不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。

翼 うみ

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第六話 遅れてきた蜜月

6-2

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「……ジェシカ、変に誤解させたくないから言っておく」
「何でしょう?」
「桜花組の傘下に浅雛あさひな組という組がいるんだが……」

 浅雛組は傘下の中でも大きな組で、桜花組にとってはなくてはならない存在なのだという。
 浅雛組の先代組長の時代から親交があり、現組長とお義父さまも仲が良いのだそう。

「浅雛組の組長には娘がいてな。昔からの顔見知りではあるんだが、俺が結婚したことを知ったら妻に会わせろと言ってきて」
「あら、そうなのですか」
「あまり君を他のやつらに見せたくないんだが、絶対に会うと聞かなくて」

 和仁さんはややげんなりした表情をしている。

「明日うちに来ると言っているんだ。悪いが会ってやってくれないか」
「わかりました」

 傘下の組の組長令嬢との挨拶。これが桜花組次期組長の妻としての初仕事になる。
 お飾りの妻ではなくなったのだから、しっかり務めを果たさなければならない。

「頑張りますね!」
「そんなに気負わなくていい。話し相手になるだけでいいから。悪いな、あまり君に負担はかけたくないんだが……」
「負担だなんて、嬉しいですよ。妻として認められたみたいで」
「認めるも何もない、俺の妻は君だけだ」

 そう言うと和仁さんはヒョイっと私を抱き上げた。
 そのままベッドに寝かされ、組み敷かれて馬乗りにされるまで一瞬だった。

「かっ和仁さん、疲れてるんじゃ……!」
「妻を抱くくらいの体力はある」
「……っ!」

 熱を帯びた瞳で見下ろされてしまったら、もう逃れられない。
 彼から与えられる快楽に溺れてゆくだけ。

 指で舌で、全てを使って翻弄させられる。
 何も知らなかった私の体は、もう和仁さんに刻み込まれてとろとろに蕩けさせられてしまった。

「……っ、ぁ……っ」

 何度も奥を突かれる度に喘ぎ声をあげ、何度も絶頂に達する。
 絡み合って溶け合って一つになる。
 手を伸ばして欲しがると、深い口付けをくれる。混ざり合う唾液はもうどちらのものかわからない。

 和仁さんが好き。好きで好きでたまらなくて、幸せなのに苦しくて泣きたくなる。
 それくらい大好き――……。

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