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第一章
第一章「リスタート」3
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「……しくったな。」
焦っていたのかもしれない。
間違いなくあの母や父の様子を見ていれば、あの時を思い出す。
前の母と父が離婚する半年前くらいが今の状況と瓜二つだ、そうなれば経験したよりも早く離婚になるだろう。
修復など無理なのだ、前にどんなに涼也と京也が頑張っても無駄だったのだ、そして、今だってそれとなく両親に離婚しないで、とアプローチをしたが間違いなく流された。
「はぁ……年だけ喰っても、子どもか……。」
手で目を覆っていた涼也の耳に電話の音が届く。
「……はい、本城です。」
「涼ちゃん、駄目じゃない。」
「雪姉…。」
電話の相手は雪美だった。
「タイムリーすぎる。」
「そりゃ、見てたもの。」
「……そっか。」
今あの本は雪美の手元にあり、彼女はそれを読んで現状を把握しているのだ。
「日にちがないからって焦っちゃだめだよ。」
「後三年と少しかないんだ。」
「三年もあるよ。」
「……変えられないものがあるかもしれない…それが…怖いんだ。」
「うん…。」
「この離婚騒動だってそうだ。」
「だからって、まだしてもないのにあんな話は酷だよ。」
「……だから、今後悔している。」
「涼ちゃん。」
「何?」
「ちょっと会わない?」
「今か?」
「違うよ、次の休み、土曜日か日曜日か。」
「別に大丈夫だけど。」
「よかった、紹介したい人がいるんだ。」
「ふーん。」
「その人ちょっと変わっているけど、すごく勉強になるんだ。」
「……はぁ?」
妙に弾んだ声に涼也は顔を引きつらせる。
「雪姉。」
「何?」
「……いや、やっぱり、何でもない。」
「変な涼ちゃん。」
「……土曜と日曜どっちにする?」
「日曜にしようか?」
「日曜な。」
涼也は近くにあったメモ用紙に日付と曜日を書く。
「で、時間は?」
「一応午前中に待ち合わせする予定になっているけど、詳しくはまた電話するね。」
「了解。」
涼也は頷くと微かに溜息を零す。
「どうしたの?」
「いや、携帯ないって不便だな~って。」
「仕方ないよ中学生だし。」
「前もそうだったけど、高校からだからな携帯持つの。」
「そうなんだ。」
「そう、本当に携帯があったらメールとかで用件が済むのにな。」
「でも、涼ちゃんが持ったら携帯代すごくかかりそう。」
「そんな事ねぇよ。」
「どうかな?」
涼也は頭を掻くとカレンダーを見る。
「なあ。」
「何?」
「出かけるついでに欲しいものがあるんだけど、付き合ってくれるか?」
「へぇ、涼ちゃんがモノを欲しがるって珍しいね。」
「ああ、先輩が教えてくれたCDが発売されたの確か日曜日と同じ日だったからな。」
「……何か変じゃない?」
涼也の言葉に引っ掛かりがあったのか雪美はそんな言葉を発する。
「ああ、先輩、前の俺が務めていた時に俺の新人教育してくれた先輩がCD貸してくれてさ、すごくいい曲だったからまた聞きたいと思って。」
「ふーん、その人にわたしも会ってみたいな。」
「俺もまた会いたいよ。」
涼也はお世話になった先輩を思い出し、微笑んだ。
その先輩は本当に自分をよく見ていたと思う、忙しくって食事や睡眠を犠牲にしようとした時もちゃんと叱ってくれた。
ただ、彼の瞳だけはちゃんと見た事がなかった。彼は昔嫌な事が遭ってから人の目が怖くなったと言っていた。
だから、自分を見てくれる時も前髪で隠れていたのだ。
「涼ちゃん。」
「ん?」
「それじゃ、日曜日にね?」
「了解、それじゃ、また日曜日にな。」
受話器を置いて涼也は背伸びをする。
「ん~、宿題しないとな~。」
正直前の俺だったら宿題なんてギリギリまでしなかった、だけど、今は時間がもったいない。
今少しでも余裕があるうちに面倒なものを終わらせてしまえば、必要な時に時間が作れる。
