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第一章
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「何というか、お疲れさん、相手が悪かったな。」
「分かるかったじゃないです、まさか、空野がこんなにつえーとは思ってもみなかった。」
「だよな、こんな見た目だし、瞬殺だと思ったのに、逆にこっちがやられちまったよ。」
「まあ、これも勉強だ。」
僕は黙り込んでいるひょうちゃんを見る。
大丈夫、これはさほど機嫌が悪いわけじゃない、ただ、思ったより体が動かせなかったからそれで、黙り込んでいるだけだ。
「反省点は?」
「んー、何だろう。あん時、空野が言った通り追跡アイテムを破壊して解けば?でも、それでも勝てた気がしねぇ。」
「空野の意表を突いたつもりだったけど、ダメだったし。」
「死角を狙ったつもりだったけど、アイテムの所為で死角をなくしてたしな。」
「そうだな…、僕はもっと御神くんを生かす戦い方をすればよかった気がするかな、たとえば、加賀くんを御神くんのいる方向に誘導して、御神くんと加賀くんをぶつける。
その間に、僕が宇民くんの動きを止める、または、戦闘不能に持ち込む、とかかな。」
「……。」
「……。」
「お前、それ鬼畜じゃねぇ?」
黙り込む二人に苦笑する先生。
「そうですか?」
「まあ、失敗と言えば、僕の準備不足もありましたね、追跡アイテムと通信アイテムを御神くんの能力で壊されましたし、もっと、強度のあるものを用意しておけばよかったです。」
「……追跡アイテム?」
「おい、お前マジ壊したわけ?」
加賀くんは目を瞬き、宇民くんがギョッとする。
「なぁ、空野その追跡アイテム見せてくれないか?」
「いいよ。」
僕は手のひらにそれを見せる。
「これって、バイオレットの……。」
「御神。お前これ一つでいくらすると思っているんだ、五十万だぞ、五十万っ!」
「げっ!マジか。」
「それに通信アイテムだってピンキリだけど、こいつの事だから安くても十万だぞっ!」
「えっと。」
僕は宇民くんの言葉に本気で戸惑う、多分、正規のルートで手に入れたとしたら確かにこの追跡アイテムは五十万くらい、そして、通信アイテムは六十万くらいはするだろう。
でも、きっとこの場でそんなことを言えばやばいだろうね。
「知るか、こいつは邪魔なもんを押し付けてきた、だから、壊した、それだけだ。」
「それだけだとっ!」
「人のもんだぞ。」
「はぁ…、御神、流石にそれはないぞ。」
「……。」
そっぽを向いているひょうちゃんはきっと何で怒られているのか自覚していない。
さて、どうするか。
正直に言えば、別に僕のものを彼に壊されるのは問題ない。
消耗品な訳だからいつ壊れてもおかしくはないのだから。
でも、人としては人のものを壊すのはよくないな。
「よし。」
僕はひとまずひょうちゃんの耳を掴む。
「っ!」
「御神くん、別に僕の物を壊したのは今回僕の判断ミスだから構わない、でも、そもそも、人の物を壊すのは悪い事だよね?」
「てめぇ…。」
「ん?何かな?」
「いてぇ。」
「反省してないね、さて、問題です。」
「何だよ。」
「君はプロになった時、何かを壊したとします、さて、そのお金はどこから出ると思いますか?」
「知るか。」
「はい、ダメ、加賀くん?」
「えっ?オレ?」
行き成り話を振られた彼は可哀そうなほど狼狽える。
「か、会社?」
「うん、会社や属している組織が出してくれるかもね、宇民くんは?」
「自腹?」
「それも、ある、後は給料から引かれたり、それ専用の保険があるから会社によってはそこから出すところもあるよ。」
「マジか。」
「そう、壊せば誰かが払ってくれるじゃないんだよ。」
「……。」
「ここは学校だから、学校側が色々してくれるけど、社会に出ればそうじゃないんだよ、御神くんのこれだって、器物損害に値するんだからね。」
「……。」
「さて、先生すみません、脱線しました。」
「いや、大丈夫だ、お前らはいったん視聴覚室で他の連中の戦いの光景を見て、それをレポートにしてもらうからな。」
「えー。」
「マジかよ。」
「ほら、ついてこい。」
「……。」
僕たちは剣先生の後についていく。
本当にどうしたものか、彼が例えば壊した費用とかは僕が何とかして稼げるけど、でも、そもそも破壊行為を止めさせないと。
