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出会ったあの頃のように 完結
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シモンは、スキルのコントロールを完璧にするために、ゾフィアの提案でザムエルの指導を受ける事になった。因縁のある間柄ではあるが、お互いの妻が姉妹という事もあり、騎士団の練習場で今日も今日とてしごかれている。
「こんな事でスキルが身に付くと思ってるのかっ!」
ザムエルの鬼教官っぷりに、周囲の騎士たちが、常ならここまで厳しくないのにと訝しみながらも、触らぬザムエルにたたりなしとばかりに遠くで各々訓練していた。
「はぁ、はぁ……、なぜ魔力やスキルのコントロールに走り込みや重量挙げ、組手などが必要なんだ……」
「肉体と魔力とスキルは密接な関係がある! おら、足がよろけているぞ! とろとろするんじゃない!」
シモンは、あまりの理不尽な鍛錬に対して、疑問も抱いておりズタボロになりながら、それを口にする。ザムエルは、教えを請う身で口答えをするシモンの背を、激励と見せかけて思いっきり大きな手で押して転倒させた。
ついうっかりシモンをつま付かせたり、組手で多少痛めつけているが、これは決して私怨や思う所などなく、一刻も早くシモンがスキルをコントロールするための措置なのだと言い聞かせていた。
──くそ! かわいい盛りのシルヴィアの婚約者だった時期がある男め! イケメンだし、今も周囲から女たちがこいつに秋波を送っているではないか! 忌々しい!
などと、ほんの少々、ゴマ粒程度の私情を挟むものの、倒れ込んだシモンの背に、足蹴りまでしそうになるが、それは流石にぐっとこらえているので感謝して欲しいくらいだと胸を張っている。
「ザムエルさまー!」
「シモンさま!」
そこにシルヴィアとゾフィアが差し入れをするために訪れる。倒れて汗だくのシモンはゾフィアに優しく介護されて嬉しそうに渡されたタオルで首筋を拭いた。その姿ですら、色っぽい! 素敵! と、様子をみていた女性陣から黄色い悲鳴があがる。
一方、ザムエルに対しては、
「ちょっとー、あの大男ひどすぎ!」
「モテないから僻んでるのよ! いやーね!」
「既婚者らしいわよ?」
「うっそ! きっと政略ね。奥さん毎日泣いているんじゃない? 気の毒に……」
これである。無駄に耳のいいザムエルにばっちり届いていた。
「シモン、あー。お前は体力がなさすぎる。ここまでの特訓で、感情を波だたせないその精神力だ。きっとほどなくコントロールできる!」
シモンのあまりにも疲労困憊の姿を見て、シルヴィアまでもが心配そうに彼を見るものだから、ザムエルは格好良くそれらしいことを伝える。
「あなた、そのために厳しい鍛錬を?」
「彼のスキルコントロールは、王命でもあるが、義妹であるゾフィアのためでもあるからな。俺とて心苦しいが……。君の大切な人のためにも、きついだろうが耐えてもらう」
心からそう言っているかのようなザムエルのきりっとした教官っぷりに対して、周囲の騎士たちはよく言うよと半目でザムエルを見るが、信じ込んだシルヴィアたちは感動した。
「あなた……、素敵ですわ!」
シルヴィアが惚れ直したと言わんばかりに頬を染めてうっとりとそう言うので、デレデレと内心しつつ、きりっと仁王立ちになり、休憩は終わったとばかりにシモンに逆立ちを命じる。
これで倒れて無様な姿を皆に見せればいいなどとは、ちょっとしか思っていない。
逆立ちをしながら精神統一するシモンはバランスを崩して倒れる。だが、その姿すらカッコいいとますます女性たちの目を♡にさせた。
ゾフィアは、夫のモテモテぶりにやきもきするが、他の女性を近寄らせもしない夫の頑張る姿を、ハラハラ心配しつつも、さらに彼への想いが強くなっていた。
ザムエルは、イケメンのシモンに対して、悔しい思いを抱えながらも、日々、きちんとスキルコントロールのために真面目に訓練を受け続けるため、そこだけはたいした男だと認めていったのである。
※※※※
数日後──
「まあ、お姉様ったら。恐らく大丈夫だと思いますが……」
「本当に? じゃあ、お願いできるかしら?」
