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第7話・懺悔
しおりを挟む途中から意識が飛んだんじゃないかと思う。
地上はあんなにジメジメしてたのに、空はとても涼しかった。
嘘、かなり寒かった。
「先祖はここに祀られているのですか、アシル様」
「そうだ。 古びているが、代々、誰かが必ず手入れしてくれているのだ」
「突風が吹いたら崩れてしまいそうですが」
無事に降り立った皆守神社の境内の前に、俺とアシル、そして龍の姿のままのリュークが揃ってその佇まいを見上げた。
…どんなシュールな画だよ。
「何を言うか。 水景の父親が補強してくれたのだぞ、まだまだ崩れたりせぬ」
「え、…父さん…?」
「あぁ、そうだ。 朽ち果てていた此処を偶然見付けてくれた、水景の両親と婆さんからの志が無ければ私の命は尽きていた」
そうだ。 さっき脳内で見た映像の中で、アシルは銀龍の子孫だって言ってたっけ。
この皆守神社の事だったのか。
ばあちゃんの自宅から少し森に入った所にある廃れたここを、俺の両親が見付けて手入れをしてあげたんだ…。
当然疑問は残るものの、アシルの正体を信じざるを得なくなって(リュークも居るし)、俺は銀色の目を見詰めて最終確認をしてみた。
「アシル…ほんとにあの…龍、なのか…?」
「そうだと言っているだろう」
「………………」
そんな自信満々に頷かれても。
信じずにはいられない状況なのは分かってるけど、現実離れし過ぎてて簡単には受け入れられないって…。
黙ってしまった俺の両手を握り、対面したアシルの冷たい掌が物悲しい感情を直に伝えてきた。
「すまない…私は水景の両親を救えなかった。 散り散りになり、炎上していた鉄の塊に雨を降らせて炎を絶やす事しか出来なかった。 私の命を救ってくれた二人を蘇らせる事は容易いが、人の命を操作するのは天界で禁じられているのだ…」
「……じゃあ俺は…何で助かったの…? 一緒に飛行機に乗ってた、よな…?」
「母親が分厚い毛布に包んで水景を抱き締めていた。 私が抱き上げた時には水景の命も風前の灯だったが、…尽きたはずの両親から心の叫びが聞こえて禁じ手を使った」
「アシル様! それ以上は…!」
「禁じ手」という言葉にビクッと体を揺らすと、話を遮ろうとしたリュークをアシルは瞳だけで制した。
「構わん。 水景、お主の命もあの日すでに尽きていた。 私が…生き長らえさせた。 十八年間」
「え………?」
「どうしても水景の両親への恩を返したかった。 婆さんの命の灯火も水景のために五年だけ延ばした。 私は禁忌を侵した罪でこの世で言う、十八年は天界の犬となってしまったが、何も後悔はしていない」
「アシル様……」
「数年毎にこの世に下りてきて水景の様子を見ていたが、その度に見付かってヒヤヒヤしたのだぞ」
「……アシル…」
節目節目で銀の龍を目撃してきたあれは、アシルが俺の様子を見に来てたって事…?
俺の事が心配で…?
──両手から伝わるアシルの懺悔の気持ちが、徐々に俺の中の疑念を取り払っていく。
「絶えるはずだった命の灯火は私が吸い取り、新たな灯火を授けたが間もなく鎮火するだろう。 「水景を頼む」と両親から言付かっているから、私はお主を迎えに来た。 一緒に来てくれるな?」
「え……俺…死んじゃうの?」
「あぁ、間もなく」
「嘘………」
「間もなく死ぬ」という余命宣告を唐突にされた俺は、愕然とアシルの顔を見上げた。
だけど狼狽する間もなく「アシル様ー!」と叫びながらこちらへ飛んできている水色の龍の姿が目に入って、俺の生死への憂いがかき消された…と再び愕然となった。
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いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
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