8 / 39
死の危険と隣り合わせの至福のひと時に R15 出番はマロウでした。幸せモノローグ回です。
しおりを挟む
ふに
ふに、ふに
ふに、ふに、ふに
なんという事だ。夢幻が魅せる幻覚か何かのような、言葉に出来ないほどの至福の感触が両頬に当たる。俺はうっとりと、本能のままにまかせて彼女の香りとそれを堪能してしまった。
彼女は俺の事をローズ嬢だと勘違いしているだけで、胸に抱え込んでいるのがむさ苦しい男だなんてこれっぽっちも思っていないだろう。勘違いだ。すぐに正体を明かして、破廉恥な行為をやめなくては、このままでは俺は痴漢の汚名を着せられてしまうかもしれない。
いや、まてよ……?
俺はローズ嬢の親戚でもあるし、同じ学園で、しかも汚泥にまみれているとはいえ有名人であるチェリー嬢の婚約者だ。彼女が俺を知らないはずはない。
俺の頭は、どう見てもローズ嬢とは似ても似つかないのだ。ひょっとしたら、なんとなく俺と知っていて抱きしめてくれているのかもしれない。
馬鹿な事をと自分でも思う。純情可憐な、俺のビオラがそんな偶然にかこつけてこのような大胆な行動をするはずはないのにと思うが、こんな状況で、どうやったら冷静で懸命な判断が出来るというのだろう。
どうしてもここから離れるのが嫌で、俺も両手で彼女の体に抱き着こうと手を挙げた。
素晴らしくもけしからん、このおっぱいは俺だけのものだ。
すでに俺の中では、元婚約者は殿下の子を身ごもったので彼と結婚した後だ。
身綺麗になった俺が求婚した時、実は俺を好きだったと顔を赤らめて応えてくれる彼女のなんと可愛らしい事だろう。
元婚約者のせいで、あらぬ噂にまみれた俺を快く受け入れてくれたのである。
幾多の苦難を乗り越えたある晴れた日に、彼女が微笑みながら純白のウェディングドレスを身にまとい、俺の家の家宝である侯爵夫人に与えられるイヤリングとネックレス、そしてリングの三点セットをつけてくれている。
結婚の披露を無事に果たした俺たちは、新婚夫婦のために与えられた寝室で改めて生涯の愛を誓い合うのだ。そして、恥ずかしがる彼女のネグリジェを優しくそっとはぎとって、それから……
妄想という名の夢のような彼女との幸せな初夜を思い描こうとした時、ふーっと意識が遠のくのを感じた。忘れていたが、俺は今、頬どころか、やわらかい魅惑のふたつの山で、鼻も口も塞がれていて呼吸が出来ない。
心も頭も幸せいっぱいで、このまま浸りたいというのに、体が危機を感じて俺にしっかりしろと叱咤するかのように、息苦しくなった。
ひょっとしたら、天に旅立つ直前の体が見せてくれた幸せな未来図だったのかもしれない。
非常に残念だがもう限界だった。死んでしまっては、そんな夢も潰えるのだ。
こっそり、おっぱいに手を添えて、もっとふにふにさせようとした俺の穢れた邪な下心はものの見事に消え去り、胸ではなく腕に手を当てたのである。
彼女が、胸に抱えているのがローズ嬢でなく俺だと知ると、ぽかーんと呆けてしまった。俺が息を荒げて呼吸を整えた後も、完全にキャパがオーバーな状態が続いているようだった。
抱えられていた腕がゆるむが、やんわりと囲われたままだ。力がほとんど入っていないから抜け出そうと思えば抜け出せるのだが、なぜかそのまま、自己紹介を始める。
胸元にいるのは、他意はない。ちょっとしか。もう少し、彼女の香りに包まれて、ちょんっとあたるくらいではあるが、肌に触れていたいなんて、砂粒程しか思っていない。
俺よりも混乱して頭が全く働いていなさそうだ。だが、だからこそ彼女から出た言葉には嘘偽りがないと確信する。
なんと、彼女は俺の事を知っていたというではないか。先ほどの俺の願望が見せた夢の続きなのだろうか。
陶酔のまま、危うく頭の中で彼女を穢すところだったと、内心冷や汗が流れる。
現実のこの状況は、俺にとっては幸せしかないのだが、純情な俺のビオラが我に返ったら泣いてしまうかもしれない。彼女を悲しませたくはない。
「ビオラ嬢、その……そろそろ腕を……」
どうしたものかと考えあぐね、強引に俺から出るのではなく、彼女を怖がらせないようにそう言った。
「え? は? ……や、やだ、どうしましょう。もっももも、申し訳ございません! マロウ様になんという事を……わたくし、みっともない物を……」
「い、いや。その、そんな風に謝罪をせずとも。こちらの方こそ、ビオラ嬢に失礼な状況のまま……」
「で、ですが、わたくしが抱きしめてしまったのですよね? 完全に我を失っていたとはいえ見苦しい物を…… とんでもない事でございますっ! どうしたら……。わ、わたくし、責任を取らせていただきますわ!」
「いや、だから。ビオラ嬢は悪くはないし、みっともなくも見苦しいわけでもない。それどころか、素晴らし……んっ。いや、その……。不埒な真似をしたのは私なのだから顔をあげてくれないか?」
彼女から抱きしめてくれたので、俺が謝罪する謂れはないのかもしれないが、後半は敢えて俺もそこにいさせてもらった負い目がある。恋人同士でもなんでもない、単なる知っている人というだけの俺たち。これから、さっきまで夢見た将来に向けて行動しようとは思うが……。
「そんな事はございませんわ。マロウ様は、わたくしをここまで運んでくださり介抱してくださったというのに……わたくし、このままマロウ様のご厚意に甘えてばかりでは家に帰れません」
どう考えても俺のほうに非があるだろう。彼女は自失していたし不埒な真似をしたのはこちらだ。気にするなと言おうとした。
だが、待てよ……?
「ビオラ嬢」
「は、はい……」
かわいそうに、ションボリして目尻に涙が浮かんでいる。羞恥と罪悪感でいっぱいなのだろう。
そんな顔もかわいいなあって思いながら、彼女の言う通りにしたほうが、心の重荷を軽くできるかと判断した。それに、そのほうが彼女との折角出来た縁を切らずに済むだろうし、これからのふたりの未来に向かって少しずつ距離を縮めていける。
「本当に、気にしなくていいのだが、それほど言うなら責任を取ってもらってもいいかな?」
「は、はい……。何をすればよろしいでしょうか?」
「いやなに。簡単な事だ」
俺は安心させるようににっこり微笑みながら、彼女に先ほどの証人になるようにお願いする事にしたのだ。他人の情事を見ただなんて証言、どうやって頼もうか覗いている時に悩んでいたがこれで解決だ。
責任を取って貰おうじゃないか。その後だって、俺がちゃーんと責任を取るから問題はないよな。
ふに、ふに
ふに、ふに、ふに
なんという事だ。夢幻が魅せる幻覚か何かのような、言葉に出来ないほどの至福の感触が両頬に当たる。俺はうっとりと、本能のままにまかせて彼女の香りとそれを堪能してしまった。
彼女は俺の事をローズ嬢だと勘違いしているだけで、胸に抱え込んでいるのがむさ苦しい男だなんてこれっぽっちも思っていないだろう。勘違いだ。すぐに正体を明かして、破廉恥な行為をやめなくては、このままでは俺は痴漢の汚名を着せられてしまうかもしれない。
いや、まてよ……?
俺はローズ嬢の親戚でもあるし、同じ学園で、しかも汚泥にまみれているとはいえ有名人であるチェリー嬢の婚約者だ。彼女が俺を知らないはずはない。
俺の頭は、どう見てもローズ嬢とは似ても似つかないのだ。ひょっとしたら、なんとなく俺と知っていて抱きしめてくれているのかもしれない。
馬鹿な事をと自分でも思う。純情可憐な、俺のビオラがそんな偶然にかこつけてこのような大胆な行動をするはずはないのにと思うが、こんな状況で、どうやったら冷静で懸命な判断が出来るというのだろう。
どうしてもここから離れるのが嫌で、俺も両手で彼女の体に抱き着こうと手を挙げた。
素晴らしくもけしからん、このおっぱいは俺だけのものだ。
すでに俺の中では、元婚約者は殿下の子を身ごもったので彼と結婚した後だ。
身綺麗になった俺が求婚した時、実は俺を好きだったと顔を赤らめて応えてくれる彼女のなんと可愛らしい事だろう。
元婚約者のせいで、あらぬ噂にまみれた俺を快く受け入れてくれたのである。
幾多の苦難を乗り越えたある晴れた日に、彼女が微笑みながら純白のウェディングドレスを身にまとい、俺の家の家宝である侯爵夫人に与えられるイヤリングとネックレス、そしてリングの三点セットをつけてくれている。
結婚の披露を無事に果たした俺たちは、新婚夫婦のために与えられた寝室で改めて生涯の愛を誓い合うのだ。そして、恥ずかしがる彼女のネグリジェを優しくそっとはぎとって、それから……
妄想という名の夢のような彼女との幸せな初夜を思い描こうとした時、ふーっと意識が遠のくのを感じた。忘れていたが、俺は今、頬どころか、やわらかい魅惑のふたつの山で、鼻も口も塞がれていて呼吸が出来ない。
