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5章 レーデンブルク 悪魔討伐編

仲間達の現状-1

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管理システムも復旧された事だし、これで佐江と努に会いに行けるわ。早速出発しようと思ったら、サリアとテイルに止められたけどね。

理由が、

「お腹が苦しいから1時間程待って」

だものね。ラーメン3杯も食べたら、お腹いっぱいになるわよ。

せっかくだから、行く前に加護者達の現在の状況を知っておきましょう。以前なら、通信して情報交換しないといけなかったけど、今の私にはシステムマニュアルスキルがある。このスキルのおかげで、加護者達の現在地やステータス情報を私のステータス画面で見れるようになったのよね。現在地を知りたい時は、世界地図に表示されるのは嬉しいわね。やろうと思えば、ステータスも弄れるけど、さすがにそれは禁忌を犯す事に等しい行為だからやらない。


ウィルさん達は、魔国レムナントの王城にいるのね。全員生存しているし、ステータスも大幅に向上している。4人とも基礎能力値が70万近くあるわね。なんか経験値がどんどん増えてレベルとステータス数値が上がっていってる。現在地も考慮すると、今まさにトイフェルベリーを食べているところかな?今は放っておこう。


ガルディア帝国のキースとリッチもステータスが大幅に向上しているわ。

キース 53万   リッチ 208万

現在地は、王都とビルブレムの中間辺りか。2人の経験値が少しずつ上がっていってる。うーん、もう少し情報が欲しいわね。-----!------そうだ。加護者の位置を青色、悪魔乗っ取り者は黄色、悪魔一体化は赤、トイフェルベリーは黒色で表示するように設定しよう。この程度の設定なら、私1人で問題なく設定出来るわ。

--------よし、これでいいわ。管理システムと私の世界地図を共有させておきましょう。

えーと、あ!キースとリッチは悪魔20体と交戦中か。悪魔の強さは、さすがにわからないわね。まあ危ない時は、私に通信してくるでしょう。それにしても、悪魔達は世界中に散らばっている。ラギウスが1万以上と言っていたけど、数に換算すると合計で9789個か。これまでの討伐で、やっと1万以下になったのか。現在の生存数も少しずつ減少しているわ。少ない順からレーデンブルク王国398個、ドワーフのオルセイユ王国600個、魔国レムナント985個、テルミア王国931個、ガルディア帝国750個、シルフィーユ王国2340個、アルテハイム3785個か。この中に、悪魔王が4体いるのね。ラギウスとベリアル、それとあと2体か。ラギウス以外は、私が討伐しておきましょう。秒寺は大した考えもなく、これだけの悪魔達を召喚したのね。アルテハイムに行き、出会ったら必ずぶん殴って、きついお仕置きを与えてやる。

そうだわ!セキュリティーバードがアルテハイムの王城に到着しているはずね。映像を見てみよう。

「お、これがレオンの父親と一体化した悪魔王ベリアルか」

「サーシャ、何やってるの?」

サリアは、まだ苦しそうな顔をしているわね。もうしばらく休憩が必要ね。

「現在、秒寺はスキルと魔法を悪魔王ベリアルに封じられて牢獄に閉じ込められているのよ。私が作った監視用の鳥『セキュリティーバード』で様子を見ようと思ってね」

「ふうーん、面白そうね。それで、こいつが悪魔王ベリアルね。強さは私と同じくらいか?さすがに悪魔王と呼ばれるだけあるね。それにしても秒寺の奴、自分より強い悪魔が召喚される可能性を考慮しなかったのかしら?」

「悪魔王ラギウスも同じことを言っていたわ。秒寺は、軽い考えで悪魔を召喚するただのアホだとね。ちなみにラギウスは、サリアの2倍くらい強いわよ」

「はあ!秒寺を見つけたら、とりあえずぶん殴る!」
「同意見よ」

悪魔王ベリアルはレーデンブルクに仕掛けてこないけど、何か理由があるのかしら?そうだわ。3体のセキュリティーバードに『盗聴スキル』を付けておきましょう。有効範囲は500mでいいでしょう。これでインストールっと。うーん便利になったわね。

《ベリアル様、アルテハイムにいる悪魔達3785体中3000体程が、一体化まで終了しました》

《ふ、もう少しか。全く不便なものだな。トイフェルベリーにされた所為で、同胞が見つけにくくなってしまったわ》

《はい、アルテハイムに存在するトイフェルベリーは、あと500程と考えられ、現在捜索しております》

《ふ、まあ焦らずとも良い。あの伝令は皆に伝えているか?》
《はい、先程私の魔法で、この世界の全ての悪魔に伝え終わっています》

《よし、これだけの仲間が召喚されたのだ。勇者を殺すのは最後で構わん。この世界を掌握するのも悪くないからな。それで、残りの悪魔王達の所在を突き止めれたのか?》

《ベルムント様とツガイゼル様のお2人は、おそらくトイフェルベリーのままだと思われます。私が探っても、全く気配を感じられませんでした》

《グルマンの力を持ってしても感じれんのか?つくづく厄介な実にされてしまったな?それでラギウスは?》

《既に一体化まで終わっていました。ただ気配を見つけた瞬間、私が殺されそうになったので、伝令は伝えていませんし、所在地もわかりませんでした。申し訳ございません》

《まあ良い。奴なら大丈夫だろう。ラギウスは強者と戦う事にしか興味を示さん。しばらくは放っておけ。秒寺の調整はどうだ?》

《順調でございます。もう少しで、ベリアル様に移せそうです》

《くくく、ならば良い。全ての準備は整いつつあるな》


うーん、なにやら良からぬ事を企んでいるわね。

「こいつら、私達が見て聞いている事に全く気付いてないわね?」

「私の作ったセキュリティーバードはロボットのような物で、命や意思は存在しないの
。私が与えたプログラムに忠実に従うだけよ。それに、悟られないようなスキルも付けているから。まず気付かれないでしょうね」

