103 / 128
第一章
101
しおりを挟む
フィールドに足を踏み入れた瞬間、耳鳴りのような酷い音が僕たちに襲い掛かる。
「……っ…。」
僕は予想以上のそれに顔を顰める。
一方、ひょうちゃんは平気そうに立っている。
「まさか、歌花さんのこれが効かないとは。」
「……お前は簡単に姿を見せてよかったのか?」
「ええ、下手にビルを倒されたら危険ですもの。」
「そんな事はしない。」
「どうでしょうね?」
くすくすと笑っている武上さんだけど、その目は笑っていない。
「さて、頼みの綱である彼は膝をついておりますよ?」
「……。」
武上さんはにっこりと微笑みながら自分の周りに光の槍を作って浮かべる。
「さて、御神さんとこうして相まみえる事となるとは思ってもみませんでしたが、こちらも負ける気はしませんので、よろしくお願いいたしますね。」
「勝手に言っとけ。」
ひょうちゃんはそう言うと光の槍と同じだけの氷の槍を作る。
「それでは、行きなさい。」
武上さんは手をひょうちゃんの方にかざし、槍を放つ。
ひょうちゃんは眉一つ動かさず、そのまま槍を迎え撃つ。
光の槍はひょうちゃんの放つ氷の槍に当たり霧散する。
そして、武上さんは光の槍が消える度に補充し、ひょうちゃんも同じように作り潰しい掛かる。
一見派手に見える戦いだけど、無駄ばかりが目立つ。
さて、そろそろかな?
近づく足音に僕は距離を測る。
「まーさか、こんなにも楽に空野が倒せるなんて。」
睦月さんの属性は風となっているが、どちらかと言えば、音に近いかもしれない。
音を相手にぶつけ、戦意や意識を奪う。
ここまでの威力があるのは驚きだけれども、それは彼女だけが特別と言うわけではない。
だって。
「それじゃ、この縄で。」
睦月さんが僕に触れようとした瞬間僕は右手で彼女の手を掴み、左手で、機械を構える。
小さな機械から出は考えられないほどの音の暴力が吐き出される。
「なっ!」
反射的に音を音でかき消そうとした彼女だったが、むしろ状況を悪化させてしまう。
「何が……。」
ひょうちゃんと戦っていた武上さんが膝をつき、信じられない顔で表ちゃんを見上げる。
「何故、貴方はこれほどの音でも、立っていられるのですか…。」
「……。」
ひょうちゃんは冷めた目で武上さんを見ていたが、すぐに僕を見る。
僕は苦笑をして、音を止める。
ちょうど、睦月さんも膝をついたところだった。
「信じられない…。」
まるで化け物を見るように睦月さんは僕とひょうちゃんを見る。
「何で、あたしの音が…。」
「簡単な事だよ。」
僕は自分の耳からそれを外す。
「耳栓?」
僕の手のひらにのっているのは確かに耳栓だ。
だけど、ただの耳栓じゃない。
「そんなんじゃ、音が聞こえなくなるわけ――。」
「聞こえなくなる訳ないって?」
「……。」
「君の音は能力だ、そして、その特殊なコードを打ち消す耳栓だから君のその攻撃は無効化される。」
「そんな事出来る訳が。」
「出来るから、やってのけたんだよ。」
「……。」
「あんた、なにもん?」
「僕はただの学生だよ、君たちと同じ。」
睦月さんは怪訝な顔で僕を見るが、なぜそこまで疑うのだろう。
「で、どうする?まだ、やる?」
「……。」
「降参します。」
「杏里、いいの?」
「ええ、わたくしの全力をもってしても、御神さんには敵いそうもありませんから。」
残念そうに微笑む武上さんに僕は何とも言えない気持ちになる。
「空野さんに、おひとつお聞きしてもよろしいですか?」
「何ですか?」
「空野さんは何故サポーターになろうと思ったのですか?」
「僕は支えたい人がいます、その人の為にサポーターになるのが一番理にかなっていると思ったからです。」
「そうですか、その人は果報者ですね。」
「そうだといいんですけど。」
武上さんの言葉に僕は苦笑するしかなかった。
「……っ…。」
僕は予想以上のそれに顔を顰める。
一方、ひょうちゃんは平気そうに立っている。
「まさか、歌花さんのこれが効かないとは。」
「……お前は簡単に姿を見せてよかったのか?」
「ええ、下手にビルを倒されたら危険ですもの。」
「そんな事はしない。」
「どうでしょうね?」
くすくすと笑っている武上さんだけど、その目は笑っていない。
「さて、頼みの綱である彼は膝をついておりますよ?」
「……。」
武上さんはにっこりと微笑みながら自分の周りに光の槍を作って浮かべる。
「さて、御神さんとこうして相まみえる事となるとは思ってもみませんでしたが、こちらも負ける気はしませんので、よろしくお願いいたしますね。」
