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イエス、フォーリンラブ?
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あっという間に学園に入学した。新入生代表は、王子の婚約者であり、成績ダントツ一位のわたくしが勤める事になる。
王子は、わたくしを目にするなり眉をしかめるが、対外的には完璧王子として名高いため、人目につく時にはきちんとした対応をとるようになっていた。
「イザベル、お前はほんとうに可愛くない……」
「申し訳ございません……」
ぽつりとつぶやくその言葉は、わたくしの才能に嫉妬しているからか、ヤキモチ一つ焼かずに、王子をチヤホヤしないためか。
──うるさいなあ、ほっとけよ。わたくしはてめえの後ろのナイトハルト様を推して、心の平穏を保ちたいだけなのに。
ナイトハルト様をガン見出来ずに、しょんぼりと項垂れる。すると、一貫して冷たい態度を取り続けることのできない甘いおぼっちゃまはフォローを入れようとするがどうでもいい。
──あら? いつも凛々しく、感情を表に出さないナイトハルト様が、少しわたくしを見て憐れんでくださっているのかしら? なんて優しく見つめてくださるの?
「いや、それほどまでに反省しているならうんぬんかんぬんちんぷんかんぷん」
王子がなにかを言っているが、ナイトハルト様のきりっとした瞳に、わたくしへの優しさが灯っているような気がして、一瞬彼と視線を交わしてしまった。
──やだ、ご褒美? わたくし、明日しんじゃう? あ、視線をそらされちゃったわ……。
先ほどの甘い一瞬だけでごはんが3杯はいける。そんな風に、今日も今日とてナイトハルト様を全力で推していると、妹の声が響き渡った。
「お姉さま~。ランチをご一緒してくださいませぇ」
「ヒーロニアンヌ、ほほほ、そんな風に大きな声を出してははしたなくてよ? そんなあなたも、とてもかわいいのですけれどもね、きちんとなさい」
「お姉さま、ごめんなさい……。ふふふ、わたくししっかりしますわっ!」
「それでこそわたくしの妹よ。さあ、ランチに行きましょう。殿下、それでは御前失礼いたします」
「あ、王子様。申し訳ございませんっ!」
「いや、ヒーロニアンヌだったか。ちょうどよい、いっしょに行こう」
「よろしいのですか?」
「ああ。しかし、姉とは違いなんと愛らしい……」
──ひ・と・こ・と・よ・け・い・だ・っ!
でもまあいいわ。ヒーロニアンヌはなぜかわたくしになついている。わたくしを貶めた王子に対して惚れるなんてありえない。
──お姉さまをいじめる王子なんて、嫌いよーとか言われてフラれちまえばいい。
そう思いながら内心ほくそ笑んでいると、なんと、ヒーロニアンヌの頬が赤く染まり瞳がキラキラ輝いているではないか。
──うっそーん。あ、こいつ見た目だけは絶世の美男子(笑)だった。こりゃダメだ。王子の言葉の半分も聞いていないわね……。ヒーロニアンヌ、そいつはダメよ。地位良 見た目良だけど、性格不可、なにせ男の股間が不可(異世界基準であり、個人の評価は異なる場合があります)らしいのよ。後悔するわよ? お相手した令嬢たちの話を盗み聞きしたけれど、やっぱりアレはないらしいのよ! 人生損をしちゃうって皆さん言ってるのよ! だから、やめとけっ!
そんなわたくしの願いもむなしく、わたくしの目の前で妹は恋に落ちてしまったのであった。
王子は、わたくしを目にするなり眉をしかめるが、対外的には完璧王子として名高いため、人目につく時にはきちんとした対応をとるようになっていた。
「イザベル、お前はほんとうに可愛くない……」
「申し訳ございません……」
ぽつりとつぶやくその言葉は、わたくしの才能に嫉妬しているからか、ヤキモチ一つ焼かずに、王子をチヤホヤしないためか。
──うるさいなあ、ほっとけよ。わたくしはてめえの後ろのナイトハルト様を推して、心の平穏を保ちたいだけなのに。
ナイトハルト様をガン見出来ずに、しょんぼりと項垂れる。すると、一貫して冷たい態度を取り続けることのできない甘いおぼっちゃまはフォローを入れようとするがどうでもいい。
──あら? いつも凛々しく、感情を表に出さないナイトハルト様が、少しわたくしを見て憐れんでくださっているのかしら? なんて優しく見つめてくださるの?
「いや、それほどまでに反省しているならうんぬんかんぬんちんぷんかんぷん」
王子がなにかを言っているが、ナイトハルト様のきりっとした瞳に、わたくしへの優しさが灯っているような気がして、一瞬彼と視線を交わしてしまった。
──やだ、ご褒美? わたくし、明日しんじゃう? あ、視線をそらされちゃったわ……。
先ほどの甘い一瞬だけでごはんが3杯はいける。そんな風に、今日も今日とてナイトハルト様を全力で推していると、妹の声が響き渡った。
「お姉さま~。ランチをご一緒してくださいませぇ」
「ヒーロニアンヌ、ほほほ、そんな風に大きな声を出してははしたなくてよ? そんなあなたも、とてもかわいいのですけれどもね、きちんとなさい」
「お姉さま、ごめんなさい……。ふふふ、わたくししっかりしますわっ!」
「それでこそわたくしの妹よ。さあ、ランチに行きましょう。殿下、それでは御前失礼いたします」
「あ、王子様。申し訳ございませんっ!」
「いや、ヒーロニアンヌだったか。ちょうどよい、いっしょに行こう」
「よろしいのですか?」
「ああ。しかし、姉とは違いなんと愛らしい……」
──ひ・と・こ・と・よ・け・い・だ・っ!
でもまあいいわ。ヒーロニアンヌはなぜかわたくしになついている。わたくしを貶めた王子に対して惚れるなんてありえない。
──お姉さまをいじめる王子なんて、嫌いよーとか言われてフラれちまえばいい。
そう思いながら内心ほくそ笑んでいると、なんと、ヒーロニアンヌの頬が赤く染まり瞳がキラキラ輝いているではないか。
──うっそーん。あ、こいつ見た目だけは絶世の美男子(笑)だった。こりゃダメだ。王子の言葉の半分も聞いていないわね……。ヒーロニアンヌ、そいつはダメよ。地位良 見た目良だけど、性格不可、なにせ男の股間が不可(異世界基準であり、個人の評価は異なる場合があります)らしいのよ。後悔するわよ? お相手した令嬢たちの話を盗み聞きしたけれど、やっぱりアレはないらしいのよ! 人生損をしちゃうって皆さん言ってるのよ! だから、やめとけっ!
そんなわたくしの願いもむなしく、わたくしの目の前で妹は恋に落ちてしまったのであった。
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