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第2章 老人との出会い
腹の底
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俺たちは町はずれのテントの前にやってきていた。
「なんじゃお前らか。叶えたい夢でも教えに来たのか。」
「いいえ、違います。」
ディタが先に答えた。俺はまだ決心がついてなく答えるのが遅くなってしまった。
「なら要はない、帰れ。」
「帰りません。私はフォルクさんに訂正に来たんです。」
フォルクさんは訝しげにディタを見つめている。
「訂正じゃと?」
「私は昨日”ロガの付き添い”だと言いました。半分あってますけど、半分違います。私自身があのダンジョンに挑戦したいんです。別に叶えたい夢があるわけじゃないです。ただ、力試しをしたいんです。自分自身のために。」
フォルクさんを見つめるディタの目は力強く光線が出てるのではないかと思うほど何か秘められているような視線だった。フォルクさんの方を見ると顎を撫でながら、目を細めそれでいて力の抜けた視線を向けていた。
「ほう。」
そう発した後は俺を一瞥した。お前はどうなのじゃと言われているような気がした。
「俺は、俺は、絶対にあのダンジョンを攻略しなきゃいけないんだ。・・・でも、叶えたいことは言えません。」
フォルクさんは下を向き溜息をついた。
「はあ、お前は変わらないのぉ。」
俺は叫ばずにはいられなかった。握り拳に力が入る。
「何でだよ。ちゃんと気持ちを伝えているのに。ディタと何が違うって言うんだよ‼」
間髪入れずにフォルクさんは答えた。
「何が”ちゃんと気持ちを伝えている”じゃ。お前の言葉にはダンジョンに心の底から挑戦したいという気持ちが感じられない。それどころかどこか後ろめたさみたいなものが感じられる。あのダンジョンに挑戦することは後ろめたいのか‼答えてみぃ‼」
俺は下を向いて全身に力が入っていた。
「そんなこと、ない。」
「だったら、シャキっとせい‼シャキっと‼そして腹の底から湧き出てくるお前の気持ちを聞かせて見せよ‼この臆病者がああああ‼」
俺はフォルクを睨みつけ腹の底から叫んだ。
「俺はあのダンジョンに挑戦したい。理由なんてどうでもいい‼ダンジョンに挑戦して攻略する。ただ、それだけだ‼」
なぜか小さい頃に戻ったようだった。フォルクさんはディタに向けていた視線と同じものを俺に向けてきた。
「なんじゃ。言えるではないか。それにしてもお前の声はうるさいのぉ。鼓膜が破けそうじゃ。」
そう言うとフォルクさんはテントへと向かってしまう。俺たちは慌てて止めにかかる。
「ちょ、ちょっと待って。認めてくれたんだよね?だったら場所教えてよ。」
先にフォルクさんにたどり着いたのは俺だった。一歩遅れてディタが辿り着く。
「そうですよ。教えてください。」
「ん?お前ら何を言っておるのじゃ。儂は認めたら教える何て一言も言っておらぬぞ。」
確かに認めたら教える何て一言も言っていない。俺はフォルクさんではなくディタの方を一瞥した。俺がそうすることを見越していたのかディタと視線は合わなかった。何か言ってやろうと思ったが、後で何か仕返しをされては困るので何も言わなかった。俺は。
「ぷぷぷ。あんなに自信満々に言ってたのに。」
ブス
「いったー。ねえロガ、ボクのお尻どうなってる?」
レクスのお尻からは赤いものが勢いよく飛び出している。
「うん?どうにもなってないぞ。というか、お願いだ。黙っててくれ。話が進まないし気が散る。」
「お前のリブロティアはおもしろいのぉ。」
ほらな。脱線してしまった。それを戻したのはディタだった。
「んん。・・・フォルクさんなぜ教えてくれないんですか?」
「別に深い意味はない。それにしても暑いのぉ。最近暑すぎて眠れやしない。・・・そうだ。お前ら“フロワストーン”を取ってきてくれないか。そしたら場所を教えてやらぬこともないぞ。」
聞いたこともないモノの名前が出てきた。フォルク以外の全員の頭の上に?が浮かんでいる。
「“フロワストーン”って何?」
「なんじゃ知らんのか。見た目は青白い石じゃよ。その石があることで周囲が涼しくなるのじゃ。こんな暑い時にはピッタリな石じゃ。」
「そんな石があるんですね。で、それはどこに?」
フォルクさんは森向こうの山を指さす。
「あそこじゃよ。ほら早く行かねば日が暮れるぞ。・・・それに儂もずっとここにいるわけではない。」
タイムリミットがあるようだ。急がないといけないらしい。
「わかった。絶対取ってくるから、ここで待ってて。ほらディタ行くぞ。」
俺はフォルクさんが指さした先へと駆けだした。
「ちょっと待ちなさいよ。」
「やれやれ、元気が合ってよいのぉ。のう”スリロス”」
「そうだな。昔のお前を見ているようだ。」
「なんじゃと!?儂はあんなに臆病者ではなかったぞ。」
「悪い悪い。そんなに怒るな。そうだな。お前はあんなに憶病ではなく勇敢であった。」
「そうじゃろ、そうじゃろう。儂は勇敢なのじゃ。」
