117 / 149
5章 レーデンブルク 悪魔討伐編
悪魔王ラギウスとの会談
しおりを挟む
悪魔王ラギウス、前世は日本人、諸刃彰利か。
「はあ~、それで単刀直入に聞くけど、あなたは味方なの?」
「ストレートに聞くね~。ああ、味方だよ」
味方ね?
「根拠は?悪魔の根っこは勇者抹殺でしょ?しかも、あなたは悪魔の最高クラスである悪魔王、普通に信じろというのは無理があるわよ」
「くく、俺は前世の諸刃彰利の時、総合格闘技にはまっていてね。世界中に存在する数多くの格闘技を見て修得してきた。その時に、心の制御方法を習ったのさ。有名なもので言えば、禅寺での座禅修行や滝業がそうだな。勇者抹殺の衝動とかも、心に確かにあるが、制御するのは簡単なことだ」
ふーむ、嘘は言ってないようね。
「なるほど、獣人の人達も信頼しているようだし、とりあえずあなたを信じるわ。裏切ったら、容赦なく討伐するからね!」
「裏切らないよ。俺は強い奴と戦いたいだけなんだが、サーシャの場合強過ぎて、俺が雑魚に感じるよ。畏敬スキルを感じただけで、体力がどんどん削られていったからな。ハーキスが守ってくれなかったら、マジでヤバかった。召喚されて4ヶ月程なのに、もう最強と出会うとは思わなかったね」
「それは、こちらのセリフよ!悪魔に関しては今日話を聞いたばかりなのに、いきなり最上級悪魔と出会うとは思わなかったわ」
「くく、俺達気が合いそうだな」
「ふふ本当ね」
「あの---サーシャ様、ラギウスの討伐は?」
ああ、王族達はラギウスを心配しているのね。
「王妃様、ラギウスを討伐しませんので安心して下さい」
それを聞いて、王族達全員が安堵した。どうやら、レーデンブルクが平和なのは、彼が絡んでいるようね。
「よかった。ラギウス様は、レーデンブルクを邪族の手から守ってくれたのです。我々はフィンが行方不明となった後、村や街に度々姿を現していた邪族を討伐しながら、邪族の隠れ家を探していました。そして、リッチが真相を話してくれたことで、私達はソフィア・アレンシャルを尋問しました。尋問といっても、催眠状態にしてから邪族の情報を聞き出しただけなんですが、そのおかげで奴らの隠れ家もわかりました。国王自らが討伐に向かったのはいいのですが、そこにはSクラスが2体いたと聞いています。皆が窮地に陥った時に助けてくれたのが、国王の中にいるラギウス様なのです」
やはり、彼が助けたのか。
「ああ、なんか面白そうな奴等がいると思ってな。久し振りに外に出たいという気持ちもあったから、ハーキスが気絶した時に入れ替わったんだよ。それでSクラスと戦ったわけだが、正直拍子抜けだ。あいつら、1発で死にやがった。始めは巫山戯ているのかと思ったんだが、本当に死んでいたんで驚いたぜ!」
レーデンブルクの王族達にとって、ラギウスは英雄扱いなわけか。
「ここ異世界スフィアタリアのSクラスは、下級悪魔に相当する力量ね。昔の邪王で中級といったところかな?」
「マジかよ!まさかとは思っていが、ここの邪族連中、弱過ぎだろ!」
「全ての異世界の勇者抹殺という強い目的意識を持つ【悪魔】という種が強いのよ!」
「それじゃあ、サーシャは何に分類するんだ?明らかに強過ぎるぞ!少なくとも、俺より10倍ぐらい強いよな」
「うーん、私の場合は日本人から始まって、邪神になって女神になったわね」
「なんだそりゃ!どういう経緯でそうなったんだ?」
うーん、話すと長くなるわね。これまでの経緯を簡単に話した。自分の日本での名前は教えていない。
「はあ、なるほどね。サーシャも気の毒にと言うしかないな。まあ、その分強くなれたんだから良いんじゃないか?前向きに考えろよ!うんで、性悪女神サリアと性悪異世界召喚者が黒幕か。俺達を呼び出した野郎は神と名乗っていたが男だった。異世界召喚者の奴等ってことか。サーシャなら、無理矢理管理世界に行って全員抹殺出来るんじゃないか?神と名乗っていた男も、俺の半分くらいの強さだったぞ」
お、それは良い情報ね。私の見た限り、ラギウスの強さは3000万くらいね。異世界召喚者連中の力量は1000~2000万の間ってとこかな?あれ、そうなると、私は3億くらいあるのかな?
