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8 危険なでんせつの仕事
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変なところに居合わせてしまったな。
そう思いつつ、再びシャンデリアのところに戻る。
先日、炎魔法によって焦げて溶けてしまった配線を修復している途中だったからね。
少し前、ジュシ・CD・カトウという女子生徒が、授業の一環で、魔法の杖を真上に掲げて、炎魔法を唱えたのだ。シャンデリアの真下で。
彼女の魔法の威力は、平民出身だというのに凄まじい威力らしく、作り出された炎の竜巻は、まっすぐに上に登り、シャンデリアに直撃した。
直径1メートルはあるシャンデリアは、瞬く間に炎に飲み込まれ、落下こそしなかったが、配線が全てダメになったのである。
それ以来、この部屋は立入禁止になった。
はやく授業を再開しなければならないので、私がここを修理していたというわけだ。
「よし、配線オッケー。シャンデリアも新しいものに交換できたし、一番耐久性のある配線に変えたから、今後はちょっとやそっとじゃ壊れないわ」
シャンデリアの交換、修理など含めて、損害はかなりの額になる。平民出身で、それを誰が支払うのかというと、ジュシさんの世話役を押し付けられたムキ王子だろうか。
「貴族令嬢じゃないからって、本当ならキャブタ王子がしなきゃいけない彼女の面倒を押し付けられたんだろうけど、損害賠償まで払うとなると気の毒ねぇ」
とはいえ、この国の側室の子なのだから、このくらいは楽々払えるだろうなと、下からスイッチをオンにする。
最高級品のシャンデリアは、きちんと光をきらびやかに放ち、美しいプリズムを形成していた。
「んー。つっかれたー。毎日、誰かが壊れたものを直しているけど、いい加減疲れちゃう。壊れて困るところの保護魔法をしっかりかけといてもらいましょ」
その保護魔法を突き抜けるほど、彼女の炎の威力が凄まじいのだが。
電気と90度までの温度しかキャンセルできないし、さっきみたいに転落したら、下手すれば全身打撲であの世行きだろう。
身分は隠しているとはいえ、一応ヘンアツ国の血筋だ。万が一、ここで亡くなれば、亡霊だけどビニルシース国に報告が入るに違いない。
考えられないほどの大騒動になりそうだ。
「んー。伯父様ならともかく、あの人達はふーんですますか、やっと死んだって祝杯を上げるかもねー。もういいけど」
私には、心底私を心配してくれている伯父様やいとこがいる。今日の事故を知られたら、ネオン様に叱られるだろうけど、もう報告されているだろうな。
「帰ったら、オンラインで説教か……危険な電設の仕事なんかやめろって言われるだろうなあ」
伯父様やネオンは、さっさとヘンアツ国に帰ってこい帰ってこいと、口を開けば帰れのひとこと。
「もうすぐ22か……。行き遅れのばばあ。確かに、間違いないわね」
私は、びん底眼鏡を取って、シャンデリアを見上げた。調光器のスイッチを、裸眼で直視しても、目に優しいくらいの光量に調節する。
「よし、今日の仕事おわりー。ピピ様、ボボ様、今日もご支援ありがとうございました」
「ぴ!」
「ぼ!」
私は、現れたピピとボボと一緒に、工具や配線などを片付けてその場をあとにした。
その後、私の様子をこっそり伺っていた学生が、私が落としていた電工ナイフの蓋を拾ったことなど、これっぽっちも気づかなかったのである。
そう思いつつ、再びシャンデリアのところに戻る。
先日、炎魔法によって焦げて溶けてしまった配線を修復している途中だったからね。
少し前、ジュシ・CD・カトウという女子生徒が、授業の一環で、魔法の杖を真上に掲げて、炎魔法を唱えたのだ。シャンデリアの真下で。
彼女の魔法の威力は、平民出身だというのに凄まじい威力らしく、作り出された炎の竜巻は、まっすぐに上に登り、シャンデリアに直撃した。
直径1メートルはあるシャンデリアは、瞬く間に炎に飲み込まれ、落下こそしなかったが、配線が全てダメになったのである。
それ以来、この部屋は立入禁止になった。
はやく授業を再開しなければならないので、私がここを修理していたというわけだ。
「よし、配線オッケー。シャンデリアも新しいものに交換できたし、一番耐久性のある配線に変えたから、今後はちょっとやそっとじゃ壊れないわ」
シャンデリアの交換、修理など含めて、損害はかなりの額になる。平民出身で、それを誰が支払うのかというと、ジュシさんの世話役を押し付けられたムキ王子だろうか。
「貴族令嬢じゃないからって、本当ならキャブタ王子がしなきゃいけない彼女の面倒を押し付けられたんだろうけど、損害賠償まで払うとなると気の毒ねぇ」
とはいえ、この国の側室の子なのだから、このくらいは楽々払えるだろうなと、下からスイッチをオンにする。
最高級品のシャンデリアは、きちんと光をきらびやかに放ち、美しいプリズムを形成していた。
「んー。つっかれたー。毎日、誰かが壊れたものを直しているけど、いい加減疲れちゃう。壊れて困るところの保護魔法をしっかりかけといてもらいましょ」
その保護魔法を突き抜けるほど、彼女の炎の威力が凄まじいのだが。
電気と90度までの温度しかキャンセルできないし、さっきみたいに転落したら、下手すれば全身打撲であの世行きだろう。
身分は隠しているとはいえ、一応ヘンアツ国の血筋だ。万が一、ここで亡くなれば、亡霊だけどビニルシース国に報告が入るに違いない。
考えられないほどの大騒動になりそうだ。
「んー。伯父様ならともかく、あの人達はふーんですますか、やっと死んだって祝杯を上げるかもねー。もういいけど」
私には、心底私を心配してくれている伯父様やいとこがいる。今日の事故を知られたら、ネオン様に叱られるだろうけど、もう報告されているだろうな。
「帰ったら、オンラインで説教か……危険な電設の仕事なんかやめろって言われるだろうなあ」
伯父様やネオンは、さっさとヘンアツ国に帰ってこい帰ってこいと、口を開けば帰れのひとこと。
「もうすぐ22か……。行き遅れのばばあ。確かに、間違いないわね」
私は、びん底眼鏡を取って、シャンデリアを見上げた。調光器のスイッチを、裸眼で直視しても、目に優しいくらいの光量に調節する。
「よし、今日の仕事おわりー。ピピ様、ボボ様、今日もご支援ありがとうございました」
「ぴ!」
「ぼ!」
私は、現れたピピとボボと一緒に、工具や配線などを片付けてその場をあとにした。
その後、私の様子をこっそり伺っていた学生が、私が落としていた電工ナイフの蓋を拾ったことなど、これっぽっちも気づかなかったのである。
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