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はじめましておにいさん6
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「今更、いい子ぶってやめてとかダメって言ったってダメだからな?みずきが誘ってきたんだもんなー」
おにいさんはニヤニヤしている
あっ、この人はダメだ……ダメな人だ……
性に素直……というか……
今までのおにいさんとは違う……
「ねぇ?もっと激しく気持ち良くさせてやるよ、いいだろ?」
そう言うとおにいさんは、私の胸を激しく揉みはじめる、さっきまでの優しさはない、痛くないギリギリの力加減で両方の胸を揉みしだく、頭がついていかない私はただおにいさんの手で快楽を与えられていやらしい声を漏らして身悶える
「もっと声出して……?みずきのいやらしい声聞かせてくれよ」
わざと耳元で甘く囁くおにいさん
そんないじわるな言葉にさえ、私の体は正直に反応する
「ここ……みずきのここピンと立っておれの事誘惑してくるんだ……」
ここって……?
あっ……乳首の事……?私気持ち良くて乳首が立ってるんだ……
「みっ、見ないでください……恥ずかしいから……」
私は両手で胸を隠そうとするけど、おにいさんの両手で押されられて胸を隠す事が出来ないまま、舐められるようにおにいさんに胸を見られてしまう
「なぁ、そうやって手で隠そうとするんだったら縛ってもいいか?」
「えぇっっ?ダメ!!絶対にダメです!!そんな……縛るだなんて……」
口ではそう言ってはみたけど、身体は何かを期待しているのか疼いてしまう、疼きをおにいさんに悟られないように気を付けていたけれど、おにいさんにはお見通しのようでニヤリと笑うと私から離れて棚のようなものの中からヒモのようなモノを取り出した
「おにいさん……?それって……」
私はベッドで起き上がるとおにいさんから離れるように奥の方へと移動しながら問いかけた
「ん?これ?これはね、みずきの手を縛る為に必要なんだよ?大丈夫、怖くないよ?」
おにいさんは、手にヒモを持ちニヤニヤしながら私の方へと近付いてくる、私は怖くなって目を強く閉じる、おにいさんの足音が近付いてくる、ベッドの上に乗ったのかベッドの軋む音が聞こえて、マットレスが少しだけ沈む……
あぁ、どうしよう……
おにいさんがもうすぐ近くまで来てるんだ、このままだとあのヒモで手を縛られちゃう……
そう思ったのと同時におにいさんの手が私の手首を痛いぐらいに握る、怖い気持ちと初めての体験への興味で胸がドキドキする、おにいさんは私の両手を背中の方へと動かすと、手首にヒモをかける、そして何重にも手首にくるくるとヒモをまわすと強めにヒモを結んだ
「おにいさん……ヒモとってください……こんなのイヤです……」
「いいんだよ?素直になって、悪いようにはしないし、痛い事もしないからね?」
また、おにいさんはニヤニヤと笑う
ヒモを結び終わるとおにいさんはまた私の耳元で甘くいじわるく囁く
「さぁ……これでみずきはもう身も心もおれのモノになったね?どうしちゃおうかなー?」
さっきまでの優しさはどこにいっちゃったんだろう……MとかSで言えば、おにいさんはSなんだろう、私はM……?強く否定も拒否も出来ないから……
「もう諦めがついた?抵抗しないみたいだけど?」
おにいさんはいじわるな微笑みを浮かべている、あぁこの人はセックスを単純に楽しんでるんだな……私も何もかも投げ出してセックスを楽しんじゃおうかな?
もうどうでもいいかな……旦那とおねえさんと義母の事は……
もう考えたくないし、考えても仕方ないんだし、楽しむって決めたんだからいっか!
