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殿方が非常に喜ぶと本に書かれてあったので、口だけでと思ってみたものの※※

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 二度目の絶頂を迎え、息を整えた後。

 わたくしをまるでその体で檻のように囲い込むナイトハルト様が、あまりにも幸せそうで、切なそうで、そして、辛そうな瞳をなさっているものだから……。

 わたくしのはしたない場所にぐりぐりと擦りつけられた彼の熱は、未だに張り詰めたまま。なんだか、わたくしを望んでくださる象徴のようでとても嬉しく感じてしまう。けれど、どうすればわたくしの中に誘う事が出来るのか、本ではソコを拡張させ、柔らかくすればよいと書かれてあるだけで方法については、はりがたと言う物を使ったり、指を使用したりするとだけしかなかったためわからない。

 思うに、殿方が閨教育やお遊びでそのあたりは学ぶところを、きっと実直でシャイな彼はそんな事をせず、きっと自らを律して純潔を守ってくださったのだわ。

──そうよね? いくら嫌われる容姿や、低い声、不愛想な態度であっても、相手する女性はいたはず……。まさか、慣れてなさそうだけどちょっとは経験があるのかしら? ううう、お相手の女性に嫉妬してしまう……。でもまあ、いいわ。

 今、彼が欲しているのはわたくしだけ。

「ナイトハルトさま……」
「ベル、何を……」

 わたくしは、上に馬にまたがるように乗り上げ、未だくっついているそこを腰を揺らして刺激した。ナイトハルト様が、眉をしかめて何かを耐えるかのように、でも、恍惚とした表情をなさる。

 腰を浮かせて、張り詰めた筋肉の塊の大腿の盛り上がりにそこを乗せる。くちゅりと音が鳴り、わたくしのはしたない蜜が、彼の太ももを汚してしまった。

 離れてしまって残念そうになさる彼を見下ろして、ふふふと笑う。少し渇いたわたくしの唇をチロリとなめると、彼が息を飲んだ。

 そっと、彼の天に向かってそそりたつ、雄々しい象徴に指を添わせる。

 先端の、魅惑的な透明の液を、そっと指先でつんとしたあと、びくりと震えるソコを根元からツーっと撫で上げれば、彼の吐息から漏れる低い声が発せられ、太ももに吸い付いているそこが熱くなる。

「ああ、なんという。俺の粗末で汚いものを、あなたが触れるなど……」
「嫌、でございますか?」

 触れて欲しくてたまらなさそうに、腰をあげて、彼の雄はさきほどよりも太く硬くなっているというのに。わたくしは、じっとしてなすがままの彼が可愛く感じてしまった。少し悪戯をするかのように、触れるか触れないかの微妙な位置で指先をそこに上下に、くるくるとさせていく。

「う……、あ。ベル、ベル……、意地悪をしないでくれ……」
「ナイトハルトさま、わたくしにどうして欲しいのです? あなたが仰る通りにいたしますわ」
「な……。そんな……」

 わたくしの言葉に、目を見開いた後、顔を真っ赤にして凛々しい眉をさげてしまう彼。コクリと唾を飲んで、彼の先端に口を近づけた。長い髪が邪魔なので、右手でソレの根元に指をはわせて左手で髪を耳にかけながら。

「どうしたらよろしいのかしら? 本ではここから先が濁されていて……。わたくし、わかりませんの」

 言葉と共に吐き出される息が触れたのか、こぷりと目の前で先端から彼の愛が零れて落ちる。

「……、そこは、あなたがするような場所ではない……」
「でも、わたくしは貴方に喜んでいただきたいの。ねぇ、」

 ないとはるとさま……

 そう吐息のように名前を呼ぶと、とうとう彼はわたくしと欲望に陥落した。

 彼は、顔を背けながら、わたくしの頭に大きな重い手をのせて先端を口に当てさせたのであった。


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