シルヴィアが内緒でゾフィアにとあることを依頼した。ゾフィアは戸惑いながらも、彼女の頼みを聞き、ある晴れた日に、シモンとともにシルヴィアたちの新居を訪れた。ほどなくして、二人は彼女と別れ、自分たちの家に帰ったのである。
※※※※
「シルヴィア、帰ったよ!」
ザムエルは、いつものように仕事でイライラしつつも、こうして家に帰り、愛しい愛しい可愛い妻が出迎えてくれて抱きしめ天に昇るほどの幸せになれる時を期待して玄関に入った。
ところが、今日に限って彼女の姿がない。ひょっとしたら具合でも悪くしたのかと顔を真っ青にする。
「シルヴィア、どうした? どこにいる! 返事をしてくれ!」
今日はどこにも出かけていないはずだ。シルヴィアのスキルを狙う者もいるが、この家にはザムエル特性の王宮よりも強固な守護結界が張られている。不埒な者など侵入していないはずだ。
慌てふためき、屋敷中を探し回るが妻が見えない。
「探していないのはあとはここだが……。ここには彼女は入らないはずだし……」
心臓の音がうるさい。ここにもいなければ実家などに連絡をしてなど考えながらコレクションルームの扉をあけた。
すると、机の上に、いつもなら片付けているフィギュアのドレスが置かれてあった。
「なんだ?」
そっと、ザムエルが疑問に思いながら近づく。すると、ドレスがもぞっと動き、寝返りを打ったのであった。
「え……?」
「うんしょ」と小さな声がザムエルの耳に届く。目の前で、ドレス、いや、小さなフィギュアが四つん這いになり立ち上がった。
「あの、すみませーん、聞こえますか?」
頭が状況についていかず、
「は? え? どうなって……」
と、ぶつぶつと独り言を言っていると、顔を見合わせたフィギュアの愛らしい唇が動き言葉を発した。
「え?」
「あ、気づいてくださったのですね! ありがとうございます。あの、助けていただいたところ、申し訳ございませんが、あまり大きな声を出されると辛いのでなるべく小声で会話をしていただいてよろしいでしょうか?」
「は? シルヴィア何をやって……あ……! コホン。それはかまわないが。このくらいの大きさなら大丈夫だろうか?」
戸惑っていたザムエルは、ようやく愛しい妻の今の姿と言動に対して、とある事に気が付いた。
「はい、ありがとうございます。ふふふ……、わたくしが身に着けていたのは、あの時はハンカチ一枚でしたわね?」
「ああ……、懐かしいな……。あれから、一年経ったのか」
「はいっ! 出会った日の記念のサプライズですの! どうですか? 似合います?」
「ああ、とても、とても似合う……。あの頃、君のためにそれを作ったものの、小さくなれなくなったから、こうして着てもらって嬉しいよ」
「ふふふ、時々、少し残念そうにこの小さなドレスを見ていらしたでしょう? 喜んでいただけました?」
「シルヴィア……、ありがとう」
小さな妻をそっと両手ですくうように手の平に乗せる。彼女が現れた奇跡に感謝しつつ、先ほど味わった恐怖を思い出した。
「びっくりしたよ。嬉しいけれど、いなくなったと思ったら俺の心臓が止まるかと思った。もうこんな事はしないでくれ」
「ごめんなさい。次からはほどほどにしますわね?」
「ははは、次も何かがあるのか?」
「ふふふ、あ、ザムエル様、シモン様のスキルはあと少しで解けるんですの」
「真夜中の、月光が当たる頃かな?」
「ええ! あなたのお陰でスキルの時間も自由自在になったと喜ばれて、こうしてわたくしの願い事を聞いてくださったの! 流石あなたですわ! こんな短期間で彼を成長させる事ができるなんて……!」
「いや、大した事はしていない」
「あなた……」
小さなシルヴィアが、ザムエルに近づくよう強請る。彼の大きな唇に、米粒よりも小さな唇でキスをした。
「間違って食べてしまいそうだな。いつも美味しくいただいているが」
「まぁ!」
「とにかく無事で良かったよ」
愛しい妻の可愛らしい思惑に微笑み、彼女の体を指でくすぐった。
「あとね、もう一つサプライズがありますの」
「なんだい?」
「ふふふ、耳をこちらにお願いします……。あのですね……」
シルヴィアが悪戯っ子のように微笑み、近づいた彼の大きな耳に、小さな声をもっと小さくしてサプライズの内容を彼に伝える。
それを聞いたザムエルがびっくりしつつも、大いに喜び、それ以降、彼女をオーパーツ以上の存在のように大切に扱った。
