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夢のようだ。まさか、この俺にこんな幸せが訪れるなんて……※

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ナイトハルト様視点 


  意識を失った彼女を、嫌がられるだろうとは思いつつ、緊急事態だと言い訳のように心の中で言い聞かせて抱き止めた。

『うれしい』

  そう、小さく聞こえた気がして、信じられずに必死に声をかけた。

  完全に脱力しており、重量のあるドレスを身にまとっているとはいえ彼女自身が軽く苦にならない。移動の時の振動をできる限り最小限に押さえるためゆっくり足を進める。

  部屋の前にたどり着き、片手でドアを開くため、ぐっとその体を引き寄せる。ふわりとした芳香と、肌に触れる柔らかな彼女を感じて、中心が熱を持った。

 中の部屋は、予め整えられており、彼女を寝室の大きなベッドへそっと降ろす。顔色があまりにも悪い。せめて、呼吸が楽に出来るようにしなければと思い、必死でドレスをゆるめようと試みた。

 思わず、白い肌や、大きな胸の谷間に視線が行くが、ドレスなど脱がせたりした事がないため、どこからどう手を付けて良いのかほとほと困り果てた。デコルテの部分に指を入れてひっぱったりしてみたものの、びくともせず、胸を余計に締め付けてしまう始末であった。

「これは、どうやって緩めたらいいのだ? ここか? こうか?」

 背中のほうに何かがあるのかもしれない。俺の服のようにボタンとかがないか確かめるため、ころんと彼女の体をうつ伏せにした。何やら、小さなボタンや、縫い目があるが、やはりどう外せばいいのかわからない。

 全く歯が立たない。ナイフで切るわけにもいかず、縫い目やボタンのあたりを触っていると、ビリビリと繊細なレースが破れてしまい焦った。

「う……。すまない、破れてしまった……。弁償は必ずする……」


 誰も聞いていない部屋で、しでかしてしまった失態を弁明してしまう。

 だが、そのおかげでゆとりができたため、ドレスを腰の部分までずりさげる。すると、その下には、これでもかというほど、クロスがいくつもある硬い下着が目に飛び込んだ。この時は、欲情をあおるというよりは、迫りくる強大な敵のように見えて、その紐を、左右の小さな穴からつぎつぎと外していった。ようやく全ての紐がコルセットからはずれると、そのままドレスごと彼女の体から取り除く。その際、ドロワースというのだろうか、ふんわりと腰から膝まで覆っていた下着まで外してしまった。

『ん……、はぁ』

 小さな吐息から漏れるような声が耳を擽った。

  ふと、頭が働きだすと、小さな白い背中に、緩やかなカーブを描いた先には、つんと上を向いたぷるんとしたおしりがあった。もうし分け程度に、左右を紐で結ばれた下着が目に飛び込んで来てしまい、ようやく、必死になりすぎて、女神に馬乗りになり、まるで婦女暴行をしでかす悪漢のような真似をしていた事に気付いた。

 慌てて彼女とベッドから降りたが、俺の中心は、痛いほど張り詰めており動きづらい。しかも、目が覚めてきている気配を感じて、彼女から背を向けて立ちすくんだ。

 鎮まれ、鎮まれと考えても、目に浮かぶのは、胸元や、腰の曲線、そしてやわらかそうなおしり。小さな下着からは、彼女の下生えが数本覗いており、それがまた、俺のそこを刺激してしまう。

  すでに、自身から滴る液が、下着を濡らしてしまい気持ちが悪く、それが、ますます自分の不甲斐なさや、身の程知らずの願いを嘲笑っているかのようだ。



──やばい……。これ以上彼女の事を考えていたら、それだけで、触ってもいないのに出てしまいそうだ。



 シーツが擦れる音がした。どうやら寝返りを打ったようだ。状況が見えない分、妄想に先ほどの情景を加味した彼女の痴態が目に浮かぶ。声を掛けられ、慌てて状況を説明する。何を言ったのかさっぱりわからないが、不味い事を口走った気がした。

  だらだらと嫌な汗が流れ落ち、俺は、外に出るという基本的な行動すら考えつかず、痴漢行為をしてしまった事もあり罵倒される事を覚悟した。

『ありがとうございます』

 ところが、彼女は俺に礼を言ったどころか、以前から俺に好意を寄せてくれていたと言う。

 嘘だろうと、都合のいい勘違いかもしれないと必死に自身を律しようとしたがもう無理だった。

 これまで、何度も何度も、彼女を思い、自室で欲望を放った。時には愛を囁きながら、ある時は、泣き叫ぶ彼女を組み敷いて無理やり。王子の護衛をしているおかげで、知識だけは十分すぎるほどある。ありとあらゆる妄想の中の彼女は、いつだって俺を誘い、淫らに啼いて快楽に溺れるのだ。

 俺は、もう、己の欲望を隠すことなく、いや、彼女に見て欲しいとばかりに、そちらを向いた。彼女は、シーツを胸で隠しており、先ほど桃源郷のような情景の下半身まですっぽりと隠していた。

 彼女の潤んだ瞳、小さく震える唇、羞恥に染まった頬と、シーツから出た白い肩から胸の谷間。それを隠す華奢な腕。隠された体の盛り上がりにいたる全てがさらに俺のそこを刺激していった。

 体を彼女に寄せて、触れたくてたまらなかった、その剥き出しの肩をそっと押した。スローモーションのように、シーツの海に体を沈めさせたので、潰さないように体に乗り上げた。

 合わせた唇には、これまでの想像をはるかに上回るほど柔らかく美味だった。抵抗されない事で、次々と彼女の奥を暴くように舌を合わせる。

 すでに、俺の欲望は、先からだらだらと液を垂れ流し、今すぐ彼女の中に入りたいと暴れていた。

『優しくしてくださいませ』

 すでに、引き返す気などなく、彼女と自分の望みのまま、手を胸のふくらみに当てたのだった。





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