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式の準備~彼の育った部屋で静かにナイショで……? R18
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いちゃらぶ入れたので文字数が伸びてしまいました……すみません
伯爵はすぐさま救出された。スコルピオンの仲間はその際に逃げられないと悟ったのか、突入時には事切れていたという。
見つけ出された伯爵はやせ細り、肌には沢山の傷がつけられていた。足どころかあちこちの骨が折れておりまともに動けない。
十数年もの間、陽の光も浴びず、虐待され続け、なんとか生きながらえたのが奇跡のようなものだ。
筋肉もこわばり上手く体も動かせない状態であったが、伯爵夫人の献身的な介護と、〈治癒〉のスキルを持つゾフィアの力で徐々に回復を見せた。
「まあ、ではシルヴィアを咥えていったという黒猫はあなたの?」
伯爵夫人が、ベッドで起き上がれるようになった伯爵の手を握り訊ねた。
「ああ意識がない時は無理だったが……。魔力も弱まっていたため、お前たちを守り切れずすまない。地下に繋がれながらも、時々、スキルである〈使役〉によってあの黒猫を操っていたんだ。あの時、偶然お前の危機を知り、これを機にあの男から逃がしてやりたくてな。だが、途中で意識が朦朧としてしまって。シルヴィア、本当に無事でよかった……」
「お父様……」
本当の家族が揃い、子供達三人にも囲まれ、伯爵は生き長らえる事ができた喜びを噛み締める。
伯爵夫人は、婚約中の夫の不貞に対して理解をしていたようだ。そもそも政略結婚なため、親友であった彼が望むならシルヴィアの母をきちんとした状態で別邸に住まわせる準備をしていたらしい。
ところが腰入れの前に、シルヴィアの母が、伯爵に対して、金目当てで近づいたからもう用はないと書置きを残して出奔してしまい、それを信じて気落ちした父と心を通わせ愛し合うようになったという。
シルヴィアの母を追い出したのは、当時伯爵家に馬番として潜り込み仲間のスキルで変装したスコルピオンだった。追い出した後、スコルピオンが救出し、シルヴィアの母を手に入れるつもりだったが、彼女はその前に、商会の会頭である再婚相手と出会い守られていたので手が出せなかったのである。
スコルピオンが、シルヴィアの母を手に入れるためだけに伯爵家を乗っ取ったわけではないが、そういった事情も後の取り調べで明らかにされていった。
※※※※
シモンとの婚約が、最初からなかった事にされるまで数日だった。
その数日すら遅いとイライラしていたのはザムエルだ。今回の大事件の処理などに追われつつ、真夜中にしか帰宅できない日々を過ごしていたためシルヴィアに会えず鬱憤がたまる一方だった。
シルヴィアは、自分の屋敷に戻っていた。だが、ほどなくザムエルの家に、寂しくてたまらなくなった彼女が、シモンとの婚約解消後すぐにやって来た。
ザムエルは勿論大歓迎で、すぐさまマリシュ伯爵に許可を取りそのまま一緒に住んでいる。愛する嫁が、慣れない家事をして、びしゃびしゃのままの床や、コンロが煮物で吹きこぼれたままとか、シンクのゴミがそのままとかそんな事まで可愛すぎてたまらない。
「ザムエル様、ごめんなさい……」
帰るなり、手際よく彼女の家事の後始末をする時間さえウキウキで、疲れなどふっとぶ。
「誰だって、最初はそうさ! ケガはないか? うん、この煮物すごく美味いよ!」
じゃりっと卵の殻が入った、野菜と肉のごった煮みたいなものを頬張る。味付けは、最近ザムエル好みになっており、見た目などを気にしなければ本当に美味しくなった。
──ほんっと、俺の嫁、最高っっ! 努力家な彼女は、あっという間に理想の奥さんそのものになりそうだ。ドジっ子のままでもいいのになあ!
