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3章 ガルディア帝国 マルコ遺跡編
フィンとアイリス、初めてのCランクダンジョン攻略
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バーンさん達に『アイテムボックス』付き魔導具(盗難防止付き)を渡し、お互いの目的を再確認してから、会議?は終了した。大聖堂の入口まで見送り、バーンさん・リフィアさん、ウィルさん・ロイさん・ミアさん・ヒミカさんはそれぞれの目的を果たす為に旅立っていた。さあ、次は私達だ。まずは、途中で終わってしまった魔導具を作製しないとね。
今、私達はアイリスの部屋にいる。
「お姉様、今から何をするんですか?」
「昨日、途中で終わってしまった魔導具を作製するのよ。使用人の人達が、世界地図と各国の地図を持ってきてくれたから、あとは私が魔導具を作製して、ちゃんと機能するか確認しないとね。」
さて、用意する物は、ムーンストーン・封じ込めておいたスフィアの魔力・空間魔法『ダウジング』・細く丈夫な紐以上4点だ。地底湖の女神像の宝石に僅かに残存していたスフィアの魔力を空間魔法で封印しておいたものをようやく使用する時が来たわ。やり方としては、こんな感じかな。
1) 空間魔法『ダウジング(スフィア探索用)』の作製
スフィアの魔力を用意しておいた『ダウジング』に組み込むことで、残存している場所を世界地図に照らし合わせ教えてくれる魔法。本来の『ダウジング』は、探し物をイメージし唱えることで、場所を世界地図から教えてくれる魔法だ。この魔法は、正確なイメージが出来ないと発動しない。
2) 世界地図を広げ、『ダウジング(スフィア探索用)』を付与したムーンストーンの首飾りを地図の真上に持って行き唱える。残存している場所が近くにあった場合は、ムーンストーンが振動する。正確な場所まではわからないけど、これで充分だ。
----20分程で魔導具が完成した。
「師匠、まさかもう完成したんですか?」
「ええ、そうだけど?」
「お姉様、早過ぎです。理論は聞きましたが、そんなすぐ出来るなんて。」
「理論、材料もしっかりと揃っていれば、自信を持ってやればいいだけよ。あとは、経験ね。今なら、フィンとアイリスも、少し練習を積めば出来るようになるでしょう。」
「ふぇ~、私も魔導具、作製できるんですか?」
「フィンの魔力操作も6になったから、アイリスより少し時間はかかるけど作製出来るるわ。」
効率良く修行しただけで、ここまでスキルレベルが上がるとはね。元々、潜在能力が高かったんでしょう。
「さて、魔導具を試してみるわよ。世界地図を広げて、魔導具を起動させる。まずは、テルミア王国ね。-----ふーむ、反応なしか。」
結局、反応があったのは、全部で10ヶ所。
人間 ガルディア帝国 2ヶ所
エルフ シルフィーユ王国 2ヶ所
魔族 レグナント王国 3ヶ所
ドワーフ オルセイユ王国 1ヶ所
獣人 レーデンブルク 2ヶ所
「うわー、師匠、本当に機能しましたよ。全部で10ヶ所ですね。」
「お姉様、ここからだと、カルディア帝国のマルコ遺跡が一番近いです。近い都市がガルディア帝国の第2の都市ビルブレムですね。」
やはりガルディア帝国か。次の目的地は、王都からビルブレムに変更ね。エレノア様から聞いた限りでは、人間間での身分の差別が激しい国のはず、私達3人とも偽装で平民でいくから、貴族や王族に近づかないようにしよう。偽装時の名前に関しても、名だけで姓を入れてなかったら、3人とも新しく適当に加えておいた。
「2人とも、ガルディア帝国では身分の差別以外で、何か注意するところはあるの?」
「一応ありますが、師匠に限って言えば問題ないですね。」
「そうですね。あの国は完全実力主義なんです。冒険者も、一度冒険者ランクがリセットされて、ギルドで再度試験を受けないといけないんです。」
面倒くさいわね。せっかく、Sランクもらえたのに、また試験か!
