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第五章
第五章「文化祭」18
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しばらく他愛のない話をして、そして、涼也は京也の顔がまだ迷いを見せている事に気づいて言葉を紡ぐ。
「なあ、京也。」
「何?」
「そろそろ、本題に入ったらどうだ?」
「……。」
ギクリと体を強張らせた京也に涼也はどうしようかと、頭をガシガシと掻く。
「流石に、分かるさ。」
「……涼也なら分からないと思ったよ…。」
「んな訳ないだろう。」
前の自分なら分からないけどな、と心中で涼也が吐き捨てるように言っている事なんて、目の前で苦笑している京也には分からないだろう。
「まあ、最近の涼也は変わったね。」
「そうか?」
「うん、何というか落ち着いたというか。」
「あんま、分かんないな。」
「あの時から、涼也は変わったね。」
「……。」
何とも思っていないような態度を取っている涼也だったが、その眼は真剣そのもので京也を観察するように見ている。
「涼也。」
「何だよ。」
「君は誰だい?」
「……。」
「君は僕の知っている君じゃない。」
真剣な顔で言う京也に涼也は表では出していないが、かなり動揺していた。
「正直、始めは何か思うものがあって、敢えて大人っぽく振る舞っているのかと思った、でも、違うよね。」
「どうしてそう思うんだよ。」
「まず、一つ目、君が僕を見ているその眼だよ。」
「目?」
「うん、何でそんなに悲しそうな……辛そうな、そして、後悔の色を宿しているの?」
「……。」
「二つ目、雪美と連絡が頻繁過ぎるよね?」
「普通じゃないかよ。」
「普通じゃないよ、君が態度を改める前は彼女に対してあんなに反発していたじゃないかい。」
「そうだったか?」
「そうだよ。」
涼也は全く記憶がなく、顔を顰める。
「三つ目、君が階段から落ちた日、ううん、違う、その一月ほど前から僕たちは大喧嘩をしていて口をきいていなかったんだよ。」
「……。」
涼也はその言葉を聞き、今度こそ表情を繕う事無く目を見開き、記憶を手繰るが、まったくそのような記憶はなかった。
「嘘だろう。」
「本当だよ。」
どこか寂しげに笑う京也に涼也は一度目を瞑る。
何故、今さら彼がその話を蒸し返すのか。
何故、彼はこのような事を言い出すようになったのか。
考える事はいっぱいあったが、それでも、涼也が口にしたのはこの言葉だった。
「俺は正真正銘、本城涼也だよ。」
そう、自分は涼也でしかない、確かに今目の前にいる京也と過ごした自分とは違う涼也が確かにいたかもしれない。
でも、自分は涼也以外の誰も出ないのだ。
「……。」
ジッと自分を見つめる京也に涼也はジッと見返す。
「………………うん、その眼は確かに涼也のモノだとは僕も分かっているよ、でも、君は僕の知っている涼也じゃないだろう?」
「………。」
涼也は目を瞑り、そして、小さく頷いた。
「なあ、京也。」
「何?」
「そろそろ、本題に入ったらどうだ?」
「……。」
ギクリと体を強張らせた京也に涼也はどうしようかと、頭をガシガシと掻く。
「流石に、分かるさ。」
「……涼也なら分からないと思ったよ…。」
「んな訳ないだろう。」
前の自分なら分からないけどな、と心中で涼也が吐き捨てるように言っている事なんて、目の前で苦笑している京也には分からないだろう。
「まあ、最近の涼也は変わったね。」
「そうか?」
「うん、何というか落ち着いたというか。」
「あんま、分かんないな。」
「あの時から、涼也は変わったね。」
「……。」
何とも思っていないような態度を取っている涼也だったが、その眼は真剣そのもので京也を観察するように見ている。
「涼也。」
「何だよ。」
「君は誰だい?」
「……。」
「君は僕の知っている君じゃない。」
真剣な顔で言う京也に涼也は表では出していないが、かなり動揺していた。
「正直、始めは何か思うものがあって、敢えて大人っぽく振る舞っているのかと思った、でも、違うよね。」
「どうしてそう思うんだよ。」
「まず、一つ目、君が僕を見ているその眼だよ。」
「目?」
「うん、何でそんなに悲しそうな……辛そうな、そして、後悔の色を宿しているの?」
「……。」
「二つ目、雪美と連絡が頻繁過ぎるよね?」
「普通じゃないかよ。」
「普通じゃないよ、君が態度を改める前は彼女に対してあんなに反発していたじゃないかい。」
「そうだったか?」
「そうだよ。」
涼也は全く記憶がなく、顔を顰める。
「三つ目、君が階段から落ちた日、ううん、違う、その一月ほど前から僕たちは大喧嘩をしていて口をきいていなかったんだよ。」
「……。」
涼也はその言葉を聞き、今度こそ表情を繕う事無く目を見開き、記憶を手繰るが、まったくそのような記憶はなかった。
「嘘だろう。」
「本当だよ。」
どこか寂しげに笑う京也に涼也は一度目を瞑る。
何故、今さら彼がその話を蒸し返すのか。
何故、彼はこのような事を言い出すようになったのか。
考える事はいっぱいあったが、それでも、涼也が口にしたのはこの言葉だった。
「俺は正真正銘、本城涼也だよ。」
そう、自分は涼也でしかない、確かに今目の前にいる京也と過ごした自分とは違う涼也が確かにいたかもしれない。
でも、自分は涼也以外の誰も出ないのだ。
「……。」
ジッと自分を見つめる京也に涼也はジッと見返す。
「………………うん、その眼は確かに涼也のモノだとは僕も分かっているよ、でも、君は僕の知っている涼也じゃないだろう?」
「………。」
涼也は目を瞑り、そして、小さく頷いた。
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