どれほど先に休むといいと伝えてもシルヴィアは起きて彼を出迎えた。
時に目をとろんとさせているが、それすらいじらしくてかわいいとますます夢中になる。
連日のように愛を込めて抱きしめる日々を送った。
まとまった休みがとれたのは2か月が経った頃。すでにシルヴィアは、彼の妻としての待遇を受けており、ザムエルの母や義姉に会いお茶を嗜んでいた。時にゾフィアたちも招かれ平穏な日々を過ごす。
※※※※
二人の結婚について話し合いがなされた。すでに、侯爵家に度々来ていたシルヴィアは、大層喜んだ侯爵夫人たちによってドレスなどをほとんど決めてきた。
ザムエルはいらないとばかりに、2か月後、やっとまとまった休日を取れた時には式の日取りを待つばかりの状態だった。
ドレスのデザインを決めたり、仮縫いなどを見られず拗ねたザムエルが恨み言を母に呟いたのである。
「母上、あまりにも俺を蔑ろにしすぎではありませんか」
「あら? ザムエルに合わせていたら、かわいい二人目の娘が来てくれる日が延びてしまうではないの。感謝してほしいくらいよ。そもそも、貴方が不甲斐ないから、わたくしたちが動かなければ、シルヴィアはほったらかしになるところだったのよ?」
「そうですわ。わたくしだって、義妹が出来るのを楽しみにしているのに、お義父様もドミニクも貴方も仕事ばっかり」
結局、母と義姉に勝てる者などいないのだ。あっという間にやり込められてぐぅと呻いたのである。
「まあ、ザムエル様は小さな頃は騎士を目指していらしたのですか?」
少年の頃のまだかわいらしさの残る彼の姿絵をみて目を輝かせる。
「そうなのよ。どんどん主人やドミニクに似てむさ苦しくなってげんなりしていたら、魔法の才能があるからとそちらに転向したのよ。時すでに遅く、こんな厳つくなっちゃって……。はぁ」
「ははは、ザムエルはわしより大きくなってしまったからな!」
「あの時は、騎士として鍛え上げていたからなあ。おかげで女性と縁遠くなったからこそ、こうして可愛い嫁が出来たんだからいいじゃないか」
「ふふふ、もう義妹なんて出来ないってドミニクもわたくしも諦めていたのよね?」
ザムエルは散々な言われようだったが、これも心配させた裏返しだろうと真摯に受け止め………………はせずに、シルヴィアと早く二人になりたいと思っていただけである。
シルヴィアはザムエルがこき下ろされる度に、彼の素晴らしさや優しさを訴えて、温かい目で見られたのであった。
※※※※
夕食を済ませたあと、今日は彼が過ごした部屋で一緒に泊まることになった。
シルヴィアは客間を用意されたが、ザムエルが離れたがらず、そのまま連れ込まれたというほうが正しい。
ザムエルは、彼女を抱えて、一緒にベッドにダイブするように沈みこんだ。
「シルヴィア……、なるべく声を抑えて」
「は、え? ザムエル様、ここでは……あっ!」
あっという間にシルヴィアの服は体から取り除かれていく。彼の大きな手と口、そして重なる熱い肌が彼女を翻弄した。
「あ、あぁっ!」
「シー……」
ザムエルは、シルヴィアに声を抑えるようにいいながらも、逆に声があがるポイントを可愛がるため、シルヴィアは必死に口に手を当てて堪えた。
「ん……んんっ、ん~」
「ああ、シルヴィアはどこもかしこも甘い……、ちゅ、じゅる!」
毎日のように彼女の快楽の場所を見つけ、今日もまた、腰のある部分で体が跳ねる事に気付いたザムエルは、そこをこしょこしょと指先で触れるか触れないかの力で弄んだ。
すっかり、彼とそういう雰囲気になると感じただけでとろとろになってしまうようになった彼女の中に、いきりたつ暴れん棒を一気に穿つ。それだけで達するようになった彼女の淫らな姿に、ますますザムエルは引き込まれ、のめり込んでいった。
