もう一度君と…

弥生 桜香

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第五章

第五章「文化祭」19

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 涼也は疑う京也にこれ以上黙っている事は出来ないのだと悟った。
 流石は双子、自分の片割れだと感心させられる。

「俺は正直に言えばお前は俺の知っていた、京也だと思っていた、だけど、お前はお前の知っている俺と今の俺は違うものだと思っているんだろう?」
「……違うとは断定していないよ。」
「でも、なんか違うと思っているんだろ?」
「そうだね、何か違和感みたいなものは今思い起こせば始からあった気がするよ。」
「お袋は?」
「母さんは気づいてすらいないよ。」
「そうか。」
「それで、君はどこまで話してくれるわけ?」
「今、ここでは話せない。」
「そうだろうね。」
「呼びたい奴がいるから、そいつの都合のいい日になるけど、いいか?」
「大丈夫だけど、それって、雪美?」
「ああ。」

 やはり、分かったかと、涼也は苦笑する。

「分かるよ、雪美と君は共犯者だろ?」
「共犯者ね…。」

 京也の言葉に涼也は苦笑を漏らす。

「何となく共犯者とは違う気がするんだが、まあ、あまり変わらないか。」
「そうだね。」
「京也。」
「何?」
「何で「今」何だ?」
「……。」

 涼也の問いかけに、京也は苦笑いを浮かべる。

「お前なら隠そうと思えば隠していただろう、なのに、何故聞こうと思ったんだ?」
「……最近の君が分からなくなったからかな。」
「えっ?」
「最初はまだ何となく君が何かに対して挑もうとしている事は分かったんだ、その為に何というか下準備をしているように感じた。」

 京也の観察眼に感心しながらも、自分がそんなにあからさまだったかと涼也は少し落ち込みたくなった。

「そんなにあからさまだったか?」
「うーん、僕よりも多分雪美に聞いた方が面白いから、そっちで聞いてよ。」
「……。」

 涼也は京也がこんな性格をしていたのだろうかと、疑いたくなるが、色々思い返せば、彼は自分と違って大人しく思われがちだが、意外に強かな一面があったのを思い出す。
 強かな癖に色々と内にため込みすぎて、そして、それを誰に悟られまいとして、気づかれ過ぎにパンクしてしまった彼の最期に黒い影が覆う。

「あっ、今日は母さんが早く帰ってくるから、僕はもう行くね。」
「ああ。」
「じゃあ、連絡待っているから。」

 あっさりと居なくなる京也に涼也は様々な思いを抱えてその場に座り込み、髪を掻き乱す。

「本当に何なんだよ。」

 溜息を零し、涼也は天を仰いだ。
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