「抵抗はしません、だからこのヒモとってくれませんか?さっきまではずっと悩んでたんです、本当にこんな事してもいいのかなって……でも、もう吹っ切れたっていうか、私も自分の気持ちに素直になろうって思えたんです、だから私も積極的にしてもいいですか?」
おにいさんは目を丸くして私の顔を見ている、驚いてるのかな?そりゃ驚くよね、そんな事急に言われたら
「なぁ?みずき、無理してるのがみえみえなんだよ……なんでそうやって無理するんだ?おれに合わせようとしてくれてるのか?だとしたらおれは嫌だ、もうやめた」
そう言うとおにいさんは、手首のヒモを優しくほどいてくれた
「おにいさん……なんで……?」
おにいさんは苦しそうな表情だ
「おれ……さっき、みずきにおれの事好きかって聞いた時にすぐに好きって言ってくれなかったのがイヤだったんだ、好きだって即答してほしかったんだ、みずきの身も心もおれのモノにしたくなったんだ……だから、あんなヒモで縛って無理矢理にでもして、おれの事を好きだって、おれを忘れられなくてしてやりたかったんだ……ごめん、身勝手にまたみずきを傷付けたよな……」
おにいさんはうつむいて頭をポリポリと掻いている、おにいさんも苦しかったんだ、私全然気が付かなかった……真剣に私の事を好きだって思ってくれてるのに、私はまだはっきりとした態度もとれなくておにいさんを苦しめてたんだ……
他の事なんてどうでもいいんだ、今目の前の好きなひとの事だけ見てれば、考えてればいいんだ
「おにいさん……ううん、ゆきひろさん、私たくさんたくさん考えたんです、本当にゆきひろさんの事が好きなのかって、今まではただの義理のおにいさんでただの他人だって思ってたんです、仲良くはなりたいって思ってたけど、まさか私の事を異性として好きでいてくれたなんて思ってもいなくて……すごくびっくりしたのと嬉しかったんです、ちゃんと気持ちも伝えないままこんな事になってしまったんですけど、ゆきひろさんの事が好きです」
私はおにいさんに抱き付いて胸に顔をうずめる
「みすぎ、やっと名前で呼んでくれたね、おれすごく嬉しいよ!!やっとみずきと心が通えた気がする、あいつらの事はもう忘れよう、とりあえず今日はもう寝よう?明日はおれの実家に行こう、ちゃんと説明してしばらくみずきがいられるようにするから」
おにいさんはそう言うと近くに落ちていたバスローブを私に手渡してくれた、バスローブを受け取ると私はおにいさんから少し離れて背を向けてバスローブを着た
「でも、おにいさんの実家に行っても大丈夫なんですか?ちゃんと説明するって言っても……」
「大丈夫だよ、おれの親なんだ、おれの事を信じてくれるし、おれが好きになった女なら大事にもてなしてくれるさ」
「おにいさん……嬉しいです、ありがとうございます」
「なぁ?そろそろ敬語やめないか?それにせっかくさっきは名前で呼んでくれたんだからおにいさんってのもやめないか?」
「えっ、でも……やっぱり私の方が年下ですし……それにまだ名前で呼ぶのが慣れないんです……」
振り返るとおにいさんがかなり近くにまで来ていて私は驚いた
「なっ……!!近い、近いです……」
「なぁ?みずき……なんでそんなにいちいち可愛いんだ?」
「可愛くないですっっ!!もーやめてくださいよ」
私はほっぺをわざと大きく膨らませた
「それ、それが可愛いんだってば、もーみずきはなんにもわかってないんだから……」
そう言うとおにいさんの顔が近付いてきて、優しくキスをされた
んっ……ふぅっんっ……
甘い吐息といやらしい声が口から漏れ出してしまう
おにいさんの唇が離れる、離れたくなくて私は自らおにいさんの唇を追いかけて押しつけるようにキスをしかえした
あっ……んんっ……
おにいさんからも甘い吐息といやらしい声が漏れる
もっとおにいさんのいやらしい声が聞きたいけど、もうそろそろ眠気も限界にきている、私は仕方なくおにいさんから離れてベッドへと寝転がる
「もう、寝ましょうか?」
おにいさんは私の隣に横になった
「そうだな……もう夜中だし、寝るか?明日は昼前にはここを出ておれの実家に行こう、それじゃぁ、おやすみ……」
おにいさんは私のおでこに優しくキスをすると腕枕をしてくれた、私は腕枕を受け入れて頭をあずけた、そして数分後にはおにいさんの可愛い寝息が聞こえてきた、おにいさんも疲れてたんだよね、いろんな事があったけどおにいさんの事信じてみよう、きっと問題も解決して二人とも人生をやり直せるよね!!
私も重くなってきた瞼を閉じた……
ん……?なにか隣でもぞもぞと動いてるような……うーんと……旦那?ん?あれ?ええっ?確か……隣にいるのって……おにいさんっ?! あぁ、そうかすっかり忘れてた、おにいさんと寝てたんだっけ……おにいさんなにをもぞもぞしてるんだろう?目が覚めてしまった
おにいさんの方へと顔を向けるおにいさんは、はぁはぁ……と悶えているような声を漏らしている、もしかして……おにいさん1人でしてるのかな?
気にはなるけど、布団の中を覗こうなんて勇気もないしあまり動くと起きている事がバレてしまう……モヤモヤするけど仕方なくしばらく寝たフリをしていると、みずきっっ……うぅっ!!はぁはぁ……と快感に達した声が聞こえてきた
おにいさん、気持ちよかったんだ……私の名前呼んでたな、私の事考えて1人で……嬉しいような、ちょっと気持ち悪いような……この後どんな顔しておにいさんと話せばいいんだろう……
私はわざとらしく大きく体を動かして、今起きましたアピールをしながら布団を足で蹴飛ばして目を開けた
「ふわぅぁぁ……んんっ、おはよう……おにいさん」
おにいさんはビクッとすると、慌てて布団を頭までかぶってしまった、布団の中からこもった声で
「おっ、おはよう、みずき……」
驚いて布団の中に入っていっちゃったよ、そんなに驚くなら私の隣でしなければよかったのに……男の人ってなにを考えてるのかさっぱりわかんないよ……そんなにムラムラしてたのかな?
「おにいさん?大丈夫ですか?体調悪いんですか?」
おにいさんは布団から頭を出して答えた
「大丈夫だ、ごめん、なんだか急にみずきと寝てるって思ったら恥ずかしくなっちゃって……」
可愛い嘘をつくんだな、この人は……
「そうなんですね、体調が悪いんじゃないならよかったです、そろそろ起きますか?」
私は微笑みながらおにいさんに問いかける
「そっ、そうだな、そろそろ起きようか、今何時だ……?」
おにいさんはキョロキョロと辺りを見回して時計を探している
「あれ?おにいさん、昨日夜寝る前にもう夜中だから寝ようって言ってたのに時計がどこにあるのか、わからないんですか?」
「うん、だって時計なんか見なくても大体わかるだろ?それに眠くなったらもうそれは夜中だ!」
満足そうに微笑んでいるけど、大雑把というか適当というか……まあそれはいいとして、問題は時計はどこにあるのかって事だよね……私も部屋中を見回してみたけど掛け時計は見つけられなかった、もしかしてと、ベッドの上の方にあるたくさんのボタンが付いている所を見てみるとデジタル時計があった、まだ8時前だったんだ、いつもより少し遅いぐらいには起きてたんだ、確かおにいさんは早起きだって言ってたよね、こうゆう時ぐらいはゆっくり寝てたかったけど、まあいいか
「ありましたよ、時計、まだ8時前でしたよ?」
「そうか、まだそんな時間か……ごめんな、いつも早起きだからこんな時でもいつも通りの時間に起きちゃって、みずきの事も起こしちゃったな……」
「いいんですよ?早く起きたら、その分おにいさんとたくさんお喋りできますからね」
私はおにいさんのほっぺを指でつつきながら答える
「ちょっ……みずき、やめなさい、こどもじゃないんだから」
おにいさんは照れているのを隠そうとしているように見えた
「照れてるんですか?可愛いですね、おにいさん」
「もう、みずきにはやられっぱなしだな、おれの方がずいぶんと年上のはずなのに、このいたずらっ子には困ったもんだ」
おにいさんは優しく微笑みながら私を強く抱きしめる
「まだまだこどもだもーん、いっぱい甘やかしてくださいね?」
ニヤニヤしながらおにいさんの耳元で囁く、おにいさんは、はいはい、と軽く返事をすると私の頭をポンポンと撫でた
「いいよ?おれがたーくさん甘やかして、おれから離れられなくしてやるからな?覚悟してろよな、みずき?」
私はドキッとする、そんな恥ずかしい事よく言えるなぁ……おにいさん、かなりメンタルが強いのかそこまで深く考えてないのか……真面目そうだなって思ってたけど意外にぬけている人なのかもな……そんな人に惹かれてしまう自分ってどうなんだろう、好きになったらそんなところも愛せるようになるのかな?
「もう、おにいさんって誰にでもそういう事言うんですか?」
「ばっ、馬鹿言うなよ、おれってそんなに軽そうっていうかチャラそうに見えるか……?」
明らかにテンションの下がった声でおにいさんは言う
「んー最初はすごく真面目そうに見えたんですけど、昨日からずっと一緒にいて、もしかしておにいさんってかなりの天然なのか、チャラ男なのかなって思いはじめてますね」
おにいさんは強引に私にキスをした
「こういうところが、チャラそうって思うの?」
驚いて何も言えない私を見て、おにいさんは微笑んでいる、やっぱりチャラいじゃん……!!
「馬鹿だな……おれは好きになった奴にしかこんな事しないよ?好きで好きで止められないんだよ……チャラい訳じゃないからな!!」
おにいさんは私の頭にグリグリと拳を押し付けてきた
「ちょっ……ちょっと!!痛いですって!!チャラくないのはわかったからやめてください」
私がそう言うとおにいさんはグリグリ攻撃をやめて、グリグリされていた所を優しく撫でる
「もーみずきってば、馬鹿素直っていうか、男性経験少ないのか?男を見る目がないのか……こんなにいい男が目の前にいるのにチャラ男扱いとは……」
おにいさんは私から離れて頭を抱えてしまった
確かに……私は男性経験はほとんどない、旦那としか付き合った事ないし、付き合っていた時もほとんどセックスした事もないし……私自身もそういう事に興味がなかった訳じゃないけど、そこまでガツガツしていた訳でもないかな……
うーん、やっぱり私って恋愛経験なさ過ぎなのかな……でも、初めて付き合った人と結婚するのって憧れてたのにな……結果的には旦那に裏切られていた訳だけど……という事は男を見る目がなかったって事になるんだよね……でも、私の事言えるのかな?おにいさんだっておねえさんに裏切られてた訳だもんね?
「そんな事言いますけど、おにいさんだって女を見る目がなかったからこんな事になってんるんですよね?」
おにいさんはビクッと肩を震わせた
あぁ、しまった……
いくら感情的になってたとは言え、触れてはいけない話題に触れてしまったみたいだ……後悔してももう遅い、一度口から出てしまった言葉はなかった事には出来ない……
「あっ……私……ごめんなさい!!言っていい事と悪い事があるのに、つい感情的になってしまって……」
私はおにいさんに近付き、後ろから優しくおにいさんを抱きしめた、体が震えている、もしかしたら泣いているのかもしれない……私がひどい事言っちゃったからだよね……
あぁ、もう!!私の馬鹿!!
私はおにいさんの耳を優しく舌で舐める、ビクッとおにいさんは反応するけど何も言ってくれない、私は構わず耳を優しく丁寧に舐め続ける、しばらくするとおにいさんは顔を上げて、、耳を舐めている私をおにいさんの正面にくるように力強く引っ張った
「みずきの言う通りだな……ちゃんとした見る目があればこんなに辛い思いをする事はなかったのにな……でも、みずきと出会えたし、こうして今話せてる事も、みずきに触れられる事が出来るようになった事も長い目で見ればこれでよかったんじゃないかって思えるよ」
おにいさんは涙のたまった潤んだ瞳で私を見つめてくる
あぁ……もう……
なんでこんなに可愛いんだろう、この人は……10も年上なのに可愛いなんて私に思わせるなんて……
「なんでそんなに可愛いんですか?おにいさんは、ズルいです、私今まで男の人を、年上の男の人を可愛いだなんて思った事一度もないのに、昨日からずっとおにいさんの事可愛いなって思っちゃうんです、なんだか調子狂うんですけど?」
そう言って、おにいさんのたまった涙を指でぬぐう、我慢していたのか次から次へと大粒の涙が溢れ出てくる、私はおにいさんの頭を胸に押し付けた、おにいさんはぎゅっと強く私を抱きしめて声を出して泣いている、でもバスローブに顔が押し付けられているのであまり聞こえない、それでいいんだ、おにいさんの泣いてる声なんて聞きたくない、おにいさんだって聞かれたくないだろうから
私はおにいさんの頭を優しく撫で続けた……
どれぐらいそうしていたのか、おにいさんが落ち着いて私の胸から顔を離した、顔にはバスローブのモコモコとした生地の跡がついていた、それを見て微笑む私につられておにいさんも少し辛そうに微笑んだ
「大丈夫ですか?」
私が優しく問いかけるとおにいさんは何も言わないけれど頷いてくれた、少し照れ臭そうだ
その時
ピンポーンとチャイムが鳴る
「なんですかね?」
「うーん、多分朝ごはんかな?」
「朝ごはんですか?そんな物まで出してくれるんですか……ホテルってすごいところですね」
すごいなぁ、頼まなくても朝食を持って来てくれるなんて、ここラブホテルなのに……
「あっ、そうだ思い出した、昨日いろいろ頼んだ時に朝ごはんも頼んでおいたんだった」
そんなサービスあるんだ、ラブホテルってサービスがすごいんだな、全然来た事なかったけど結構楽しいところなのかも?