「面倒いわね。試験をささっとクリアして、遺跡に行きたいところね。」
「あの師匠、あの国の人達は結構好戦的な人が多いんです。くれぐれも目立つ行動は控えて下さいね。」
「私だって、好きで目立ちたくないわ。でも、私の大事な仲間であるフィンや妹のアイリスを危険に合わせるような奴がいたら、-----心が折れるまで叩き潰す。容赦はしない!」
「「ひい~~~~!!」」
さて、次の目的地も決まったし、準備を整えて行きましょう。まずは、近くにあるCランクの遺跡ダンジョンで、フィンとアイリスの力試しと行きましょうか!
「フィン、アイリス、ガルディア帝国ビルブレムに行く前に、あなた達2人の力試しをするわよ。Cランクの遺跡ダンジョンにまだ行っていないから、そこで経験を積んだら良いでしょうね。罠もあるし、丁度良いでしょう。」
「「はい!!!」」
「アイリス、もっと強くなろう!私達が弱かったら、ビルブレムの冒険者達が全滅するよ。」
「フィン姉、頑張りましょう!」
やる気になるのは良いんだけど、さすがに殺さないわよ。フィン・アイリス・私を困らせるような奴らが来たら、精神を半殺しにするだけだから。
○○○
ここは、スフィアート近辺にあるCランクの遺跡ダンジョン、今、フィンとイリス(アイリスの偽装名)が先頭になって冒険中だ。私からは一切助言はしない。とりあえず、死なないように内緒で『ディストーションフィールド』を限定的にかけてある。どうも、私はフィンの神獣の加護について、邪族のせいで勘違いしていたようだ。てっきり、加護があれば、邪族に殺されないと思っていた。でも違った。調べてみると、即死攻撃は確かに加護で防がれるが、状態異常や体力が尽きたりすると普通に死ぬようだ。神獣の加護を鑑定すると書いてあった。危ない危ない、調べておいてよかったよ。そいうこともあって、『ディストーションフィールド』をあれから改良して、物理・魔法・邪法・状態異常などあらゆる攻撃を防ぐ様にしておいた。また、時空魔法で唱えることが出来るようにもした。私の場合、スフィアート以外では、常時この魔法をかけてあるので、全ての攻撃は、私の糧になるのだ。ダンジョンに入って30分程度、フィンとイリスにこの邪法をかけておいて正解だった。2人の前に扉があって、何の警戒もなく扉を開け、部屋に入った瞬間《カチ》と音がなった。フィンもイリスも、まるで気付かず、堂々と部屋の中央へ歩いて行った。
《ゴオオオオ~~》
「フィン姉、この音何?」
「さあ、何だろう?」
「2人とも、上を見てみなさい。」
「「え、上?」」
2人は真上を見ると、-----岩の天井が落下してきていた。
「「えええ~~~~」」
《ドオ~~~ン》
当然、石天井は私達に直撃した。全く警戒せず、何もない部屋に入る人がいますか!
「これで、2人とも1回死んだわね。私が『ディストーションフィールド』をかけてなかったら、大怪我を負っているか、最悪死んでたわよ。今回、この邪法は、あなた達の体力が半分以下になる攻撃を受けた場合のみ、発動するように設定しているわ。これからは、注意して行動するように。」
しばらくの沈黙の後、
「「ふぇ~~~~、怖かった~~~。」」
2人は、お互い抱き合い泣いていた。この後、もっと警戒するように言ったものの、事ある毎に罠に嵌っていった。全部、安直な罠ばかりだ。
1) 床に穴が開き、10m下には金属の槍が自分達の方へ向いていた。
「「ふぇ~~」」《ギイ~~~ン》
私達が串刺しになる直前で、『ディストーションフィールド』が発動し、事なきを得た。
2) 不用意に宝箱を開き、邪族10体が出てきた。
3) 狭い1本道の通路に赤・青・黄・紫の4本の紐が垂れ下がっていた。ここまでに、いくつか罠にかかってきたから、さすがに警戒していた。しかし、ある距離まで近付くと、通路が封鎖された。解除方法は、目に魔力を集中すれば、赤と紫を同時に引っ張る事だとわかるんだけど、案の定、1本1本警戒しながら引っ張っていった。
赤 全身に炎に包まれる。
青 氷の槍が四方八方から襲いかかる。
黄 天井から激辛の液体が降る。
紫 なぜか、金だらいが私達の頭に降ってきた。
『ディストーションフィールド』で守られているから大丈夫だけど、私も、そろそろ我慢の限界がきた。フィンもイリスも、わかっているのか震えてこっちを見ない。
「2人とも、正座!」
「「はい!!」」
呼ばれた瞬間、ビクとなって、すぐに正座した。私はフィンの背後に立ち、コメカミに拳をくっつけた。
「あの、師匠。何を!」
「フィン、警戒するようにと私は言ったよね。それを『魔力纏い』もせず、周囲だけ警戒して普通に紐を引っ張っるかな~~~!」
私は、あのアニメと同じグリグリ攻撃を行った。
「みぎゃあー~~~~~、師匠~~~、ごめんなさーーーーい!」
「許さん、お仕置きよ、反省しろ~~!」
「ひぎょ~~~~!」
1分間、延々とやり続けた結果、フィンは倒れ痙攣しながら、ごめんなさいと言い続けていた。イリスは横で、その光景をずっと見ていたせいか、細かく震えていた。
「お姉様、---許してください。今度から、もっと気を付けますので。」
「ダメ!私達の世界ではね、ふざけた行動をする子供は、例え5歳児でも、このお仕置きが待っているのよ(とあるアニメ限定)。」
「みぎゃあ~~~~~!お姉様~~~、ごめんなさいー~~~~!ひい~~~~!」
1分後、イリスもフィンと同じようになった。ちょっとやり過ぎたかな?
「いい事!今度、また不用意な行動をとったら、さっきの倍のお仕置きが来るからね。」
「「ひ!あれの倍!はい、もう罠に嵌りません!!!」」
お仕置きのおかげもあって、あれ以降、殆どの罠を回避出来るようになった。たまに引っかかると、私を見て、仕切りに「ごめんなさい」を連発していた。余程、あのお仕置きを喰らいたくないんだろう。そんな痛かったかな。あ、Cランクのランドグリズリー(土の邪法を使う大きな熊の様な邪族)がいる。丁度いい、試そう。
「2人とも、後ろに下がっていて。ちょっと試したい技が出来たの。」
私は土の魔法で、2つの大きく硬く丸い岩を創りだした。
「お姉様、まさか試したい技て、もしかして!」
その通りよ。ランドグリズリーが暴れるだろうから、宙に浮かせてコメカミにグリグリ攻撃を行った。
「グオ!グオオ~~、グオオ~~!グオオ~~~~!」
おー、暴れる暴れる、みるみる内に体力を消耗し、そして----死んだ。
「ひ!師匠、まさか、さっきの罠を回避出来なかったから、あれと同じお仕置きですか。」
「安心しなさい。余程のヘマをしない限り、あのお仕置きはしないわ。」
2人とも、明らかにホッとしたわね。でも、安心するのは早いわよ。
「ただし、これからは次の休憩地までに、嵌った罠の回数に応じて、お仕置きのランクを上げていく事にします。」
「「そんな~~」」
「嵌った罠の数が10回を超えた場合、あのランドグリズリーのお仕置きが待っているわ。安心しなさい、今からスタートね。」