「サーシャ、エゲツない物を作るわね。それってどこにいても見られ聞かれているって事でしょ?」

「そうね。今は危うい状況が続いているから、レーデンブルクにいる仲間や佐江と努の 場所へ飛ばしているけど、仲間達に限って言えば信用しているから見てもいないし聞いてもいないわ。仲間から通信が入って危機的状況に陥った場合のみ、使用する予定ね。逸早く、情報を察知出来るからね」

「なるほど、そういう使い方もあるか」

さて、ベリアルに関してはもういいわね。
次は、桜木君達だ。

桜木春人  54万  島崎美香  52万   竜崎真也  18000   久保義輝  17500
吹山夕実 15000   バーン  84万   リフィア   82万


うーん、勇者と聖女の称号もあるからか、伸び率が高いわね。ただ、------夕実達との差があり過ぎる!正に、ドーピング勇者とドーピング聖女に相応しい差だ!バーンさんとリフィアさんも大幅に上がっているわ。悪魔召喚によるシステムへの過負荷と膨大な数のエラーの発生、私の加護、これらの影響で、全員のステータスが種族の限界値を遥かに超えているわね。うーん、今後も討伐を行なっていくから、ここからもっと増大していくでしょうね。現在位置は、予想通りシルフィーユ王国の王都か。5人は一緒にいるようね。バーンさんとリフィアさんは、5人から少し離れているか。セキュリティーバードに見に行ってもらいましょう。

「サーシャ、この映像の5人は誰なの?」

「私の友達、桜木春人・島崎美香・竜崎真也・久保義輝・吹山夕実よ。佐江と努から近い位置にいるわね。現在は休憩中か」


《だああーーーートイフェルベリーが多過ぎる!一体何個食べればいいんだ!》
《夕実~、食べてよ~~限界だよ~~》
《私を殺す気ですか!》

《にしてもよ~~、次から次へと運び込まれてくるよな~~。義輝、現在の総数はいくらなんだ。さっき聞いてきたんだろ?》

《あえて言わないでおこうと思ったんだが、-----現在の総数は1000を超えたらしい》

《《1000》》

《俺、勇者なんだよな?旅を続けて、精霊王に聖剣を強くさせてもらって、邪王を討つんだよな?それがどうして、食べているだけなんだ?いくら強くなれるとわかっていても、ドーピングしまくって邪王を討っても、あまり嬉しくないぞ》

《私が思った冒険と全然違うよ~~。異世界冒険の小説内容と全然違うよ~~》

《当然ですね。これは現実なんですから、小説通りの展開になるわけありません。ドーピングしまくって、邪王を討つんです。頑張れ、美香!》

《夕実~、堂々とドーピングして良いのかな~~?私達の世界じゃあ、とっくに逮捕されているよ~》

《これが現実です。ドーピングで世界を救うんです!頑張れ、ドーピング勇者、ドーピング聖女!》



《それはそうと、もう少しでサーシャとサリアが、こっちに来るらしいぞ》

《ちょっと義輝!サリアって、茜を邪族に変えた奴でしょ!サーシャは、なんでサリアと仲良くしているのよ!映像は虫を通してわかっていたけど、声が聞こえなかったせいで、仲良くなる理由がわからない》

《同じ事を努さんに言ったよ。声を聞かせる事も可能だけど、それをすると佐江さんと努さんがサーシャに殺されるらしい。ただ、声を聞かせない理由は、俺達を驚かせるためだそうだ》

《義輝さん、どういう意味ですか?姿を見てるんですから、驚かせる意味がないですよ?》

《サーシャは、魔法で姿を変化させているんだ。ここに現れる時は、魔法を解除して現れるから、その時に声を消した意味がわかるらしい》

《まあ、全てはサーシャとサリアが来ればわかる事か。それまでは、暇だしトイフェルベリーを喰っておくか。美香~、食べるぞ~》

《は~~い》

おー、佐江と努も、気がきくわね。

もし、私が来る前に教えていたら、感動の再会が台無しだものね。まあ教えていたら、サリアとテイル同様グリグリ攻撃の刑にしてやるつもりだったけど、その必要はなさそうね。

「ねえサーシャ、妙な悪寒が走ったんだけど、何か良からぬ事を考えたでしょ?」
「私も感じました。この悪寒はお仕置きの事を考えていましたね!」


テイルも起き出したか!
2人とも、あのお仕置きに対して、凄く敏感になっているわ。

私のグリグリ攻撃は、そこまで心に響くのだろうか?


よし、最後にフィン達の観察だ。
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