【完結】【R18】クリスマスプレゼントは、魅惑のガチャ~婚約者をNTRれた令嬢は、ガチャでサンタさんを引き当てたい!

にじくす まさしよ

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39-1 前代未聞の醜聞と公開裁判

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 ちょっとまって、単なる認印シャチハターンと言った? 

 そんなはずはない。だって、これはこんなに高価な物で、お父様はどれほど殺害しようとも、この印に守られていたじゃないか。


 シーリガールの頭は混乱していた。
 愛人は、腹の痛みで意識が朦朧としているが、なんとなくではあるが形勢が不利な事を悟っているようで、シンディが命令したので静かにしないといけないと、必死になってうめき声すら我慢していた。

「その印は、たんなる認印なのです。それには代々伝えられてきたアールトネン伯爵の血脈を受け継ぐために、後継者が成人に満たない場合、その後継者の血脈を受け継ぐ一番近しい親族に与えられ、後継者が成人になるまでの間、後継者を守るためだけに、この屋敷の守護がかかるだけのもの。単なる認印であり、その装飾や魔石はただのまがい物です。何を勘違いしていのかは知りませんが、アールトネン家の血を父は継いでいません。亡き母がアールトネン伯爵だったのですから、当然、亡き母の唯一の子であるわたくしだけが後継者なのです」

「は? だって、この印は……」

「単なる、まがい物の安い認印です。成人し、正式に屋敷の守護者にも認められた今、このアールトネン伯爵はわたくしが継ぎました。伯爵代理であった亡き父にはなんら権利はありません。そこの女が父の愛人というだけで、我がアールトネン伯爵家に対し、無関係にも拘らず、今までの間よくも好き放題してきましたね? 未成年だったわたくしには、本来の魔力の1/10しかないのをいいことに……」

「何よ、それ!」

「これは、アールトネン伯爵に限った事ではありません。高位貴族なら、どこの家も同じです。エローヤーネン侯爵家とて、屋敷に住まう守護者に認められるよう、その血脈だけを継いでいくのです」

「な……な……」

「さて、今回のアールトネン伯爵家の使用人たちへの愚かな行為に、元伯爵代理殺害、そして、わたくしに対する名誉棄損、侮辱、殺人未遂などの重犯罪。その他、乗っ取り計画や、そこのお前の本当の父親が関わった数々の大罪。それに……。エローヤーネン侯爵子息への洗脳など、余罪はたくさんあります。然るべき法に則って、お前たちを裁きます。特に、国に禁止されている奴隷販売をしていましたね? この事は国に報告済みです。もうすぐ国家機関が捕縛に来ます。抵抗したり逃げようとすれば、この場で処刑してもよいとの許可は得ています。おとなしく投降せよ」

 シンディの威圧を受けて、シーリガールの目がくるんと白目を向いた。握り込んだ印を、オットに踏み抜かれたその手の平に握りしめたまま、後頭部を床にがんっと打ち付け、そして気を失ったのであった。



※※※※


 アールトネン伯爵家の乗っ取りを企む平民たちのこの騒動は、被害者が多岐にわたり、禁止されている奴隷の買い付けなども問題視された。

 彼らを支持した使用人たちも全て牢に捕らえられ、順次、容赦のない取り調べを受けていた。

 特に、アールトネン女伯爵を直接虐げ、シーリガール達が彼女を亡き者にせんとする計画に嬉々として協力していた者たちは、たとえ下位の貴族籍出身であったとしても絞首刑に処された。彼らの生家には、アールトネン伯爵の責任も問う者もいたが、そのどれもが、叩けば埃まみれであり、使用人たちを介してシーリガール達に手を貸した事も判明していったのである。

 国王は、そういった貴族社会の膿を吐き出すために、あえて公式に訴えたアールトネン伯爵の功績をたたえた。
 本来であれば、爵位取りつぶしになりかねない醜聞である。たかが平民や、先代当主の夫にしてやられたシンディの無能さを声高く訴える者もあったが、彼らの被害者でもあるエローヤーネン侯爵の口添えや睨みもありその声は小さく鳴っていった。








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