やがて、もうすぐ出会ってから二年目になる少し前に、彼女によく似た元気な赤ちゃんが二人の元にやってきたのであった。
【R18】妹に乗り換えた婚約者にとあるスキルをかけられた令嬢は、ワケありエージェントに助けられとっても可愛がられるようです。 完
「こんな事でスキルが身に付くと思ってるのかっ!」
ザムエルの鬼教官っぷりに、周囲の騎士たちが、常ならここまで厳しくないのにと訝しみながらも、触らぬザムエルにたたりなしとばかりに遠くで各々訓練していた。
「はぁ、はぁ……、なぜ魔力やスキルのコントロールに走り込みや重量挙げ、組手などが必要なんだ……」
「肉体と魔力とスキルは密接な関係がある! おら、足がよろけているぞ! とろとろするんじゃない!」
シモンは、あまりの理不尽な鍛錬に対して、疑問も抱いておりズタボロになりながら、それを口にする。ザムエルは、教えを請う身で口答えをするシモンの背を、激励と見せかけて思いっきり大きな手で押して転倒させた。
ついうっかりシモンをつま付かせたり、組手で多少痛めつけているが、これは決して私怨や思う所などなく、一刻も早くシモンがスキルをコントロールするための措置なのだと言い聞かせていた。
──くそ! かわいい盛りのシルヴィアの婚約者だった時期がある男め! イケメンだし、今も周囲から女たちがこいつに秋波を送っているではないか! 忌々しい!
などと、ほんの少々、ゴマ粒程度の私情を挟むものの、倒れ込んだシモンの背に、足蹴りまでしそうになるが、それは流石にぐっとこらえているので感謝して欲しいくらいだと胸を張っている。
「ザムエルさまー!」
「シモンさま!」
そこにシルヴィアとゾフィアが差し入れをするために訪れる。倒れて汗だくのシモンはゾフィアに優しく介護されて嬉しそうに渡されたタオルで首筋を拭いた。その姿ですら、色っぽい! 素敵! と、様子をみていた女性陣から黄色い悲鳴があがる。
一方、ザムエルに対しては、
「ちょっとー、あの大男ひどすぎ!」
「モテないから僻んでるのよ! いやーね!」
「既婚者らしいわよ?」
「うっそ! きっと政略ね。奥さん毎日泣いているんじゃない? 気の毒に……」
これである。無駄に耳のいいザムエルにばっちり届いていた。
「シモン、あー。お前は体力がなさすぎる。ここまでの特訓で、感情を波だたせないその精神力だ。きっとほどなくコントロールできる!」
シモンのあまりにも疲労困憊の姿を見て、シルヴィアまでもが心配そうに彼を見るものだから、ザムエルは格好良くそれらしいことを伝える。
「あなた、そのために厳しい鍛錬を?」
「彼のスキルコントロールは、王命でもあるが、義妹であるゾフィアのためでもあるからな。俺とて心苦しいが……。君の大切な人のためにも、きついだろうが耐えてもらう」
心からそう言っているかのようなザムエルのきりっとした教官っぷりに対して、周囲の騎士たちはよく言うよと半目でザムエルを見るが、信じ込んだシルヴィアたちは感動した。
「あなた……、素敵ですわ!」
シルヴィアが惚れ直したと言わんばかりに頬を染めてうっとりとそう言うので、デレデレと内心しつつ、きりっと仁王立ちになり、休憩は終わったとばかりにシモンに逆立ちを命じる。
これで倒れて無様な姿を皆に見せればいいなどとは、ちょっとしか思っていない。
逆立ちをしながら精神統一するシモンはバランスを崩して倒れる。だが、その姿すらカッコいいとますます女性たちの目を♡にさせた。
ゾフィアは、夫のモテモテぶりにやきもきするが、他の女性を近寄らせもしない夫の頑張る姿を、ハラハラ心配しつつも、さらに彼への想いが強くなっていた。
ザムエルは、イケメンのシモンに対して、悔しい思いを抱えながらも、日々、きちんとスキルコントロールのために真面目に訓練を受け続けるため、そこだけはたいした男だと認めていったのである。
※※※※
数日後──
「まあ、お姉様ったら。恐らく大丈夫だと思いますが……」
「本当に? じゃあ、お願いできるかしら?」
シルヴィアが内緒でゾフィアにとあることを依頼した。ゾフィアは戸惑いながらも、彼女の頼みを聞き、ある晴れた日に、シモンとともにシルヴィアたちの新居を訪れた。ほどなくして、二人は彼女と別れ、自分たちの家に帰ったのである。
※※※※
「シルヴィア、帰ったよ!」