「私、取ってきますよ」
私はおにいさんに微笑んで、朝食が置かれているであろう入り口の方へと向かった
「大丈夫か?おれが行こう?」
後ろからおにいさんの声が聞こえたけど、振り返らずにそのままドアを開けてドアの向こう側に行くとドアを閉めた
おにいさんはニヤニヤしている
あっ、この人はダメだ……ダメな人だ……
性に素直……というか……
今までのおにいさんとは違う……
「ねぇ?もっと激しく気持ち良くさせてやるよ、いいだろ?」
そう言うとおにいさんは、私の胸を激しく揉みはじめる、さっきまでの優しさはない、痛くないギリギリの力加減で両方の胸を揉みしだく、頭がついていかない私はただおにいさんの手で快楽を与えられていやらしい声を漏らして身悶える
「もっと声出して……?みずきのいやらしい声聞かせてくれよ」
わざと耳元で甘く囁くおにいさん
そんないじわるな言葉にさえ、私の体は正直に反応する
「ここ……みずきのここピンと立っておれの事誘惑してくるんだ……」
ここって……?
あっ……乳首の事……?私気持ち良くて乳首が立ってるんだ……
「みっ、見ないでください……恥ずかしいから……」
私は両手で胸を隠そうとするけど、おにいさんの両手で押されられて胸を隠す事が出来ないまま、舐められるようにおにいさんに胸を見られてしまう
「なぁ、そうやって手で隠そうとするんだったら縛ってもいいか?」
「えぇっっ?ダメ!!絶対にダメです!!そんな……縛るだなんて……」
口ではそう言ってはみたけど、身体は何かを期待しているのか疼いてしまう、疼きをおにいさんに悟られないように気を付けていたけれど、おにいさんにはお見通しのようでニヤリと笑うと私から離れて棚のようなものの中からヒモのようなモノを取り出した
「おにいさん……?それって……」
私はベッドで起き上がるとおにいさんから離れるように奥の方へと移動しながら問いかけた
「ん?これ?これはね、みずきの手を縛る為に必要なんだよ?大丈夫、怖くないよ?」
おにいさんは、手にヒモを持ちニヤニヤしながら私の方へと近付いてくる、私は怖くなって目を強く閉じる、おにいさんの足音が近付いてくる、ベッドの上に乗ったのかベッドの軋む音が聞こえて、マットレスが少しだけ沈む……
あぁ、どうしよう……
おにいさんがもうすぐ近くまで来てるんだ、このままだとあのヒモで手を縛られちゃう……
そう思ったのと同時におにいさんの手が私の手首を痛いぐらいに握る、怖い気持ちと初めての体験への興味で胸がドキドキする、おにいさんは私の両手を背中の方へと動かすと、手首にヒモをかける、そして何重にも手首にくるくるとヒモをまわすと強めにヒモを結んだ
「おにいさん……ヒモとってください……こんなのイヤです……」
「いいんだよ?素直になって、悪いようにはしないし、痛い事もしないからね?」
また、おにいさんはニヤニヤと笑う
ヒモを結び終わるとおにいさんはまた私の耳元で甘くいじわるく囁く
「さぁ……これでみずきはもう身も心もおれのモノになったね?どうしちゃおうかなー?」
さっきまでの優しさはどこにいっちゃったんだろう……MとかSで言えば、おにいさんはSなんだろう、私はM……?強く否定も拒否も出来ないから……
「もう諦めがついた?抵抗しないみたいだけど?」
おにいさんはいじわるな微笑みを浮かべている、あぁこの人はセックスを単純に楽しんでるんだな……私も何もかも投げ出してセックスを楽しんじゃおうかな?
もうどうでもいいかな……旦那とおねえさんと義母の事は……
もう考えたくないし、考えても仕方ないんだし、楽しむって決めたんだからいっか!