「勝手に言っとけ。」
ひょうちゃんはそう言うと光の槍と同じだけの氷の槍を作る。
「それでは、行きなさい。」
武上さんは手をひょうちゃんの方にかざし、槍を放つ。
ひょうちゃんは眉一つ動かさず、そのまま槍を迎え撃つ。
光の槍はひょうちゃんの放つ氷の槍に当たり霧散する。
そして、武上さんは光の槍が消える度に補充し、ひょうちゃんも同じように作り潰しい掛かる。
一見派手に見える戦いだけど、無駄ばかりが目立つ。
さて、そろそろかな?
近づく足音に僕は距離を測る。
「まーさか、こんなにも楽に空野が倒せるなんて。」
睦月さんの属性は風となっているが、どちらかと言えば、音に近いかもしれない。
音を相手にぶつけ、戦意や意識を奪う。
ここまでの威力があるのは驚きだけれども、それは彼女だけが特別と言うわけではない。
だって。
「それじゃ、この縄で。」
睦月さんが僕に触れようとした瞬間僕は右手で彼女の手を掴み、左手で、機械を構える。
小さな機械から出は考えられないほどの音の暴力が吐き出される。
「なっ!」
反射的に音を音でかき消そうとした彼女だったが、むしろ状況を悪化させてしまう。
「何が……。」
ひょうちゃんと戦っていた武上さんが膝をつき、信じられない顔で表ちゃんを見上げる。
「何故、貴方はこれほどの音でも、立っていられるのですか…。」
「……。」
ひょうちゃんは冷めた目で武上さんを見ていたが、すぐに僕を見る。
僕は苦笑をして、音を止める。
ちょうど、睦月さんも膝をついたところだった。
「信じられない…。」
まるで化け物を見るように睦月さんは僕とひょうちゃんを見る。
「何で、あたしの音が…。」
「簡単な事だよ。」
僕は自分の耳からそれを外す。
「耳栓?」
僕の手のひらにのっているのは確かに耳栓だ。
だけど、ただの耳栓じゃない。
「そんなんじゃ、音が聞こえなくなるわけ――。」
「聞こえなくなる訳ないって?」
「……。」
「君の音は能力だ、そして、その特殊なコードを打ち消す耳栓だから君のその攻撃は無効化される。」
「そんな事出来る訳が。」
「出来るから、やってのけたんだよ。」
「……。」
「あんた、なにもん?」
「僕はただの学生だよ、君たちと同じ。」
睦月さんは怪訝な顔で僕を見るが、なぜそこまで疑うのだろう。
「で、どうする?まだ、やる?」
「……。」
「降参します。」
「杏里、いいの?」
「ええ、わたくしの全力をもってしても、御神さんには敵いそうもありませんから。」
残念そうに微笑む武上さんに僕は何とも言えない気持ちになる。
「空野さんに、おひとつお聞きしてもよろしいですか?」
「何ですか?」
「空野さんは何故サポーターになろうと思ったのですか?」
「僕は支えたい人がいます、その人の為にサポーターになるのが一番理にかなっていると思ったからです。」
「そうですか、その人は果報者ですね。」
「そうだといいんですけど。」
武上さんの言葉に僕は苦笑するしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
BLゲームの脇役に転生したはずなのに
れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。
しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。
転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。
恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。
脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。
これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。
⸻
脇役くん総受け作品。
地雷の方はご注意ください。
随時更新中。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
笑って下さい、シンデレラ
椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。
面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。
ツンデレは振り回されるべき。
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる