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第二章
風呂場、こしらえます
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昼からは昨日の晩に話に出たお風呂を増築することにした。街に買い物に出かけたときに大家に聞いたら「こちらとしてもありがたい」と言って二つ返事でOKしてくれた。
風呂は庭にある井戸の近くに作ることにした。これで風呂の水張りは楽にできるだろう。棒きれを拾うと、地面にガリガリと線を書いていった。
「こんなもんかな?」
「これで……どうするの?」
やりきった感を出したダナイにリリアが困惑した表情で聞いた。一体何をするつもりなんだとその顔には書いてあった。
「まあ見てなって。ダナイ忍法、土遁、風呂場作成の術!」
ドドン! と目の前に石造りの四角い家が出来上がった。上部には換気用の穴も空いている。家造りの魔法など見たことも聞いたこともなかったリリアは大変驚いた。
「ちょっとダナイ、どうなっているのよ」
「あとは家と接している内側の壁を壊してっと」
ダナイは聞こえないふりをすることに決め込んだ。リリアに本気で追求されれば、必ずボロが出るという確信があった。ここはダナイ忍法、見猿聞か猿言わ猿だ。
家の中に入ると風呂場と接している壁を魔法で壊した。そこにはマーブルカラーの浴室に、同じくマーブルカラーの浴槽が鎮座していた。予想通りの大理石のようなもので作られたそれに、納得の表情を浮かべるダナイ。
「なに……これ……」
「きれいだろ? なかなか良い感じに仕上がったな」
ガッハッハと笑っていたが、リリアが正気に戻るまでにはかなりの時間がかかった。あとは風呂の焚き口を作らないといけないな、と思ったところで気がついた。
「そうだ、風呂の湯を沸かす魔道具を作ればいいんだ。そうしよう」
思い立ったが吉日、とばかりに錬金術の設備が置いてある作業場へと向かった。このスペースは錬金術だけでなく、彫金、板金、魔道具作成もできるにしてあった。
予めいくつか用意していた鉄板をカンカンと叩いて加工していると、その音を聞きつけて正気に戻ったリリアがやって来た。あまりの展開の早さにまったく着いていけなくなってきたリリアは頭痛がしているかのように頭を押さえている。
「今度は一体何を始めたの?」
「ちょっとした魔道具を作ろうかと思ってな」
ダナイの計画を聞いたリリアは頭を抱えた。あああああ、と声が漏れている。
「それもお婆様の教えなの?」
「え? いや、これはじいちゃんの……」
「ハイハイ」
遂にリリアはダナイの言葉を疑い出した。だが、それ以上の追求はしてこなかった。ダナイはそれをありがたく思うと同時に、リリアと添い遂げるつもりならば、いつか自分の秘密を話さないといけないな、と決心を固めつつあった。
魔道具を作り始めて数時間、目の前では湯煙を上げながらお湯が湯船に沸いていた。
今回作ったのは投げ込み式の湯を沸かす魔道具だ。水の中にこの魔道具を入れてスイッチを入れると、数分後には丁度良いお湯になって音で知らせてくれる仕組みだ。使った魔方陣は加温の魔方陣。魔力を通すと周囲を温めることができる。応用すれば冬場の暖房設備も作れそうだと密かにほくそ笑んだ。
「成し遂げたぜ」
この魔道具にはリリアも手を叩いて喜んでいた。何せ、薪をくべて湯を沸かす手間が大幅に軽減されるのだ。燃料代も安くてすむ。良いことづくしだった。
「これで水さえあればいつでもお風呂に入ることができるわね。魔石代がかかるけど、私達なら大丈夫でしょ。この魔道具、欲しがる人がいるんじゃないの?」
「そうかも知れんな。近いうちに魔道具ギルドに売りに行くか」
ガッハッハと笑った。
