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第26話 手伝えるかも
しおりを挟む『ほほほ。桜乃のパンで、快癒が成せたようじゃな?』
ちょっとだけ、むずかしい言葉が出たけど……多分、いいことだわ。
樹おじいちゃんが元気になったってことかも!!
「かいゆ?」
『うむ。樹がとても治ったと思って良い』
「ええ、ええ。先生にもそう言っていただけましたよ。ねえ、あなた」
「そうなんですよ」
『ほほほ』
樹おじいちゃん、ろーかで走ってたもんね? あたしより早いかもしれないもん! すっごいや。
おじいちゃんと美濃さんも一緒だけど……あたしのパンってすごいのね?
みんなで、今日作ったあんドーナツを食べているんだけど、おじいちゃんたちもたくさん食べてくれる。あたしは、おばあちゃんのおゆーはんが食べられなくなるから……二個まで。
おかあさんが宙太と一緒だから、ご飯作れないのよね。あたし……おばあちゃん手伝おうかなあ?
ちょっとだけでも……パン作りでお料理慣れてきたし、いいよね?
もぐもぐごっくんして、いよ子おばあちゃんが出してくれたお茶をのんで……あたしは、はいっと手を上げたわ。
「おじいちゃん!」
「ん?」
「あたし……おばあちゃんのご飯作り、手伝っていいかな?」
駿が持ってきてくれた、焼き鳥だけじゃ……ご飯足りないと思うんだよね?
それも言うと、おじいちゃんは首を縦に振ってくれたわ。
「……そうだな。飯食いっぱぐれるよかいいだろ」
「まあまあ、さっちゃん。お手伝いいっぱいするのね?」
「小さいのに……いいことだ」
おじいちゃんたちに褒めてもらったから、あたしだけで帰ろうとしたんだけど。
美濃さんが、あたしの『かげ』にしゅるんと入って……一緒に行こうと行ってくれたわ。
『段蔵には積もる話もあるじゃろう。あちきが代わりに護衛じゃ』
「ごえー?」
『一緒に行く大人のようなものじゃな?』
だから、歩いているときにお話は出来ないけど……あたしたちはお家に帰ることにした。おじいちゃんはお話があるから、あたしは一人。
樹おじいちゃんたちのお家からは、ちょっと大変だけど大丈夫!
見えないけど、美濃さんも一緒だから!!
「桜乃ちゃーん!」
あとちょっとで、お家に行けるところで……おとーふ屋さんの澪ちゃんに会えた。おっきな袋持ってたの。
「澪ちゃん!」
「昨日はパンありがとう。これ……今日私が作ったんだけど」
可愛い黄色の袋をくれたわ。開けて見ると……中身は、クッキー?
クッキー大好き!!
「クッキーだ!」
「おからクッキーなの。遠慮せずに食べて?」
「ありがとう!」
ご飯あとのおやつが出来ちゃった。
澪ちゃんのおからクッキー……おいしいんだよね!
おかあさんたちにも言わなきゃ。
美濃さんには、蔵に入ってからあげたの。
お家着くまで……怖い人には、誰にも会わなかったわ!
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