心も頭も幸せいっぱいで、このまま浸りたいというのに、体が危機を感じて俺にしっかりしろと叱咤するかのように、息苦しくなった。
ひょっとしたら、天に旅立つ直前の体が見せてくれた幸せな未来図だったのかもしれない。
非常に残念だがもう限界だった。死んでしまっては、そんな夢も潰えるのだ。
こっそり、おっぱいに手を添えて、もっとふにふにさせようとした俺の穢れた邪な下心はものの見事に消え去り、胸ではなく腕に手を当てたのである。
彼女が、胸に抱えているのがローズ嬢でなく俺だと知ると、ぽかーんと呆けてしまった。俺が息を荒げて呼吸を整えた後も、完全にキャパがオーバーな状態が続いているようだった。
抱えられていた腕がゆるむが、やんわりと囲われたままだ。力がほとんど入っていないから抜け出そうと思えば抜け出せるのだが、なぜかそのまま、自己紹介を始める。
胸元にいるのは、他意はない。ちょっとしか。もう少し、彼女の香りに包まれて、ちょんっとあたるくらいではあるが、肌に触れていたいなんて、砂粒程しか思っていない。
俺よりも混乱して頭が全く働いていなさそうだ。だが、だからこそ彼女から出た言葉には嘘偽りがないと確信する。
なんと、彼女は俺の事を知っていたというではないか。先ほどの俺の願望が見せた夢の続きなのだろうか。
陶酔のまま、危うく頭の中で彼女を穢すところだったと、内心冷や汗が流れる。
現実のこの状況は、俺にとっては幸せしかないのだが、純情な俺のビオラが我に返ったら泣いてしまうかもしれない。彼女を悲しませたくはない。
「ビオラ嬢、その……そろそろ腕を……」
どうしたものかと考えあぐね、強引に俺から出るのではなく、彼女を怖がらせないようにそう言った。
「え? は? ……や、やだ、どうしましょう。もっももも、申し訳ございません! マロウ様になんという事を……わたくし、みっともない物を……」
「い、いや。その、そんな風に謝罪をせずとも。こちらの方こそ、ビオラ嬢に失礼な状況のまま……」
「で、ですが、わたくしが抱きしめてしまったのですよね? 完全に我を失っていたとはいえ見苦しい物を…… とんでもない事でございますっ! どうしたら……。わ、わたくし、責任を取らせていただきますわ!」
「いや、だから。ビオラ嬢は悪くはないし、みっともなくも見苦しいわけでもない。それどころか、素晴らし……んっ。いや、その……。不埒な真似をしたのは私なのだから顔をあげてくれないか?」
彼女から抱きしめてくれたので、俺が謝罪する謂れはないのかもしれないが、後半は敢えて俺もそこにいさせてもらった負い目がある。恋人同士でもなんでもない、単なる知っている人というだけの俺たち。これから、さっきまで夢見た将来に向けて行動しようとは思うが……。
「そんな事はございませんわ。マロウ様は、わたくしをここまで運んでくださり介抱してくださったというのに……わたくし、このままマロウ様のご厚意に甘えてばかりでは家に帰れません」
どう考えても俺のほうに非があるだろう。彼女は自失していたし不埒な真似をしたのはこちらだ。気にするなと言おうとした。
だが、待てよ……?
「ビオラ嬢」
「は、はい……」
かわいそうに、ションボリして目尻に涙が浮かんでいる。羞恥と罪悪感でいっぱいなのだろう。
そんな顔もかわいいなあって思いながら、彼女の言う通りにしたほうが、心の重荷を軽くできるかと判断した。それに、そのほうが彼女との折角出来た縁を切らずに済むだろうし、これからのふたりの未来に向かって少しずつ距離を縮めていける。
「本当に、気にしなくていいのだが、それほど言うなら責任を取ってもらってもいいかな?」
「は、はい……。何をすればよろしいでしょうか?」
「いやなに。簡単な事だ」
俺は安心させるようににっこり微笑みながら、彼女に先ほどの証人になるようにお願いする事にしたのだ。他人の情事を見ただなんて証言、どうやって頼もうか覗いている時に悩んでいたがこれで解決だ。
責任を取って貰おうじゃないか。その後だって、俺がちゃーんと責任を取るから問題はないよな。
1
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる