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最終章 邪王討伐編
邪王の討伐方法は?
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レーデンブルク王城の訓練場へ転移すると、騎士達がいつも通り訓練していた。そして、私達に気付くと、呆然としていた。
《え、あれサーシャ様達だよな?》
《ああ、任務に行って2時間も経ってないぞ!おい、急いで、ラギウス様を呼んでくるんだ!》
《ああ》
「サーシャ、予想通り、みんな驚いているわよ」
まあ、任務内容を知っているから、これだけ早く帰還したら驚くでしょうね。
「サーシャ様、これからどうするんですか?」
「悪魔討伐が終了した事と、これから勇者と一緒に邪王を討伐する事を加護者達全員に知らせるわ。早ければ、今日中には邪王も討伐されてるかもね」
「早過ぎるわよ!これまでの邪王との戦いは、前哨戦も含めたら3日かかっていたのよ!」
「これまではそうでしょうね。邪王との戦いに関しては、私も参戦するわ。今まで殆ど見てただけで、戦いらしい事を何1つしていないのよ。一度、魔法を思いっきりぶっ放したいのよ」
「サーシャ様、ついさっき悪魔王ベリアルと戦ったじゃないですか!」
「あれは、戦いと呼べないわ。両手から変な糸を出して、私の身体をがんじがらめにしてきたのよ。私のスキルや魔法を封じて、全ての力を吸い出そうとしたわね」
「お姉様、大ピンチじゃないですか!」
「あー、この先の展開が読めたわ。サーシャ、逆に吸い尽くしたんでしょ?」
サリアには、やっぱりわかるようね。
「正解!スキルと魔法が封じられても、魔力を動かせる訓練は常にしているからね。私の魔力をベリアルに流し込んで、力づくで全ての能力を吸い取ってミイラにしてやったわ。その後は、虚無魔法で終了ね」
「お姉様----相手は邪王より強い悪魔王なのに----デタラメ過ぎます」
「幸い、邪王が封印されている場所は島だからね。思いっきり、魔法を使えるわ」
「サーシャが本気で魔法をぶっ放したら、スフィアタリアに天変地異が発生して、人類絶滅するのがオチよ。魔法は使っても良いけど、本気でやってはダメよ!」
やはり、ダメか。
「わかったわよ。そんなわけで邪王戦に関しては、みんな見学ね」
「お姉様、普通そこは全員参戦なんですけど?」
「ぶー!サーシャ様、私もジンもイリスもすご~~く修行したんですよ!さっきの悪魔との戦いだって、虚無魔法を放っただけで、全然身体を動かしてません。身体を動かしたいです!」
うーん、確かにそうね。まあ島なんだから、リッカ達が暴れてもいいかな?
「----わかったわ。みんなで暴れましょう」
「「「「やったーーーー」」」」
「ああ、そうそう、ジンとリッカ、試験は合格よ。お仕置きなしだからね」
「「は?試験?」」
こらこら、以前言った事を忘れているわね。
「フィンとイリスが中級悪魔と戦った時に言ったわよね。貴方達はアルテハイムで試験するって」
「「ええーーー!!!」」
「ジンもリッカも虚無球をただ放つだけでなく、魔力消費を最小限に抑えるために的確に獣人と悪魔を選別し核のみを撃ち抜いていたわ。修行をきちんとこなしていたようね。試験は合格よ」
「試験の事、完全に忘れてた。ジンは?」
「俺も、完全に忘れていた」
「あ、イリス、だからあの時アドバイスしてくれたの?」
?
あの時、終始セキュリティーバードを経由して見ていたけど、その前にイリスがアドバイスしていたのか!