ザムエルは、いつものように仕事でイライラしつつも、こうして家に帰り、愛しい愛しい可愛い妻が出迎えてくれて抱きしめ天に昇るほどの幸せになれる時を期待して玄関に入った。
ところが、今日に限って彼女の姿がない。ひょっとしたら具合でも悪くしたのかと顔を真っ青にする。
「シルヴィア、どうした? どこにいる! 返事をしてくれ!」
今日はどこにも出かけていないはずだ。シルヴィアのスキルを狙う者もいるが、この家にはザムエル特性の王宮よりも強固な守護結界が張られている。不埒な者など侵入していないはずだ。
慌てふためき、屋敷中を探し回るが妻が見えない。
「探していないのはあとはここだが……。ここには彼女は入らないはずだし……」
心臓の音がうるさい。ここにもいなければ実家などに連絡をしてなど考えながらコレクションルームの扉をあけた。
すると、机の上に、いつもなら片付けているフィギュアのドレスが置かれてあった。
「なんだ?」
そっと、ザムエルが疑問に思いながら近づく。すると、ドレスがもぞっと動き、寝返りを打ったのであった。
「え……?」
「うんしょ」と小さな声がザムエルの耳に届く。目の前で、ドレス、いや、小さなフィギュアが四つん這いになり立ち上がった。
「あの、すみませーん、聞こえますか?」
頭が状況についていかず、
「は? え? どうなって……」
と、ぶつぶつと独り言を言っていると、顔を見合わせたフィギュアの愛らしい唇が動き言葉を発した。
「え?」
「あ、気づいてくださったのですね! ありがとうございます。あの、助けていただいたところ、申し訳ございませんが、あまり大きな声を出されると辛いのでなるべく小声で会話をしていただいてよろしいでしょうか?」
「は? シルヴィア何をやって……あ……! コホン。それはかまわないが。このくらいの大きさなら大丈夫だろうか?」
戸惑っていたザムエルは、ようやく愛しい妻の今の姿と言動に対して、とある事に気が付いた。
「はい、ありがとうございます。ふふふ……、わたくしが身に着けていたのは、あの時はハンカチ一枚でしたわね?」
「ああ……、懐かしいな……。あれから、一年経ったのか」
「はいっ! 出会った日の記念のサプライズですの! どうですか? 似合います?」
「ああ、とても、とても似合う……。あの頃、君のためにそれを作ったものの、小さくなれなくなったから、こうして着てもらって嬉しいよ」
「ふふふ、時々、少し残念そうにこの小さなドレスを見ていらしたでしょう? 喜んでいただけました?」
「シルヴィア……、ありがとう」
小さな妻をそっと両手ですくうように手の平に乗せる。彼女が現れた奇跡に感謝しつつ、先ほど味わった恐怖を思い出した。
「びっくりしたよ。嬉しいけれど、いなくなったと思ったら俺の心臓が止まるかと思った。もうこんな事はしないでくれ」
「ごめんなさい。次からはほどほどにしますわね?」
「ははは、次も何かがあるのか?」
「ふふふ、あ、ザムエル様、シモン様のスキルはあと少しで解けるんですの」
「真夜中の、月光が当たる頃かな?」
「ええ! あなたのお陰でスキルの時間も自由自在になったと喜ばれて、こうしてわたくしの願い事を聞いてくださったの! 流石あなたですわ! こんな短期間で彼を成長させる事ができるなんて……!」
「いや、大した事はしていない」
「あなた……」
小さなシルヴィアが、ザムエルに近づくよう強請る。彼の大きな唇に、米粒よりも小さな唇でキスをした。
「間違って食べてしまいそうだな。いつも美味しくいただいているが」
「まぁ!」
「とにかく無事で良かったよ」
愛しい妻の可愛らしい思惑に微笑み、彼女の体を指でくすぐった。
「あとね、もう一つサプライズがありますの」
「なんだい?」
「ふふふ、耳をこちらにお願いします……。あのですね……」
シルヴィアが悪戯っ子のように微笑み、近づいた彼の大きな耳に、小さな声をもっと小さくしてサプライズの内容を彼に伝える。
それを聞いたザムエルがびっくりしつつも、大いに喜び、それ以降、彼女をオーパーツ以上の存在のように大切に扱った。
やがて、もうすぐ出会ってから二年目になる少し前に、彼女によく似た元気な赤ちゃんが二人の元にやってきたのであった。
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