迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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⑮勝負

─迅─⑤

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 しおらしく伏し目がちに心臓を押さえた雷に、俺は激しく煽られて限界を迎えた。

 よく耐えた方だ。

 中の感触がまだ指に残ってる。キッツキツで、トロットロで、芯まで温めてくれそうなくらい熱かった。

 世の中の男どもがよく使う「先っぽだけ……」のセリフが、喉から舌まで出かかって飲み込んだ俺はマジで我慢強い。

 雷の体をタオルでグルグル巻きにしてベッドに運び、押し倒して立て続けに二発イかせてもらってやっと落ち着いた。


「はぅぅ……ッ」


 素股を〝太ももエッチ〟と名付けた世間知らずの雷は、風呂で一回、ベッドで二回イってヘトヘトらしい。俺が雷の背中に精液を飛ばした後、力尽きてぺたんとベッドに寝そべった。

 精液まみれの体をゆっくり仰向けにしてやると、雷は指一本も動かしたくねぇとばかりに放心状態。

 散らかったタオルで、とりあえず二人分の精液と汗を拭き取った。

 まだ息の荒い雷は、そこに横たわってるだけでいやらしい。

 俺が掴んだ細い腕や腰が赤くなってる。舐めまくった乳首が痛そうに腫れてる。首とヘソ回りに付けたキスマークが、雷は俺のものだって証明してる。

 ……足んねぇな。おまけにもう一つ付けとこう。

 喉仏の右隣。一番目立つとこ。


「ンッ……♡」


 コラ、ちょっと吸い付いたくらいで喘ぐな。また太ももエッチしたくなんだろ。

 思えばコイツは出会った時からこうだった。

 刺激与えたら甘く啼いて、トロ顔して、チン○を扱くと数分でイっちまう早漏。ただし一回イっても復活が早くて、俺の性欲が満たされるまで付き合ってくれる。

 はじめは興味だけ。翼にちょっかい出されて喘いでたのが気に食わなかっただけ。俺が、……喘がせてみたかっただけ。


「──雷にゃん」
「ん、……にゃ……?」
「ありがとな」
「へッ!? なに……? なんのありがとう……? えッ? 怖え……! なんか怖えよ……!」


 普通じゃねぇ始まりだったのに、よく俺になびいてくれたよ。

 性格はクソだから、雷が好きなのはこの顔か? イケボイケボうるせぇこの声か? 敬称まで付けてくれるナニのデカさか?って、それは判断基準になんねぇか。

 とにかく雷は、俺のものになった。

 お礼を言うとビビられるのは納得いかねぇが、これもまた俺の日頃の行いのせい。

 涙と汗で顔にはりついた金髪をかきあげてやりながら、射精後の勢いで感謝を伝えようと思った。


「太ももエッチ付き合ってくれてありがとう」
「それかよ!」
「いや、まだある」
「何だ! 三本入れさせてくれてありがとうだったらいらねぇかんな! 思い出すとなんかもぉぉ……ッ、恥ずか死ぬ!」
「………………」


 それもかなり〝ありがとう〟だけど。

 記憶に新しい指三本の感触を中から味わってた雷と外から楽しんだ俺は、同時に数秒回想する。

 あー……最高だった。チン○が反応しちまうぜ。


「おい!! 迅様が復活しようとしてるぞ!! 俺今日はもう無理だかんなッ? グチャグチャだしヘトヘトで……!」
「……分かってる。朝までは我慢してやる」
「なんで朝までなんだよ! おま……ッ、朝勃ち利用しようとしてんなッ?」
「よく分かったな。雷にゃんも朝勃ちくらいはするだろ。利用しない手はない」
「は、は、恥ずかしいヤツめ!!」
「なんとでも。こうやって雷見てるだけで勃起する俺に、恥ずかしいもんなんてもう無えよ」
「わわわッ! 迅様ぁぁッッ! いい加減おとなしくしてぇぇッッ!」
「ぶは……ッ」


 喚きつつ半勃ちのチン○に触る、おバカな雷にゃん。触ったら逆効果だって分かんねぇかな。

 吹き出して雷のテンポに呑まれた俺は、言おうとしてた事が言えなくなった。

 ほんとはもっと、〝ありがとう〟を言いたかったのに。


「はぁ……。雷にゃんには敵わねぇな」
「お、おぅッ?」
「雷にゃん、好きだよ」
「おおぉぉぅッッ?」


 照れてオットセイになったチビ雷を抱き上げて、力いっぱい抱きしめる。

 俺を好きになってくれてありがとう。

 俺は多分二度と、誰にも、こんな想い抱く事はねぇから。通じ合ってくれてありがとう。

 俺から捨てられるかもしんねぇって脅えてくれて、ありがとう。

 涙流すくらい好きだって事、俺はちゃんと受け止めとく。そんだけ想われて返さねぇほど、雷にだけは薄情じゃねぇよ。


「雷、マジでありがと」
「……そんなに指三本が嬉しかったのか……」
「そうじゃねぇっての」
「痛ッ! ちょっ、なんでここでデコピン……ンンッ♡」


 勘違いも甚だしい。

 そんなヤツには態度と言葉とやらしいキスで分からせるしかない。

 舌を絡ませるとあっという間にトロ顔して俺を誘う、ただでさえド天然な童貞処女は質が悪りぃんだ。

 曲解して受け止られる懸念もあるし、バカなりに言葉の裏を読もうとされちゃ面倒極まりねぇ。


「好き。雷にゃん、好き。めちゃめちゃ可愛い。お前しか見えない。お前しか要らねぇ」
「ふむッ……! ンンッ♡ ン~ッ♡」
「雷にゃんも言えよ。言わねぇと俺の中指がイタズラすんぞ」
「ひぅッ!?」


 雷の視界に入るように中指をチラつかせる。

 キスの余韻も相まってトロンと目尻を下げてた雷は、ビクッとケツに力を入れた。


「しゅ、しゅきッ……! ……これでいい……ッ?」
「幼児の告白か」
「う、う、う、うるせぇ! 好きだって言ってんだろ! 元ヤリ迅イケボイケメン!!」
「……ま、ギリギリだな」
「ふぇぇんッ! こっ恥ずかしいコトをカレシに言わされたぁぁッ! 恥ずかしいよぉぉ……ッッ! もうお嫁に行けねぇぇッッ」
「雷にゃんは俺がもらうから大丈夫」
「あ、そっか」
「……ッ、あはは……ッ」


 喚き散らした後のキョトン顔が、見事に俺のツボに入った。

 爆笑しながらも、雷を抱きしめたまま離せない。離れたくなかった。

 雷は最高だ。

 俺の未来設計を根っこから覆しやがったコイツの事が、やっぱり可愛くてバカでどうしようもないほど好きだ。




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