「そうですよ。お姉様は何も言わず王城に行きましたけど、絶対セキュリティーバードで戦いぶりを監視していると思ったんです。だから、『虚無魔法でどれだけ正確に悪魔の核だけを撃ち抜けるか競争しましょう』と言ったんです。やっと意味がわかったんですね」
「イリス~~、ありがとう~~。完全に忘れてたよ~。あのお仕置きだけは、嫌なんだよ~~。イリスは命の恩人だよ~~」
そこまで、刺激臭ver.2は嫌なのね。
「俺は元からそうするつもりだったが、リッカは手当たり次第に当てまくる予定だったよな?」
「ぎゃああーーーー、ジン、なんでそれを言うんだよーーーー」
----全く---リッカに関しては、単独行動させない方がいいわね。ああ、リッカが震えながら、私を見ているわ。
「お仕置きはしません。きちんと虚無魔法を自在に扱えていたからね。ただし、今後行動を起こす時は注意しなさい」
「やった!お仕置き回避!はい、気をつけます!」
周りの獣人達の目もあるから、こんなところでお仕置き出来ないわよ。
あら、ラギウスや国王・王妃・王太子が走って来たわね。レベッカとアデリナは、学園に戻ったのかもしれないわね。
「サーシャ、もう終わったのか!思った以上に早かったな」
「殆ど力づくで終わらせた様なものね。悪魔達の方も、何らかの作戦を立てていたのでしょうけど、サリアの威圧で完全に動けなくしてから、こちらが行動したからね。作戦を実行しようにも、身体が動かず、何も出来ないまま消滅されたか送還されたかのどちらかよ。邪王との決戦についてだけど、前哨戦でもある邪族達に関しては私も参加して暴れまわる予定よ。一番肝心の邪王は、勇者のステータスを500万にして、全力の一撃で一刀両断する予定ね」
「-----これが小説だったら、『面白味がない』と言って、読者を減らす様な展開だぞ」
「面白味がある展開なんかしたら、被害が増える一方よ。それに小説の様な面白味のある展開というのは、相手の力が未知数とか、敵味方双方共に同等の戦力で戦略が勝敗を決するものとか、味方の方が戦力不足で次々と仲間が死んでいき、主人公が覚醒するとか、そういった流れをいうんでしょ?私、邪王に関しては管理システムで全て把握しているんだけど?それに、今の私達と邪王側や悪魔側の戦力で、面白味のある展開が出来ると思う?」
「---あー、出来ないな。うん、不可能だな。確実に、一瞬でケリがつく展開だな」
「でしょう?現時点でわからないのは、邪王がどういった姿で出現するかぐらいね。まあ、赤ちゃんだろうが子供だろうが、老人だろうが魔物だろうが私の両親を模した姿だろうが即抹殺するけどね」
「サーシャ様~~、なんで、そこまで残酷になれるんですか?」
「私が女神になったからよ。私の判断ミスで、全てが狂う可能性もある。私自身の心が弱かったら、邪悪な連中は必ずそこを突いてくる。邪王も、管理システムの目を掻い潜り、一発逆転出来るような手段を模索しているはずよ。それを使われる前に、私の威圧で瀕死状態にさせて、勇者の春人君が全力で一刀両断すればいいの。こういう時に考える一手が大抵起死回生に繋がるからね。絶対に甘い部分を見せちゃいけないわ」
「うー、そこまで考えていたのですか!サリア様も見習って下さいね」
《ガン》
「アウチ」
「あんたは一言余計なのよ!」
おっと国王様と王妃様に報告しておかないとね。
「国王様、王妃様、悪魔討伐が完了しました。スフィアタリアに蔓延っていた全ての悪魔が送還されましたよ。悪魔を召喚した秒寺伸太郎も始末しておきました」
「---出発してから2時間も経っていないのに、もう全てを片付けたのか?それで、フィンとレオンは?」
「安心して下さい。アルテハイム王城に残って、これからの事を生き残っている人々と話し合っているところですよ。戦いが始まってからの味方への被害はゼロです。さっき聞いたように、威圧で動けなくしてから掃討しましたからね」