2人はランドグリズリーの最期を見たせいか、顔が真っ青になっていた。
「イリス、絶対に罠を回避するわよ。」
「はい、あのお仕置きは絶対嫌です。」
休憩地である10階層の女神像に到着した時、嵌った罠の回数は3回だけだった。まあ、軽く腕にしっぺをしておいた。
「「のわー~~~」」
それでも、2人は痛かったせいか、転げ回っていた。
---翌日、最下層25階層に到達した時には、フィンとイリスの危機察知スキルのレベルがなんと7まで上がっていた。ボスのオーガナイトを2人で比較的楽に討伐した後、Cランクダンジョンを攻略した事をエレノア様に報告した。ダンジョンの攻略した事を証明する方法は、ボスのドロップアイテムを見せるだけだ。どういうわけか、同じ邪族でも地上にいる奴は何も残さないが、ダンジョンにいる奴はボスの場合、必ずドロップアイテムを落とす。それを冒険者ギルドの受付に見せる事で、攻略を証明される。
「アイリス、初めてのCランクダンジョンどうでしたか?ボスのオーガナイトは手強かったでしょう?」
「ボスより、お姉様のお仕置きが怖かったです。嵌った罠の回数が10回を超えると、あの空中グリグリ攻撃が襲ってきます。ランドグリズリーが味わったお仕置きだけを必死で回避するために、フィン姉と頑張ったおかげで、危機察知のレベルが7まで上がったんです。お仕置きもギリギリ回避出来ました。」
エレノア様が、《ギギギ》と首をこちらに向けた。
「----サーシャ、オーガナイトより怖いお仕置き、アイリスとフィンに何をやったんですか?」
そこまで痛かったかな?
「5階層あたりまで、簡単な罠にいくつも嵌っていたんです。ふざけているのかと思い、私も我慢の限界が来て、グリグリ攻撃をやりました。フィンで、どんなものか試してみましょうか?」
「ふぇー~~~~!師匠、止めて下さい!!!」
「この怯えよう、余程きついお仕置きだったのでしょうね。まあ、回避出来たのならいいでしょう。」
「いえ、今後、ダンジョンや遺跡に入る時は、このお仕置き制度は続行しますよ。」
「「えーーーー!」」
「大丈夫よ。2人とも、危機察知レベル7まで上がったし、そうそう罠に嵌らないでしょう。」
こうして、フィンとアイリスの初めてのCランクダンジョンの冒険は、違う意味の恐怖を味わう事となりました。
今、私達はアイリスの部屋にいる。
「お姉様、今から何をするんですか?」
「昨日、途中で終わってしまった魔導具を作製するのよ。使用人の人達が、世界地図と各国の地図を持ってきてくれたから、あとは私が魔導具を作製して、ちゃんと機能するか確認しないとね。」
さて、用意する物は、ムーンストーン・封じ込めておいたスフィアの魔力・空間魔法『ダウジング』・細く丈夫な紐以上4点だ。地底湖の女神像の宝石に僅かに残存していたスフィアの魔力を空間魔法で封印しておいたものをようやく使用する時が来たわ。やり方としては、こんな感じかな。
1) 空間魔法『ダウジング(スフィア探索用)』の作製
スフィアの魔力を用意しておいた『ダウジング』に組み込むことで、残存している場所を世界地図に照らし合わせ教えてくれる魔法。本来の『ダウジング』は、探し物をイメージし唱えることで、場所を世界地図から教えてくれる魔法だ。この魔法は、正確なイメージが出来ないと発動しない。
2) 世界地図を広げ、『ダウジング(スフィア探索用)』を付与したムーンストーンの首飾りを地図の真上に持って行き唱える。残存している場所が近くにあった場合は、ムーンストーンが振動する。正確な場所まではわからないけど、これで充分だ。
----20分程で魔導具が完成した。
「師匠、まさかもう完成したんですか?」
「ええ、そうだけど?」
「お姉様、早過ぎです。理論は聞きましたが、そんなすぐ出来るなんて。」
「理論、材料もしっかりと揃っていれば、自信を持ってやればいいだけよ。あとは、経験ね。今なら、フィンとアイリスも、少し練習を積めば出来るようになるでしょう。」
「ふぇ~、私も魔導具、作製できるんですか?」
「フィンの魔力操作も6になったから、アイリスより少し時間はかかるけど作製出来るるわ。」
効率良く修行しただけで、ここまでスキルレベルが上がるとはね。元々、潜在能力が高かったんでしょう。