本当に課題は色々あるな…。
「分かるかったじゃないです、まさか、空野がこんなにつえーとは思ってもみなかった。」
「だよな、こんな見た目だし、瞬殺だと思ったのに、逆にこっちがやられちまったよ。」
「まあ、これも勉強だ。」
僕は黙り込んでいるひょうちゃんを見る。
大丈夫、これはさほど機嫌が悪いわけじゃない、ただ、思ったより体が動かせなかったからそれで、黙り込んでいるだけだ。
「反省点は?」
「んー、何だろう。あん時、空野が言った通り追跡アイテムを破壊して解けば?でも、それでも勝てた気がしねぇ。」
「空野の意表を突いたつもりだったけど、ダメだったし。」
「死角を狙ったつもりだったけど、アイテムの所為で死角をなくしてたしな。」
「そうだな…、僕はもっと御神くんを生かす戦い方をすればよかった気がするかな、たとえば、加賀くんを御神くんのいる方向に誘導して、御神くんと加賀くんをぶつける。
その間に、僕が宇民くんの動きを止める、または、戦闘不能に持ち込む、とかかな。」
「……。」
「……。」
「お前、それ鬼畜じゃねぇ?」
黙り込む二人に苦笑する先生。
「そうですか?」
「まあ、失敗と言えば、僕の準備不足もありましたね、追跡アイテムと通信アイテムを御神くんの能力で壊されましたし、もっと、強度のあるものを用意しておけばよかったです。」
「……追跡アイテム?」
「おい、お前マジ壊したわけ?」
加賀くんは目を瞬き、宇民くんがギョッとする。
「なぁ、空野その追跡アイテム見せてくれないか?」
「いいよ。」
僕は手のひらにそれを見せる。
「これって、バイオレットの……。」
「御神。お前これ一つでいくらすると思っているんだ、五十万だぞ、五十万っ!」
「げっ!マジか。」
「それに通信アイテムだってピンキリだけど、こいつの事だから安くても十万だぞっ!」
「えっと。」
僕は宇民くんの言葉に本気で戸惑う、多分、正規のルートで手に入れたとしたら確かにこの追跡アイテムは五十万くらい、そして、通信アイテムは六十万くらいはするだろう。
でも、きっとこの場でそんなことを言えばやばいだろうね。
「知るか、こいつは邪魔なもんを押し付けてきた、だから、壊した、それだけだ。」
「それだけだとっ!」
「人のもんだぞ。」
「はぁ…、御神、流石にそれはないぞ。」
「……。」
そっぽを向いているひょうちゃんはきっと何で怒られているのか自覚していない。
さて、どうするか。
正直に言えば、別に僕のものを彼に壊されるのは問題ない。
消耗品な訳だからいつ壊れてもおかしくはないのだから。
でも、人としては人のものを壊すのはよくないな。
「よし。」
僕はひとまずひょうちゃんの耳を掴む。
「っ!」
「御神くん、別に僕の物を壊したのは今回僕の判断ミスだから構わない、でも、そもそも、人の物を壊すのは悪い事だよね?」
「てめぇ…。」
「ん?何かな?」
「いてぇ。」
「反省してないね、さて、問題です。」
「何だよ。」
「君はプロになった時、何かを壊したとします、さて、そのお金はどこから出ると思いますか?」
「知るか。」
「はい、ダメ、加賀くん?」
「えっ?オレ?」
行き成り話を振られた彼は可哀そうなほど狼狽える。
「か、会社?」
「うん、会社や属している組織が出してくれるかもね、宇民くんは?」
「自腹?」
「それも、ある、後は給料から引かれたり、それ専用の保険があるから会社によってはそこから出すところもあるよ。」
「マジか。」
「そう、壊せば誰かが払ってくれるじゃないんだよ。」
「……。」
「ここは学校だから、学校側が色々してくれるけど、社会に出ればそうじゃないんだよ、御神くんのこれだって、器物損害に値するんだからね。」
「……。」
「さて、先生すみません、脱線しました。」
「いや、大丈夫だ、お前らはいったん視聴覚室で他の連中の戦いの光景を見て、それをレポートにしてもらうからな。」
「えー。」
「マジかよ。」
「ほら、ついてこい。」
「……。」
僕たちは剣先生の後についていく。
本当にどうしたものか、彼が例えば壊した費用とかは僕が何とかして稼げるけど、でも、そもそも破壊行為を止めさせないと。
本当に課題は色々あるな…。
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