「-----普通、被害ゼロと言われても信じられないが、サーシャが言うのならなら信じられる。そうか、レオンが国王になったか----フィンも、いずれは王妃----か」
国王が感慨深い顔をしているわ。レオンは15歳、フィンは12歳、どう考えても若過ぎる。それ故の不安もあるのだろう。
「サーシャ様、アルテハイムを救って頂きありがとうございます。これで、レーデンブルクの国民達も安心して暮らしていけます」
「サーシャ様、ありがとうございます。フィン、頑張れよ」
国王も王妃も王太子も、ようやく事態を受け入れたか。
「そうそう、レオンとフィンに転移魔法をプレゼントしました。いつでも、ここに遊びに来ることが可能になりましたよ。だから、そう不安そうな表情をしないで下さい。2人とも、どうしても対処出来ない問題が発生したら、通信するより直接会いに来ると思います」
「「「え、転移魔法!?私達には?」」」
「あげません」
「「「そんなーーーー」」」
当たり前だ。今の状態であげたら、絶対2人に会いに行くに決まっている。レオンとフィンにとって、今が試練なのだ。この試練を乗り越えたら、立派な国王と王妃になるはず。だから、出来るだけ2人で問題を解決しなければならない。
「言っておきますけど、ラギウス達に頼んで転移だけはしないように。今は、2人を見守る時期なんです。もし転移しようとしたら、ラギウスを含めた全員にお仕置きを喰らってもらいます」
「ええーーー、俺もお仕置き!」
「ええ、連帯責任ね。いいですか、転移しないように!」
「「「------わかりました」」」
絶対、こっそりやるわね。3人とも、私の加護を持ってないから、必ず油断してラギウスかサリアに頼みに来るはずだ。その甘い考えを吹き飛ばしてあげるわ!
○○○
自分の部屋で休憩中、加護者達全員にメッセージを送っておいた。夕実、真也君、義輝君も、昨日の内に宝物庫にあるトイフェルベリーを全部食べたようね。基礎能力値も15万前後に増えていた。でも、次が最終決戦なのよね。ここで、『私と春人君だけで戦います』とか言ったら、リッカ達同様、絶対怒るわね。仕方ないな~~、邪王のいる島に転移した後、邪族達に関しては全員で戦おう。ハッキリ言って、戦力差があり過ぎるから、殺戮状態になるわね。うーむ、想像しただけで、面白くない展開になるのは確実だ。これが小説なら、読んでいて飽きるかもしれないわね。これまで私の関わる戦いはスフィアート以外、呆気なかった。普通に考えて、被害が殆どない戦いなんてあり得ないからね。でも、戦力に差があり過ぎるのだから仕方がない。
あ、国王達がサリアに転移を頼み込んでいる。私にはセキュリティーバードがあるから、状況を逐一確認出来る。あの時、『ラギウス達に頼むな』と言ったのを忘れている様ね。サリアに頼み込んでいるメンバーは、国王・王妃・王太子の3人か。ジンも転移魔法を使えるんだけど、3人は知らないもんね。
《サリア様、国王様達も止めた方がいいです》
《テイルの言う通りだ。マジで止めとけ》
《大丈夫だ。私達はサーシャ様の加護を貰っていない。あのラーメンのお仕置きは起こらないはずだ。ラギウスもレオンやフィンが上手くやっているのか不安だろう?》
《気持ちはわかるがな。絶対お仕置きを喰らうと思うぞ。サリアも止めとけ》
《今は見てないんだし大丈夫よ。私も気になるからね。さっさと行くわよ》
(小声)
《ラギウス様、実はレーデンブルク王城にも、セキュリティーバードがいるんです。ラーメンのお仕置きの時も、管理世界から見てましたからね》
《マジかよ!全然気付かなかった。おい、サリアは知ってるだろ?》
《そのはずなんですが、完全に忘れています。セキュリティーバードを経由して、お仕置き可能なはずです》
《だったら教えてやれよ!》
《嫌ですよ!そんな事したら、私もお仕置きを喰らいます。ラギウス様が教えて上げて下さい》
《断る!》
正解よ。教えたら、お仕置き決定だからね。ジン・リッカ・イリスは、別の部屋で休憩中か。その場にいなくて良かったわね。
《それじゃあ、行くわよ!『転----』!う、うう、こ、この臭いは-----まさか!》