熱く激しく交り合う彼らの愛がぶつかる音が部屋に響く。シルヴィアの口からはくぐもった声しかでない。それもまた、ザムエルの欲情を煽り、彼女の奥深くに刻印を打ち込んだのであった。
次の日、流石に朝食には間に合ったが、二人が何をしていたかを全員知っていたようで、シルヴィアは顔を赤くして恥ずかしい思いをしたのであった。
伯爵はすぐさま救出された。スコルピオンの仲間はその際に逃げられないと悟ったのか、突入時には事切れていたという。
見つけ出された伯爵はやせ細り、肌には沢山の傷がつけられていた。足どころかあちこちの骨が折れておりまともに動けない。
十数年もの間、陽の光も浴びず、虐待され続け、なんとか生きながらえたのが奇跡のようなものだ。
筋肉もこわばり上手く体も動かせない状態であったが、伯爵夫人の献身的な介護と、〈治癒〉のスキルを持つゾフィアの力で徐々に回復を見せた。
「まあ、ではシルヴィアを咥えていったという黒猫はあなたの?」
伯爵夫人が、ベッドで起き上がれるようになった伯爵の手を握り訊ねた。
「ああ意識がない時は無理だったが……。魔力も弱まっていたため、お前たちを守り切れずすまない。地下に繋がれながらも、時々、スキルである〈使役〉によってあの黒猫を操っていたんだ。あの時、偶然お前の危機を知り、これを機にあの男から逃がしてやりたくてな。だが、途中で意識が朦朧としてしまって。シルヴィア、本当に無事でよかった……」
「お父様……」
本当の家族が揃い、子供達三人にも囲まれ、伯爵は生き長らえる事ができた喜びを噛み締める。
伯爵夫人は、婚約中の夫の不貞に対して理解をしていたようだ。そもそも政略結婚なため、親友であった彼が望むならシルヴィアの母をきちんとした状態で別邸に住まわせる準備をしていたらしい。
ところが腰入れの前に、シルヴィアの母が、伯爵に対して、金目当てで近づいたからもう用はないと書置きを残して出奔してしまい、それを信じて気落ちした父と心を通わせ愛し合うようになったという。
シルヴィアの母を追い出したのは、当時伯爵家に馬番として潜り込み仲間のスキルで変装したスコルピオンだった。追い出した後、スコルピオンが救出し、シルヴィアの母を手に入れるつもりだったが、彼女はその前に、商会の会頭である再婚相手と出会い守られていたので手が出せなかったのである。
スコルピオンが、シルヴィアの母を手に入れるためだけに伯爵家を乗っ取ったわけではないが、そういった事情も後の取り調べで明らかにされていった。
※※※※
シモンとの婚約が、最初からなかった事にされるまで数日だった。
その数日すら遅いとイライラしていたのはザムエルだ。今回の大事件の処理などに追われつつ、真夜中にしか帰宅できない日々を過ごしていたためシルヴィアに会えず鬱憤がたまる一方だった。
シルヴィアは、自分の屋敷に戻っていた。だが、ほどなくザムエルの家に、寂しくてたまらなくなった彼女が、シモンとの婚約解消後すぐにやって来た。
ザムエルは勿論大歓迎で、すぐさまマリシュ伯爵に許可を取りそのまま一緒に住んでいる。愛する嫁が、慣れない家事をして、びしゃびしゃのままの床や、コンロが煮物で吹きこぼれたままとか、シンクのゴミがそのままとかそんな事まで可愛すぎてたまらない。
「ザムエル様、ごめんなさい……」
帰るなり、手際よく彼女の家事の後始末をする時間さえウキウキで、疲れなどふっとぶ。
「誰だって、最初はそうさ! ケガはないか? うん、この煮物すごく美味いよ!」
じゃりっと卵の殻が入った、野菜と肉のごった煮みたいなものを頬張る。味付けは、最近ザムエル好みになっており、見た目などを気にしなければ本当に美味しくなった。
──ほんっと、俺の嫁、最高っっ! 努力家な彼女は、あっという間に理想の奥さんそのものになりそうだ。ドジっ子のままでもいいのになあ!
