそうだ。いちいち俺達に教える必要がないはずだ。
「我々も学習しているんですよ。以前なら、確かにあなた達の言う通り、1体を残っている仲間達に仕向けて始末するでしょうね。実際に、これまで我々の仲間が実行し、逆に討伐されたケースもありましたが、何度かその首を勇者の前に持って行ったこともありました。ところが、必ずと言っていい程、勇者が怒り真の力に目覚めるんですよ。我々としても、力に目覚めた勇者に討伐されたくありませんからね。まずは、あなた達2人を始末してから、仲間達を殺してあげましょう。」
確かに、久保・竜崎・吹山の首を持ってこられたら、怒るな。真の力とやらも目覚めるかもしれない。こいつら考えているな。俺にとっては、好都合な展開だがな。
「桜木、どうする?」
「決まってる、俺達2人で討伐するぞ。島崎は、ここから『あれ』の準備を頼む。時間がかかるんだろう?」
「そうだけど、桜木1人で3体同時は無茶だよ。」
「大丈夫だ、時間稼ぎぐらいならなんとかなる。」
俺にとっては、島崎がこの結界の中にいてくれた方が都合が良い。2つの技をここで試してやる。
「行ってくる。島崎、ここ以降、俺が瀕死の状態にならない限り、なるべく声をかけないでくれ。準備が整ったら言ってくれ。」
「え、あ!、わかった。気をつけてね。」
結界から出る前に、『魔力纏い』と同時に『精神一到』を発動させた。思ったとおりだ、周りから遮断されているおかげで、雑念が消え、ユニークスキルを発動出来た。
「おや、結界から出てきましたか?いいんですか、今のあなたの実力では我々を討伐出来ませんし、気配すらわかりませんよ。」
やはり、こいつら『魔力纏い』に気づいていないか。
「さあ、それはどうかな?かかってこい!」
『精神一到』のおかげで、奴等の性質がわかった。このスキル、予想以上に使えるぞ。
「そうか、では戦いを始めようか。」
周りは、闇一色、邪力を全く感じられないが、----俺の真正面から剣が、真後ろから闇属性の槍、上空からは闇属性の炎が飛んできた。そして----
《ギイイ~~ン》
飛んできたもの同士が互いにぶつかった。
「なに!3方向からの攻撃をなぜ避けれる?それならば、これはどうですか?」
奴等は俺から距離を取り、俺を中心に高速で回り始めた。そして、全方向360℃から闇属性の槍が放たれた。おいおい、普通なら上空に逃げるしかない。だが、罠だな。
「『ストームシールド』」
俺は、上昇気流を発生させる魔法を唱え、槍を完全に防いだ瞬間、3体のうち1体に的を絞り、全力でダッシュし、敵の右腕を斬った。
「ぐ、貴様、まさか我々の位置を完全に把握しているのか!」
通常なら、お前らを討伐するには、かなりの時間と労力を必要とするだろう。だが、今の俺には、『精神一到』がある。
ユニークスキル『精神一到』
精神を1つの事に集中すればする程、相手の真髄を見極め、倒すための正しい手段を知る事が出来る。ただし、必ず相手を視認しなければならない。また、雑念があった場合は、この境地に至ることは出来ない。
「そういう事になるな。」
次に、斬った相手を追撃しようと思ったが、後方にいる敵が隙だらけだったなので、足に魔力を集中させ後方の敵の目の前に移動し、一刀両断を試みたがさすがに避けられた。
「な!信じられん。この空間内で、我々を完全に把握出来るとは!これは、完全に予想外ですね。仕方ありません、本気でお相手しましょう。」
な!本気で相手!おいおい、お前らの性質は、相手を自分達の空間内に閉じ込め視覚を奪い、極めて迅速に暗殺することだよな。既に本気で戦っているはずだ。まだ、何か隠しているのか?
「おいおい、本気で相手?今のが本気じゃないのか?」
「ふふふ、ええ、今のが我々の本気ですよ。間違っていません。ですが、稀にいるんですよ。我々シャドウの存在を完全に把握し、討伐出来る者がね。あなたは不思議に思いませんでしたか?3体もいるのに、実際に喋っているのは、私だけということが?」
確かに、それは始めから思っていた。他の2体は、恐ろしく忠実に話している奴の動きに合わせ、攻撃を放ってきていた。
「確かに、不思議には思ったさ?どういうことかな?」
「ふふふ、見せて差し上げましょう。我々シャドウの真髄をね。」
なんだと、真髄!どういうことだ?『精神一到』で、全てを把握しているはずだ。
一体、何を見せるつもりだ?
ついに最下層までやってきた。目の前に大きな物々しい扉がある。ここのボスは、ミノタウルスだ。体長は8m、攻撃力重視の邪族と聞いている。連戦で、次は3体の邪族と戦う事になるんだ。極力、力を見せずに倒したいところだ。ミノタウルスを短時間で倒す手段は考えてある。恐らく、あの3体はボスとの戦いで俺達を観察し、俺達が最も油断する時、つまり討伐直後を狙って襲ってくるはずだ。魂を察知出来たおかげで、前もって予想出来たけど、なかったら殺されていたか、誰かが犠牲になっていたかもしれないな。全員覚悟を決め、扉を開けた。
そこは、大きな広間だった。奥の玉座にミノタウルスが座っている。これがBクラスか。事前情報によると、ミノタウルスはBの中位に位置する邪族と聞いている。奴は玉座から立ち上がり、
「も~~~う」
『威圧』をかけてきた。
叫び声が牛そのものだったから、全員転びそうになった。奴は、威圧が効いたと思ったのか、ニヤと笑いやがった。ある意味、出鼻を挫かれた。
「全員、予定通りいくぞ!散開!」
「「「「おー!」」」」
久保は奴の左側、竜崎は奴の右側、島崎と吹山は2人行動で俺の後方に移動し、予定通り、半径3m程の聖魔法『ホーリーフィールド』(邪族を寄せ付けない魔法)を唱え、そこで新たな魔法を使用するまで待機だ。そして、俺は奴の正面まで移動した。やはり、勇者である俺しか見ていない。
「ミノタウルス、俺しか見ていないな。正々堂々勝負しよう---という面じゃないな。俺が勇者だからか。いいぜ、かかってこいよ。それとも怖いのか?図体だけ大きい弱虫野郎だな。」
この言葉に怒ったのか、奴は大きな唸り声をあげ、こちらに突進を仕掛けてきた。
----が、突進は失敗し、前に転んだだけとなった。奴自身も混乱し立ち上がろうとするがすぐに転んだ。悪いな、お前とまともに勝負するつもりはない。俺は、追撃するように島崎達に合図を送った。といっても、右腕を上げただけだ。
「「任せて」」
「「『ストーンパイリング』」」
奴の両手両足の真上に大きな杭とハンマーが現れ、脱出不可能とさせる為に、4つ同時に両手両足に深く撃ち込んだ。
《ガーーーン》《ガーーーン》《ガーーーン》《ガーーーン》
「ぐもも~~~~!」
奴は、あまりの激痛に呻き声を上げた。言っておくが、容赦は一切しない。お前らのせいで清水が邪族になり、俺達と離れ離れになってしまったんだがらな。『ストーンパイリング』により、両手両足には杭が撃ち込まれ、その杭はダンジョンの土に深く刺し込まれた。
「さて、ミノタウルス、この後どうなるかわかっているよな。悪いな、お前と真正面で勝負する時間がないんだ。早々に終わらせてもらう。」
俺は自分の身体に魔力を纏い、聖剣に炎を圧縮し鋭く纏った。
《ゴオオ~~》
「じゃあな。」
「ぐもも、ぐもも!!」
奴の命乞いを無視し、首を切断した。よし、討伐完了!次は、あの視線の奴等だ。
------妙だな、襲ってこない。仕方がない、ここで討伐しないといけないからな。
「おい、そこにいる邪族共、いつまでも隠れてないで出てこい。このダンジョンに入ってから見られているのは知っているんだよ。ここで決着をつけようぜ。」
すると、入り口の扉に近い壁から3つの人間の影が現れた。見た感じ、本当に人間の影だ。3体とも黒一色で、背は俺より少し高い2mぐらいか。こいつら、ミノタウルスのような威圧感はないし、邪力も感じられないが、底知れない何かを感じるぞ。みんなもわかっている様で、俺に集まって来た。
始めに声をかけてきたのは、吹山だった。
「みんな気をつけて。こいつらAクラスだ。基本能力値は、平均8000前後だよ。」
Aクラスか。冷や汗が出るぜ。底知れない何かを感じるな。そのうちの1体が話し始めた。
「初めましてと言っておこうか、勇者とその仲間達。本当は、ミノタウルス討伐直後に一瞬で死んでもらおうかと思ったんですが、まさか君達の力量でミノタウルスを瞬殺するとは思いませんでしたよ。今後の参考にしたいんで、どうやったのか教えてもらえませんか?」
お前ら見ていたんだろう。だったら察しがつくだろう。俺がミノタウルスと話している間に、久保と竜崎が奴の背後に回り込み、両足のアキレス腱をぶった斬ったんだよ。転んで体勢が不安定になったところへ、両手両足に魔力で固めた石の杭を撃ち込み逃げられないようにしたところで、首を切断した。見たまんまじゃないか。
「ここで討伐される奴等に教える必要はないね。」
「はは、なるほど、その言葉そっくりお返ししますよ。」
「勇者はあなたで間違いないですか?」
「ああ、俺が勇者だ。」
「聖女は、長い髪を後ろで綺麗にまとめている女性で間違いないですか?」
「そうだよ、私が聖女。それが何?」
その瞬間、辺りは深い闇に閉ざされた。
「島崎!」
「うん、『ホーリーフィールド』」
魔法が発動した瞬間、
『ギイイ~~ン』
と何かが『ホーリーフィールド』の膜とぶつかる音がした。
「ほう、咄嗟に結界を張りましたか?いいんですか、攻撃は防げても、私達を討伐出来ませんよ。」
こいつらの空間に閉じ込められたのか。それに3体ともいるということは、久保達は大丈夫そうだな。
「桜木どうしよう?あいつらの位置が全くわからないよ。それに夕実達のことも気になる。」
「ああ、安心して下さい。あなたたち以外、興味はありませんから放っておいてます。強いて言うなら、あなた達を殺してから友人達を殺しておきましょう。」
「ご親切にどうも。島崎、あいつらの言っていることは本当だ。3体とも、この空間の中にいる。」
「え、嘘!どうして、そんなことを教えてくれるのよ。おかしいでしょ。」
確かにそうだ。いちいち俺達に教える必要がないはずだ。
「我々も学習しているんですよ。以前なら、確かにあなた達の言う通り、1体を残っている仲間達に仕向けて始末するでしょうね。実際に、これまで我々の仲間が実行し、逆に討伐されたケースもありましたが、何度かその首を勇者の前に持って行ったこともありました。ところが、必ずと言っていい程、勇者が怒り真の力に目覚めるんですよ。我々としても、力に目覚めた勇者に討伐されたくありませんからね。まずは、あなた達2人を始末してから、仲間達を殺してあげましょう。」
確かに、久保・竜崎・吹山の首を持ってこられたら、怒るな。真の力とやらも目覚めるかもしれない。こいつら考えているな。俺にとっては、好都合な展開だがな。
「桜木、どうする?」
「決まってる、俺達2人で討伐するぞ。島崎は、ここから『あれ』の準備を頼む。時間がかかるんだろう?」
「そうだけど、桜木1人で3体同時は無茶だよ。」
「大丈夫だ、時間稼ぎぐらいならなんとかなる。」
俺にとっては、島崎がこの結界の中にいてくれた方が都合が良い。2つの技をここで試してやる。
「行ってくる。島崎、ここ以降、俺が瀕死の状態にならない限り、なるべく声をかけないでくれ。準備が整ったら言ってくれ。」
「え、あ!、わかった。気をつけてね。」
結界から出る前に、『魔力纏い』と同時に『精神一到』を発動させた。思ったとおりだ、周りから遮断されているおかげで、雑念が消え、ユニークスキルを発動出来た。
「おや、結界から出てきましたか?いいんですか、今のあなたの実力では我々を討伐出来ませんし、気配すらわかりませんよ。」
やはり、こいつら『魔力纏い』に気づいていないか。
「さあ、それはどうかな?かかってこい!」
『精神一到』のおかげで、奴等の性質がわかった。このスキル、予想以上に使えるぞ。
「そうか、では戦いを始めようか。」
周りは、闇一色、邪力を全く感じられないが、----俺の真正面から剣が、真後ろから闇属性の槍、上空からは闇属性の炎が飛んできた。そして----
《ギイイ~~ン》
飛んできたもの同士が互いにぶつかった。
「なに!3方向からの攻撃をなぜ避けれる?それならば、これはどうですか?」
奴等は俺から距離を取り、俺を中心に高速で回り始めた。そして、全方向360℃から闇属性の槍が放たれた。おいおい、普通なら上空に逃げるしかない。だが、罠だな。
「『ストームシールド』」
俺は、上昇気流を発生させる魔法を唱え、槍を完全に防いだ瞬間、3体のうち1体に的を絞り、全力でダッシュし、敵の右腕を斬った。
「ぐ、貴様、まさか我々の位置を完全に把握しているのか!」
通常なら、お前らを討伐するには、かなりの時間と労力を必要とするだろう。だが、今の俺には、『精神一到』がある。
ユニークスキル『精神一到』
精神を1つの事に集中すればする程、相手の真髄を見極め、倒すための正しい手段を知る事が出来る。ただし、必ず相手を視認しなければならない。また、雑念があった場合は、この境地に至ることは出来ない。
「そういう事になるな。」
次に、斬った相手を追撃しようと思ったが、後方にいる敵が隙だらけだったなので、足に魔力を集中させ後方の敵の目の前に移動し、一刀両断を試みたがさすがに避けられた。
「な!信じられん。この空間内で、我々を完全に把握出来るとは!これは、完全に予想外ですね。仕方ありません、本気でお相手しましょう。」
な!本気で相手!おいおい、お前らの性質は、相手を自分達の空間内に閉じ込め視覚を奪い、極めて迅速に暗殺することだよな。既に本気で戦っているはずだ。まだ、何か隠しているのか?
「おいおい、本気で相手?今のが本気じゃないのか?」
「ふふふ、ええ、今のが我々の本気ですよ。間違っていません。ですが、稀にいるんですよ。我々シャドウの存在を完全に把握し、討伐出来る者がね。あなたは不思議に思いませんでしたか?3体もいるのに、実際に喋っているのは、私だけということが?」
確かに、それは始めから思っていた。他の2体は、恐ろしく忠実に話している奴の動きに合わせ、攻撃を放ってきていた。
「確かに、不思議には思ったさ?どういうことかな?」
「ふふふ、見せて差し上げましょう。我々シャドウの真髄をね。」
なんだと、真髄!どういうことだ?『精神一到』で、全てを把握しているはずだ。
一体、何を見せるつもりだ?
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