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はじめましておにいさん7
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昨日おにいさんが開けていた、小さな扉を開けると、見ただけでカリッと焼けているのがわかるほどいい色に焼けているトーストが4枚、そしてとても新鮮そうな小さなサラダが2つと、あたたかそうな湯気を出しているコーヒーと紅茶が1つずつ
すごい!!まるでモーニングみたいだ
確か東海地方では喫茶店で飲み物を頼むとトーストやサラダなどが飲み物の料金で食べられるとかなんとかテレビで見たばかりだから感動がすごい
朝ごはんと聞いて、ご飯と味噌汁、納豆に焼き鮭を思い浮かべたのは私だけかな?おにいさんはどんなのを思い浮かべてたのかな?
ふふっと微笑むと、私は朝食が載っている大きめのおぼんを両手でしっかりと持つと部屋へ戻ろうと後ろを振り返ると、微笑んでいるおにいさんが立っていた、私は驚いてバランスを崩しておぼんの上のモノを落としそうになる、おにいさんはすっと私の近くに来るとおぼんを持っている私の両手におにいさんの両手を重ねておぼんを支えてくれた
「なっ……!!なにしてるんですか?いつからそこに?」
真正面にいるおにいさんはほっぺを膨らませて吹き出すのを我慢しているようだ
「えっ?私なにか変な事……」
私が言い終わる前に
ふっはははははっ
おにいさんは吹き出した
私はなにが起こっているのかさっぱりわからない……
おにいさんはまだ笑い続けている、楽しそうなおにいさんの顔を見ていると笑われてもいいかなって思えてくるけど、せめてなにがそんなに面白かったのか教えてほしい
しばらくすると、ぜぇぜぇ……と息を切らしながらおにいさんが話し始めた
「ごめん、ごめん……こんなに笑うなんて自分でも思わなかったから……みずきが1人で取りに行くって言ってくれたけどやっぱり心配だからすぐ追い掛けて来たんだけど、みずきってばその小さな扉を開けてからずっと口を開けたまま動かなくなっちゃうんだもん……なんか時間が止まっちゃったのかと思ったよ、おれが来た事にも全然気が付いてくれないしさ」
まだ肩をプルプル震わせているおにいさんを見ながら、カーッと顔が熱くなるのを感じた
見られてた……?ずっと?
そんなの……恥ずかし過ぎる!!
なんで一言声をかけてくれないの……!!
そりゃ……そんな光景を見たら笑っちゃうよね……
「うぅっ……見てたなら声掛けてくださいよぉ……恥ずかし過ぎて穴があったら入りたいです……」
おにいさんはまだ苦しそうに笑っている
「もぉー!!そろそろ笑うのやめてくださいよー!!」
私はそう言うとおぼんを持っていた両手をおにいさんの手を避けておぼんから離して、両手で顔を覆った、あぁ恥ずかしい……なんの苦行なんだろう……まだ笑ってるよ、よく笑う人だな、笑うのはいい事だけどここまで笑う事ないじゃん……
「おにいさんっ!!ほら、もういいでしょ?せっかくの朝ごはんが冷めちゃいますよ?」
私はおにいさんの肩を優しく叩いて、部屋に戻ろうと身振り手振りで伝えた
やっと落ち着いたおにいさんは、ゲホゲホを咳払いをして頷いて、部屋へのドアを開けて中に入るとテーブルの上に朝食の乗ったおぼんをゆっくり置いて、そのままドスンとソファーに腰掛けた
「はぁ……面白かったなぁ……こんなに笑ったのはいつ振りだろう?」
私も不本意だがおにいさんの隣に座ると、おにいさんに頭をポンポンと優しく叩いてきた、あんなに笑われたのになんだか悪くないなと思えてしまうのはおにいさんのせいだろうか?
「たくさん笑って元気になってくれたのは嬉しいですけど、少し笑い過ぎだと思いますよ?まったく……無邪気というかこどもっぽいというか……おにいさんには驚かされてばかりですよ」
「ははっ、ごめん、ごめん、そんなに怒らないで?みずきが可愛いからだよ?」
もーまた……可愛いって言えばいいと思って……そんなに簡単な女じゃないってのっ!!
「さぁ?食べよう?冷めちゃうよ」
「んーもぅ……それはさっき私が言いましたよー!!」
今度は私が吹き出した
あはははっ
それにつられておにいさんも笑い出した
辛い事があったけど、今はすごくしあわせだ
あーぁ全てが……
全てが嘘なら……夢なら……いいのに……
はぁ……
おにいさんはこれからの事どう考えてるのかな?実家に行くって言ってたけどこんな状況で私まで一緒に行っても本当に大丈夫なのかな?なにか考えがあるのかな……私はなにを言われてもいいけど、おにいさんが悪く言われるのは嫌だな……
「おにいさん……この後どうしましょう?」
渋い顔で答える
「うーん、とりあえずご飯食べて昨日のリベンジでプールにでも入ろうか?」
そうじゃないよ!!そう言う事じゃなくて……
もう……無邪気というか……能天気というか……
「そっ、そうですね、じゃぁとりあえず食べましょう」
そうだなと言うと、トーストにかぶりついたおにいさんの口の周りがバターでテカテカになった、わんぱくだなあ、そのままの勢いでコーヒーを飲むの?いや、絶対ヤケドするよ!!