どれほど先に休むといいと伝えてもシルヴィアは起きて彼を出迎えた。
時に目をとろんとさせているが、それすらいじらしくてかわいいとますます夢中になる。
連日のように愛を込めて抱きしめる日々を送った。
まとまった休みがとれたのは2か月が経った頃。すでにシルヴィアは、彼の妻としての待遇を受けており、ザムエルの母や義姉に会いお茶を嗜んでいた。時にゾフィアたちも招かれ平穏な日々を過ごす。
※※※※
二人の結婚について話し合いがなされた。すでに、侯爵家に度々来ていたシルヴィアは、大層喜んだ侯爵夫人たちによってドレスなどをほとんど決めてきた。
ザムエルはいらないとばかりに、2か月後、やっとまとまった休日を取れた時には式の日取りを待つばかりの状態だった。
ドレスのデザインを決めたり、仮縫いなどを見られず拗ねたザムエルが恨み言を母に呟いたのである。
「母上、あまりにも俺を蔑ろにしすぎではありませんか」
「あら? ザムエルに合わせていたら、かわいい二人目の娘が来てくれる日が延びてしまうではないの。感謝してほしいくらいよ。そもそも、貴方が不甲斐ないから、わたくしたちが動かなければ、シルヴィアはほったらかしになるところだったのよ?」
「そうですわ。わたくしだって、義妹が出来るのを楽しみにしているのに、お義父様もドミニクも貴方も仕事ばっかり」
結局、母と義姉に勝てる者などいないのだ。あっという間にやり込められてぐぅと呻いたのである。
「まあ、ザムエル様は小さな頃は騎士を目指していらしたのですか?」
少年の頃のまだかわいらしさの残る彼の姿絵をみて目を輝かせる。
「そうなのよ。どんどん主人やドミニクに似てむさ苦しくなってげんなりしていたら、魔法の才能があるからとそちらに転向したのよ。時すでに遅く、こんな厳つくなっちゃって……。はぁ」
「ははは、ザムエルはわしより大きくなってしまったからな!」
「あの時は、騎士として鍛え上げていたからなあ。おかげで女性と縁遠くなったからこそ、こうして可愛い嫁が出来たんだからいいじゃないか」
「ふふふ、もう義妹なんて出来ないってドミニクもわたくしも諦めていたのよね?」
ザムエルは散々な言われようだったが、これも心配させた裏返しだろうと真摯に受け止め………………はせずに、シルヴィアと早く二人になりたいと思っていただけである。
シルヴィアはザムエルがこき下ろされる度に、彼の素晴らしさや優しさを訴えて、温かい目で見られたのであった。
※※※※
夕食を済ませたあと、今日は彼が過ごした部屋で一緒に泊まることになった。
シルヴィアは客間を用意されたが、ザムエルが離れたがらず、そのまま連れ込まれたというほうが正しい。
ザムエルは、彼女を抱えて、一緒にベッドにダイブするように沈みこんだ。
「シルヴィア……、なるべく声を抑えて」
「は、え? ザムエル様、ここでは……あっ!」
あっという間にシルヴィアの服は体から取り除かれていく。彼の大きな手と口、そして重なる熱い肌が彼女を翻弄した。
「あ、あぁっ!」
「シー……」
ザムエルは、シルヴィアに声を抑えるようにいいながらも、逆に声があがるポイントを可愛がるため、シルヴィアは必死に口に手を当てて堪えた。
「ん……んんっ、ん~」
「ああ、シルヴィアはどこもかしこも甘い……、ちゅ、じゅる!」
毎日のように彼女の快楽の場所を見つけ、今日もまた、腰のある部分で体が跳ねる事に気付いたザムエルは、そこをこしょこしょと指先で触れるか触れないかの力で弄んだ。
すっかり、彼とそういう雰囲気になると感じただけでとろとろになってしまうようになった彼女の中に、いきりたつ暴れん棒を一気に穿つ。それだけで達するようになった彼女の淫らな姿に、ますますザムエルは引き込まれ、のめり込んでいった。
熱く激しく交り合う彼らの愛がぶつかる音が部屋に響く。シルヴィアの口からはくぐもった声しかでない。それもまた、ザムエルの欲情を煽り、彼女の奥深くに刻印を打ち込んだのであった。
次の日、流石に朝食には間に合ったが、二人が何をしていたかを全員知っていたようで、シルヴィアは顔を赤くして恥ずかしい思いをしたのであった。
応援ありがとうございます!
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