「抵抗はしません、だからこのヒモとってくれませんか?さっきまではずっと悩んでたんです、本当にこんな事してもいいのかなって……でも、もう吹っ切れたっていうか、私も自分の気持ちに素直になろうって思えたんです、だから私も積極的にしてもいいですか?」
おにいさんは目を丸くして私の顔を見ている、驚いてるのかな?そりゃ驚くよね、そんな事急に言われたら
「なぁ?みずき、無理してるのがみえみえなんだよ……なんでそうやって無理するんだ?おれに合わせようとしてくれてるのか?だとしたらおれは嫌だ、もうやめた」
そう言うとおにいさんは、手首のヒモを優しくほどいてくれた
「おにいさん……なんで……?」
おにいさんは苦しそうな表情だ
「おれ……さっき、みずきにおれの事好きかって聞いた時にすぐに好きって言ってくれなかったのがイヤだったんだ、好きだって即答してほしかったんだ、みずきの身も心もおれのモノにしたくなったんだ……だから、あんなヒモで縛って無理矢理にでもして、おれの事を好きだって、おれを忘れられなくてしてやりたかったんだ……ごめん、身勝手にまたみずきを傷付けたよな……」
おにいさんはうつむいて頭をポリポリと掻いている、おにいさんも苦しかったんだ、私全然気が付かなかった……真剣に私の事を好きだって思ってくれてるのに、私はまだはっきりとした態度もとれなくておにいさんを苦しめてたんだ……
他の事なんてどうでもいいんだ、今目の前の好きなひとの事だけ見てれば、考えてればいいんだ
「おにいさん……ううん、ゆきひろさん、私たくさんたくさん考えたんです、本当にゆきひろさんの事が好きなのかって、今まではただの義理のおにいさんでただの他人だって思ってたんです、仲良くはなりたいって思ってたけど、まさか私の事を異性として好きでいてくれたなんて思ってもいなくて……すごくびっくりしたのと嬉しかったんです、ちゃんと気持ちも伝えないままこんな事になってしまったんですけど、ゆきひろさんの事が好きです」
私はおにいさんに抱き付いて胸に顔をうずめる
「みすぎ、やっと名前で呼んでくれたね、おれすごく嬉しいよ!!やっとみずきと心が通えた気がする、あいつらの事はもう忘れよう、とりあえず今日はもう寝よう?明日はおれの実家に行こう、ちゃんと説明してしばらくみずきがいられるようにするから」
おにいさんはそう言うと近くに落ちていたバスローブを私に手渡してくれた、バスローブを受け取ると私はおにいさんから少し離れて背を向けてバスローブを着た
「でも、おにいさんの実家に行っても大丈夫なんですか?ちゃんと説明するって言っても……」
「大丈夫だよ、おれの親なんだ、おれの事を信じてくれるし、おれが好きになった女なら大事にもてなしてくれるさ」
「おにいさん……嬉しいです、ありがとうございます」
「なぁ?そろそろ敬語やめないか?それにせっかくさっきは名前で呼んでくれたんだからおにいさんってのもやめないか?」
「えっ、でも……やっぱり私の方が年下ですし……それにまだ名前で呼ぶのが慣れないんです……」
振り返るとおにいさんがかなり近くにまで来ていて私は驚いた
「なっ……!!近い、近いです……」
「なぁ?みずき……なんでそんなにいちいち可愛いんだ?」
「可愛くないですっっ!!もーやめてくださいよ」
私はほっぺをわざと大きく膨らませた
「それ、それが可愛いんだってば、もーみずきはなんにもわかってないんだから……」
そう言うとおにいさんの顔が近付いてきて、優しくキスをされた
んっ……ふぅっんっ……
甘い吐息といやらしい声が口から漏れ出してしまう
おにいさんの唇が離れる、離れたくなくて私は自らおにいさんの唇を追いかけて押しつけるようにキスをしかえした
あっ……んんっ……
おにいさんからも甘い吐息といやらしい声が漏れる
もっとおにいさんのいやらしい声が聞きたいけど、もうそろそろ眠気も限界にきている、私は仕方なくおにいさんから離れてベッドへと寝転がる
「もう、寝ましょうか?」
おにいさんは私の隣に横になった
「そうだな……もう夜中だし、寝るか?明日は昼前にはここを出ておれの実家に行こう、それじゃぁ、おやすみ……」
おにいさんは私のおでこに優しくキスをすると腕枕をしてくれた、私は腕枕を受け入れて頭をあずけた、そして数分後にはおにいさんの可愛い寝息が聞こえてきた、おにいさんも疲れてたんだよね、いろんな事があったけどおにいさんの事信じてみよう、きっと問題も解決して二人とも人生をやり直せるよね!!
私も重くなってきた瞼を閉じた……
ん……?なにか隣でもぞもぞと動いてるような……うーんと……旦那?ん?あれ?ええっ?確か……隣にいるのって……おにいさんっ?! あぁ、そうかすっかり忘れてた、おにいさんと寝てたんだっけ……おにいさんなにをもぞもぞしてるんだろう?目が覚めてしまった
おにいさんの方へと顔を向けるおにいさんは、はぁはぁ……と悶えているような声を漏らしている、もしかして……おにいさん1人でしてるのかな?
気にはなるけど、布団の中を覗こうなんて勇気もないしあまり動くと起きている事がバレてしまう……モヤモヤするけど仕方なくしばらく寝たフリをしていると、みずきっっ……うぅっ!!はぁはぁ……と快感に達した声が聞こえてきた
おにいさん、気持ちよかったんだ……私の名前呼んでたな、私の事考えて1人で……嬉しいような、ちょっと気持ち悪いような……この後どんな顔しておにいさんと話せばいいんだろう……
私はわざとらしく大きく体を動かして、今起きましたアピールをしながら布団を足で蹴飛ばして目を開けた
「ふわぅぁぁ……んんっ、おはよう……おにいさん」
おにいさんはビクッとすると、慌てて布団を頭までかぶってしまった、布団の中からこもった声で
「おっ、おはよう、みずき……」
驚いて布団の中に入っていっちゃったよ、そんなに驚くなら私の隣でしなければよかったのに……男の人ってなにを考えてるのかさっぱりわかんないよ……そんなにムラムラしてたのかな?
「おにいさん?大丈夫ですか?体調悪いんですか?」
おにいさんは布団から頭を出して答えた
「大丈夫だ、ごめん、なんだか急にみずきと寝てるって思ったら恥ずかしくなっちゃって……」
可愛い嘘をつくんだな、この人は……
「そうなんですね、体調が悪いんじゃないならよかったです、そろそろ起きますか?」
私は微笑みながらおにいさんに問いかける
「そっ、そうだな、そろそろ起きようか、今何時だ……?」
おにいさんはキョロキョロと辺りを見回して時計を探している
「あれ?おにいさん、昨日夜寝る前にもう夜中だから寝ようって言ってたのに時計がどこにあるのか、わからないんですか?」
「うん、だって時計なんか見なくても大体わかるだろ?それに眠くなったらもうそれは夜中だ!」
満足そうに微笑んでいるけど、大雑把というか適当というか……まあそれはいいとして、問題は時計はどこにあるのかって事だよね……私も部屋中を見回してみたけど掛け時計は見つけられなかった、もしかしてと、ベッドの上の方にあるたくさんのボタンが付いている所を見てみるとデジタル時計があった、まだ8時前だったんだ、いつもより少し遅いぐらいには起きてたんだ、確かおにいさんは早起きだって言ってたよね、こうゆう時ぐらいはゆっくり寝てたかったけど、まあいいか
「ありましたよ、時計、まだ8時前でしたよ?」
「そうか、まだそんな時間か……ごめんな、いつも早起きだからこんな時でもいつも通りの時間に起きちゃって、みずきの事も起こしちゃったな……」
「いいんですよ?早く起きたら、その分おにいさんとたくさんお喋りできますからね」
私はおにいさんのほっぺを指でつつきながら答える
「ちょっ……みずき、やめなさい、こどもじゃないんだから」
おにいさんは照れているのを隠そうとしているように見えた
「照れてるんですか?可愛いですね、おにいさん」
「もう、みずきにはやられっぱなしだな、おれの方がずいぶんと年上のはずなのに、このいたずらっ子には困ったもんだ」
おにいさんは優しく微笑みながら私を強く抱きしめる
「まだまだこどもだもーん、いっぱい甘やかしてくださいね?」
ニヤニヤしながらおにいさんの耳元で囁く、おにいさんは、はいはい、と軽く返事をすると私の頭をポンポンと撫でた
「いいよ?おれがたーくさん甘やかして、おれから離れられなくしてやるからな?覚悟してろよな、みずき?」
私はドキッとする、そんな恥ずかしい事よく言えるなぁ……おにいさん、かなりメンタルが強いのかそこまで深く考えてないのか……真面目そうだなって思ってたけど意外にぬけている人なのかもな……そんな人に惹かれてしまう自分ってどうなんだろう、好きになったらそんなところも愛せるようになるのかな?
「もう、おにいさんって誰にでもそういう事言うんですか?」
「ばっ、馬鹿言うなよ、おれってそんなに軽そうっていうかチャラそうに見えるか……?」
明らかにテンションの下がった声でおにいさんは言う
「んー最初はすごく真面目そうに見えたんですけど、昨日からずっと一緒にいて、もしかしておにいさんってかなりの天然なのか、チャラ男なのかなって思いはじめてますね」
おにいさんは強引に私にキスをした
「こういうところが、チャラそうって思うの?」
驚いて何も言えない私を見て、おにいさんは微笑んでいる、やっぱりチャラいじゃん……!!