「ちょっ、ちょっとコーヒーを飲むのは後にした方がいいんじゃ……」
「えっ?あっ!!あっつ!!」
あーあ、ほら……言う事聞かないから……
「大丈夫ですか?ヤケドしました?」
おにいさんは痛そうに顔を歪めている
「あっ、あぁ……はふかったぁ……」
大丈夫……じゃなさそうだ、口を開けて手であおいで風をおくっている、そうとう熱かったんだろうな、見たらわかりそうなものなのに……ちゃんと喋れてないよ、おにいさん……
そんなおにいさんを横目に見ながら、私はふぅ~っと息を吹いて紅茶を冷ましてから飲んだ
おにいさんは、羨ましいのか、痛みをこらえた顔で私をじっと見ていた
おにいさんの視線が痛い……
なんで、何も言わないのか
いや、言えないのか?
どちらにせよ、こちらから何か話し掛けないと気まずいままだよね……
「おっ、おにいさん……?そんなに見られてるとご飯食べにくいんですけど……」
おにいさんは、ハッとした表情になる
「ご、ごめん……そんなに見てたつもりはなかったんだけど、つい見惚れてしまって……」
「見惚れるって私に?」
私の何に見惚れてたんだろう?綺麗でも可愛いわけでもないのに……なんか恥ずかしいな……でも、ニヤニヤしちゃう
「あーみずき、ニヤニヤしてるーおれが見惚れてたって言ったから嬉しかったんでしょー?ふふっ、わかりやすくて可愛い子だ」
もう何度目なのかわからないけど、おにいさんに軽く頭をポンポンと叩かれて、さらにニヤニヤしてしまう
旦那と付き合ってた頃も、結婚してからもこんなに楽しかった事あったかな?どちらかというと、旦那もドライな人だったし、イチャイチャするというよりは個人で好きな事してる時間が多かったのかも、だから旦那の事何も知らなかったんだろうな……
何が好きで
何が嫌いで
何を求めてたのか……
考えた事もなかったな…….今思えばそんなの恋人として、夫婦としてもおかしかったんだよね……なんで気が付かなかったんだろう
旦那は
私が何が好きなのか
私が何を嫌いなのか
私が何を求めていたのか
わかっていたのかな?
わかっていたから、私は結婚生活も夫婦生活も不満に思わなかったんだろう
いつも、私の知らないところでおねえさんに足りないモノを求めていたのかな……
私がいても、一緒にいなかった時はもしかしたらおねえさんと一緒にいたのかな……ずっと一緒にいなくても、部屋にいなくてもなんとも思わなかった、家の中にいるってわかればいいやって……まさか家の中で浮気してるなんて考えもしなかった……
最初は……
一番最初に誘ったのはどっちなんだろう……
旦那から?
おねえさんから?
ううっ……考えたくないのに、考えてしまう……やっぱりいつかはちゃんと話を聞かないといけないのかな……
聞かないと離婚とか出来ないものなのかな?そういえば……スマホってどうしたっけ……ソファーの上に昨日の夜投げたままで忘れてた、見てみようかな?隣にいるおにいさんをチラッと横目で見るとわんぱくに朝ごはんを食べている、可愛らしい人だなぁ、まぁ私も食べちゃってからにしよう、ご飯中にスマホを触るなんてよくないもんね
少し冷めてきたトーストを食べて、サラダを食べて、紅茶も飲んで、ふぅ~っとひと息ついて隣を見るとおにいさんはバスローブを勢いよく脱いでいる
ええっ?!脱いでる?!なんで?!なんで?!
ポカーンとしている私に気が付いておにいさんが楽しそうに話しかけてくる
「あっ、まだみずきは食べてるんだな、おれプールに入ろうと思って脱いでるんだ、昨日水着着たまま寝ちゃったから脱いですぐ入れるんだ」
あぁ、なんて嬉しそうに、得意そうに言うんだろう……
可愛いなぁ……あぁ、癒される……
いやっ、騙されちゃダメだ!!
「おっ、おにいさん!!ちょっと向こうで脱いでくださいよっ!!」
私は両手で顔をおおう、でもちょっと見えたおにいさんの体は結構ぷにぷにしてた……まぁ人の事は言えないよね、私もぷにぷにだもんな……
っていうか、着替えてから寝なよ!!
もーこどもじゃないんだから……
おにいさんは少し寂しそうにとぼとぼとプールの方へと歩いて行った、そんなに哀愁漂わせていなくなる事ないのに……なんだか私が悪い事したみたいじゃん……私も水着着て早くプールに行こう、急に1人にされたら寂しくなっちゃうよ……食べ終わった食器をおぼんに乗せて入り口にある、小さな扉の中に戻して、水着の上を探す、昨日の夜おにいさんに脱がされてからどこにいったのかわからない、部屋の中を見渡すとベッドの近くに落ちている、あぁそういえばおにいさん投げ捨ててたなぁ、水着……
強引だったなぁ……でもああいうのも嫌いじゃないかも……水着を拾い、バスローブを脱いで水着をつける、そうだプール出たらすぐバスローブ着るよね?持って行こう、おにいさんのも……あぁ、持って行ったのかな?まぁ途中で落ちてたら拾って持って行こう
ドアは閉まっているけど、プールの方から音が聞こえてくる、かなりはしゃいでいるのか、溺れているのか……
とにもかくにもにぎやかな人だ、ふふっと微笑んでプールへと向かう、ドアを開けるとおにいさんがプールの中でほぼ溺れていた、溺れているようにしか見えないけどおにいさんは泳いでいるつもりなのかもしれないから、とりあえず声をかけてみよう
「おにいさん、はしゃいでますね?」
少し苦しそうにおにいさんが答えた
「たっ、たすけ……」
「えっ?!泳いでいるんじゃなくて、溺れてるの?」
私は慌てて、手に持っていたバスローブを投げ捨てると、プールへと飛び込む、思っていたよりもかなり深い、プール自体はそんなに広くはないからきっと泳ぎが得意じゃない私でもおにいさん1人ぐらい助けられるはず……!!
