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8.綾香の日記②
綾香の日記②
しおりを挟む【日記5日目】
◾︎アドラの様子
アドラはガラガラが好き。
アケロによくちょっかいをかけているように見えるが、結局アケロに反撃されて泣いている。
力関係はアケロが上?
うんちがやっと2日に1回くらい出てくれる様になった。
アドラはずり這いを始めた。
◾︎アケロの様子
絵本が好き。
ただ全く私が読めないので、オル婆に読んでもらっている。そして私も一緒に聞いている。
私が読み聞かせするときは絵を頼りにそれっぽく読んでいるけど、オル婆と話している内容が違うのがバレているのか、本を叩く。
それも可愛い。
アケロの方がずり這いが早くて、お尻がよく上がるからやっぱりアケロの方が早いのかな?
◾︎オル婆の様子
獲物がかかるとなんだか悪い顔して笑う。
それが多分結構嬉しいときなのだろう。
肉好き、魚より肉みたい。
こりゃ元気だわ。
◾︎その他
お墓参りに行ける。
楽しみであるけど何回も書くけど絶対泣く自信しかない。
そろそろアドラとアケロの離乳食の話になっていている。ハチミツみたいな子どもにあげてはいけない物をオル婆に聞いているけど、毒以外は良いって返されて凄く、凄く不安。
オル婆の良いところでもあるけど、雑多なのは結構怖い。次また聞いてみる。
【日記6日目】
◾︎アドラの様子
ヒューバートさん、オル婆と私以外の人と初めて会った。泣いた。
人見知りをしていることがわかって安心。
ただ、ヒューバートさん泣かれて可哀想ではあったけど、良い人だからきっとすぐなれると思う。
そして書き忘れたけどハイハイした。
めちゃくちゃ嬉しい。
◾︎アケロの様子
ヒューバートさんみて固まった。そして泣いた。
ヒューバートさんに抱かれたからものすごく暴れて、引っ掻いた。ギャン泣き初めて見たかも知れない。
それでもヒューバートさんはなんとか抱っこしてくれているあたり本当にありがたい。
無理そうならオル婆が魔法で浮かせてくれているから、慣れるのも時間の問題かなと思う。
アケロもアドラより少し早くにハイハイを始めた。
びっくりなんですが、いつまでびっくりすれば良いんだろう。
◾︎オル婆の様子
遺骨を見つけたとき、オル婆も泣いてくれた。嬉しかったし、こんなに大切にされている事に有り難さも感じた。これが家族なのかなって改めて思った。
ヒューバートさんへの当たりが強めだけど、きっと私にはわからない愛情がものすごく隠れているんだと思う。
ヒューバートさんもまんざらで無いところが、やっぱりオル婆の人望だし、人柄だと思う。
◾︎その他
ヒューバートさんに求婚されてびっくり。
ガタイが良いのに商人で、職人でって凄く器用な人なんだと思う。
ただ惚れっぽくてハニートラップ的なのにはきっと物凄く弱そう。それでも人柄が素敵だなと思った。
手先が器用で、一晩でベビーコーナーにベビーゲートを作ってくれた。
そしてことあるごとに愛を囁かれるから、本気なのか冗談なのかわからなくなってきて最終的には面白くなってきてしまった。
とても暖かい人なんだと思う。
日用品は家の少し離れたところにこんもりと置いてあった。なんでもオル婆の存在を気取られることなく、もし見つかったとしてもゴミが転送されたように見せかけるために、半分壊れたようなものまで送る必要があるんだそうな。
オル婆の風魔法とヒューバートさんが担いで家まで持ってきた。
【日記7日目】
◾︎アドラの様子
ヒューバートさんに慣れたみたい。
ハイハイして寄って行って遊んでもらっていた。
そんなに振り回して良いのって思うくらい高い高いとジェットコースターみたいにブンブン揺らしていたけど、本人が楽しそうだから見守っていた。
オムツまで取り替えてくれて、洗濯までしてくれた。
神なのかな。
◾︎アケロの様子
まさかの掴まり立ちした。
ヒューバートさんから逃げるために見えておかしかった。
すぐ歩き出しそう。このスピードに慣れるしかない。不安になっていても仕方ない。
ヒューバートさんを見つけた瞬間に泣く。
ヒューバートさん笑う。アケロ泣く。オル婆笑う。私あやす。
これはこれでおかしかった。
◾︎オル婆の様子
ベビーゲートを作ってもらったことをいい事に、外におもちゃ作れと言っていつの間にか滑り台みたいは物が出来ていた。
オル婆もやるじゃないかと言って褒めていた。
夜私がアケロとアドラを連れて部屋に引っ込んだ後2人で何やら遅くまで話をしていたみたい。
朝お酒の瓶が流しにあって白熱したみたい。
ヒューバートさんが二日酔い気味に見えたけどオル婆はケロリとしていた。
大人の男性を見るのが久しぶりというかなんというか、頭が痛そうに気だるげなヒューバートさんが逆に色気があってびっくりした。ただ、本当に具合が悪そうだったから水と野菜スープだけ渡して寝ている様に伝えた。
◾︎その他
昨日に続いて心明に会いにいったら瓶に入れていた母乳がなくなっていた。
新しい物と交換しようと持ってきていたが、中身がなくなっていてかなり困惑した。ここには人が基本いないから盗まれたとかでは無いだろうと。蓋を開けてきたから獣が飲んだのか、はて?となった。確かに量は100mlもなかったと思う。
倒れていたわけでも無いし、なんだろう。
ただ遺骨を覆っている木の根っこが細く巻き付いていたからそれが吸ったのか?蒸発したのか?蒸発が1番かな?
大地に還るのが早いって言っていたから実は便の底が穴空いているのかも知れない。
こっちではそもそもお供物の文化がないから最初もびっくりされて、今日も持って行くのにびっくりしてたけど母乳を持って行く事については何も言われなかった。
とても高く売れるから少し申し訳無いけど、心明と母乳を飲めなくて大地に還った子達の事を思ってのことだっていうのはわかってくれてるんだと思う。
本当に有難い。
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