「さて、魔導具を試してみるわよ。世界地図を広げて、魔導具を起動させる。まずは、テルミア王国ね。-----ふーむ、反応なしか。」
結局、反応があったのは、全部で10ヶ所。
人間 ガルディア帝国 2ヶ所
エルフ シルフィーユ王国 2ヶ所
魔族 レグナント王国 3ヶ所
ドワーフ オルセイユ王国 1ヶ所
獣人 レーデンブルク 2ヶ所
「うわー、師匠、本当に機能しましたよ。全部で10ヶ所ですね。」
「お姉様、ここからだと、カルディア帝国のマルコ遺跡が一番近いです。近い都市がガルディア帝国の第2の都市ビルブレムですね。」
やはりガルディア帝国か。次の目的地は、王都からビルブレムに変更ね。エレノア様から聞いた限りでは、人間間での身分の差別が激しい国のはず、私達3人とも偽装で平民でいくから、貴族や王族に近づかないようにしよう。偽装時の名前に関しても、名だけで姓を入れてなかったら、3人とも新しく適当に加えておいた。
「2人とも、ガルディア帝国では身分の差別以外で、何か注意するところはあるの?」
「一応ありますが、師匠に限って言えば問題ないですね。」
「そうですね。あの国は完全実力主義なんです。冒険者も、一度冒険者ランクがリセットされて、ギルドで再度試験を受けないといけないんです。」
面倒くさいわね。せっかく、Sランクもらえたのに、また試験か!
「面倒いわね。試験をささっとクリアして、遺跡に行きたいところね。」
「あの師匠、あの国の人達は結構好戦的な人が多いんです。くれぐれも目立つ行動は控えて下さいね。」
「私だって、好きで目立ちたくないわ。でも、私の大事な仲間であるフィンや妹のアイリスを危険に合わせるような奴がいたら、-----心が折れるまで叩き潰す。容赦はしない!」
「「ひい~~~~!!」」
さて、次の目的地も決まったし、準備を整えて行きましょう。まずは、近くにあるCランクの遺跡ダンジョンで、フィンとアイリスの力試しと行きましょうか!
「フィン、アイリス、ガルディア帝国ビルブレムに行く前に、あなた達2人の力試しをするわよ。Cランクの遺跡ダンジョンにまだ行っていないから、そこで経験を積んだら良いでしょうね。罠もあるし、丁度良いでしょう。」
「「はい!!!」」
「アイリス、もっと強くなろう!私達が弱かったら、ビルブレムの冒険者達が全滅するよ。」
「フィン姉、頑張りましょう!」
やる気になるのは良いんだけど、さすがに殺さないわよ。フィン・アイリス・私を困らせるような奴らが来たら、精神を半殺しにするだけだから。
○○○
ここは、スフィアート近辺にあるCランクの遺跡ダンジョン、今、フィンとイリス(アイリスの偽装名)が先頭になって冒険中だ。私からは一切助言はしない。とりあえず、死なないように内緒で『ディストーションフィールド』を限定的にかけてある。どうも、私はフィンの神獣の加護について、邪族のせいで勘違いしていたようだ。てっきり、加護があれば、邪族に殺されないと思っていた。でも違った。調べてみると、即死攻撃は確かに加護で防がれるが、状態異常や体力が尽きたりすると普通に死ぬようだ。神獣の加護を鑑定すると書いてあった。危ない危ない、調べておいてよかったよ。そいうこともあって、『ディストーションフィールド』をあれから改良して、物理・魔法・邪法・状態異常などあらゆる攻撃を防ぐ様にしておいた。また、時空魔法で唱えることが出来るようにもした。私の場合、スフィアート以外では、常時この魔法をかけてあるので、全ての攻撃は、私の糧になるのだ。ダンジョンに入って30分程度、フィンとイリスにこの邪法をかけておいて正解だった。2人の前に扉があって、何の警戒もなく扉を開け、部屋に入った瞬間《カチ》と音がなった。フィンもイリスも、まるで気付かず、堂々と部屋の中央へ歩いて行った。
《ゴオオオオ~~》
「フィン姉、この音何?」
「さあ、何だろう?」
「2人とも、上を見てみなさい。」
「「え、上?」」
2人は真上を見ると、-----岩の天井が落下してきていた。
「「えええ~~~~」」
《ドオ~~~ン》
当然、石天井は私達に直撃した。全く警戒せず、何もない部屋に入る人がいますか!
「これで、2人とも1回死んだわね。私が『ディストーションフィールド』をかけてなかったら、大怪我を負っているか、最悪死んでたわよ。今回、この邪法は、あなた達の体力が半分以下になる攻撃を受けた場合のみ、発動するように設定しているわ。これからは、注意して行動するように。」
しばらくの沈黙の後、
「「ふぇ~~~~、怖かった~~~。」」
2人は、お互い抱き合い泣いていた。この後、もっと警戒するように言ったものの、事ある毎に罠に嵌っていった。全部、安直な罠ばかりだ。
1) 床に穴が開き、10m下には金属の槍が自分達の方へ向いていた。
「「ふぇ~~」」《ギイ~~~ン》
私達が串刺しになる直前で、『ディストーションフィールド』が発動し、事なきを得た。
2) 不用意に宝箱を開き、邪族10体が出てきた。
3) 狭い1本道の通路に赤・青・黄・紫の4本の紐が垂れ下がっていた。ここまでに、いくつか罠にかかってきたから、さすがに警戒していた。しかし、ある距離まで近付くと、通路が封鎖された。解除方法は、目に魔力を集中すれば、赤と紫を同時に引っ張る事だとわかるんだけど、案の定、1本1本警戒しながら引っ張っていった。
赤 全身に炎に包まれる。
青 氷の槍が四方八方から襲いかかる。
黄 天井から激辛の液体が降る。
紫 なぜか、金だらいが私達の頭に降ってきた。
『ディストーションフィールド』で守られているから大丈夫だけど、私も、そろそろ我慢の限界がきた。フィンもイリスも、わかっているのか震えてこっちを見ない。
「2人とも、正座!」
「「はい!!」」
呼ばれた瞬間、ビクとなって、すぐに正座した。私はフィンの背後に立ち、コメカミに拳をくっつけた。
「あの、師匠。何を!」
「フィン、警戒するようにと私は言ったよね。それを『魔力纏い』もせず、周囲だけ警戒して普通に紐を引っ張っるかな~~~!」
私は、あのアニメと同じグリグリ攻撃を行った。
「みぎゃあー~~~~~、師匠~~~、ごめんなさーーーーい!」
「許さん、お仕置きよ、反省しろ~~!」
「ひぎょ~~~~!」
1分間、延々とやり続けた結果、フィンは倒れ痙攣しながら、ごめんなさいと言い続けていた。イリスは横で、その光景をずっと見ていたせいか、細かく震えていた。
「お姉様、---許してください。今度から、もっと気を付けますので。」
「ダメ!私達の世界ではね、ふざけた行動をする子供は、例え5歳児でも、このお仕置きが待っているのよ(とあるアニメ限定)。」
「みぎゃあ~~~~~!お姉様~~~、ごめんなさいー~~~~!ひい~~~~!」
1分後、イリスもフィンと同じようになった。ちょっとやり過ぎたかな?
