T.M.C ~TwoManCell 【帰結】編

sorarion914

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第7章・過去

#8

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 週明け。
 野崎は署の談話室にいた。
 メンタルを心配した岸谷に、産業医との面談を勝手に申し込まれ、今しがたその面談を終えたばかりだった。
 その産業医から、少し休暇を取ってはどうか?という提案をされ、野崎は不承不承受け入れた。
 確かに。やらなければならないことはたくさんある。
 片づけなければならないことも……
 離婚は思っていた以上に大変な作業だった。子供がいないからまだいいが、これで子供がいたら、やれ親権だの養育費だのと、揉める要素はたくさんある。
「……」
 野崎はため息をついた。
 春先からずっと、目まぐるしく状況が変わっていることに気持ちが追い付かない。
 今年は厄年だったろうか……そんな事を考えていると、スマホに着信があった。
 メッセージが1件。
 珍しく宇佐美からだ。

 >ご無沙汰しております。

 これもまた珍しく、きちんとした挨拶から始まっている。

 >本当はちゃんと会ってお話をしたいのですが、報告だけにとどめておきます。ご容赦ください。
 例の件。正体が判明しました。

「え?」
 野崎は思わず声に出した。

 >野崎さんの予想は当たっていました。幽霊と自分とは関係があります。
 >幽霊は、俺の父親です。

「――」
 野崎は椅子の背にもたれると、大きく息をついた。
 経緯が見えないが、宇佐美なりに何か調べたのだろう。
 (奴の……父親?)
 でもそれが何故?

 >ここから先は自分が動きます。彼を必ず止めるので、安心して下さい。
 >それと

 その後、しばらく置いてから

 >余計なことを言って、すみませんでした。

 それっきり、言葉は途切れたまま。なにも言ってはこない。
 野崎は黙ったまま、流れてきたメッセージをただ見つめていた。
 自分が動く?1人で片を付けるってことか?
「……」
 スマホの画面を睨みつけたまま、野崎はじっと考え込む。
 あの場で、子供の影の存在を教えたことは、恐らく宇佐美にとっては不本意だったのだろう。
 それがきっかけで離婚に至ったことに責任を感じているのか。
 だから奴なりに気を使っているつもりだろうが――
 (冗談じゃない!)
 野崎はメッセージを送信した。

 >きちんと話したい。会って話をしよう。

 だが既読が付かない。当然返信もない。
 野崎は腹が立って直接電話を掛けた。だが繋がらない。
「出ろよ……」
 椅子から立ち上がり、部屋の中を歩きながら何度も呼び出すが、一向に出る気配がない。
 クソッ!と舌打ちして、メッセージを送った。

 >家にいるのか?なら今からそっちに行くぞ!

 するとすぐに返事が返ってきた。

 >あの公園にいます。

 野崎はそれを確認すると、談話室を飛び出した。


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