加温の魔道具の設計図は高く売れた。この魔道具はすぐに大衆浴場で取り入れられ、個人で風呂を持つ人も増えてきた。そしてダナイはAランク魔道具師へと昇格したのであった。
風呂は庭にある井戸の近くに作ることにした。これで風呂の水張りは楽にできるだろう。棒きれを拾うと、地面にガリガリと線を書いていった。
「こんなもんかな?」
「これで……どうするの?」
やりきった感を出したダナイにリリアが困惑した表情で聞いた。一体何をするつもりなんだとその顔には書いてあった。
「まあ見てなって。ダナイ忍法、土遁、風呂場作成の術!」
ドドン! と目の前に石造りの四角い家が出来上がった。上部には換気用の穴も空いている。家造りの魔法など見たことも聞いたこともなかったリリアは大変驚いた。
「ちょっとダナイ、どうなっているのよ」
「あとは家と接している内側の壁を壊してっと」
ダナイは聞こえないふりをすることに決め込んだ。リリアに本気で追求されれば、必ずボロが出るという確信があった。ここはダナイ忍法、見猿聞か猿言わ猿だ。
家の中に入ると風呂場と接している壁を魔法で壊した。そこにはマーブルカラーの浴室に、同じくマーブルカラーの浴槽が鎮座していた。予想通りの大理石のようなもので作られたそれに、納得の表情を浮かべるダナイ。
「なに……これ……」
「きれいだろ? なかなか良い感じに仕上がったな」
ガッハッハと笑っていたが、リリアが正気に戻るまでにはかなりの時間がかかった。あとは風呂の焚き口を作らないといけないな、と思ったところで気がついた。
「そうだ、風呂の湯を沸かす魔道具を作ればいいんだ。そうしよう」
思い立ったが吉日、とばかりに錬金術の設備が置いてある作業場へと向かった。このスペースは錬金術だけでなく、彫金、板金、魔道具作成もできるにしてあった。
予めいくつか用意していた鉄板をカンカンと叩いて加工していると、その音を聞きつけて正気に戻ったリリアがやって来た。あまりの展開の早さにまったく着いていけなくなってきたリリアは頭痛がしているかのように頭を押さえている。
「今度は一体何を始めたの?」
「ちょっとした魔道具を作ろうかと思ってな」
ダナイの計画を聞いたリリアは頭を抱えた。あああああ、と声が漏れている。
「それもお婆様の教えなの?」
「え? いや、これはじいちゃんの……」
「ハイハイ」
遂にリリアはダナイの言葉を疑い出した。だが、それ以上の追求はしてこなかった。ダナイはそれをありがたく思うと同時に、リリアと添い遂げるつもりならば、いつか自分の秘密を話さないといけないな、と決心を固めつつあった。
魔道具を作り始めて数時間、目の前では湯煙を上げながらお湯が湯船に沸いていた。
今回作ったのは投げ込み式の湯を沸かす魔道具だ。水の中にこの魔道具を入れてスイッチを入れると、数分後には丁度良いお湯になって音で知らせてくれる仕組みだ。使った魔方陣は加温の魔方陣。魔力を通すと周囲を温めることができる。応用すれば冬場の暖房設備も作れそうだと密かにほくそ笑んだ。
「成し遂げたぜ」
この魔道具にはリリアも手を叩いて喜んでいた。何せ、薪をくべて湯を沸かす手間が大幅に軽減されるのだ。燃料代も安くてすむ。良いことづくしだった。
「これで水さえあればいつでもお風呂に入ることができるわね。魔石代がかかるけど、私達なら大丈夫でしょ。この魔道具、欲しがる人がいるんじゃないの?」
「そうかも知れんな。近いうちに魔道具ギルドに売りに行くか」
ガッハッハと笑った。
加温の魔道具の設計図は高く売れた。この魔道具はすぐに大衆浴場で取り入れられ、個人で風呂を持つ人も増えてきた。そしてダナイはAランク魔道具師へと昇格したのであった。
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