だから、彼は自分の為にも有限にしかない時間をうまく使おうとするのだった。
焦っていたのかもしれない。
間違いなくあの母や父の様子を見ていれば、あの時を思い出す。
前の母と父が離婚する半年前くらいが今の状況と瓜二つだ、そうなれば経験したよりも早く離婚になるだろう。
修復など無理なのだ、前にどんなに涼也と京也が頑張っても無駄だったのだ、そして、今だってそれとなく両親に離婚しないで、とアプローチをしたが間違いなく流された。
「はぁ……年だけ喰っても、子どもか……。」
手で目を覆っていた涼也の耳に電話の音が届く。
「……はい、本城です。」
「涼ちゃん、駄目じゃない。」
「雪姉…。」
電話の相手は雪美だった。
「タイムリーすぎる。」
「そりゃ、見てたもの。」
「……そっか。」
今あの本は雪美の手元にあり、彼女はそれを読んで現状を把握しているのだ。
「日にちがないからって焦っちゃだめだよ。」
「後三年と少しかないんだ。」
「三年もあるよ。」
「……変えられないものがあるかもしれない…それが…怖いんだ。」
「うん…。」
「この離婚騒動だってそうだ。」
「だからって、まだしてもないのにあんな話は酷だよ。」
「……だから、今後悔している。」
「涼ちゃん。」
「何?」
「ちょっと会わない?」
「今か?」
「違うよ、次の休み、土曜日か日曜日か。」
「別に大丈夫だけど。」
「よかった、紹介したい人がいるんだ。」
「ふーん。」
「その人ちょっと変わっているけど、すごく勉強になるんだ。」
「……はぁ?」
妙に弾んだ声に涼也は顔を引きつらせる。
「雪姉。」
「何?」
「……いや、やっぱり、何でもない。」
「変な涼ちゃん。」
「……土曜と日曜どっちにする?」
「日曜にしようか?」
「日曜な。」
涼也は近くにあったメモ用紙に日付と曜日を書く。
「で、時間は?」
「一応午前中に待ち合わせする予定になっているけど、詳しくはまた電話するね。」
「了解。」
涼也は頷くと微かに溜息を零す。
「どうしたの?」
「いや、携帯ないって不便だな~って。」
「仕方ないよ中学生だし。」
「前もそうだったけど、高校からだからな携帯持つの。」
「そうなんだ。」
「そう、本当に携帯があったらメールとかで用件が済むのにな。」
「でも、涼ちゃんが持ったら携帯代すごくかかりそう。」
「そんな事ねぇよ。」
「どうかな?」
涼也は頭を掻くとカレンダーを見る。
「なあ。」
「何?」
「出かけるついでに欲しいものがあるんだけど、付き合ってくれるか?」
「へぇ、涼ちゃんがモノを欲しがるって珍しいね。」
「ああ、先輩が教えてくれたCDが発売されたの確か日曜日と同じ日だったからな。」
「……何か変じゃない?」
涼也の言葉に引っ掛かりがあったのか雪美はそんな言葉を発する。
「ああ、先輩、前の俺が務めていた時に俺の新人教育してくれた先輩がCD貸してくれてさ、すごくいい曲だったからまた聞きたいと思って。」
「ふーん、その人にわたしも会ってみたいな。」
「俺もまた会いたいよ。」
涼也はお世話になった先輩を思い出し、微笑んだ。
その先輩は本当に自分をよく見ていたと思う、忙しくって食事や睡眠を犠牲にしようとした時もちゃんと叱ってくれた。
ただ、彼の瞳だけはちゃんと見た事がなかった。彼は昔嫌な事が遭ってから人の目が怖くなったと言っていた。
だから、自分を見てくれる時も前髪で隠れていたのだ。
「涼ちゃん。」
「ん?」
「それじゃ、日曜日にね?」
「了解、それじゃ、また日曜日にな。」
受話器を置いて涼也は背伸びをする。
「ん~、宿題しないとな~。」
正直前の俺だったら宿題なんてギリギリまでしなかった、だけど、今は時間がもったいない。
今少しでも余裕があるうちに面倒なものを終わらせてしまえば、必要な時に時間が作れる。
だから、彼は自分の為にも有限にしかない時間をうまく使おうとするのだった。
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