迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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⑧極めてみようと思います!

─雷─④

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 なりたい、なる?、ギャル?、あぁ(ニヤリ)、……って、俺がなりてぇギャルはそんな簡単なもんなのか?

 暗くなった帰り道をテクテクしょんぼり歩いてた俺は、駅まで送ってくれた先輩が持たせてくれた紙袋を開いては、ムムッと眉間にシワを寄せる。

 厳重に二重になってる紙袋の中身は、どうやって使うのか分かんねぇエログッズの数々だ。

 俺のギャル化は先輩が担うけど、アッチは手伝えないと言われてこれを土産に持たされた。

 アッチってどっち。 なんて野暮なことは聞けなかった。

 だってあんな、あんな、あんな、とんでもねぇ事実を二つも三つも知ったあとでどんなツラしてりゃいいんだよ──。





『……なれる? 俺の顔面、下の下だけど……』


 いかにも簡単そうに俺のギャル化提案をのんだ先輩は、おかわりの紅茶を淹れてくれながら笑っていた。


『はぁ? 雷は中の上』
『ビミョー!! でもちょっと嬉しー!!』
『あと、雷が気にしてんのは挿れる穴だよな?』
『アナァァァッッ!!』
『うるせぇ。 下品だぞ』
『ごめん!! 穴!!』


 そう! そこなんだよ。

 俺が仮に中の上ギャルになったとしても、肝心の穴が無けりゃヤリ迅はすぐ元祖だったり新規だったりのセフレとエッチしちまうだろ。

 セフレ契約に他のセフレとのエッチを申告する義務はないけど、メンタル的なことを考えると隠れてされるのも気分は良くねぇ。

 迅が茶髪ギャルとラブホに入ってく想像しただけでムムムッとなるのは、俺が迅のことを〝すき〟だからかも?っていう超難問を都合よくシカトしたのは……分かんねぇから。

 〝ダチ〟〝セフレ〟〝すき〟を考えだしたら呼吸困難になる。 だからそれはちょっと保留。 後回しだ。

 ティーカップを手渡してくれた先輩が、俺の仏頂面見てずっと不敵に笑っていた。

 なんでこの状況でニヤついてられるんだって、おかわりをを飲まずにテーブルにカップを置く。


『教える義理なんて無ぇのかもしんねぇけど、雷にも穴はあるじゃん』
『えぇッ? 無ぇから困って……ひゃんッッ』


 自分の勝手さにもイラついた十秒後、先輩の手のひらがソファを沈ませて俺のケツをもみっと鷲掴んだ。

 エロピアス翼もビックリの大胆なセクハラに、俺は飛び上がってソファの端まで逃げた。


『しゅ、しゅしゅしゅしゅ修也先輩ッッ!?』
『男同士はな、そこ使うんだよ』
『そ、ソコ? ココ? どこ……?』
『ケツの穴』
『ピェェ~~ッッ!?!?』


 聞いた瞬間、ケツの穴がキュッとなった。

 なになにッ? 純日本人な先輩が、俺を揶揄うためだけにアメリカンジョーク言った……ッ?

 だとしたらめちゃめちゃ趣味が悪い!

 両手でケツ穴を守った俺は、マジ泣きしてた時みてぇにプルプル震えた。

 それなのに先輩はジリジリ近付いてくる。


『でもな、いきなりは絶対ムリ。 相手が親指くらいの粗チンだったらいけるかもしんねぇけど、……迅クンのはどうだ? あのガタイで親指サイズだったりする?』
『お、親指サイズ!? 迅が!? いや迅はすげぇブツを所持してるぞ! ガン勃ち迅様は拝む価値あるレベル!』
『そんなスゲェの? だったらマジで時間かけて穴慣らさねぇと』
『…………ッッ!?!?』


 言ってることの半分は理解出来なかった。

 頭ン中がまた噴火して、心臓はバクバク。 話題のケツ穴がキュキュッと窄まる。

 目を見開いて動けない俺を残して、いきなり真顔に戻った先輩は『待ってろ』と言ってもう一つの部屋に消えた。

 そして何分か放心状態で待ってた俺に紙袋を差し出してきた先輩は、さらにもう一噴火起こさせる。


『──これ。 自分用に買ってたんだけど雷にやるよ』
『へっ?』
『これが必要無ぇようにってずっと守ってたのにな。 とんだヤリチン野郎に捕まりやがって』
『せ、せせせ先輩、……こ、コレナニ?』
『ソレの使い方はおいおい教える。 まずは指一本から始めねぇとな』
『ゆ、ゆ、指ッ?』
『あーあ。 なんのために俺が二年近くも見張ってたんだか。 離れてたって、たった半年だぞ? 半年』
『先輩ッ!! いま俺より話が通じてねぇぞ!!』
『俺ネコなんだよ、実は。 でもアイツには言うな』
『えッ──!?』





 ──男同士はケツ穴を使うって事と、指一本っつーキーワードと、先輩が実は猫だっていうアメリカンジョークを俺はどう捌いたら良かったんだ。

 いくら迅のデリカシーゼロ発言にキレてメソメソしてたからって、先輩のもとへ行ったのは間違いだったかもしんねぇと後悔しても、右手にはすでにエログッズの数々。

 後悔したところで、処理しきれない情報量に完全に脳ミソは大破。

 とりあえず今は何も考えたくねぇ。 いや、もう考える余力が残ってねぇ。

 あ、でも。

 俺のギャル化を担ってくれる先輩から、土日だけバイトに来いって誘われたしそれには行かなきゃだよな。 メイク道具とかウィッグとか用意しとくから、朝の九時にモール集合だって。

 あの口ぶりからして、雷ギャルバージョンで店に立つことになりそうだけど……。


「……動画のやつか……」


 スマホがブルッてすぐに開くと、先輩から動画のURLが送られてきていた。

 これはたぶん〝指一本〟が関係してる。 まぁ普通に考えて、ケツ穴に指一本ってことなんだよな。

 迅様が立派過ぎるからって……生々しいな、まったく。

 あんなの俺のちっさいケツ穴に入るわけねぇじゃん。 指一本も怪しいだろ。 やっぱ先輩が言ってたことはぜんぶ冗談だったんじゃねぇの。


「なんの動画?」
「あー、迅か。 まだ確認してねぇから、俺もどんな動画かよく分かんねぇんだよ」
「危ねぇサイトにアクセスしたらどうすんの。 ンなのポチる前にすぐ消せよ、バカ雷にゃん」
「うるせぇなぁ、そんな毎日バカバカ言わなく……ッッ!? えッ!? な、なん……ッ!? 迅ッッ!?」


 

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