《ぐ、この臭いは、あ、がっが、こ、これが---お---仕---置き、ぐぐ、ううぎゃああああぁぁぁぁぁーーーー》
あーあ、サリア・国王・王妃・王太子があまりの臭さで悶絶し転げ回っているわ。臣下には見せれない光景ね。最後には、白目となり泡を吹き出して気絶したか。
《あの時のお仕置きか!》
《はい、刺激臭ver.2です》
《やべえ、教えてたら、俺達も喰らってたのか》
《はい、あ、ラギウス様だけは、もっと悲惨なものを用意していたそうですよ》
《は!?なんで俺だけ!》
《なんでもver.2の二酸化硫黄は、ラギウス様にとって懐かしい臭いになるからお仕置きにならないそうです。ラギウス様だけは、地球で最も臭い魚の臭いを嗅がせると言ってました。どんな臭いかは、私にもわかりません。私達が嗅いだら、その瞬間死ぬかもしれないと言ってました》
《なんだと!地球で一番臭い魚といったら、海外の缶詰のあれしか考えられん。あいつ、あれを俺専用のお仕置きとして考えていたのか!》
《あの----それ程の臭さなんですか?》
《当たり前だ。二酸化硫黄の比じゃない。あれを軽く臭っただけで、魂が引きづり出されると思ったくらいだ。獣人達は絶対嗅ぐな!マジで死ぬぞ。あ、俺も獣人じゃないか!あぶねーー、もし教えてたら、マジで死んでたかもしれん》
あ、ラギウスが獣人だった事を完全に忘れてたわ。あれは封印しておこう。
それにしても、ラーメンの時同様、悲惨な光景になったわね。これで、ラギウスに転移を頼むことはないでしょう。
さあ、休憩が終わり次第、いよいよ邪王討伐ね。
○○○
すいません。思った以上に話が長くなったので、勇者達とのお話は次回となります。
《え、あれサーシャ様達だよな?》
《ああ、任務に行って2時間も経ってないぞ!おい、急いで、ラギウス様を呼んでくるんだ!》
《ああ》
「サーシャ、予想通り、みんな驚いているわよ」
まあ、任務内容を知っているから、これだけ早く帰還したら驚くでしょうね。
「サーシャ様、これからどうするんですか?」
「悪魔討伐が終了した事と、これから勇者と一緒に邪王を討伐する事を加護者達全員に知らせるわ。早ければ、今日中には邪王も討伐されてるかもね」
「早過ぎるわよ!これまでの邪王との戦いは、前哨戦も含めたら3日かかっていたのよ!」
「これまではそうでしょうね。邪王との戦いに関しては、私も参戦するわ。今まで殆ど見てただけで、戦いらしい事を何1つしていないのよ。一度、魔法を思いっきりぶっ放したいのよ」
「サーシャ様、ついさっき悪魔王ベリアルと戦ったじゃないですか!」
「あれは、戦いと呼べないわ。両手から変な糸を出して、私の身体をがんじがらめにしてきたのよ。私のスキルや魔法を封じて、全ての力を吸い出そうとしたわね」
「お姉様、大ピンチじゃないですか!」
「あー、この先の展開が読めたわ。サーシャ、逆に吸い尽くしたんでしょ?」
サリアには、やっぱりわかるようね。
「正解!スキルと魔法が封じられても、魔力を動かせる訓練は常にしているからね。私の魔力をベリアルに流し込んで、力づくで全ての能力を吸い取ってミイラにしてやったわ。その後は、虚無魔法で終了ね」
「お姉様----相手は邪王より強い悪魔王なのに----デタラメ過ぎます」
「幸い、邪王が封印されている場所は島だからね。思いっきり、魔法を使えるわ」
「サーシャが本気で魔法をぶっ放したら、スフィアタリアに天変地異が発生して、人類絶滅するのがオチよ。魔法は使っても良いけど、本気でやってはダメよ!」
やはり、ダメか。
「わかったわよ。そんなわけで邪王戦に関しては、みんな見学ね」
「お姉様、普通そこは全員参戦なんですけど?」
「ぶー!サーシャ様、私もジンもイリスもすご~~く修行したんですよ!さっきの悪魔との戦いだって、虚無魔法を放っただけで、全然身体を動かしてません。身体を動かしたいです!」
うーん、確かにそうね。まあ島なんだから、リッカ達が暴れてもいいかな?
「----わかったわ。みんなで暴れましょう」
「「「「やったーーーー」」」」
「ああ、そうそう、ジンとリッカ、試験は合格よ。お仕置きなしだからね」
「「は?試験?」」
こらこら、以前言った事を忘れているわね。
「フィンとイリスが中級悪魔と戦った時に言ったわよね。貴方達はアルテハイムで試験するって」
「「ええーーー!!!」」
「ジンもリッカも虚無球をただ放つだけでなく、魔力消費を最小限に抑えるために的確に獣人と悪魔を選別し核のみを撃ち抜いていたわ。修行をきちんとこなしていたようね。試験は合格よ」
「試験の事、完全に忘れてた。ジンは?」
「俺も、完全に忘れていた」
「あ、イリス、だからあの時アドバイスしてくれたの?」
?
あの時、終始セキュリティーバードを経由して見ていたけど、その前にイリスがアドバイスしていたのか!
「そうですよ。お姉様は何も言わず王城に行きましたけど、絶対セキュリティーバードで戦いぶりを監視していると思ったんです。だから、『虚無魔法でどれだけ正確に悪魔の核だけを撃ち抜けるか競争しましょう』と言ったんです。やっと意味がわかったんですね」
「イリス~~、ありがとう~~。完全に忘れてたよ~。あのお仕置きだけは、嫌なんだよ~~。イリスは命の恩人だよ~~」
そこまで、刺激臭ver.2は嫌なのね。
「俺は元からそうするつもりだったが、リッカは手当たり次第に当てまくる予定だったよな?」
「ぎゃああーーーー、ジン、なんでそれを言うんだよーーーー」
----全く---リッカに関しては、単独行動させない方がいいわね。ああ、リッカが震えながら、私を見ているわ。
「お仕置きはしません。きちんと虚無魔法を自在に扱えていたからね。ただし、今後行動を起こす時は注意しなさい」
「やった!お仕置き回避!はい、気をつけます!」
周りの獣人達の目もあるから、こんなところでお仕置き出来ないわよ。
あら、ラギウスや国王・王妃・王太子が走って来たわね。レベッカとアデリナは、学園に戻ったのかもしれないわね。
「サーシャ、もう終わったのか!思った以上に早かったな」
「殆ど力づくで終わらせた様なものね。悪魔達の方も、何らかの作戦を立てていたのでしょうけど、サリアの威圧で完全に動けなくしてから、こちらが行動したからね。作戦を実行しようにも、身体が動かず、何も出来ないまま消滅されたか送還されたかのどちらかよ。邪王との決戦についてだけど、前哨戦でもある邪族達に関しては私も参加して暴れまわる予定よ。一番肝心の邪王は、勇者のステータスを500万にして、全力の一撃で一刀両断する予定ね」
「-----これが小説だったら、『面白味がない』と言って、読者を減らす様な展開だぞ」
「面白味がある展開なんかしたら、被害が増える一方よ。それに小説の様な面白味のある展開というのは、相手の力が未知数とか、敵味方双方共に同等の戦力で戦略が勝敗を決するものとか、味方の方が戦力不足で次々と仲間が死んでいき、主人公が覚醒するとか、そういった流れをいうんでしょ?私、邪王に関しては管理システムで全て把握しているんだけど?それに、今の私達と邪王側や悪魔側の戦力で、面白味のある展開が出来ると思う?」
「---あー、出来ないな。うん、不可能だな。確実に、一瞬でケリがつく展開だな」
「でしょう?現時点でわからないのは、邪王がどういった姿で出現するかぐらいね。まあ、赤ちゃんだろうが子供だろうが、老人だろうが魔物だろうが私の両親を模した姿だろうが即抹殺するけどね」
「サーシャ様~~、なんで、そこまで残酷になれるんですか?」
「私が女神になったからよ。私の判断ミスで、全てが狂う可能性もある。私自身の心が弱かったら、邪悪な連中は必ずそこを突いてくる。邪王も、管理システムの目を掻い潜り、一発逆転出来るような手段を模索しているはずよ。それを使われる前に、私の威圧で瀕死状態にさせて、勇者の春人君が全力で一刀両断すればいいの。こういう時に考える一手が大抵起死回生に繋がるからね。絶対に甘い部分を見せちゃいけないわ」
「うー、そこまで考えていたのですか!サリア様も見習って下さいね」
《ガン》
「アウチ」
「あんたは一言余計なのよ!」
おっと国王様と王妃様に報告しておかないとね。
「国王様、王妃様、悪魔討伐が完了しました。スフィアタリアに蔓延っていた全ての悪魔が送還されましたよ。悪魔を召喚した秒寺伸太郎も始末しておきました」
「---出発してから2時間も経っていないのに、もう全てを片付けたのか?それで、フィンとレオンは?」
「安心して下さい。アルテハイム王城に残って、これからの事を生き残っている人々と話し合っているところですよ。戦いが始まってからの味方への被害はゼロです。さっき聞いたように、威圧で動けなくしてから掃討しましたからね」
「-----普通、被害ゼロと言われても信じられないが、サーシャが言うのならなら信じられる。そうか、レオンが国王になったか----フィンも、いずれは王妃----か」
国王が感慨深い顔をしているわ。レオンは15歳、フィンは12歳、どう考えても若過ぎる。それ故の不安もあるのだろう。
「サーシャ様、アルテハイムを救って頂きありがとうございます。これで、レーデンブルクの国民達も安心して暮らしていけます」
「サーシャ様、ありがとうございます。フィン、頑張れよ」
国王も王妃も王太子も、ようやく事態を受け入れたか。
「そうそう、レオンとフィンに転移魔法をプレゼントしました。いつでも、ここに遊びに来ることが可能になりましたよ。だから、そう不安そうな表情をしないで下さい。2人とも、どうしても対処出来ない問題が発生したら、通信するより直接会いに来ると思います」
「「「え、転移魔法!?私達には?」」」
「あげません」
「「「そんなーーーー」」」
当たり前だ。今の状態であげたら、絶対2人に会いに行くに決まっている。レオンとフィンにとって、今が試練なのだ。この試練を乗り越えたら、立派な国王と王妃になるはず。だから、出来るだけ2人で問題を解決しなければならない。
「言っておきますけど、ラギウス達に頼んで転移だけはしないように。今は、2人を見守る時期なんです。もし転移しようとしたら、ラギウスを含めた全員にお仕置きを喰らってもらいます」
「ええーーー、俺もお仕置き!」
「ええ、連帯責任ね。いいですか、転移しないように!」
「「「------わかりました」」」
絶対、こっそりやるわね。3人とも、私の加護を持ってないから、必ず油断してラギウスかサリアに頼みに来るはずだ。その甘い考えを吹き飛ばしてあげるわ!
○○○
自分の部屋で休憩中、加護者達全員にメッセージを送っておいた。夕実、真也君、義輝君も、昨日の内に宝物庫にあるトイフェルベリーを全部食べたようね。基礎能力値も15万前後に増えていた。でも、次が最終決戦なのよね。ここで、『私と春人君だけで戦います』とか言ったら、リッカ達同様、絶対怒るわね。仕方ないな~~、邪王のいる島に転移した後、邪族達に関しては全員で戦おう。ハッキリ言って、戦力差があり過ぎるから、殺戮状態になるわね。うーむ、想像しただけで、面白くない展開になるのは確実だ。これが小説なら、読んでいて飽きるかもしれないわね。これまで私の関わる戦いはスフィアート以外、呆気なかった。普通に考えて、被害が殆どない戦いなんてあり得ないからね。でも、戦力に差があり過ぎるのだから仕方がない。
あ、国王達がサリアに転移を頼み込んでいる。私にはセキュリティーバードがあるから、状況を逐一確認出来る。あの時、『ラギウス達に頼むな』と言ったのを忘れている様ね。サリアに頼み込んでいるメンバーは、国王・王妃・王太子の3人か。ジンも転移魔法を使えるんだけど、3人は知らないもんね。
《サリア様、国王様達も止めた方がいいです》
《テイルの言う通りだ。マジで止めとけ》
《大丈夫だ。私達はサーシャ様の加護を貰っていない。あのラーメンのお仕置きは起こらないはずだ。ラギウスもレオンやフィンが上手くやっているのか不安だろう?》
《気持ちはわかるがな。絶対お仕置きを喰らうと思うぞ。サリアも止めとけ》
《今は見てないんだし大丈夫よ。私も気になるからね。さっさと行くわよ》
(小声)
《ラギウス様、実はレーデンブルク王城にも、セキュリティーバードがいるんです。ラーメンのお仕置きの時も、管理世界から見てましたからね》
《マジかよ!全然気付かなかった。おい、サリアは知ってるだろ?》
《そのはずなんですが、完全に忘れています。セキュリティーバードを経由して、お仕置き可能なはずです》
《だったら教えてやれよ!》
《嫌ですよ!そんな事したら、私もお仕置きを喰らいます。ラギウス様が教えて上げて下さい》
《断る!》
正解よ。教えたら、お仕置き決定だからね。ジン・リッカ・イリスは、別の部屋で休憩中か。その場にいなくて良かったわね。
《それじゃあ、行くわよ!『転----』!う、うう、こ、この臭いは-----まさか!》
《ぐ、この臭いは、あ、がっが、こ、これが---お---仕---置き、ぐぐ、ううぎゃああああぁぁぁぁぁーーーー》
あーあ、サリア・国王・王妃・王太子があまりの臭さで悶絶し転げ回っているわ。臣下には見せれない光景ね。最後には、白目となり泡を吹き出して気絶したか。
《あの時のお仕置きか!》
《はい、刺激臭ver.2です》
《やべえ、教えてたら、俺達も喰らってたのか》
《はい、あ、ラギウス様だけは、もっと悲惨なものを用意していたそうですよ》
《は!?なんで俺だけ!》
《なんでもver.2の二酸化硫黄は、ラギウス様にとって懐かしい臭いになるからお仕置きにならないそうです。ラギウス様だけは、地球で最も臭い魚の臭いを嗅がせると言ってました。どんな臭いかは、私にもわかりません。私達が嗅いだら、その瞬間死ぬかもしれないと言ってました》
《なんだと!地球で一番臭い魚といったら、海外の缶詰のあれしか考えられん。あいつ、あれを俺専用のお仕置きとして考えていたのか!》
《あの----それ程の臭さなんですか?》
《当たり前だ。二酸化硫黄の比じゃない。あれを軽く臭っただけで、魂が引きづり出されると思ったくらいだ。獣人達は絶対嗅ぐな!マジで死ぬぞ。あ、俺も獣人じゃないか!あぶねーー、もし教えてたら、マジで死んでたかもしれん》
あ、ラギウスが獣人だった事を完全に忘れてたわ。あれは封印しておこう。
それにしても、ラーメンの時同様、悲惨な光景になったわね。これで、ラギウスに転移を頼むことはないでしょう。
さあ、休憩が終わり次第、いよいよ邪王討伐ね。
○○○
すいません。思った以上に話が長くなったので、勇者達とのお話は次回となります。
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