「・・・いつになってもチョロいな。」
「何か言ったか?」
「いや、何も。」
「なんじゃお前らか。叶えたい夢でも教えに来たのか。」
「いいえ、違います。」
ディタが先に答えた。俺はまだ決心がついてなく答えるのが遅くなってしまった。
「なら要はない、帰れ。」
「帰りません。私はフォルクさんに訂正に来たんです。」
フォルクさんは訝しげにディタを見つめている。
「訂正じゃと?」
「私は昨日”ロガの付き添い”だと言いました。半分あってますけど、半分違います。私自身があのダンジョンに挑戦したいんです。別に叶えたい夢があるわけじゃないです。ただ、力試しをしたいんです。自分自身のために。」
フォルクさんを見つめるディタの目は力強く光線が出てるのではないかと思うほど何か秘められているような視線だった。フォルクさんの方を見ると顎を撫でながら、目を細めそれでいて力の抜けた視線を向けていた。
「ほう。」
そう発した後は俺を一瞥した。お前はどうなのじゃと言われているような気がした。
「俺は、俺は、絶対にあのダンジョンを攻略しなきゃいけないんだ。・・・でも、叶えたいことは言えません。」
フォルクさんは下を向き溜息をついた。
「はあ、お前は変わらないのぉ。」
俺は叫ばずにはいられなかった。握り拳に力が入る。
「何でだよ。ちゃんと気持ちを伝えているのに。ディタと何が違うって言うんだよ‼」
間髪入れずにフォルクさんは答えた。
「何が”ちゃんと気持ちを伝えている”じゃ。お前の言葉にはダンジョンに心の底から挑戦したいという気持ちが感じられない。それどころかどこか後ろめたさみたいなものが感じられる。あのダンジョンに挑戦することは後ろめたいのか‼答えてみぃ‼」
俺は下を向いて全身に力が入っていた。
「そんなこと、ない。」
「だったら、シャキっとせい‼シャキっと‼そして腹の底から湧き出てくるお前の気持ちを聞かせて見せよ‼この臆病者がああああ‼」
俺はフォルクを睨みつけ腹の底から叫んだ。
「俺はあのダンジョンに挑戦したい。理由なんてどうでもいい‼ダンジョンに挑戦して攻略する。ただ、それだけだ‼」
なぜか小さい頃に戻ったようだった。フォルクさんはディタに向けていた視線と同じものを俺に向けてきた。
「なんじゃ。言えるではないか。それにしてもお前の声はうるさいのぉ。鼓膜が破けそうじゃ。」
そう言うとフォルクさんはテントへと向かってしまう。俺たちは慌てて止めにかかる。
「ちょ、ちょっと待って。認めてくれたんだよね?だったら場所教えてよ。」
先にフォルクさんにたどり着いたのは俺だった。一歩遅れてディタが辿り着く。
「そうですよ。教えてください。」
「ん?お前ら何を言っておるのじゃ。儂は認めたら教える何て一言も言っておらぬぞ。」
確かに認めたら教える何て一言も言っていない。俺はフォルクさんではなくディタの方を一瞥した。俺がそうすることを見越していたのかディタと視線は合わなかった。何か言ってやろうと思ったが、後で何か仕返しをされては困るので何も言わなかった。俺は。
「ぷぷぷ。あんなに自信満々に言ってたのに。」
ブス
「いったー。ねえロガ、ボクのお尻どうなってる?」
レクスのお尻からは赤いものが勢いよく飛び出している。
「うん?どうにもなってないぞ。というか、お願いだ。黙っててくれ。話が進まないし気が散る。」
「お前のリブロティアはおもしろいのぉ。」
ほらな。脱線してしまった。それを戻したのはディタだった。
「んん。・・・フォルクさんなぜ教えてくれないんですか?」
「別に深い意味はない。それにしても暑いのぉ。最近暑すぎて眠れやしない。・・・そうだ。お前ら“フロワストーン”を取ってきてくれないか。そしたら場所を教えてやらぬこともないぞ。」
聞いたこともないモノの名前が出てきた。フォルク以外の全員の頭の上に?が浮かんでいる。
「“フロワストーン”って何?」
「なんじゃ知らんのか。見た目は青白い石じゃよ。その石があることで周囲が涼しくなるのじゃ。こんな暑い時にはピッタリな石じゃ。」
「そんな石があるんですね。で、それはどこに?」
フォルクさんは森向こうの山を指さす。
「あそこじゃよ。ほら早く行かねば日が暮れるぞ。・・・それに儂もずっとここにいるわけではない。」
タイムリミットがあるようだ。急がないといけないらしい。
「わかった。絶対取ってくるから、ここで待ってて。ほらディタ行くぞ。」
俺はフォルクさんが指さした先へと駆けだした。
「ちょっと待ちなさいよ。」
「やれやれ、元気が合ってよいのぉ。のう”スリロス”」
「そうだな。昔のお前を見ているようだ。」
「なんじゃと!?儂はあんなに臆病者ではなかったぞ。」
「悪い悪い。そんなに怒るな。そうだな。お前はあんなに憶病ではなく勇敢であった。」
「そうじゃろ、そうじゃろう。儂は勇敢なのじゃ。」
「・・・いつになってもチョロいな。」
「何か言ったか?」
「いや、何も。」
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