邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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4章 ガルディア帝国 闘技会編

フィンがやっちゃいました!

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○○○  フィン視点

今日から6日間、自由行動か。なんか久しぶりの開放感だ。師匠からは、邪族が加護の隙間をついて殺しにくる可能性があるから注意するようにと言われている。どうも師匠がいると、私自身が狙われているという危機感が薄れてしまう。それだけ私が師匠に頼っているということだ。この6日間は、私が自分で対応していこう。みんなと話し合った結果、私・イリス・リッカの3人、リッチさんとジンさんの2人、2グループに分かれて行動することになった。イリスが空間魔法を持っているから、通信手段は確保している。食事は定食屋でとることになった。お金も師匠から、多めに貰っているし、私やイリスが自分で稼いだお金もあるから大丈夫だ。さて、どこに行こうか?

「ねえねえ、フィン、学園てところに行ってみたい!」
「リッカさん、いいですね。私も興味あります。」

「学園か。確かビルブレムにもあったはずだから行ってみよう。こういう時期は、一般にも開放されているはずだよ。」

「「やった!」」

リッカもイリスも学園には行ったことがないもんね。興味があるはずだよ。私にとっては、あまりいい思い出がない。今はSクラスの力を身に付けたけど、学園在籍当時は王女で神獣の加護があるにも関わらず、能力値が低いから周りで色々と言われたっけ。ビルブレムの学園の設備は、どうなっているのかな?

学園に到着すると、多くの人で賑やかだった。学生もいれば、一般の人もいる。

「うわ~、大きい。みんなここで勉強しているんだ~。いいな~。」
「イリスもスフィアートにある学園に行けばいいじゃん。」
「リッカさん、それが出来れば苦労しません。役職のせいで行けないんです。」

イリスは、全世界が認めるスフィアートの聖女だもんね。スケジュールが抑えられてて、学園に行く暇がないと言ってたよね。

「はい、これパンフレットですよ。」
「ありがとうございます。」

入口の門から中に入ると、職員の人がパンフレットをくれた。やっぱり1番興味があるのは訓練場だ。

「フィン姉は、どこに行きたいですか?」
「う~ん、やっぱり訓練場だけど、まずは教室から行ってみようよ。」
「いいですね、教室に行きましょう。リッカさん、いいですか?」
「私は、どこでもいいよ~。」

パンフレットを見てわかったけど、ガルディア帝国もレーデンブルク同様、揉め事が起こらないように貴族と平民が分けられている。どうしても確執があるから仕方ないよね。未だに一部の貴族が、平民を差別して蔑ろにしている感じがある。これをどうにかして無くしたいんだけど、どこの国でも苦労しているんだよね。貴族と平民で分けられた後は、どこの学科に所属するかだけど、ここはレーデンブルクと同じだね。魔法科、武器科、総合科の3つだ。魔法科は魔法を専門としており、基礎属性と召喚を教わるところ、武器科は、自分のスタイルに合う武器を選択し技術を身につけるところ、総合科は、魔法と武器両方の技術を教えてくれるところだ。魔法が使えない人もいるし、武器が苦手な人もいる。どんな人にも得て不得手がある。自分のスタイルに合った科に所属しなければならない。

「フィン姉、教室広いです。皆さん、ここで勉強しているんですね。」
「勉強か~。私は勉強より、身体を動かす方が好きだな~。」

その時、誰かが私達に声をかけてきました。

「あはは、やめとけやめとけ。お前らみたいな平民連中が、勉強しても意味がないよ。」

声の主を見ると、14歳くらいの男の子がいました。感じからして、平民を差別する貴族かな。リッカが騒ぎを起こさないように見ておかないと。

「何を言っているんですか。冒険者の殆どが平民です。騎士団にも平民の方々が多くいて、中には有名な人もいるはずです。この学園にも、平民で優秀な方は多くいるはずです。平民だからといって馬鹿にしていると、痛い目を見ますよ。」

あれ?なんか挑発している言い方になったような?

「なんだと!この僕に逆らうのか。そこまで言うなら、お前の力を見せてみろ。訓練場に来い。力の差を見せてやる。」

「はあ、いいですけど。」

なんか、私が騒ぎを起こしてしまった。

「フィン姉いいんですか?お姉様に怒られますよ。」
「今はまだ大丈夫だよ。訓練場で騒ぎを起こさなければいいんだから。」

訓練場に行くと、あの貴族が大人の男性に話しかけている。多分、先生なんだろう。それにしても、訓練場の機材が凄い。どれも最新設備だ。冒険者ギルドにあった機材もある。不意に後方から魔力を感じた。

「おい、君!危ない、避けろ!」

後ろを振り向くと、中級の火魔法が私目掛けて飛んできた。鬱陶しいから、手で掻き消した。

「フィン、なんか周りが騒いでるよ。さっきの火魔法のせいかな?でも、あんな子供じみた魔法なら、直撃してもノーダメージだね。」

「リッカ、ノーダメージでも服が汚れるよ。それに周りには小さい子がいるから、掻き消すのが一番無難だよ。」

「フィン姉、掻き消したせいで、みんな驚いていると思いますよ。」

そうかな?あ、誰か近づいてきた。ここの先生かな?

「君、大丈夫か!手に火傷はしていないな。」
「大丈夫です。あの程度なら問題ありません。」

「え、あの程度?中級なんだけど?---すまない、ここの学生が火魔法の制御を誤ったようだ。」

「いえ、私なら大丈夫なので、学生さんにも言っておいて下さい。」

さて、あの貴族さんを探すと、何故か呆然とこちらを見ていた。

「私の力を見せればいいんですよね。どの機材でやりますか?」

「え、あ、ふ、模擬戦に決まっているだろう。あんな火魔法を払ったくらいでいい気になるなよ。」

「はあ」

模擬戦か、手加減しないといけないな。私と貴族が話している時、リッカとイリスも離れた場所で話し込んでいた。



「ねえイリス、あの貴族馬鹿なのかな?力の差を全く理解していないよ。さっきの火魔法でわかっているはずなのにね。」

「恐らくプライドが高い方なんでしょう。しかも、模擬戦を選択しましたね。」



 何を話しているのかわからないけど、絶対貴族の悪口だね。

「おい、平民何してる!こっちに来い!ここで相手してやる。」

ふ~ん、ここが模擬戦の場所か。周りには人だがりが出来ている。

「あのルールはどうするんですか?」
「どちらかが参ったというまでだ。」
「模擬戦でも、怪我をするんですがいいんですか?」
「やれるものならやってみろ!」

審判の先生から、「武器を選びなさい」と言われたので、鉄の爪をとった。あの貴族は鉄の剣だ。審判から合図が放たれた。模擬戦開始だ。

貴族が突進してきたけど遅い、全てが遅すぎる。体捌き、剣捌き、どれをとっても3流だ。

「はあ、はあ、はあ、どうした?手も足も出ないか?」

しばらく手合わせをしたけど、やっぱり弱い。しかも、この人、息切れしながら言ってる。対して私は魔力も使っていないし、息切れもしていない。この状態を見ても、その口ぶり。

「あの~、それで終わりですか?魔法は使わないんですか?」
「はあ、はあ、はあ、魔法か。は、見せてやるよ。俺の炎魔法を!」

詠唱し始めた。今攻撃してもいいんだけど可哀想かな。

「おら~~、喰らえ~~!」

あ、確かに炎だ。一応才能はあるんだね。周りが騒ぎ始めた。一応消化しておこう。
私は、風魔法で炎を掻き消した。

「な!たかが風魔法で、俺の炎を消されただと~!」

「あの~、もう終わりですか。こんな茶番に付き合う時間が勿体無いので終わらせますね。」

「な、茶番だと!」

「だってそうじゃないですか?どれだけ自信があるのかと思って様子を見ましたけど、体捌き、剣捌き、魔法、全てが中途半端です。勝負の結果は、もうわかっているのに未だに気付いてないし。あなた、その程度の力で外に出たら、すぐに死にますよ。もっと鍛えることをお勧めします。せめて、これぐらいは出来て下さい。『ライトニングドラゴン』」

私は右手を上げ、模擬戦の会場に全長5m程の雷のドラゴンを出現させた。これでも、かなり手加減している。

「な、なな、なんだその魔法は!」
「雷魔法ですよ。私が作りました。これをあなたに放ちます。どうか防いでください。」

「そそ、そ、そんなの防げるわけないだろう。」

「知りませんよ。あなたが挑んできたんでしょう。たとえ模擬戦でも、死人が出る時もあると習わなかったんですか?それでは、防いで下さい。」

《があーー!!》

ドラゴンは雄叫びを上げながら、貴族に向かって行った。

「ひ、ひ、ひいいいいいーー止めてくれ~~死にたくない、参った~~~。」

やっと言ってくれた。私は、貴族が直撃する寸前でドラゴンを消した。
審判が呆然としたまま、勝利宣言を言わなかった。

「審判、結果は?」
「あ、あ、あなたの勝ちです。」

周りが騒いでいるよ。おかしいな、やり過ぎたかな?


《嘘だろ、あいつはムカつく野郎だけど、剣や魔法も結構なレベルだったぞ。》
《あの可愛い女の子、それを子供扱いだぜ、何者なんだ?最後の魔法も見たことも聞いたこともない。》


まあ、いいか。イリスとリッカの所に戻ると、

「フィン姉、行動がお姉様に似てきましたね。」
「うん、サーシャ様と似てたよね。」

それは心外だ。

「えー、そんなはずないよ。寸止めしてるから、相手を殺してないし。」
「フィン姉、あれを見ても、そんなことが言えますか。」

イリスに言われて、あの貴族を見ると、白目で気絶しており、その上失禁していた。うわ、酷い!誰が----て、私がやったのか。

「あー、うん。やり過ぎたかな?でも、あの貴族の精神が弱すぎるんだよ。脅しだよ、直撃させるわけないじゃない。」

「相手には、そう見えなかったんです。だから、あの状態です。」

う、言い返せない。そうかー、師匠に似てきたんだー。嬉しいような嬉しくないような複雑な気分だ。

「ささっと、ここを離れて休憩しよう。」

訓練場から離れて、熱が冷めるのを待とう。ここなら離れているし大丈夫だよね。

「あはは、フィンが騒ぎを起こしちゃったね。お仕置きかな~?」
「ひ!やめてよ、あれだけでお仕置きは嫌だよ!」

あれは嫌だ。

「リッカさん、フィン姉が本気で怯えているじゃないですか!フィン姉、大丈夫ですよ。名前も言ってないし、あれなら許容範囲内です。問題ありません。」

そ、そうだよね。名前、言ってないもんね。ギリギリセーフだよ。

「私は、もう見てるだけにするよ。目立ちたくない。」

「その方がいいですね。私は冒険者ギルドにあった機材、あれが訓練場にあったので、もう1度試してみたいです。」

え、あれを試すの?

「イリス、止めた方がいいよ。」

「大丈夫ですよ。フィン姉のように、貴族を痛めつけるようなことはしないんですから。あ、すいません。」

《グサ》 

遅いよ、イリス。
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