「いい事!今度、また不用意な行動をとったら、さっきの倍のお仕置きが来るからね。」
「「ひ!あれの倍!はい、もう罠に嵌りません!!!」」
お仕置きのおかげもあって、あれ以降、殆どの罠を回避出来るようになった。たまに引っかかると、私を見て、仕切りに「ごめんなさい」を連発していた。余程、あのお仕置きを喰らいたくないんだろう。そんな痛かったかな。あ、Cランクのランドグリズリー(土の邪法を使う大きな熊の様な邪族)がいる。丁度いい、試そう。
「2人とも、後ろに下がっていて。ちょっと試したい技が出来たの。」
私は土の魔法で、2つの大きく硬く丸い岩を創りだした。
「お姉様、まさか試したい技て、もしかして!」
その通りよ。ランドグリズリーが暴れるだろうから、宙に浮かせてコメカミにグリグリ攻撃を行った。
「グオ!グオオ~~、グオオ~~!グオオ~~~~!」
おー、暴れる暴れる、みるみる内に体力を消耗し、そして----死んだ。
「ひ!師匠、まさか、さっきの罠を回避出来なかったから、あれと同じお仕置きですか。」
「安心しなさい。余程のヘマをしない限り、あのお仕置きはしないわ。」
2人とも、明らかにホッとしたわね。でも、安心するのは早いわよ。
「ただし、これからは次の休憩地までに、嵌った罠の回数に応じて、お仕置きのランクを上げていく事にします。」
「「そんな~~」」
「嵌った罠の数が10回を超えた場合、あのランドグリズリーのお仕置きが待っているわ。安心しなさい、今からスタートね。」
2人はランドグリズリーの最期を見たせいか、顔が真っ青になっていた。
「イリス、絶対に罠を回避するわよ。」
「はい、あのお仕置きは絶対嫌です。」
休憩地である10階層の女神像に到着した時、嵌った罠の回数は3回だけだった。まあ、軽く腕にしっぺをしておいた。
「「のわー~~~」」
それでも、2人は痛かったせいか、転げ回っていた。
---翌日、最下層25階層に到達した時には、フィンとイリスの危機察知スキルのレベルがなんと7まで上がっていた。ボスのオーガナイトを2人で比較的楽に討伐した後、Cランクダンジョンを攻略した事をエレノア様に報告した。ダンジョンの攻略した事を証明する方法は、ボスのドロップアイテムを見せるだけだ。どういうわけか、同じ邪族でも地上にいる奴は何も残さないが、ダンジョンにいる奴はボスの場合、必ずドロップアイテムを落とす。それを冒険者ギルドの受付に見せる事で、攻略を証明される。
「アイリス、初めてのCランクダンジョンどうでしたか?ボスのオーガナイトは手強かったでしょう?」
「ボスより、お姉様のお仕置きが怖かったです。嵌った罠の回数が10回を超えると、あの空中グリグリ攻撃が襲ってきます。ランドグリズリーが味わったお仕置きだけを必死で回避するために、フィン姉と頑張ったおかげで、危機察知のレベルが7まで上がったんです。お仕置きもギリギリ回避出来ました。」
エレノア様が、《ギギギ》と首をこちらに向けた。
「----サーシャ、オーガナイトより怖いお仕置き、アイリスとフィンに何をやったんですか?」
そこまで痛かったかな?
「5階層あたりまで、簡単な罠にいくつも嵌っていたんです。ふざけているのかと思い、私も我慢の限界が来て、グリグリ攻撃をやりました。フィンで、どんなものか試してみましょうか?」
「ふぇー~~~~!師匠、止めて下さい!!!」
「この怯えよう、余程きついお仕置きだったのでしょうね。まあ、回避出来たのならいいでしょう。」
「いえ、今後、ダンジョンや遺跡に入る時は、このお仕置き制度は続行しますよ。」
「「えーーーー!」」
「大丈夫よ。2人とも、危機察知レベル7まで上がったし、そうそう罠に嵌らないでしょう。」
こうして、フィンとアイリスの初めてのCランクダンジョンの冒険は、違う意味の恐怖を味わう事となりました。
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