「馬鹿だな……おれは好きになった奴にしかこんな事しないよ?好きで好きで止められないんだよ……チャラい訳じゃないからな!!」
おにいさんは私の頭にグリグリと拳を押し付けてきた
「ちょっ……ちょっと!!痛いですって!!チャラくないのはわかったからやめてください」
私がそう言うとおにいさんはグリグリ攻撃をやめて、グリグリされていた所を優しく撫でる
「もーみずきってば、馬鹿素直っていうか、男性経験少ないのか?男を見る目がないのか……こんなにいい男が目の前にいるのにチャラ男扱いとは……」
おにいさんは私から離れて頭を抱えてしまった
確かに……私は男性経験はほとんどない、旦那としか付き合った事ないし、付き合っていた時もほとんどセックスした事もないし……私自身もそういう事に興味がなかった訳じゃないけど、そこまでガツガツしていた訳でもないかな……
うーん、やっぱり私って恋愛経験なさ過ぎなのかな……でも、初めて付き合った人と結婚するのって憧れてたのにな……結果的には旦那に裏切られていた訳だけど……という事は男を見る目がなかったって事になるんだよね……でも、私の事言えるのかな?おにいさんだっておねえさんに裏切られてた訳だもんね?
「そんな事言いますけど、おにいさんだって女を見る目がなかったからこんな事になってんるんですよね?」
おにいさんはビクッと肩を震わせた
あぁ、しまった……
いくら感情的になってたとは言え、触れてはいけない話題に触れてしまったみたいだ……後悔してももう遅い、一度口から出てしまった言葉はなかった事には出来ない……
「あっ……私……ごめんなさい!!言っていい事と悪い事があるのに、つい感情的になってしまって……」
私はおにいさんに近付き、後ろから優しくおにいさんを抱きしめた、体が震えている、もしかしたら泣いているのかもしれない……私がひどい事言っちゃったからだよね……
あぁ、もう!!私の馬鹿!!
私はおにいさんの耳を優しく舌で舐める、ビクッとおにいさんは反応するけど何も言ってくれない、私は構わず耳を優しく丁寧に舐め続ける、しばらくするとおにいさんは顔を上げて、、耳を舐めている私をおにいさんの正面にくるように力強く引っ張った
「みずきの言う通りだな……ちゃんとした見る目があればこんなに辛い思いをする事はなかったのにな……でも、みずきと出会えたし、こうして今話せてる事も、みずきに触れられる事が出来るようになった事も長い目で見ればこれでよかったんじゃないかって思えるよ」
おにいさんは涙のたまった潤んだ瞳で私を見つめてくる
あぁ……もう……
なんでこんなに可愛いんだろう、この人は……10も年上なのに可愛いなんて私に思わせるなんて……
「なんでそんなに可愛いんですか?おにいさんは、ズルいです、私今まで男の人を、年上の男の人を可愛いだなんて思った事一度もないのに、昨日からずっとおにいさんの事可愛いなって思っちゃうんです、なんだか調子狂うんですけど?」
そう言って、おにいさんのたまった涙を指でぬぐう、我慢していたのか次から次へと大粒の涙が溢れ出てくる、私はおにいさんの頭を胸に押し付けた、おにいさんはぎゅっと強く私を抱きしめて声を出して泣いている、でもバスローブに顔が押し付けられているのであまり聞こえない、それでいいんだ、おにいさんの泣いてる声なんて聞きたくない、おにいさんだって聞かれたくないだろうから
私はおにいさんの頭を優しく撫で続けた……
どれぐらいそうしていたのか、おにいさんが落ち着いて私の胸から顔を離した、顔にはバスローブのモコモコとした生地の跡がついていた、それを見て微笑む私につられておにいさんも少し辛そうに微笑んだ
「大丈夫ですか?」
私が優しく問いかけるとおにいさんは何も言わないけれど頷いてくれた、少し照れ臭そうだ
その時
ピンポーンとチャイムが鳴る
「なんですかね?」
「うーん、多分朝ごはんかな?」
「朝ごはんですか?そんな物まで出してくれるんですか……ホテルってすごいところですね」
すごいなぁ、頼まなくても朝食を持って来てくれるなんて、ここラブホテルなのに……
「あっ、そうだ思い出した、昨日いろいろ頼んだ時に朝ごはんも頼んでおいたんだった」
そんなサービスあるんだ、ラブホテルってサービスがすごいんだな、全然来た事なかったけど結構楽しいところなのかも?
「私、取ってきますよ」
私はおにいさんに微笑んで、朝食が置かれているであろう入り口の方へと向かった
「大丈夫か?おれが行こう?」
後ろからおにいさんの声が聞こえたけど、振り返らずにそのままドアを開けてドアの向こう側に行くとドアを閉めた
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