【完結】パンでパンでポン！！〜付喪神と作る美味しいパンたち〜

第41話 もう一人の幼馴染みにも

　次のお休みの日。

　その日も、また駿しゅんのやきゅうがお休みだったから……一緒にパンを作ることになったの。

　なんだけど。


「ごめんね！　桜乃さくのちゃん！！」


　どうしてか、澪みおちゃんも一緒だったわ。

　あやまってもらったけど……駿が何かしたの！？

　駿を見ても、首を強く横に振るだけ。知らないの？

　じゃあ……なんで一緒にきたのかしら？？


「……澪ちゃん、なんであやまるの？？」

「見ちゃったの」

「見ちゃった？」

「桜乃ちゃんと、段蔵だんぞうさんが……綺麗な女の人と、蔵の中でパンを作っているのを」

「え？」


　いつ、どこで？

　澪ちゃんが居たの……気づかなかった！？


『おやおや……桜乃と遊んでくれていた娘御かえ？』


　美濃みのさんが、蔵からちょこんと出てきた！？

　それに、澪ちゃんは『あっ！？』って、おっきな声を出したわ！！


「あの時の美人さん！？」

『あちきは美濃。そちも桜乃らと遊んでいた……『ままごとキッチン』の付喪神じゃよ』

「え？　あのおもちゃ？？　神様？？」

『のようなものじゃ』


　ほっほと、笑う美濃さんはいつもと一緒。澪ちゃんがどこかで見てたのも知ってた？


「……美濃さん知ってたの？」

『気配程度はな？　この間、駿が来た時じゃ』

「……本当にごめんなさい。出来心で」


　けど、別に悪いことはしていない。

　ちゃんと……澪ちゃんはあたしたちにあやまってくれたんだもん。


「……美濃さん、怒らない？」

『別にの？　澪もこうして反省しておるからな』

「……じゃ、あたしも」

「…………僕も」

「……………………いいの？」


　澪ちゃんの言葉に、あたしや駿はうんって首を縦に振ったわ。

　だから、澪ちゃんも笑顔になって『ありがとう』と言ってくれたの。


『あちきもじゃ。澪よ。暇がもしあれば……この子らとパンを作るつもりじゃが、そちもするかえ？』

「……いいんですか？」

『敬称は不要じゃ。この子らと同じで良い』

「……そう言うわけには」

『律儀じゃの？』


　と言うことで、澪ちゃんもパンを一緒に作ることになったわ！！


「おすそ分けついでに……寄せ豆腐持ってきたんですけど」


　もしかしたら、パンに使えないかと……澪ちゃん手伝うつもりはあったのか、用意してたんだって。

　ハンバーグやつくねはわかるけど……パンに使えるの？？


『ふむ。であれば……パンも良いが、豆腐ハンバーグにしてみぬか？　ハンバーガーは食べたくないかえ？』

「「「食べたい！！」」」


　全員一緒だったので、決定！！

　おじいちゃんが来ると、美濃さんと一緒に澪ちゃんのことを説明してから……ハンバーガー作り始め！！