私は何年振りかに泳いでいみた、思ったよりもうまく泳げて、おにいさんが溺れてるところまでたどり着いた
「おにいさんっ!?私につかまってください!!」
おにいさんは必死に私の首につかまる、少し苦しいけどこれが一番いい方法だと思う、私はゆっくりと泳いで自分の足がつくところまで泳ぐとおにいさんの手を首から離してプールサイドの方へと押す、おにいさんはなにも言わない、しっかりとプールサイドの縁を持たせると先に上にあがっておにいさんの手を取って上に引っ張る、ガタイがいいからかなり重たい……でも、早く水から出してあげなきゃ……火事場の馬鹿力でおにいさんを引っ張り上げる
おにいさんは、はぁはぁ……と激しく呼吸している、私はおにいさんの背中をトントンと叩く、溺れた人にどうすれば最善なのかなんてわからない、人口呼吸?でも、呼吸出来てるなら必要ないよね?
「おにいさんっ!?大丈夫ですか!!わかりますか!?」
「おっ……おう……あっ、ありがとう……」
会話も出来るし、大丈夫だよね?
ラブホテルのプールで溺れるなんて、ありえないよね?それで死んじゃうなんて絶対に困る!!
さっき投げ捨てた自分のバスローブおにいさんの背中にかけて背中をさする、ブルブルと小刻みに震えている、怖かったんだろうな……私も昔溺れた時はすごく怖い思いしたもんな……今でも水に顔をつけるのは苦手、でも……さっきおにいさんを助けてる時は平気だった……やっぱり人間ってやる時はやれるもんなんだなぁ……これを機に私も克服出来たらいいんだけど……無理だよな……
「おにいさん!!なにやってるんですか?!泳げないのにプールに入ったんですか?」
つい声を荒げてしまう
「ちっ、違うんだって!!おれはちゃんと泳げる!!」
「じゃぁ、なんで溺れてたんですか!!」
「そっ、それは……足がつってしまって……」
足がつる……?なにそれ?足がつると溺れちゃうの?足がつるっていうのもどういう状態なのわかんないのに……
「いや、ほら歳をとると足とかよくつるようになるんだよ……恥ずかしいけど、ちゃんと準備体操しなかったのがマズかったみたいだ……」
歳をとると?あぁ、だからまだ私は体験した事がないんだ
「あーそうなんですね、よくわからないですけど準備体操はちゃんとしないとダメじゃないですか!!学校でもそう習いましたよね?」
おにいさんは困ったような顔で私を見上げている
「は、はい……すいませんでした……」
「もーこどもじゃないんですからね!!これでおにいさんが死んじゃったりしたら私困りますよ!!」
おにいさんはニヤリと笑って
「そうなの?そうだよな、みずきはおれの事好きなんだもんな、死んだら悲しいよな?」
あー!!もうこいつは!!
なんだか、どんどんイラついてきた……
「おにいさん?私に他になにか言う事ありますよね?」
私はそう言うとおにいさんの頭を少し強めに叩いた
「うわぁっ!?なっ、なんだよ……あっ、ありがとうございます、助けてくれて……」
なんだか不本意そうだな……
「もっと気持ち込めてください?」
おにいさんの耳を持って上に引っ張る
「いっ!!痛いっ!!ごめん、ちゃんと、ちゃんと言うから……」
私は引っ張っているおにいさんの耳を離した
「ううっ……こんな年下の女の子にここまでやられるとは……」
「えっ?なんですか?」
おにいさんは下を向いてモジモジしている
「さっきは、助けてくれてありがとうございます!みずきちゃんのおかげで命拾いしました」
おにいさんはまっすぐに私の目を見て伝えてくれた、今度はちゃんと気持ちが伝わってきて嬉しくなる
「また、ニヤニヤしてるーみずきはすぐ顔にでちゃうんだなー可愛い」
この人は自分の状況がわかってるんだろうか……天然にもほどがあるよ……
「せっかくのプールなのになにしてくれてるんですか?まったく……私は普通にプール入りますよ?」
「おっ、おう、おれはとりあえずもう少し休んでるよ」
「うん、それがいいと思いますからそうしていてくださいね」
私はおにいさんから離れて、嫌味のように準備体操をする、ラジオ体操第一の中の思い出せるものだけをゆっくりと時間をかけてやった、おにいさんは私の事を見ているようだ、太っているのであまり見られるのは得意じゃないけどおにいさんならいいか、どんな私でもきっと好きでいてくれるんだろうな、私は準備体操を終えるとプールサイドに座り足からゆっくりプールの中へ入っていく、さっきは夢中で感じなかったけどやっぱりプールってなんだか気持ちがいい、胸まで入るとなぜか心が落ち着いた、子どもの頃はプールと言えば泳ぎを競ったり、潜水の上手さを競ったり、水をかけあったり、大人になってプールに入ってみると違う良さに気が付くんだなあ……
「みずきー?また考え事?溺れちゃうよ?」
おにいさんが大きい声で話し掛けてくる
「溺れませんよ、おにいさんじゃあるまいし……一緒にしないでくださいよ」
「みずきって意外と毒舌なんだな……イメージと違う……」
「なんですか?私が毒舌ですって?そんな事あるわけないですよね?」
「う、うん……そっそうだな、みずきは毒舌なんかじゃなくて天使の様に優しいよな!!」
あぁ、顔が困ってるよ、言わされてる感がすごいよ……顔に出やすいのは私と一緒なんだな……悪い事じゃないんだけどなんだか飲み込めないなあ……
おにいさんは私の事どんな風に見てるんだろう?優しそうに見えるのかな?結構他の人に厳しいんだけど……自分には甘々なんだけど、イメージと違うとか言われたくないよね、勝手なおにいさんのイメージでしかないんだから、そんな事を考えながら私はプールの水面にプカプカと浮く
「なぁー?みずきー?おれの事ほったらかしにしないでー?寂しい……」
おにいさんの声が聞こえてくる、あれ?そんなにボーッとしてたっけ?プカプカ浮くのをやめて立ち泳ぎになっておにいさんの方を向く、おにいさんはプールサイドに寂しそうに座っていた、しかも体操座りだよ……いい歳のガタイのいい男が体操座りって、なんだか新鮮だな
「はーい?寂しいなら私が行ってあげましょうか?」
おにいさんは明らかにニヤニヤしている
、嬉しいのかな?そうだ、このまま行っておにいさんの事、べちゃべちゃにしてやろう……ふふっ……
私はおにいさんの返事を待たないでおにいさんの方へと泳いでプールサイドへと上がり、濡れたままおにいさんに抱き着いた
「ちょっ……みずき……積極的過ぎる……」
おにいさんは困惑してるみたい、あっ、でもおにいさんバスローブ着てた……ちくしょう……濡らしてやりたかったのになぁ……まあいいや、ついでだから体がバスローブで拭いちゃおう、私はおにいさんの体に自分の体をこすりつけた、おにいさんの身に着けているバスローブが濡れて、私の体から水分がなくなる、おにいさんは体を拭いている事に気が付いているかな?ただ私が体をこすりつけて興奮してるようにしか見えないかな?
しばらく体をこすりつけてすっかりふきおえると、おにいさんの頭をポンポンと叩いておにいさんを置いて部屋へと戻ってソファーに座る、やっぱり水着だけでは変かな?着替えよう、確かあの辺に昨日服置いたはず……あっ、あった……おにいさんが来る気配もないし、ささっと着替えちゃおう、水着のホックを外して水着を外す、何の役にも立たない大きい胸がプルンと揺れる、右手で自分の胸を揉んでみる昨日おにいさんにされた様に少し強い力で……んー?気持ちいいなぁ……無意識に胸を揉み続けてしまう、気持ち良さに頭がボーッとしてしまう……
誰かが肩を叩いてる……
あれっ……
私なにしてたんだっけ……?
「みずき……?」
あっ?!おにいさん?!
あぁっ!?私、気持ち良くて夢中になってておにいさんが来る音にも気が付かなかったんだ……
「はっ、はい……!?」
見られてた?見られてたよねっ!?
ありえないんですけど!?
恥ずかしい、恥ずかしいっ!!
「あぁ……おにいさん……見ちゃいました?見ちゃいましたよね……」
目を伏せてモゴモゴと話す
「みっ、見てない!!何も見てない……」
見てないって言ってくれてるけどぜったい見たよね……優しいから見てないって言ってくれてるんだよね……ここはもういっそ見たって言ってくれた方がどれだけ楽か……でも、元は私が悪いんだもんね、おにいさんを悪く言っちゃダメだよね……
「ごめんなさい、気を使わせてしまって……見てても見てなくても忘れてください……」
おにいさんの手を強く握りながら言った
「わかったよ、大丈夫」
おにいさんは優しく握り返してくれた、あぁ私は何をしてるんだ……
「着替えてる途中で入って来ちゃってごめんな?おれも向こうで着替えてきちゃうわ」
そう言うとおにいさんは、ドアを開けて洗面台の方へと行ってしまった、気を使わせ過ぎだよね、私……はぁ、昨日の事で気持ちいい事に気が付いてしまって、気持ち良くなりたくなるなんて……経験が浅いって公言してるみたいじゃん……恥ずかしい……世の女性はどの程度、セックスや自慰行為をしてるんだろう……まだ若いから経験が浅くても仕方ないのかな?経験豊富ってのもそれはそれでイヤだよね……うーん……あっ、そんな事考えてないで着替えなきゃいけなかったんだ、下着を上下とも着けて服を着た、そしておにいさんが中にいるドアをコンコンとノックした
「おにいさん?もう着替え終わったのでいつでもこっちに来てください」
ドア越しにおにいさんの声が聞こえる
「おう、わかったおれも着替えが終わったら行くわ」
よかった、からかわれたりしなくて……心の中でホッと一息ついてソファーに座る、そういえばスマホどうしたっけ?完全マナーモードにしてたから着信があっても音も鳴らなければ、バイブもならない、なんだか見るのが怖いな……でも、見ないとダメだよね、スマホの横についている電源をつけるボタンを押す、予想に反して着信はなく、メールも一件しかきていなかった、もっと鬼のように電話やメールがあると思ったけど……やっぱりおねえさんの方がいいから私に対してはそんなものなのかな……今までなにやってたんだろ……はぁ……
とりあえずメール見てみよう、かなりの勇気が必要だけど……スマホのロックを解除する
義母だ……
やっぱり突然いなくなったら心配するよね、普通は……おにいさんもいなくなってるわけだし……
[大丈夫?どこにいるの?出掛けるなら一言声掛けるか、置き手紙のひとつも置いて行ってね]
怒ってはなさそうだ、義母はどこまで知ってるんだろう、何も知らないのかな?
すごい!!まるでモーニングみたいだ
確か東海地方では喫茶店で飲み物を頼むとトーストやサラダなどが飲み物の料金で食べられるとかなんとかテレビで見たばかりだから感動がすごい
朝ごはんと聞いて、ご飯と味噌汁、納豆に焼き鮭を思い浮かべたのは私だけかな?おにいさんはどんなのを思い浮かべてたのかな?
ふふっと微笑むと、私は朝食が載っている大きめのおぼんを両手でしっかりと持つと部屋へ戻ろうと後ろを振り返ると、微笑んでいるおにいさんが立っていた、私は驚いてバランスを崩しておぼんの上のモノを落としそうになる、おにいさんはすっと私の近くに来るとおぼんを持っている私の両手におにいさんの両手を重ねておぼんを支えてくれた
「なっ……!!なにしてるんですか?いつからそこに?」
真正面にいるおにいさんはほっぺを膨らませて吹き出すのを我慢しているようだ
「えっ?私なにか変な事……」
私が言い終わる前に
ふっはははははっ
おにいさんは吹き出した
私はなにが起こっているのかさっぱりわからない……
おにいさんはまだ笑い続けている、楽しそうなおにいさんの顔を見ていると笑われてもいいかなって思えてくるけど、せめてなにがそんなに面白かったのか教えてほしい
しばらくすると、ぜぇぜぇ……と息を切らしながらおにいさんが話し始めた
「ごめん、ごめん……こんなに笑うなんて自分でも思わなかったから……みずきが1人で取りに行くって言ってくれたけどやっぱり心配だからすぐ追い掛けて来たんだけど、みずきってばその小さな扉を開けてからずっと口を開けたまま動かなくなっちゃうんだもん……なんか時間が止まっちゃったのかと思ったよ、おれが来た事にも全然気が付いてくれないしさ」
まだ肩をプルプル震わせているおにいさんを見ながら、カーッと顔が熱くなるのを感じた
見られてた……?ずっと?
そんなの……恥ずかし過ぎる!!
なんで一言声をかけてくれないの……!!
そりゃ……そんな光景を見たら笑っちゃうよね……
「うぅっ……見てたなら声掛けてくださいよぉ……恥ずかし過ぎて穴があったら入りたいです……」
おにいさんはまだ苦しそうに笑っている
「もぉー!!そろそろ笑うのやめてくださいよー!!」
私はそう言うとおぼんを持っていた両手をおにいさんの手を避けておぼんから離して、両手で顔を覆った、あぁ恥ずかしい……なんの苦行なんだろう……まだ笑ってるよ、よく笑う人だな、笑うのはいい事だけどここまで笑う事ないじゃん……
「おにいさんっ!!ほら、もういいでしょ?せっかくの朝ごはんが冷めちゃいますよ?」
私はおにいさんの肩を優しく叩いて、部屋に戻ろうと身振り手振りで伝えた
やっと落ち着いたおにいさんは、ゲホゲホを咳払いをして頷いて、部屋へのドアを開けて中に入るとテーブルの上に朝食の乗ったおぼんをゆっくり置いて、そのままドスンとソファーに腰掛けた
「はぁ……面白かったなぁ……こんなに笑ったのはいつ振りだろう?」
私も不本意だがおにいさんの隣に座ると、おにいさんに頭をポンポンと優しく叩いてきた、あんなに笑われたのになんだか悪くないなと思えてしまうのはおにいさんのせいだろうか?
「たくさん笑って元気になってくれたのは嬉しいですけど、少し笑い過ぎだと思いますよ?まったく……無邪気というかこどもっぽいというか……おにいさんには驚かされてばかりですよ」
「ははっ、ごめん、ごめん、そんなに怒らないで?みずきが可愛いからだよ?」
もーまた……可愛いって言えばいいと思って……そんなに簡単な女じゃないってのっ!!
「さぁ?食べよう?冷めちゃうよ」
「んーもぅ……それはさっき私が言いましたよー!!」
今度は私が吹き出した
あはははっ
それにつられておにいさんも笑い出した
辛い事があったけど、今はすごくしあわせだ
あーぁ全てが……
全てが嘘なら……夢なら……いいのに……
はぁ……
おにいさんはこれからの事どう考えてるのかな?実家に行くって言ってたけどこんな状況で私まで一緒に行っても本当に大丈夫なのかな?なにか考えがあるのかな……私はなにを言われてもいいけど、おにいさんが悪く言われるのは嫌だな……
「おにいさん……この後どうしましょう?」
渋い顔で答える
「うーん、とりあえずご飯食べて昨日のリベンジでプールにでも入ろうか?」
そうじゃないよ!!そう言う事じゃなくて……
もう……無邪気というか……能天気というか……
「そっ、そうですね、じゃぁとりあえず食べましょう」
そうだなと言うと、トーストにかぶりついたおにいさんの口の周りがバターでテカテカになった、わんぱくだなあ、そのままの勢いでコーヒーを飲むの?いや、絶対ヤケドするよ!!
「ちょっ、ちょっとコーヒーを飲むのは後にした方がいいんじゃ……」
「えっ?あっ!!あっつ!!」
あーあ、ほら……言う事聞かないから……
「大丈夫ですか?ヤケドしました?」
おにいさんは痛そうに顔を歪めている
「あっ、あぁ……はふかったぁ……」
大丈夫……じゃなさそうだ、口を開けて手であおいで風をおくっている、そうとう熱かったんだろうな、見たらわかりそうなものなのに……ちゃんと喋れてないよ、おにいさん……
そんなおにいさんを横目に見ながら、私はふぅ~っと息を吹いて紅茶を冷ましてから飲んだ
おにいさんは、羨ましいのか、痛みをこらえた顔で私をじっと見ていた
おにいさんの視線が痛い……
なんで、何も言わないのか
いや、言えないのか?
どちらにせよ、こちらから何か話し掛けないと気まずいままだよね……
「おっ、おにいさん……?そんなに見られてるとご飯食べにくいんですけど……」
おにいさんは、ハッとした表情になる
「ご、ごめん……そんなに見てたつもりはなかったんだけど、つい見惚れてしまって……」
「見惚れるって私に?」
私の何に見惚れてたんだろう?綺麗でも可愛いわけでもないのに……なんか恥ずかしいな……でも、ニヤニヤしちゃう
「あーみずき、ニヤニヤしてるーおれが見惚れてたって言ったから嬉しかったんでしょー?ふふっ、わかりやすくて可愛い子だ」
もう何度目なのかわからないけど、おにいさんに軽く頭をポンポンと叩かれて、さらにニヤニヤしてしまう
旦那と付き合ってた頃も、結婚してからもこんなに楽しかった事あったかな?どちらかというと、旦那もドライな人だったし、イチャイチャするというよりは個人で好きな事してる時間が多かったのかも、だから旦那の事何も知らなかったんだろうな……
何が好きで
何が嫌いで
何を求めてたのか……
考えた事もなかったな…….今思えばそんなの恋人として、夫婦としてもおかしかったんだよね……なんで気が付かなかったんだろう
旦那は
私が何が好きなのか
私が何を嫌いなのか
私が何を求めていたのか
わかっていたのかな?
わかっていたから、私は結婚生活も夫婦生活も不満に思わなかったんだろう
いつも、私の知らないところでおねえさんに足りないモノを求めていたのかな……
私がいても、一緒にいなかった時はもしかしたらおねえさんと一緒にいたのかな……ずっと一緒にいなくても、部屋にいなくてもなんとも思わなかった、家の中にいるってわかればいいやって……まさか家の中で浮気してるなんて考えもしなかった……
最初は……
一番最初に誘ったのはどっちなんだろう……
旦那から?
おねえさんから?
ううっ……考えたくないのに、考えてしまう……やっぱりいつかはちゃんと話を聞かないといけないのかな……
聞かないと離婚とか出来ないものなのかな?そういえば……スマホってどうしたっけ……ソファーの上に昨日の夜投げたままで忘れてた、見てみようかな?隣にいるおにいさんをチラッと横目で見るとわんぱくに朝ごはんを食べている、可愛らしい人だなぁ、まぁ私も食べちゃってからにしよう、ご飯中にスマホを触るなんてよくないもんね
少し冷めてきたトーストを食べて、サラダを食べて、紅茶も飲んで、ふぅ~っとひと息ついて隣を見るとおにいさんはバスローブを勢いよく脱いでいる
ええっ?!脱いでる?!なんで?!なんで?!
ポカーンとしている私に気が付いておにいさんが楽しそうに話しかけてくる
「あっ、まだみずきは食べてるんだな、おれプールに入ろうと思って脱いでるんだ、昨日水着着たまま寝ちゃったから脱いですぐ入れるんだ」
あぁ、なんて嬉しそうに、得意そうに言うんだろう……
可愛いなぁ……あぁ、癒される……
いやっ、騙されちゃダメだ!!
「おっ、おにいさん!!ちょっと向こうで脱いでくださいよっ!!」
私は両手で顔をおおう、でもちょっと見えたおにいさんの体は結構ぷにぷにしてた……まぁ人の事は言えないよね、私もぷにぷにだもんな……
っていうか、着替えてから寝なよ!!
もーこどもじゃないんだから……
おにいさんは少し寂しそうにとぼとぼとプールの方へと歩いて行った、そんなに哀愁漂わせていなくなる事ないのに……なんだか私が悪い事したみたいじゃん……私も水着着て早くプールに行こう、急に1人にされたら寂しくなっちゃうよ……食べ終わった食器をおぼんに乗せて入り口にある、小さな扉の中に戻して、水着の上を探す、昨日の夜おにいさんに脱がされてからどこにいったのかわからない、部屋の中を見渡すとベッドの近くに落ちている、あぁそういえばおにいさん投げ捨ててたなぁ、水着……
強引だったなぁ……でもああいうのも嫌いじゃないかも……水着を拾い、バスローブを脱いで水着をつける、そうだプール出たらすぐバスローブ着るよね?持って行こう、おにいさんのも……あぁ、持って行ったのかな?まぁ途中で落ちてたら拾って持って行こう
ドアは閉まっているけど、プールの方から音が聞こえてくる、かなりはしゃいでいるのか、溺れているのか……
とにもかくにもにぎやかな人だ、ふふっと微笑んでプールへと向かう、ドアを開けるとおにいさんがプールの中でほぼ溺れていた、溺れているようにしか見えないけどおにいさんは泳いでいるつもりなのかもしれないから、とりあえず声をかけてみよう
「おにいさん、はしゃいでますね?」
少し苦しそうにおにいさんが答えた
「たっ、たすけ……」
「えっ?!泳いでいるんじゃなくて、溺れてるの?」
私は慌てて、手に持っていたバスローブを投げ捨てると、プールへと飛び込む、思っていたよりもかなり深い、プール自体はそんなに広くはないからきっと泳ぎが得意じゃない私でもおにいさん1人ぐらい助けられるはず……!!
私は何年振りかに泳いでいみた、思ったよりもうまく泳げて、おにいさんが溺れてるところまでたどり着いた
「おにいさんっ!?私につかまってください!!」
おにいさんは必死に私の首につかまる、少し苦しいけどこれが一番いい方法だと思う、私はゆっくりと泳いで自分の足がつくところまで泳ぐとおにいさんの手を首から離してプールサイドの方へと押す、おにいさんはなにも言わない、しっかりとプールサイドの縁を持たせると先に上にあがっておにいさんの手を取って上に引っ張る、ガタイがいいからかなり重たい……でも、早く水から出してあげなきゃ……火事場の馬鹿力でおにいさんを引っ張り上げる
おにいさんは、はぁはぁ……と激しく呼吸している、私はおにいさんの背中をトントンと叩く、溺れた人にどうすれば最善なのかなんてわからない、人口呼吸?でも、呼吸出来てるなら必要ないよね?
「おにいさんっ!?大丈夫ですか!!わかりますか!?」
「おっ……おう……あっ、ありがとう……」
会話も出来るし、大丈夫だよね?
ラブホテルのプールで溺れるなんて、ありえないよね?それで死んじゃうなんて絶対に困る!!
さっき投げ捨てた自分のバスローブおにいさんの背中にかけて背中をさする、ブルブルと小刻みに震えている、怖かったんだろうな……私も昔溺れた時はすごく怖い思いしたもんな……今でも水に顔をつけるのは苦手、でも……さっきおにいさんを助けてる時は平気だった……やっぱり人間ってやる時はやれるもんなんだなぁ……これを機に私も克服出来たらいいんだけど……無理だよな……
「おにいさん!!なにやってるんですか?!泳げないのにプールに入ったんですか?」
つい声を荒げてしまう
「ちっ、違うんだって!!おれはちゃんと泳げる!!」
「じゃぁ、なんで溺れてたんですか!!」
「そっ、それは……足がつってしまって……」
足がつる……?なにそれ?足がつると溺れちゃうの?足がつるっていうのもどういう状態なのわかんないのに……
「いや、ほら歳をとると足とかよくつるようになるんだよ……恥ずかしいけど、ちゃんと準備体操しなかったのがマズかったみたいだ……」
歳をとると?あぁ、だからまだ私は体験した事がないんだ
「あーそうなんですね、よくわからないですけど準備体操はちゃんとしないとダメじゃないですか!!学校でもそう習いましたよね?」
おにいさんは困ったような顔で私を見上げている
「は、はい……すいませんでした……」
「もーこどもじゃないんですからね!!これでおにいさんが死んじゃったりしたら私困りますよ!!」
おにいさんはニヤリと笑って
「そうなの?そうだよな、みずきはおれの事好きなんだもんな、死んだら悲しいよな?」
あー!!もうこいつは!!
なんだか、どんどんイラついてきた……
「おにいさん?私に他になにか言う事ありますよね?」
私はそう言うとおにいさんの頭を少し強めに叩いた
「うわぁっ!?なっ、なんだよ……あっ、ありがとうございます、助けてくれて……」
なんだか不本意そうだな……
「もっと気持ち込めてください?」
おにいさんの耳を持って上に引っ張る
「いっ!!痛いっ!!ごめん、ちゃんと、ちゃんと言うから……」
私は引っ張っているおにいさんの耳を離した
「ううっ……こんな年下の女の子にここまでやられるとは……」
「えっ?なんですか?」
おにいさんは下を向いてモジモジしている
「さっきは、助けてくれてありがとうございます!みずきちゃんのおかげで命拾いしました」
おにいさんはまっすぐに私の目を見て伝えてくれた、今度はちゃんと気持ちが伝わってきて嬉しくなる
「また、ニヤニヤしてるーみずきはすぐ顔にでちゃうんだなー可愛い」
この人は自分の状況がわかってるんだろうか……天然にもほどがあるよ……
「せっかくのプールなのになにしてくれてるんですか?まったく……私は普通にプール入りますよ?」
「おっ、おう、おれはとりあえずもう少し休んでるよ」
「うん、それがいいと思いますからそうしていてくださいね」
私はおにいさんから離れて、嫌味のように準備体操をする、ラジオ体操第一の中の思い出せるものだけをゆっくりと時間をかけてやった、おにいさんは私の事を見ているようだ、太っているのであまり見られるのは得意じゃないけどおにいさんならいいか、どんな私でもきっと好きでいてくれるんだろうな、私は準備体操を終えるとプールサイドに座り足からゆっくりプールの中へ入っていく、さっきは夢中で感じなかったけどやっぱりプールってなんだか気持ちがいい、胸まで入るとなぜか心が落ち着いた、子どもの頃はプールと言えば泳ぎを競ったり、潜水の上手さを競ったり、水をかけあったり、大人になってプールに入ってみると違う良さに気が付くんだなあ……
「みずきー?また考え事?溺れちゃうよ?」
おにいさんが大きい声で話し掛けてくる
「溺れませんよ、おにいさんじゃあるまいし……一緒にしないでくださいよ」
「みずきって意外と毒舌なんだな……イメージと違う……」
「なんですか?私が毒舌ですって?そんな事あるわけないですよね?」
「う、うん……そっそうだな、みずきは毒舌なんかじゃなくて天使の様に優しいよな!!」
あぁ、顔が困ってるよ、言わされてる感がすごいよ……顔に出やすいのは私と一緒なんだな……悪い事じゃないんだけどなんだか飲み込めないなあ……
おにいさんは私の事どんな風に見てるんだろう?優しそうに見えるのかな?結構他の人に厳しいんだけど……自分には甘々なんだけど、イメージと違うとか言われたくないよね、勝手なおにいさんのイメージでしかないんだから、そんな事を考えながら私はプールの水面にプカプカと浮く
「なぁー?みずきー?おれの事ほったらかしにしないでー?寂しい……」
おにいさんの声が聞こえてくる、あれ?そんなにボーッとしてたっけ?プカプカ浮くのをやめて立ち泳ぎになっておにいさんの方を向く、おにいさんはプールサイドに寂しそうに座っていた、しかも体操座りだよ……いい歳のガタイのいい男が体操座りって、なんだか新鮮だな
「はーい?寂しいなら私が行ってあげましょうか?」
おにいさんは明らかにニヤニヤしている
、嬉しいのかな?そうだ、このまま行っておにいさんの事、べちゃべちゃにしてやろう……ふふっ……
私はおにいさんの返事を待たないでおにいさんの方へと泳いでプールサイドへと上がり、濡れたままおにいさんに抱き着いた
「ちょっ……みずき……積極的過ぎる……」
おにいさんは困惑してるみたい、あっ、でもおにいさんバスローブ着てた……ちくしょう……濡らしてやりたかったのになぁ……まあいいや、ついでだから体がバスローブで拭いちゃおう、私はおにいさんの体に自分の体をこすりつけた、おにいさんの身に着けているバスローブが濡れて、私の体から水分がなくなる、おにいさんは体を拭いている事に気が付いているかな?ただ私が体をこすりつけて興奮してるようにしか見えないかな?
しばらく体をこすりつけてすっかりふきおえると、おにいさんの頭をポンポンと叩いておにいさんを置いて部屋へと戻ってソファーに座る、やっぱり水着だけでは変かな?着替えよう、確かあの辺に昨日服置いたはず……あっ、あった……おにいさんが来る気配もないし、ささっと着替えちゃおう、水着のホックを外して水着を外す、何の役にも立たない大きい胸がプルンと揺れる、右手で自分の胸を揉んでみる昨日おにいさんにされた様に少し強い力で……んー?気持ちいいなぁ……無意識に胸を揉み続けてしまう、気持ち良さに頭がボーッとしてしまう……
誰かが肩を叩いてる……
あれっ……
私なにしてたんだっけ……?
「みずき……?」
あっ?!おにいさん?!
あぁっ!?私、気持ち良くて夢中になってておにいさんが来る音にも気が付かなかったんだ……
「はっ、はい……!?」
見られてた?見られてたよねっ!?
ありえないんですけど!?
恥ずかしい、恥ずかしいっ!!
「あぁ……おにいさん……見ちゃいました?見ちゃいましたよね……」
目を伏せてモゴモゴと話す
「みっ、見てない!!何も見てない……」
見てないって言ってくれてるけどぜったい見たよね……優しいから見てないって言ってくれてるんだよね……ここはもういっそ見たって言ってくれた方がどれだけ楽か……でも、元は私が悪いんだもんね、おにいさんを悪く言っちゃダメだよね……
「ごめんなさい、気を使わせてしまって……見てても見てなくても忘れてください……」
おにいさんの手を強く握りながら言った
「わかったよ、大丈夫」
おにいさんは優しく握り返してくれた、あぁ私は何をしてるんだ……
「着替えてる途中で入って来ちゃってごめんな?おれも向こうで着替えてきちゃうわ」
そう言うとおにいさんは、ドアを開けて洗面台の方へと行ってしまった、気を使わせ過ぎだよね、私……はぁ、昨日の事で気持ちいい事に気が付いてしまって、気持ち良くなりたくなるなんて……経験が浅いって公言してるみたいじゃん……恥ずかしい……世の女性はどの程度、セックスや自慰行為をしてるんだろう……まだ若いから経験が浅くても仕方ないのかな?経験豊富ってのもそれはそれでイヤだよね……うーん……あっ、そんな事考えてないで着替えなきゃいけなかったんだ、下着を上下とも着けて服を着た、そしておにいさんが中にいるドアをコンコンとノックした
「おにいさん?もう着替え終わったのでいつでもこっちに来てください」
ドア越しにおにいさんの声が聞こえる
「おう、わかったおれも着替えが終わったら行くわ」
よかった、からかわれたりしなくて……心の中でホッと一息ついてソファーに座る、そういえばスマホどうしたっけ?完全マナーモードにしてたから着信があっても音も鳴らなければ、バイブもならない、なんだか見るのが怖いな……でも、見ないとダメだよね、スマホの横についている電源をつけるボタンを押す、予想に反して着信はなく、メールも一件しかきていなかった、もっと鬼のように電話やメールがあると思ったけど……やっぱりおねえさんの方がいいから私に対してはそんなものなのかな……今までなにやってたんだろ……はぁ……
とりあえずメール見てみよう、かなりの勇気が必要だけど……スマホのロックを解除する
義母だ……
やっぱり突然いなくなったら心配するよね、普通は……おにいさんもいなくなってるわけだし……
[大丈夫?どこにいるの?出掛けるなら一言声掛けるか、置き手紙のひとつも置いて行ってね]
怒ってはなさそうだ、義母はどこまで知ってるんだろう、何も知らないのかな?
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