完結R18 異世界に召喚されたら、いきなり頬を叩かれました。

にじくす まさしよ

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もしもしかめよ ※要素あり

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 フロントたちが、本性の時のアレを絶対に私に見せないようにしてくれているのは分かっていた。亀の時は、ころりんとひっくり返っても、普通は隠れていて見えない。

 実は、一度だけ、一瞬見た事はある。

 この世界に来てすぐの頃のフロントのアレである。ころりんとひっくり返っている彼を助け起こした時に、しっぽからにょっきり出た大きなアレを目撃した。じろじろ見るわけにも行かないからさっと視線をそらして、見てませんよーって感じで平静を装っていただけである。

 人間の姿の時のふたりのアレも私には大きすぎるくらいだけど、亀の亀さんは、なんというか凶悪なくらい長くて、亀の姿との比率的に巨大だと思う。フロントよりも大きなリクガメのインテークになるとどれくらいなんだろうか?

 単なる好奇心というか、どんな形で、どこにそれが仕舞われているのか気になってはいたのだ。

 獣人同士だと、亀さんの姿で愛し合うカップルも多いから、女の人に聞いたらわかるとは思うんだけど、いかんせん、こっちの世界の女子トークには、男女のきゃあきゃあいうような赤裸々な暴露話なんてない。イラストも写真も動画もない。私には隠していて、本当はどこかにあるかもしれないけど。

『え? リア、いくら愛する君の頼みでも、そ、それはイヤだ! あんな汚らわしいモノなんて見たらリアの目がおかしくなる! わ、わかってくれ!』
『リア様、なんと……は、破廉恥な。嬉しいが、リア様がそういうなら恥ずかしいが……いや、やっぱりダメだ!』

 ふたりに、一度見せて欲しいって冗談まじりで伝えたら、顔を真っ赤にして拒否された。ふたりのほうがピュアな乙女みたいな反応だから、しつこく言うと、まるで私が変態みたいに思えて諦めたのだ。こっそり覗けるチャンスがそのうちあるだろうし。

 でも、ふたりのガードはなかなか硬かった。全く隙がないから、もう亀さんの亀さんを見なくてもいいかなーって残念だけど諦めようとした。せめて、図鑑とかあったら良かったんだけど生憎ないからしょうがない。

 だけど、フロントとインテークの子どもを卵で楽々産んで、ちょっと好奇心にかられた。一歳半になる我が子の、甲羅から出ているしっぽの付け根をちょんちょんしてみた。まだまだ小さなリクガメたちは、甲羅も柔らかい。くてんとしてぐにゃぐにゃくにゃりんだった。

 しっぽの皮から、にょきっと可愛いものが出てきてびっくりした。ダメもとだったから、本当に出るとは思わなかった。やっぱりフロントのアレもしっぽから出ていたんだなと、うんうんひとり頷いていると、ペンギン姿のフューエルさんがやってきて、興味深げに一緒に覗き込んだ。

「フューエルさんも、亀さんのが珍しいの? 完全収納ってなんだかびっくりだよね。大切なものだからかな。子供のうちに、包茎ってムキムキしてあげた方がいいんだよね?」

「カァ」

 馬鹿みたいに、何の気なしに言った私の言葉に対して、カラスみたいな鳴き声で、うんって言ってくれた。たぶん。よくわからないけど、息子が将来困らないように、なんとなくムキムキしてみた。これでいいのか悪いのかさっぱりわからなくてやめると、しゅるしゅるソレが収納されていった。
 因みに、フューエルさんもペンギンのペンギン君も見せてくれない。暫く、うちの息子をふたりで見ていると、子供が起きた。

 私がすぐ側にいるのが嬉しいのか、小さな手足をぴょこぴょこしている。そっと手のひらにのせて撫でると、うっとり目を閉じてじっとしている姿が可愛くて愛おしい。さっき大切な部分を触っていた事は秘密にしておこうと思う。

 もう少し大きくなったら自由自在に人化できるみたい。見慣れた人間の赤ちゃん姿も見ているから、人間だけの世界と違って、沢山の悦びや驚き、そして幸せをこの子たちには貰っている。

 フロントとインテークがお仕事でいない間は、こうやって侍女さんたちとフューエルさんとで子ガメたちを見ている。そのせいか、子ガメたちはフューエルペンギンさんに懐いてしまった。ちゃんと、フロントとインテークの事もパパだって認識しているんだけど。うーん、フューエルさんは、ころりん保育園の保育士さんって感じかもしれない。


 なんだかんだで、フューエルさんの事も好きになった私は、彼の刑期が終わって人化出来るようになったら結婚する約束をしている。



 それから1年くらいして、フューエルさんと私は結婚した。フューエルさんは、ペンギン姿でも営業マンをリモートでやっていたようで、半分の賠償金を支払ったにも拘わらず、財産を2倍にしたらしい。多額の持参金付きの花婿が、気前よくそのお金の2/3をトータス国の慈善事業に寄付したから人気者になった。

 ケープ国のほうにも、きちんと納税していたようだけど、私と結婚する事でトータス国の国民になるから、税収が激減するケープ国のお偉いさんが、国籍を二重で持ってていいってフューエルさんに伝えたようだ。

「まあ、私のリア様や新しい家族たちの国の行き来をフリーパスにしてもらったり、トータス国との貿易でかなりいい条件を飲んでくれたりしたからね。お金はまた稼げばいいし、私はリア様と結婚できるのなら国籍とかどうでもいよ」

 収入の半分くらい取られる彼は、私にはわからないお金の感覚の持ち主だ。たぶん、お金じゃないところでケープ国とトータス国相手に、なにか政治的というかそういう戦いをして、私に伝えたのとは違う色んな事で、取られるお金以上の何かを勝ちとったのだと思う。

 子供たちも今日は人化していて、日本でいう所の幼稚園児くらいには大きくなった。産まれた時の卵や殻を一生懸命破って顔を見せてくれた時の事を、ついさっきのように思い出され、瞼がじんわり熱くなる。

 子ガメたちには、もう数百という縁談が持ち上がっているけれど、全部フロントがシャットアウトしてくれている。漫画とかでよくある、心の通わないそれどころか合わない相手と政略結婚とか、婚約破棄とか、仮面夫婦で不倫しあっているとか、離縁たたきつけるとか、そういうのは子供たちにはさせたくないからね。実際は仲の良いご夫婦が多いそうだけど、まずはお互いに好きな気持ちが産まれてから結婚に向かっていって欲しい。

「リア、フューエル、おめでとう。これから新しい家族が増えるね。よろしく」

「リア様、フューエル殿おめでとう。これからもよろしく頼む」

「ママーおめでとう!」

「ふーえるぱぱ、おめれとー」

 6人の子供たちが、それぞれに私たちを祝福してくれている。子供たちがはしゃいでフューエルさんに飛びつくのもいつもの幸せな光景のひとつだ。
 高いとはいえ、私とそうは変わらない身長で、体格もインテークより細いのにバランスをひとつも崩さず子供たちと相手をしてくれる。

 うーん、私だったら、夫の妻やその子たちに、彼らみたいに嫉妬とかなしで対応できないかもしれない。相変わらず、喧嘩しながらも夫同士仲良くしている三人は、どことなく大きな絆で結ばれているような気がした。





次回、フューエルさんとのRです

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