【完結】【R18】クリスマスプレゼントは、魅惑のガチャ~婚約者をNTRれた令嬢は、ガチャでサンタさんを引き当てたい!

にじくす まさしよ

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39-2 前代未聞の醜聞と公開裁判

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 使用人たちや関係者が次々に処罰されていき、あの日から三か月が経過した。まだ肌寒いとはいえ、雪が溶けて温かくなっており、庭に咲き乱れる花が満開になって来訪者を歓迎していた。

「それでは、テッポ様はまだ……?」

「あの子は、あの時に見せたシーリガールの本性や、こうして明らかになっていく事象を目の当たりにしても、これまで叩きこまれた洗脳の内容との差を理解して昇華するには心が弱い。魅了や媚薬ならそれを取り除けるものの……。こうなっては元に戻ったかどうか。快復したとしても長期間の療養が必要になるだろうね」

 シンディは、ターニャの寂しそうな横顔を見て、胸が苦しくなる。それもまた、自分の関わり方次第で阻止できたのではないかと思うと心が傷んだ。

 ツンっとターニャの指先がシンディの額に当たった。やや視線を下げていたシンディの顔が真正面に戻り、目を丸くした彼女とターニャの視線が交差する。

「結果論ってやつさ。自分を責めてもどうしようもない。そもそも、私があの家を出なければ良かった話でもあるんだ。いいかい、テッポは自らの意志がしっかりしている時期に、あんたを裏切り、シーリガールを選んだんだ。誰が悪いかといえば、不実をした孫さ」

「ターニャ様……」

 眉をハノ字にして情けない瞳になった、年若い女伯爵ににっこりと微笑む。

「それにしても、良かったのかい? うちとしてはあんたの言葉に救われたしありがたいんだけどね」

「はい。今回の騒動は、ターニャ様とオット様の助力により解決したも同然です。今回の婚約においてのテッポ様の犯した罪は、条項の一つである、〈万が一、片方がもう一方を、なんらかの形で不誠実な言動をした場合、財産の8割を慰謝料として差し出し、そして、当人の貴族籍剥奪を速やかに行うべし〉。すでに侯爵者様が貴族籍をはく奪しております。そして、慰謝料については、一旦お支払いしたという形をもってその条項は成されました。ですが、その直後に、わたくしからターニャ様とオット様へ、お支払いいただいた慰謝料と同じ額を今回の協力金として差し上げるのは別物ですから」

 シンディは、侯爵がテッポを除籍した上に国外に放逐しようとするのを止めた。あくまで契約上のペナルティは除籍処分と慰謝料だけだ。さらに、亡き父が伯爵家に入り込ませたシーリガールは、一時的に伯爵代理の独断ではあるもののアールトネン伯爵の保護下にあったため責任が全く無いとも言えない。そのため、今後の彼の行き先については任せるとは言ったものの、領地の片隅で療養をして一生涯孤独に過ごすことになるだろう彼には、それで充分だと思った。

「数年ではありますが、テッポ様は心細かったわたくしを支えてくださいましたもの。一番弱くて頼りない時期に、テッポ様の思惑がどうであれ、彼がいなければ、わたくしは亡き母の言葉に背いていたと思います。ですので、これから先、余生、というには長いですが療養して、いつか正気に戻った時に改めて謝罪のお手紙をいただければと思いますわ。許すかどうかは、わかりませんが」

「シンディ……あんたって子は、ほんとに底抜けのお人よしだね。孫は、アールトネン伯爵に連れて行った時、私も息子もテッポの首を差し出そうとしたんだ。だけど、あんたは契約に則って侯爵家とテッポを処分した。その後のあんたが提案した内容には、息子も感激して足をこちらに向けて寝る事が出来ないと泣いて喜んでいたんだ。だからこそ、ずっと支えてやりたくなる。徐々に力を取り戻しつつあるエローヤーネン侯爵は、かつての権勢を取り戻した以降、アールトネン伯爵の支援をし続ける事になるだろう。案外、あんたは私よりも策士さ」

 流石、冷徹の女伯爵と言われた先代当主の娘だと、頭をそっと撫でてにっこり微笑む。

  それは、まるで本当の孫娘を扱うかのようで、侯爵家だけでなく、彼女自身もまたシンディに協力を惜しまないと言っているも同然であった。

「ふふふ、ターニャ様はじめ、皆のお陰ですわ」

 二人は、のどかな昼下がりを穏やかに過ごした。テーブルの上には、虹色ピュヨコがいて、甘いムンッキをほおばり、頬に砂糖をいっぱいつけていた。





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