「管理世界の座標がわからないのよ。ここから空間を断ち切って、管理世界の異空間を探すのは可能だけど、かなりの労力と時間がかかるわ」
「ああ、確かに。それなら遺跡のメッセージを聞いた方が早いな」
あ、そういえば、2人だけで話を進めてしまった。
周りを見ると離れた場所で、王妃様やフィンの兄妹達が私の仲間と仲良く談笑していた。なんか、王妃様達がフィン達の話をどんどん真剣に聞いていっているのが気になるわね。まあ、こっちは悪魔関係の話をしていこう。とりあえず、聞きたいことは、
1) 悪魔は召喚されると、どうなるのか?
2) あなたの力で、悪魔を次元の狭間に戻せるのか?
3) レーデンブルクにいる一体化した奴等は仲間なのか?
4) アルテハイムにいる悪魔達と関係は?
かな?とりあえず、1つずつ聞いていこう。
「ねえ、ラギウス、こちらから質問したいのだけど良いかしら?」
「ああ、構わない。サーシャの事情ばかり聞いていたからな」
「まずは、悪魔は次元の狭間にいて実態はない----でいいの?」
「それは少し違うな。悪魔の生息場所は、確かの次元の狭間だ。そして、実態もある。ただ、次元の狭間では実態を保てるが、異世界の中だと次元が違うせいか、誰にも認識されないのさ。こちらからも、感じる事は出来るが干渉出来ない。だから、異世界に召喚される際は召喚主によって、その異世界に対応可能なものに変化させられるんだ」
「それで、悪魔達はトイフェルベリーになっているのね」
「そういう事だ。神が召喚主ということもあって、最低でも10000体以上は召喚されているぞ」
なんですって!
「10000体以上!召喚主は何を考えているのよ!」
馬鹿じゃないのか?そんなに召喚する意味がわからない。
「はっきり言おう。召喚主は日本人だ。そして-----馬鹿だ。奴はこう言ったよ。【最近、勇者を召喚して、邪王を再封印するの繰り返しばかりで飽きてきたんだよ。それに邪族ばかりが討伐されていて、少し可哀想なんだよね。たまには、勇者が逆に討伐されて、世界が大混乱に陥る光景も見てみたいんだ。悪魔達も、すぐに勇者を討伐しなくていいから、まあ遊びついでにこの世界を楽しんでいってよ】だとさ」
むかつく!涼見凌一といい、この日本人といい、なんでこの世界を軽く見ているかな?本当にゲーム感覚で見てるわね。
「ねえ、そいつ名前なんて言うのかしら?」
「名前は秒寺伸太郎(びょうじ しんたろう)だったな。いつ召喚されたのかは知らん。顔も性格も全てがムカつくから、即抹殺しようと思ったが干渉出来なかった。その後、すぐにトイフェルベリーにされて、どこかの木の実になっちまったしな。今度会った時はぶっ殺す!」
私も同意見ね。舐めたことをしてくれるわね。とりあえず、話を先に進めましょう。
「召喚された悪魔をあなたの力で次元に狭間に戻せないの?」
「それは無理だ。俺達を次元の狭間に戻す方法は2つある。1つは勇者を抹殺すること、もう1つは召喚主を殺すことだ」
「なるほど、秒寺伸太郎を殺せばいいわけね。居場所はわかる?」
「正確な居場所はわからん。だが、アルテハイムにいるかもしれん。この王城にスパイが6人侵入していて、今は自由に行動させている。そいつらの情報を盗み聞きした限り、現在アルテハイムの王宮内に関しては悪魔の巣窟と化しているらしい。王都や他の街に関してはわからんが、相当の獣人達が一体化されているだろう。そんで、王城の玉座に座っている奴が、王と一体化した悪魔王ベリアルだそうだ」
ベリアルって、どう考えても地球の言葉よね?何か関係があるのかしら?
