邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

文字の大きさ
45 / 149
間章1 勇者達の旅立ち

シャドウの真髄

しおりを挟む
○○○  桜木春人  視点

シャドウの真髄、どういうことだ?『精神一到』のスキルで、相手の真髄を見極めたはずだ。あ、待てよ!確か、ステータスの説明は、


ユニークスキル『精神一到』
精神を1つの事に集中すればする程、相手の真髄を見極め、討伐するための正しい手段を知る事が出来る。ただし、必ず相手を視認しなければならない。また、雑念があった場合は、この境地に至ることは出来ない。


これだ。俺は、まだ討伐するための正しい手段を見つけていない。集中すればする程という事は、俺自身がまだそこまでの境地に達していないということか!

「どうしました?今さら怖くなりましたか?それでは、ご覧下さい。我々の真の姿をね。」

3体のシャドウが横一列となり、それが------おいおい-----1つに重なった。体長3m、邪力は感じないが明らかに威圧感が増しやがった。手が震えている。これは、-----Sクラスだ。初めてだな、恐怖を感じているのか?それとも武者震いか?

「この姿に戻るのも久しぶりですね。これまでは、3体に分裂していましたから。それでは、いきますよ!」

!一瞬で俺との間合いを詰めやがった!ちい、シャドウの右ストレートをなんとか盾で防いだが、

《ベギ》
「ぐわ~~」

盾を壊され衝撃で吹っ飛ばされた。く、強い!合体いや融合か!先程とレベルが違う。

「良かった、死んでいませんね。これだけで死んでもらっては困ります。お次はこれです。『ダークボール』」

直径20cm程の闇の球が、シャドウの周りに形成され、俺目掛けて飛んできた。『精神一到』のおかげで、どの箇所を斬れば対処出来るかわかるが、-----

「くそ!数が多い!」

俺は剣に聖属性を纏わせ、次々と襲ってくるダークボールを斬り伏せるが、1個1個が重い。

「ほう、やりますね。どこに、そんな力があるのか不思議なものです。それでは、これをどう対処しますか?」

くそ、なんて重い攻撃だ。俺も、もう1つの切り札を使うしかない。

今度は、ダークボールがシャドウ周辺から次々と現れ、俺の全方位を囲み、一斉に俺目掛けて襲ってきた。ちい、今度は俺を覆って喰うつもりか!これは、避けられない、殺られる!

《ド~~~ン》
「桜木~~~~!」

俺は闇に包まれた。やはり、この闇は俺を喰おうとしているな。だが、残念、そう簡単に死んでたまるか!もう1つの切り札を使わせてもらう。俺は、精神をさらに集中させ魔力纏いに雷属性を付与させた。まずは、この闇を取り払おう。全力で雷属性を圧縮し解放させた。

「は~~!よし、上手くいった。ふ~~、間一髪だな。島崎、俺は大丈夫だ。もう少しで完成だろ。頼むぞ!」

「あ、うん。」

どうやらシャドウも、これには驚いたようだ。

「なんですか、それは!これまでに見たこともありませんよ。」
「さあ、俺もここから本気でやるよ。」

この技、ステータスを見ると『雷闘気』と記載されていた。『魔力纏い』の応用技らしい。まだ、『魔力纏い』自身がレベル5と低いせいか、制限時間があり10分だが、基礎能力値を4倍近く上げてくれる。俺にとって最後の切り札だ。さあ、10分以内に討伐だ。

「面白い、その本気とやらを見せてもらいましょうか!」
「ふ、おい、これ何かわかるか?」

気付いてないか、シャドウが話し始める前に、既に右腕を斬って、俺が持っている。

「なに?馬鹿な!それは私の左腕、いつの間に!」

聖なる炎『ホーリーフレイム』で、シャドウの左腕を完全に浄化してやった。

「次は、お前の身体に叩き込んでやるよ。」

「面白い、さすが勇者ですね。ですが、ここは私の空間です。この程度のダメージなら、この通り一瞬で治るのですよ。」

知っているよ。俺自身の集中が一段階深くなったおかげで『精神一到』が教えてくれた。そして、討伐するには聖属性の高威力魔法が必要だ。今の状態のまま、もう1つのユニークスキルを同時発動出来れば問題ないだろうが、現状の俺の力量じゃ厳しい。討伐するには、島崎の新型魔法しかない。頼むぞ!


○○○  島崎美香  視点


私から見たら、桜木以外、誰もいないように感じる。でも、いる、間違いなくいる!周りは闇1色だから、敵も闇そのものなんだろう。シャドウとか言ってたよね。始めは、桜木が予想以上に強いから驚いていたけど、シャドウの真髄を見せると言ってから、周りの空気が明らかなに変わった。凄い威圧感を感じた。ミスリルの盾が何かに殴られたのか急にひしゃげて壊れ、桜木が聖剣で何かを斬っているのはわかるんだけど、何も見えない。あいつ、一体どんな敵と戦っているの!-----え、今度は何?桜木がどんどん闇に覆われていく。そして、見えなくなった。嘘でしょ、私がもっと早くあの魔法を完成させていたら、----どうしよう、桜木が死んじゃった。

