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第15話 気にしない友だち
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日本じゃない血族が混じり過ぎて、私の外見はふんわり可愛いお人形さんそのもの。そのせいで、いろんな国の親類縁者が多いから言葉も変。
事務的なのはともかく、普段はカタコト。と言うか、その方が楽過ぎて文章を書く以外では『キャラ化』したような話し方になってしまう。
それはそれでいい。
素のままの私を見てくれる相手なんて限られている。だから、住居も転々としていた。外見もだけど、音楽の投稿サイトでそこそこアーティストとしても人気が出だしたから……だって。
(自由に、歌いたい……のに)
素の声で、砂糖菓子のように甘く囁く愛も伝えたいが。本当は雄々しくも包容力の高い男性のような力強さで、愛を伝えたい。私の周りにはそんな力強さが多かった。
ダディも、マミィも。
兄さんたちだって。
それが羨ましくて、普段では声を変調させて低いものを出す歌い方をしていた。
まさか、最近の引越し先で女の子に見つかるとは思わなかったけど。
「ソウちゃん、モーニング行こ!」
仮眠で少し前の生活を思い出してたら、そのときから友だちになってくれた『ナッチ』からのメッセージが来た。自前のスタンプで、商業化したのはすごいのに、彼女は満足していない。
私よりも、デザインの添削多いから未熟だと言っているけど……。
(……実は人気デザイナーだって、知ってもナッチだろうなあ)
奇抜かと思えば馴染みやすいデザイン。
プリントデザイナーとしての人気も多いから、共同制作の綺洞さんも実は有名。気軽にグッズ提案しようと言ったけど、向こうから断られた理由で私だって土下座したくらいだもん。
『いっしょだ』って、思って。彼らもいつもを大事にしたいからって気持ちそのものが。
「……起きヨ」
適当に惰眠ばかりして、栄養不調になるよりごはんを少しでも食べるほうがよっぽどいい。と言うか、あそこのごはんはどれも美味しいから、ついつい食べに行きたくなるのだ。
「……ダウンロード、出来てる。Dropboxで送れば……は、今やるか」
引越しして、まだ数日程度でも。こんな『普通』を過ごせるのはいつ振りかな? 歳の差はちょっとあっても、気の合う女の子たちとの生活は楽しい。ごはんもおいしいなら言うことなし。
普段なら後回しにする仕事のデータ共有も終わらせてから、ちょっと汚していい服に着替える。あのお店はナッチが救済措置をしたひとつなので、ごはんの量も彼女仕様。そことご近所さんとのやり取りがのんびりゆったりが楽しめていい。
日常を奪いたくないのは、誰だって同じ。私もこれ以上居心地のいいとこを失いたくないもん。
「ソウちゃーん、おはー!」
「おハー」
同じ二階だけど、両端だからこんなあいさつも出来る。この前いっしょに選び合いっこして買ったシャツを着れて嬉しいのかご機嫌さんだった。
「今日何食べるー?」
「んー、悩ム。おコメかパンか!」
「日替わりでいくかも……結局、綺洞さんもいるからわけっこするけどー」
「ふふ」
学生時代はちょっとだけ引きこもりがちだったから、こんな会話もなかった。種族関係無しにもっと交友があってもよかっただろうけど、ナッチとの今があるからいいやって思える自分も少し変わった気がした。
だから、つい新曲に書きかけてた歌詞で『いつもの声』を使って口ずさんだのだ。
事務的なのはともかく、普段はカタコト。と言うか、その方が楽過ぎて文章を書く以外では『キャラ化』したような話し方になってしまう。
それはそれでいい。
素のままの私を見てくれる相手なんて限られている。だから、住居も転々としていた。外見もだけど、音楽の投稿サイトでそこそこアーティストとしても人気が出だしたから……だって。
(自由に、歌いたい……のに)
素の声で、砂糖菓子のように甘く囁く愛も伝えたいが。本当は雄々しくも包容力の高い男性のような力強さで、愛を伝えたい。私の周りにはそんな力強さが多かった。
ダディも、マミィも。
兄さんたちだって。
それが羨ましくて、普段では声を変調させて低いものを出す歌い方をしていた。
まさか、最近の引越し先で女の子に見つかるとは思わなかったけど。
「ソウちゃん、モーニング行こ!」
仮眠で少し前の生活を思い出してたら、そのときから友だちになってくれた『ナッチ』からのメッセージが来た。自前のスタンプで、商業化したのはすごいのに、彼女は満足していない。
私よりも、デザインの添削多いから未熟だと言っているけど……。
(……実は人気デザイナーだって、知ってもナッチだろうなあ)
奇抜かと思えば馴染みやすいデザイン。
プリントデザイナーとしての人気も多いから、共同制作の綺洞さんも実は有名。気軽にグッズ提案しようと言ったけど、向こうから断られた理由で私だって土下座したくらいだもん。
『いっしょだ』って、思って。彼らもいつもを大事にしたいからって気持ちそのものが。
「……起きヨ」
適当に惰眠ばかりして、栄養不調になるよりごはんを少しでも食べるほうがよっぽどいい。と言うか、あそこのごはんはどれも美味しいから、ついつい食べに行きたくなるのだ。
「……ダウンロード、出来てる。Dropboxで送れば……は、今やるか」
引越しして、まだ数日程度でも。こんな『普通』を過ごせるのはいつ振りかな? 歳の差はちょっとあっても、気の合う女の子たちとの生活は楽しい。ごはんもおいしいなら言うことなし。
普段なら後回しにする仕事のデータ共有も終わらせてから、ちょっと汚していい服に着替える。あのお店はナッチが救済措置をしたひとつなので、ごはんの量も彼女仕様。そことご近所さんとのやり取りがのんびりゆったりが楽しめていい。
日常を奪いたくないのは、誰だって同じ。私もこれ以上居心地のいいとこを失いたくないもん。
「ソウちゃーん、おはー!」
「おハー」
同じ二階だけど、両端だからこんなあいさつも出来る。この前いっしょに選び合いっこして買ったシャツを着れて嬉しいのかご機嫌さんだった。
「今日何食べるー?」
「んー、悩ム。おコメかパンか!」
「日替わりでいくかも……結局、綺洞さんもいるからわけっこするけどー」
「ふふ」
学生時代はちょっとだけ引きこもりがちだったから、こんな会話もなかった。種族関係無しにもっと交友があってもよかっただろうけど、ナッチとの今があるからいいやって思える自分も少し変わった気がした。
だから、つい新曲に書きかけてた歌詞で『いつもの声』を使って口ずさんだのだ。
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