「つまり、そいつが黒幕の1人である秒寺伸太郎と繋がっている可能性が高いってことね?」
「ああ、唯一の救いは、第2皇子であるレオンがこちらにいる事だ。最悪、王族が全滅していても、まだ再興が可能だからな。レオンは学園にいる。アルテハイムのことを聞いて1人で抜け出そうとしていたが、友人達が必死で止めたそうだ。そろそろ、こちらに来る頃合いだな」
フィンも話を聞いているはずだ。早く会いたいところでしょうね。
「そういえば、さっきスパイが6人いると言ってたわね?」
「ああ、そうだが?」
「ここに来る道中、3体の悪魔がフィンを暗殺しにきたわよ。私が近付いたら灰になったけどね」
「そいつらは阿呆だな。相手の力量を見極められないのか?これでスパイは、3人になったわけか」
「悪魔なんだからフィンを暗殺する意味がわからないわ!戦争を起こすんだったら、普通に攻め込んで来ればいいのに」
「まあ、ボスのベリアルか秒寺が阿呆なんだろう。大方、フィンを暗殺して、レーデンブルクが怒って攻め込んで来るのを待っているんじゃないか?」
本当にそうかもしれないわね。私としては、時間稼ぎが出来て丁度良いけどね。
「アルテハイムにいる悪魔達は全滅させるけど構わないわね?」
「ああ、いいよ。仲間でもないしな。俺がハーキスを乗っ取った時期前後に、アルテハイムにもトイフェルベリーがばら撒かれたんだろう。一応、ハーキスに注意を促し、アルテハイムに通信したはずなんだが遅かったようだ」
ふーむ、そうなるとレーデンブルクのトイフェルベリーはどうなったのかしら?
「レーデンブルクのトイフェルベリーはどうなったのかしら?それに、悪魔に乗っ取られ一体化された獣人もいたんじゃない?」
「悪魔に乗っ取られた者は、俺が直々に出向き悪魔のみを殺しておいたからいいが、一体化されていたもの達に関しては、きちんと事情を説明してから殺したよ。30人くらいいたな。トイフェルベリーに関しては、俺のアイテムボックスに全て保管してある。全部で3000個近くあったな」
「3000個もあったの!」
「ああ、レーデンブルクに全土に、【トイフェルベリーは危険な薬物だから見つけ次第、王都に輸送すること】という御触れを出しているからな。この4ヶ月で集まった数が3000だ」
妙ね、国によってトイフェルベリーの出現頻度が違う気がする。
テルミア王国やガルディア帝国では、まだ発見の報せを聞いていないし異常もない。シルフィーユでは最近になって発見された。それに対して、アルテハイムは個数不明だけど、戦争を起こすくらいまでになっている。レーデンブルクでは3000個か。
秒寺伸太郎か、あいつがレーデンブルクとアルテハイムに密集させたのかもしれない。
「それじゃあ、その3000個のトイフェルベリーを私達が食べないといけないわね」
「おい!食べたらヤバイだろ!」
「問題ないわ。私の仲間達には加護を授けているから、どんな悪魔を食べても、食べた瞬間討伐されるからね」
「マジかよ!どんだけ規格外なんだよ。下手したら、俺も食われて消滅していた可能性もあるのか?」
「そうなるわね。運が良かったじゃない」
とにかく、これで大体の情報が聞けたわね。
まずは、やるべき事は、
1) レーデンブルクで発見された3000個のトイフェルベリーを食べること
2) 3体のスパイを確保し、フィンとイリスに討伐させる
3) アルテハイムにいる全ての悪魔達を討伐すること
このくらいか。
「ラギウス、ありがとう。ここでやるべき事の整理がついたわ」
「おう、ところでサーシャは料理が得意と聞いているが?」
ああ、皇帝から聞いているのね。
「ええ、得意よ。日本にいた頃は毎日料理を作っていたからね。ついでだから、旅の間、テルミア王国では揚げ物関係、ガルディア帝国では中華料理を教えておいたわ。みんな戦争になるくらい喜んで食べていたわね」
「おお、いいねー!ここでは何を作るつもりだ?」
「予定ではラーメンね」
「よっしゃーーー!俺はラーメン大好物だぜ!悪魔の件が片付いたら作ってくれよ!」
「待ちなさい。材料がないわよ。探してもいないしね」
「それなら大丈夫だ。ハーキスが寝ている間にこっそり調べておいたのさ。フレンチ料理系は調味料が少し足りないが、ラーメンの材料ならある。味噌やカンスイもあるぞ!」
国王の姿で何やってんのよ。手間が省けたからいいけどさ。
「悪魔の件が片付いたら、求めるだけ作ってあげるわ。フィン達にも約束してるしね。それより、乗っ取り者を変更出来ないの?国王の姿で夜中歩くのは怪しまれるわよ」
「それなら心配ない。残り3人のスパイの中で、サーシャと年齢の近い獣人がいるからな。そいつに乗り移る」
「それ可能なの?」
「ああ、相手に接触していれば可能だ。一体化しているし、そいつの中に入って悪魔を殺せば俺のものになる。アルテハイムに関する必要な情報も獲得したからスパイ共も用済みだな。あとで、始末しておこう」
ふー、まあ良いか。ラギウスと出会えた事は幸運ね。そのおかげで、色々と情報を獲得出来た。レーデンブルクが平和なのは、
1) ラギウスが事前にトイフェルベリーの情報を国王に教え、被害を最小限に抑えた
2) ラギウスが邪族のボスを瞬時に討伐した事で、被害を最小限に抑えた
こういう理由があったのね。
あとは、トイフェルベリーをみんなに食べて貰ってドーピングしておきましょう。私の場合は、既に邪神でドーピング済なんだけど、レベルがかなり上がりそうだから食べておきましょう。
「はあ~、それで単刀直入に聞くけど、あなたは味方なの?」
「ストレートに聞くね~。ああ、味方だよ」
味方ね?
「根拠は?悪魔の根っこは勇者抹殺でしょ?しかも、あなたは悪魔の最高クラスである悪魔王、普通に信じろというのは無理があるわよ」
「くく、俺は前世の諸刃彰利の時、総合格闘技にはまっていてね。世界中に存在する数多くの格闘技を見て修得してきた。その時に、心の制御方法を習ったのさ。有名なもので言えば、禅寺での座禅修行や滝業がそうだな。勇者抹殺の衝動とかも、心に確かにあるが、制御するのは簡単なことだ」
ふーむ、嘘は言ってないようね。
「なるほど、獣人の人達も信頼しているようだし、とりあえずあなたを信じるわ。裏切ったら、容赦なく討伐するからね!」
「裏切らないよ。俺は強い奴と戦いたいだけなんだが、サーシャの場合強過ぎて、俺が雑魚に感じるよ。畏敬スキルを感じただけで、体力がどんどん削られていったからな。ハーキスが守ってくれなかったら、マジでヤバかった。召喚されて4ヶ月程なのに、もう最強と出会うとは思わなかったね」
「それは、こちらのセリフよ!悪魔に関しては今日話を聞いたばかりなのに、いきなり最上級悪魔と出会うとは思わなかったわ」
「くく、俺達気が合いそうだな」
「ふふ本当ね」
「あの---サーシャ様、ラギウスの討伐は?」
ああ、王族達はラギウスを心配しているのね。
「王妃様、ラギウスを討伐しませんので安心して下さい」
それを聞いて、王族達全員が安堵した。どうやら、レーデンブルクが平和なのは、彼が絡んでいるようね。
「よかった。ラギウス様は、レーデンブルクを邪族の手から守ってくれたのです。我々はフィンが行方不明となった後、村や街に度々姿を現していた邪族を討伐しながら、邪族の隠れ家を探していました。そして、リッチが真相を話してくれたことで、私達はソフィア・アレンシャルを尋問しました。尋問といっても、催眠状態にしてから邪族の情報を聞き出しただけなんですが、そのおかげで奴らの隠れ家もわかりました。国王自らが討伐に向かったのはいいのですが、そこにはSクラスが2体いたと聞いています。皆が窮地に陥った時に助けてくれたのが、国王の中にいるラギウス様なのです」
やはり、彼が助けたのか。
「ああ、なんか面白そうな奴等がいると思ってな。久し振りに外に出たいという気持ちもあったから、ハーキスが気絶した時に入れ替わったんだよ。それでSクラスと戦ったわけだが、正直拍子抜けだ。あいつら、1発で死にやがった。始めは巫山戯ているのかと思ったんだが、本当に死んでいたんで驚いたぜ!」
レーデンブルクの王族達にとって、ラギウスは英雄扱いなわけか。
「ここ異世界スフィアタリアのSクラスは、下級悪魔に相当する力量ね。昔の邪王で中級といったところかな?」
「マジかよ!まさかとは思っていが、ここの邪族連中、弱過ぎだろ!」
「全ての異世界の勇者抹殺という強い目的意識を持つ【悪魔】という種が強いのよ!」
「それじゃあ、サーシャは何に分類するんだ?明らかに強過ぎるぞ!少なくとも、俺より10倍ぐらい強いよな」
「うーん、私の場合は日本人から始まって、邪神になって女神になったわね」
「なんだそりゃ!どういう経緯でそうなったんだ?」
うーん、話すと長くなるわね。これまでの経緯を簡単に話した。自分の日本での名前は教えていない。
「はあ、なるほどね。サーシャも気の毒にと言うしかないな。まあ、その分強くなれたんだから良いんじゃないか?前向きに考えろよ!うんで、性悪女神サリアと性悪異世界召喚者が黒幕か。俺達を呼び出した野郎は神と名乗っていたが男だった。異世界召喚者の奴等ってことか。サーシャなら、無理矢理管理世界に行って全員抹殺出来るんじゃないか?神と名乗っていた男も、俺の半分くらいの強さだったぞ」
お、それは良い情報ね。私の見た限り、ラギウスの強さは3000万くらいね。異世界召喚者連中の力量は1000~2000万の間ってとこかな?あれ、そうなると、私は3億くらいあるのかな?
「管理世界の座標がわからないのよ。ここから空間を断ち切って、管理世界の異空間を探すのは可能だけど、かなりの労力と時間がかかるわ」
「ああ、確かに。それなら遺跡のメッセージを聞いた方が早いな」
あ、そういえば、2人だけで話を進めてしまった。
周りを見ると離れた場所で、王妃様やフィンの兄妹達が私の仲間と仲良く談笑していた。なんか、王妃様達がフィン達の話をどんどん真剣に聞いていっているのが気になるわね。まあ、こっちは悪魔関係の話をしていこう。とりあえず、聞きたいことは、
1) 悪魔は召喚されると、どうなるのか?
2) あなたの力で、悪魔を次元の狭間に戻せるのか?
3) レーデンブルクにいる一体化した奴等は仲間なのか?
4) アルテハイムにいる悪魔達と関係は?
かな?とりあえず、1つずつ聞いていこう。
「ねえ、ラギウス、こちらから質問したいのだけど良いかしら?」
「ああ、構わない。サーシャの事情ばかり聞いていたからな」
「まずは、悪魔は次元の狭間にいて実態はない----でいいの?」
「それは少し違うな。悪魔の生息場所は、確かの次元の狭間だ。そして、実態もある。ただ、次元の狭間では実態を保てるが、異世界の中だと次元が違うせいか、誰にも認識されないのさ。こちらからも、感じる事は出来るが干渉出来ない。だから、異世界に召喚される際は召喚主によって、その異世界に対応可能なものに変化させられるんだ」
「それで、悪魔達はトイフェルベリーになっているのね」
「そういう事だ。神が召喚主ということもあって、最低でも10000体以上は召喚されているぞ」
なんですって!
