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第二章
《太陽の花 1》
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「ありがとうございます。」
「いいえ、私たちも仕事なので。」
夏の暑い中、セイラは太陽のような花を抱える。
「セイラ様、わたしたちはこちらの花をお届けいたしますね。」
「ええ、よろしくね、ミラ、レラ。」
「セイラ、行くぞ。」
今日のクエストは花屋の花を届ける事だった。
本当は花屋の人が届けるのだが、脚を骨折したため、一週間ほどセイラたちが請け負ったのだった。
「その花スゲーな。」
「ヒマワリっていうのよ。」
「ふーん。」
「カルムはあまり花に関心がないのね。」
「そうだな。」
退屈そうなカルムにセイラは苦笑する。
「そう言えば、花には花言葉ってあるのよ。」
「そうなのか?」
「そうなの、例えば、バラだと本数で意味が変わったりするのよ。」
「そうなのか?」
「ええ。一本なら「一目惚れ」、二本だと「この世界は二人だけ」、三本だと「愛しています」だって。」
「そんな知識どこで知ったんだよ。」
セイラは一瞬表情をこわばらせ、そして、言う。
「最近だと図書館で読んだわ。」
「……最近だと?」
「最初に知ったきっかけはだいぶと前だから忘れたけど、図書館に花言葉辞典があって呼んだのよ。」
カルムはジッとセイラを見て、ため息を零す。
「何?」
「まーたお前の本好きが始まったなって思ってな。」
「何よ、悪い?」
「悪かねぇけど、よくやると感心する。」
「もう。」
セイラは頬を膨らませる。
「他にも、石言葉とかもあるのよね。」
「石?」
「ええ、ガーネットとか、アメジスト、とかね。」
「ふーん。」
「調べたら面白いわよ。」
「そのうちな。」
「もう、読む気ないでしょ。」
「そういや、そのヒマワリはなんていうんだ、その、花言葉ってやつ。」
「ヒマワリは「私はあなただけを見つめる」、「憧れ」、「崇拝」、「情熱」、「まっててね」意味があるの。」
「へー。」
まじまじとカルムはヒマワリを見つめる。
「ヒマワリは太陽の方を見て咲くから「私はあなただけを見つめる」という意味があるって聞いたことがあるわ。」
「……これも、本数で意味が変わるのか?」
カルムはセイラの腕に抱えられている、十一本のヒマワリを見る。
「どうなんだろう?バラは聞いた事があるけど?」
「ふーん。」
「後で花屋さんの誰かに聞こうか?」
「いや、別にそこまで知りたいわけじゃねぇし。」
「そっか。」
関心の薄そうなカルムにセイラは納得する。
「道はあっちだな。」
「だな。」
二人はゆっくりと歩きながら目的の場所に向かう。
「いいえ、私たちも仕事なので。」
夏の暑い中、セイラは太陽のような花を抱える。
「セイラ様、わたしたちはこちらの花をお届けいたしますね。」
「ええ、よろしくね、ミラ、レラ。」
「セイラ、行くぞ。」
今日のクエストは花屋の花を届ける事だった。
本当は花屋の人が届けるのだが、脚を骨折したため、一週間ほどセイラたちが請け負ったのだった。
「その花スゲーな。」
「ヒマワリっていうのよ。」
「ふーん。」
「カルムはあまり花に関心がないのね。」
「そうだな。」
退屈そうなカルムにセイラは苦笑する。
「そう言えば、花には花言葉ってあるのよ。」
「そうなのか?」
「そうなの、例えば、バラだと本数で意味が変わったりするのよ。」
「そうなのか?」
「ええ。一本なら「一目惚れ」、二本だと「この世界は二人だけ」、三本だと「愛しています」だって。」
「そんな知識どこで知ったんだよ。」
セイラは一瞬表情をこわばらせ、そして、言う。
「最近だと図書館で読んだわ。」
「……最近だと?」
「最初に知ったきっかけはだいぶと前だから忘れたけど、図書館に花言葉辞典があって呼んだのよ。」
カルムはジッとセイラを見て、ため息を零す。
「何?」
「まーたお前の本好きが始まったなって思ってな。」
「何よ、悪い?」
「悪かねぇけど、よくやると感心する。」
「もう。」
セイラは頬を膨らませる。
「他にも、石言葉とかもあるのよね。」
「石?」
「ええ、ガーネットとか、アメジスト、とかね。」
「ふーん。」
「調べたら面白いわよ。」
「そのうちな。」
「もう、読む気ないでしょ。」
「そういや、そのヒマワリはなんていうんだ、その、花言葉ってやつ。」
「ヒマワリは「私はあなただけを見つめる」、「憧れ」、「崇拝」、「情熱」、「まっててね」意味があるの。」
「へー。」
まじまじとカルムはヒマワリを見つめる。
「ヒマワリは太陽の方を見て咲くから「私はあなただけを見つめる」という意味があるって聞いたことがあるわ。」
「……これも、本数で意味が変わるのか?」
カルムはセイラの腕に抱えられている、十一本のヒマワリを見る。
「どうなんだろう?バラは聞いた事があるけど?」
「ふーん。」
「後で花屋さんの誰かに聞こうか?」
「いや、別にそこまで知りたいわけじゃねぇし。」
「そっか。」
関心の薄そうなカルムにセイラは納得する。
「道はあっちだな。」
「だな。」
二人はゆっくりと歩きながら目的の場所に向かう。
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