僕がサポーターになった理由

弥生 桜香

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第一章

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 サラサラの髪を撫でながら思い出すのは幼い頃の君の笑み。

 僕を映すと君はいつも笑ってくれていた。

 ずっとそばにいてくれた。

 転んだら手を差し出される。

 傷を負ったら君の方が泣きそうな顔をしていた。

「なのに…何で君は僕を忘れてしまったの?」

 二つ目のチャイムを聞きながら僕は答えのない疑問を吐き出す。

「あーあ、一限目が始まっちゃった。」

 心のない言葉に僕は自嘲する。

 ゾクリっ!

 カッと目を見開き、僕は泡立つ何かの方向に顔を向ける。
 だけど、そこには当たり前だけど、何もない。

 何だったんだ。

 あれは、人じゃない。

 人でなんかない。

 あの恐ろしいほどの気迫。

 覚えがある、あれは……。

「まさか…。」

 ありえない…。

 だって、ひょうちゃんは……いや違う。

 ありえるのかもしれない。

「………もしかして。」

 ひょうちゃんが記憶を失いたいと思うか?

 …ありえない。

 それだけは断言できる。

 だって、彼は僕に「また、あした」と言ったんだぞ。

 未来を約束してくれた彼が僕を嫌う?

 ありえない、ありえない。

 だったら、人為的なものか。

「……。」

 まだ、憶測でしかない。

 そして、もしそれが当たっていれば、ひょうちゃんの記憶が戻る確率は限りなく低い。

 神様に挑むのだから。

 それ相当の覚悟が必要だけど、僕の心はもう決まっている。

「何で、今なのか分からない。」

 分からないけど、きっと、あの人も今のひょうちゃんは不本意な結果なんだろう。

 だから、こうして、僕に気づかせた。

 だけど、そう簡単に答えを見せないのはきっと、彼の意地なのだろう。

「絶対にあなたに会いに行きます「蒼雲(そううん)」さん。」

 僕の中に一つの道筋ができた。

 それならば僕はそれに向かって走らなければならない。

「まずは、彼が住んでいそうな山を探すか。」

 僕はまず近くの山を考え、放課後、休みの日に向かう事を決める。
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