完結 R20 罪人(つみびと)の公爵令嬢と異形の辺境伯~呪われた絶品の契約結婚をお召し上がりくださいませ 改稿版

にじくす まさしよ

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「トーラ……」

 4つ折りにしたフェイスタオルで目で隠されたため、何も見えない。彼の厚い肌と熱い吐息、そして、お腹の底に響くような擦れた声だけを頼りに手を伸ばした。

 いつ、どのタイミングでどこに触れるのか。なんとなく気配を感じるけれど、そこを知るための感覚が研ぎ澄まされ、触れるか触れないかの彼の指先にすら鋭敏に感じ取っていた。

「キャロル、かわいい。じゃあ、始めるよ」
「はい、よろしくお願いいたします。あ……ん……」

 再び胸に手が当てられる。大剣を軽々振るう彼の手にはタコがたくさんできているのだろう。そこが当たると、手の平に沢山の硬い部分があるのがわかる。
 指先がかさついているせいで、やわやわと胸を揉みながら、先端をきゅっとつままれ擦られると少し痛い。

(くすぐったいような、もぞもぞするような、逃げたいほどの変な感じがするわ。ああ、でも。胸を大きくするために、わざわざしてくださる、辺境秘伝の貴重なマッサージなのだから、がまんしないと)

「キャロル、ああ、ずっと君とこうしたかったんだ」

(え? ずっとこうしたかったって事は、大きさなんてどうでもいいと言いつつ、やっぱり本心では豊胸のためのマッサージをしたかったって事よね?)

 なんという事だ。彼が思わず出してしまった言葉によると、彼は本当は爆乳系が良かったらしい。これは、彼のためにも、何がなんでも大きくしてもらわねば。

「わたくしも、ずっと(大きく)していただきたかったのです。どうぞ、トーラの望む(大きさまで育つ)ように、なさってください」
「そうだったのか……。僕が尻込みしていたから、今日まで待たせてしまったね。ごめん」
「トーラが謝るような事では、あ、あ……ん……」

 彼がマッサージを行うと、触れられたポイントによって、自分では出すつもりのない変な声が漏れる。

(どうしましょう……。体が動かないし、これもあの時の後遺症なのかしら)

 そんな事を思いながら、彼が胸をとても丁寧に触れるその感覚に翻弄され続けた。

「ん、はぁん……。トーラ、まだ続けるのですか?」
「……僕としては、一晩中、毎日でもこうしていたいけど……。そうだね、そろそろここばかりじゃあキャロルも辛いだろうし」
「辛くは、ないのですが。こうしていると、変な感じになるのです」
「そ、そうか。変な気持ちになるんだね?」
「はい。ですから……、ひゃぁんっ! トーラ、何を……!」

 わたくしが、今の体の変化を困って伝えたら、トーラはとても嬉しそうに弾んだ声をあげた。そろそろ今日の分のマッサージはおしまいにしてもらおうとした途端、先端部分にぬるりとしたものが触れる。

 吸い付かれながら、尖りを舌で弄ばれているようだ。今の状況に気付いたけれど、恥ずかしく思うよりも、一体何がどうなっているのかわからないほど、体の奥底から先ほどの感覚が大きく膨らんでいく。
 
「あ、あ……!」
「キャロル、気持ちいいんだね? 嬉しいよ、もっと気持ち良くなって」
「気持ち、い? な、なにを言っ……、ああ……!」

 わたくしが反応すればするほど、そこをピンポイトで責められる。こんなにも激しいマッサージなら、してもらわなくても良かったかもと思いつつ、やはりバストアップのための試練だと耐えた。
 といっても、腕しか動かせないし、タオルで隠された目でば何も見えないわたくしには、何をどうする事も出来ないのだけれども。

 見えない事で、この変な感覚が鋭くわたくしを苛んでくるようだ。体を動かす事が出来れば、折角わたくしのためにマッサージをしてくれている彼から逃れようともがいたに違いない。

「とーら、わたくし、もう……もう……」

 逃げたいのに逃げられない、彼から与えられるその感覚に耐えきれなくなって、彼にすがるように手を伸ばす。すると、指を絡めるように繋がれ、やっと胸から彼が離れてくれた。

「キャロル、大丈夫かい? つい、夢中になってしまった。ごめんね」

 はあはあ息を荒げているわたくしを見て、彼が慌てた。絡めた指を慰めるようにすりすりしてくれる。だが、その彼の指で触られている小さな手の部分からすら、体全体に響くくらいに感度が高まりすぎているわたくしを襲ってきた。

「はぁ、トーラ、胸のマッサージはもう結構ですわ」
「え? マッサージ?」
「え? 今のは、先ほどトーラがしてくださると仰っていたマッサージでは?」
「え? 今のは、もうマッサージじゃなくてね、あー……、なんと言ったらいいのか……」

 突然、彼がしどろもどろになった。何事なのか訝しみつつ、彼の話を聞いていると、どうやら、マッサージは最初の頃にとっくに終わっていたらしい。
 ここに来てようやく、わたくしはマッサージというのは彼の冗談半分の言葉で、とっくに夫婦の営みの時間になっていたのだと知り、全身が火だるまのように熱くなった気がした。

「やだ、わたくしったら。てっきり……。申し訳ありません」
「いや、キャロルがこういう事は知らなくて当然だ。体験もすませていて何もかも知っていたら、それこそ嫌だ。キャロル、じゃあ力を抜いて」
「あ、あの……」
「止めないって言ったでしょ? 僕も慣れていないけれど、出来る限り優しくするから」
「はい……」

 とんでもない勘違いから、すっかりそういうムードが消え去ったかと思ったものの、彼の動きと言葉で、あっという間に色艶めいた空気になる。

「ん……」
「キャロル、怖いかい?」
「少しだけ。でも、トーラだから、大丈夫ですわ」
「君って人は、本当に……。そんな事を僕に言ってくれるのは、世界中どこを探してもキャロル、君だけだ」
「そうだと、嬉しいですわ。トーラの素晴らしさは、わたくしだけが知っていればいいです」
「うん、僕も、キャロルにだけ、わかってくれたらいい。僕の妻になってくれて、本当にありがとう。好きだ」
「トーラは、自信が無さげにそう言いますけれど、世界に誇れる方なのですわ。ふふ、大好きです」

 下着はすでに取り払われていて、たった数枚の布がないだけでとても心もとない。そこに、彼の手が入り、自分でも触れた事のない部分をそっと触られた。

「ん……!」
「痛いかい?」
「痛くはないのですが、その、ああっ!」
「なら、続けるよ」
「はい、はい……。あ、あ……!」

 足の付け根にある粒を指で押し付けられぐりぐりされる。どこからか、沢山の水が溢れていて潤滑剤のように、彼の指を滑らせた。

 比べものにならないほどの体全体を襲い来る感覚に、息が上がる。一気に駆け巡るそれに、動かない体全体が浸食された。
 ぐりっと大きくそこを摘ままれた瞬間、頭が真っ白になり呼吸が止まる。数瞬のち、入っていた力が抜け息を置荒げていると、ぐるりと体をうつ伏せにされたのであった。

















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