「桜木~~~~!」

その時、急に桜木がいた周辺が明るくなった。そして、桜木を覆っていた闇が取り払われた。

「は~~!よし、上手くいった。ふ~~、間一髪だな。島崎、俺は大丈夫だ。もう少しで完成だろ。頼むぞ!」

「あ、うん。」

良かった~~。死んだかと思ったよ。でも、あれはなんだろう?『魔力纏い』とは違う何かだよね。桜木自身から、雷みたいにバチバチ音が鳴ってるよ。

「さあ、俺もここから本気でやるよ。」

桜木がそう言った瞬間、私からは何も見えないけど、右手に何か持っていた。そして、それを浄化した。凄い、いつの間にシャドウに攻撃したの!あ、いけない、私も頑張らないと!桜木のおかげで、シャドウの姿は全く見えないけど、位置は把握出来た。

あとは、外側に闇属性を付与し、シャドウに悟られないように周辺にばら撒く。よし、準備完了!桜木を見ると、シャドウと何度も格闘戦を行い、聖剣で斬りつけているように見える。心なしか、雷が弱くなっている気がする。

「桜木~~、準備完了~~!!」
「わかった、今すぐ放ってくれ。」


「次は聖女か!何をするつもりですか。」
「OK!シャドウ、これでも喰らいなさい!『リフレクターホーリーキャノン』」

私は、以前開発した『シャイニングレーザー』をどう改良するか悩んだ。強力な一撃があるのはいい。でも、私自身が1人で敵と戦う場合は、その魔法は使えない。そこで私は、ある改良版を考えた。


1) 魔力で創った直径30cm、50cm、1m、2mの凸レンズに、太陽エネルギーを限界まで集める。
2) 太陽エネルギーを集めた凸レンズを私の『アイテムボックス』の中に保管する。本来は、集めたエネルギーは非常に不安定であるため、すぐに拡散してしまうが、時間が停止している『アイテムボックス』の中に保管することで、エネルギー拡散を防ぐことが出来る。
3) 圧縮して放つ『シャイニングレーザー』を1発で終わらせるのは、非常にもったいないので、エネルギーを反射させる10個の直径の異なるリフレクターを魔力で創る(直径30cm×10、50cm×10、1m×10、2m×10)。凸レンズもリフレクターも、毎日コツコツと限界まで創っておいたのさ。
4) 創った全てのリフレクターの中に聖属性を付与させ、各々に対応するシャイニングレーザーと同量の太陽エネルギーも込める。
5) 放った各々の『シャイニングレーザー』は、リフレクターに反射される事に聖属性が強化されエネルギーも最大10倍強化される。


こうして改良されたのが、『リフレクターホーリーキャノン』だ。
ただ、ユニークスキルで創ったのはいいんだけど、凸レンズやリフレクターを使用するにあたって、現状の魔法を放った後の制御を考えると、直径50cmまでが限界だった。また、この『リフレクターホーリーキャノン』には、2通りの使い方がある。


1) 1発目のシャイニングレーザーで邪族を貫き、反射強化させ再度貫く。これを10回繰り返し、邪族を討伐する技
2) AクラスやSクラスの場合、1発目のシャイニングレーザーの時点で受け止められるか、消し飛ばされる可能性もあるので、あえて当てず、最高10回反射強化させてから放つ超大技


今回の相手は、どう考えてもSクラス、現状使用出来る直径50cmのものを使って、2番目の超大技を放つ。まだ、制御するのが難しいから、1人で戦うには不向きな魔法だけど、いずれ使いこなしてみせる。

「は、その程度の光魔法で、私を討伐する気ですか?」
「そんな訳ないでしょう。これからが見せ場よ。」

私は、シャドウ周辺に散りばめられたリフレクターにシャイニングレーザーを反射強化させていった。聖属性で強化されたおかげか、シャドウの位置がわかった。最後のリフレクターをシャドウの真上移動させた。

「なに!これは、聖属性、しかも力が増していっているのか!これは、不味いですね。ここから---」

「おいおい、俺を忘れちゃ困るね。『雷衝』」
「ぐ、これは!雷の衝撃を体内に放たれたのか!」

おー、桜木、凄い。こちらも、これで!
真上のリフレクターに到達後、エネルギーがMAXとなった。ここから放たれるエネルギーを直径1mまで圧縮し固め放つ。

「シャドウ、これで終わりよ!いけー~~~~!!」

《ズド~~~~ン》

「なんだ!この凄まじい聖属性のエネルギーは、こんな事が~~~この私が~~~」

真上から放たれた最大強化の『リフレクターホーリーキャノン』が直撃し、シャドウは浄化されて消滅した。

「やった~~、桜木~~、討伐したよ~~。」
「おう、やったな!さすがに疲れた~~!」

シャドウが消滅したため、空間も消え、元いた場所に戻ってきた。

「美香~~!良かった、無事だったんだね。」
「夕実、久保、竜崎、心配かけてごめんね。」

「桜木、邪族はどうした?」

「竜崎、安心しろ!俺と島崎で討伐した。今回は、さすがに死ぬかと思った。俺と島崎の新技でなんとか討伐出来たよ。」

「あれを使ったのか!島崎はよく制御出来たな?」
「久保、私だって練習したんだからね。」

全く失礼しちゃうよ。今回は、2人で協力して討伐かな。

「よし、早速、地上に戻ろう。他のみんなも気になる。」

全員に回復魔法をかけ、一通り落ち着いてから、私達は地上に戻った。
しおりを挟む
感想 446

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。 そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

処理中です...