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29 戦闘狂の取扱説明書
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アールトネンの主が帰って来ないとはいえ、すでに権利を失っているのにも拘らず元伯爵代理たちが本邸にいる。
主が帰ってくるまでに、この屋敷からあの者たちを追い出そうと血気盛んになっているピュヨッ子たち。
「ターニャちゃんの頼みだしなあ……。ヤレヤレ」
彼らとの温度差など気にせず、マイペースにふらりとあとをついて行く。魔力はあまりないが勘が鋭い彼は、適当に足を進めては窮地の彼らを助けていった。
ついでに、道中の、ターニャとの再婚を邪魔しようとせんばかりに攻撃をしかけてくる本邸の手練れの魔法攻撃をその剣で振り切って昏倒させ続けた。
「……、一気に急所を貫いたり首を刎ねたりしたらターニャちゃんが怒るんだよな。あー、めんどくさ。ちょっとぐらいいいかな?」
彼もまたどこか頭のネジが飛んでいるのだろう。戦場では英雄となれるほどの彼ではあるが平時ではたんなる戦闘狂で危険人物だ。
彼の中はターニャで埋め尽くされており、彼女がいなければ世の中どうなってもいいと本気で思っている。
彼をコントロールできるのはターニャのお願いだけなのだ。
また一人、背後から切りつけて来た相手を、戦闘意欲をなくすように反撃する。
実際の体へのダメージはそうでもないが、普段やられたことのない相手は腰を抜かすのだ。
「お前、邪魔」
一言そう呟くと、目の前で震えて泡を吹きながら、浅い傷をつけたために腕から血が出ているのを手で必死に抑える馬番見習いの少年の腹を蹴り上げた。
ターニャとの目くるめく幸せな愛の生活を邪魔するハァエが鬱陶しい。さっさと片付けてしまいたい。
ハァエがすぐに意識を失ったため、彼の着ていた服で、ターニャにしてたいなぁと思っている緊縛をさっと施す。
「くそっ! ターニャちゃんにした事もないのに、こんな……。ああ、こんな風に縛られたターニャちゃんが俺を『愛してる』なんて照れてうっとり見上げてくれて……、くぅ~さいっこう! あ~、綺麗だろうなあ」
悪態をつきながら、自分にベッドで縛られ恥ずかしがるターニャの姿を思いにやつく。
ヨウルプッキが最後の配下と戦い始めた頃、そろそろいいかなと思い、最後にターニャが言い残した人物を捕らえに行こうと屋敷の外に一つ跳躍して高い塀の上に降り立った。
「そう言えば場所を知らないな……。セパスチの坊主が行ってるはずだが……。うーん? こっちかな?」
なぜか気になるさびれた酒屋の灯りが見えた。行ってみるかとのんびり独り言ちると、ゆっくり足を動かした。
散歩でもしているかのように進む速さは、世界最速の魔物とされるピューマーよりも速い。あっという間に酒場の入り口に移動した。
中では、セパスチが愛人の情人と対峙しているようだ。
「へぇ……あいつやるなあ」
ぴゅうっと口笛を鳴らして感嘆した相手はセパスチではない。セパスチは情人の一撃でやつの足元にうつ伏せになった。うめき声を上げているがもう動けないようだ。
情人が、魔力を込めた手刀で、とどめを刺すためにセパスチの首を狙い始めた時、のほほんとした声が酒場に響いた。
愛人=元伯爵代理(シンディの父)の愛人(シーリガールのママ)
愛人の情人=シーリガールのパパ
まだ公にはシーリガールは元伯爵代理の娘となっていますのでややこしい表現をしています
主が帰ってくるまでに、この屋敷からあの者たちを追い出そうと血気盛んになっているピュヨッ子たち。
「ターニャちゃんの頼みだしなあ……。ヤレヤレ」
彼らとの温度差など気にせず、マイペースにふらりとあとをついて行く。魔力はあまりないが勘が鋭い彼は、適当に足を進めては窮地の彼らを助けていった。
ついでに、道中の、ターニャとの再婚を邪魔しようとせんばかりに攻撃をしかけてくる本邸の手練れの魔法攻撃をその剣で振り切って昏倒させ続けた。
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彼をコントロールできるのはターニャのお願いだけなのだ。
また一人、背後から切りつけて来た相手を、戦闘意欲をなくすように反撃する。
実際の体へのダメージはそうでもないが、普段やられたことのない相手は腰を抜かすのだ。
「お前、邪魔」
一言そう呟くと、目の前で震えて泡を吹きながら、浅い傷をつけたために腕から血が出ているのを手で必死に抑える馬番見習いの少年の腹を蹴り上げた。
ターニャとの目くるめく幸せな愛の生活を邪魔するハァエが鬱陶しい。さっさと片付けてしまいたい。
ハァエがすぐに意識を失ったため、彼の着ていた服で、ターニャにしてたいなぁと思っている緊縛をさっと施す。
「くそっ! ターニャちゃんにした事もないのに、こんな……。ああ、こんな風に縛られたターニャちゃんが俺を『愛してる』なんて照れてうっとり見上げてくれて……、くぅ~さいっこう! あ~、綺麗だろうなあ」
悪態をつきながら、自分にベッドで縛られ恥ずかしがるターニャの姿を思いにやつく。
ヨウルプッキが最後の配下と戦い始めた頃、そろそろいいかなと思い、最後にターニャが言い残した人物を捕らえに行こうと屋敷の外に一つ跳躍して高い塀の上に降り立った。
「そう言えば場所を知らないな……。セパスチの坊主が行ってるはずだが……。うーん? こっちかな?」
なぜか気になるさびれた酒屋の灯りが見えた。行ってみるかとのんびり独り言ちると、ゆっくり足を動かした。
散歩でもしているかのように進む速さは、世界最速の魔物とされるピューマーよりも速い。あっという間に酒場の入り口に移動した。
中では、セパスチが愛人の情人と対峙しているようだ。
「へぇ……あいつやるなあ」
ぴゅうっと口笛を鳴らして感嘆した相手はセパスチではない。セパスチは情人の一撃でやつの足元にうつ伏せになった。うめき声を上げているがもう動けないようだ。
情人が、魔力を込めた手刀で、とどめを刺すためにセパスチの首を狙い始めた時、のほほんとした声が酒場に響いた。
愛人=元伯爵代理(シンディの父)の愛人(シーリガールのママ)
愛人の情人=シーリガールのパパ
まだ公にはシーリガールは元伯爵代理の娘となっていますのでややこしい表現をしています
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