「10000体以上!召喚主は何を考えているのよ!」
馬鹿じゃないのか?そんなに召喚する意味がわからない。
「はっきり言おう。召喚主は日本人だ。そして-----馬鹿だ。奴はこう言ったよ。【最近、勇者を召喚して、邪王を再封印するの繰り返しばかりで飽きてきたんだよ。それに邪族ばかりが討伐されていて、少し可哀想なんだよね。たまには、勇者が逆に討伐されて、世界が大混乱に陥る光景も見てみたいんだ。悪魔達も、すぐに勇者を討伐しなくていいから、まあ遊びついでにこの世界を楽しんでいってよ】だとさ」
むかつく!涼見凌一といい、この日本人といい、なんでこの世界を軽く見ているかな?本当にゲーム感覚で見てるわね。
「ねえ、そいつ名前なんて言うのかしら?」
「名前は秒寺伸太郎(びょうじ しんたろう)だったな。いつ召喚されたのかは知らん。顔も性格も全てがムカつくから、即抹殺しようと思ったが干渉出来なかった。その後、すぐにトイフェルベリーにされて、どこかの木の実になっちまったしな。今度会った時はぶっ殺す!」
私も同意見ね。舐めたことをしてくれるわね。とりあえず、話を先に進めましょう。
「召喚された悪魔をあなたの力で次元に狭間に戻せないの?」
「それは無理だ。俺達を次元の狭間に戻す方法は2つある。1つは勇者を抹殺すること、もう1つは召喚主を殺すことだ」
「なるほど、秒寺伸太郎を殺せばいいわけね。居場所はわかる?」
「正確な居場所はわからん。だが、アルテハイムにいるかもしれん。この王城にスパイが6人侵入していて、今は自由に行動させている。そいつらの情報を盗み聞きした限り、現在アルテハイムの王宮内に関しては悪魔の巣窟と化しているらしい。王都や他の街に関してはわからんが、相当の獣人達が一体化されているだろう。そんで、王城の玉座に座っている奴が、王と一体化した悪魔王ベリアルだそうだ」
ベリアルって、どう考えても地球の言葉よね?何か関係があるのかしら?
「つまり、そいつが黒幕の1人である秒寺伸太郎と繋がっている可能性が高いってことね?」
「ああ、唯一の救いは、第2皇子であるレオンがこちらにいる事だ。最悪、王族が全滅していても、まだ再興が可能だからな。レオンは学園にいる。アルテハイムのことを聞いて1人で抜け出そうとしていたが、友人達が必死で止めたそうだ。そろそろ、こちらに来る頃合いだな」
フィンも話を聞いているはずだ。早く会いたいところでしょうね。
「そういえば、さっきスパイが6人いると言ってたわね?」
「ああ、そうだが?」
「ここに来る道中、3体の悪魔がフィンを暗殺しにきたわよ。私が近付いたら灰になったけどね」
「そいつらは阿呆だな。相手の力量を見極められないのか?これでスパイは、3人になったわけか」
「悪魔なんだからフィンを暗殺する意味がわからないわ!戦争を起こすんだったら、普通に攻め込んで来ればいいのに」
「まあ、ボスのベリアルか秒寺が阿呆なんだろう。大方、フィンを暗殺して、レーデンブルクが怒って攻め込んで来るのを待っているんじゃないか?」
本当にそうかもしれないわね。私としては、時間稼ぎが出来て丁度良いけどね。
「アルテハイムにいる悪魔達は全滅させるけど構わないわね?」
「ああ、いいよ。仲間でもないしな。俺がハーキスを乗っ取った時期前後に、アルテハイムにもトイフェルベリーがばら撒かれたんだろう。一応、ハーキスに注意を促し、アルテハイムに通信したはずなんだが遅かったようだ」
ふーむ、そうなるとレーデンブルクのトイフェルベリーはどうなったのかしら?
「レーデンブルクのトイフェルベリーはどうなったのかしら?それに、悪魔に乗っ取られ一体化された獣人もいたんじゃない?」
「悪魔に乗っ取られた者は、俺が直々に出向き悪魔のみを殺しておいたからいいが、一体化されていたもの達に関しては、きちんと事情を説明してから殺したよ。30人くらいいたな。トイフェルベリーに関しては、俺のアイテムボックスに全て保管してある。全部で3000個近くあったな」
「3000個もあったの!」
「ああ、レーデンブルクに全土に、【トイフェルベリーは危険な薬物だから見つけ次第、王都に輸送すること】という御触れを出しているからな。この4ヶ月で集まった数が3000だ」
妙ね、国によってトイフェルベリーの出現頻度が違う気がする。
テルミア王国やガルディア帝国では、まだ発見の報せを聞いていないし異常もない。シルフィーユでは最近になって発見された。それに対して、アルテハイムは個数不明だけど、戦争を起こすくらいまでになっている。レーデンブルクでは3000個か。
秒寺伸太郎か、あいつがレーデンブルクとアルテハイムに密集させたのかもしれない。
「それじゃあ、その3000個のトイフェルベリーを私達が食べないといけないわね」
「おい!食べたらヤバイだろ!」
「問題ないわ。私の仲間達には加護を授けているから、どんな悪魔を食べても、食べた瞬間討伐されるからね」
「マジかよ!どんだけ規格外なんだよ。下手したら、俺も食われて消滅していた可能性もあるのか?」
「そうなるわね。運が良かったじゃない」
とにかく、これで大体の情報が聞けたわね。
まずは、やるべき事は、
1) レーデンブルクで発見された3000個のトイフェルベリーを食べること
2) 3体のスパイを確保し、フィンとイリスに討伐させる
3) アルテハイムにいる全ての悪魔達を討伐すること
このくらいか。
「ラギウス、ありがとう。ここでやるべき事の整理がついたわ」
「おう、ところでサーシャは料理が得意と聞いているが?」
ああ、皇帝から聞いているのね。
「ええ、得意よ。日本にいた頃は毎日料理を作っていたからね。ついでだから、旅の間、テルミア王国では揚げ物関係、ガルディア帝国では中華料理を教えておいたわ。みんな戦争になるくらい喜んで食べていたわね」
「おお、いいねー!ここでは何を作るつもりだ?」
「予定ではラーメンね」
「よっしゃーーー!俺はラーメン大好物だぜ!悪魔の件が片付いたら作ってくれよ!」
「待ちなさい。材料がないわよ。探してもいないしね」
「それなら大丈夫だ。ハーキスが寝ている間にこっそり調べておいたのさ。フレンチ料理系は調味料が少し足りないが、ラーメンの材料ならある。味噌やカンスイもあるぞ!」
国王の姿で何やってんのよ。手間が省けたからいいけどさ。
「悪魔の件が片付いたら、求めるだけ作ってあげるわ。フィン達にも約束してるしね。それより、乗っ取り者を変更出来ないの?国王の姿で夜中歩くのは怪しまれるわよ」
「それなら心配ない。残り3人のスパイの中で、サーシャと年齢の近い獣人がいるからな。そいつに乗り移る」
「それ可能なの?」
「ああ、相手に接触していれば可能だ。一体化しているし、そいつの中に入って悪魔を殺せば俺のものになる。アルテハイムに関する必要な情報も獲得したからスパイ共も用済みだな。あとで、始末しておこう」
ふー、まあ良いか。ラギウスと出会えた事は幸運ね。そのおかげで、色々と情報を獲得出来た。レーデンブルクが平和なのは、
1) ラギウスが事前にトイフェルベリーの情報を国王に教え、被害を最小限に抑えた
2) ラギウスが邪族のボスを瞬時に討伐した事で、被害を最小限に抑えた
こういう理由があったのね。
あとは、トイフェルベリーをみんなに食べて貰ってドーピングしておきましょう。私の場合は、既に邪神でドーピング済なんだけど、レベルがかなり上がりそうだから食べておきましょう。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4,048
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる