【完結】パンでパンでポン!!〜付喪神と作る美味しいパンたち〜

櫛田こころ

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第67話 再び苦戦

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 カレーパンの時よりもベトベトねちゃねちゃ!

 美濃みのさんはひょいひょいってすぐ作っちゃうのに……練習してないから、あたしたちにはむずかしい。

 ダメになったら、すぐに美濃さんに渡したわ。

 だって、パンをダメにしたくないから。


「……うーん。もうちょっと」


 みおちゃんが、ちょっとずつだけど出来るようになっているわ!

 すごいすごい!!

 ちょっとチョコがついているけど……ちゃんと丸の形になったわ!


「澪ちゃん、すごーい!」

「うーん。美濃さんのようにうまくは出来ないけど」

『上出来じゃよ。桜乃さくの駿しゅんや? ある程度練習したら、クリームを載せるとこだけで良い。あちきと澪で包もう』

「「はーい」」


 あたしと駿はまだまだだわ。

 カレーパンと同じように、ぶんたんしてクリームをつつむのをみんなでやって。

『にじはっこー』しているときに、お茶できゅーけーだった。

 夏だから、美濃さんが出してくれたのは冷たい麦茶!


「「おいしー」」


 冷え冷えだから、あっついのがどっかに行っちゃいそうだった。


『ほほほ。桜乃らは、少しずつじゃが生地の伸ばしがよくなってきたのお?』

「ほんと!?」


 美濃さんにほめられるのは、とってもうれしい!!


『うむ。薄皮の部分が減ってきた。特に中身を入れるものには、生地が薄過ぎると焼いた時に破れるからのお?』

「わかります。油揚げ作る時も、注意しないと破けますし」


 お料理って、本当にむずかしいけど……おもしろーい!!

 失敗はたくさんあっても、みんながいるから大丈夫だもん!!

 ただ、今日のクリームパンを焼いているときは……がまんが大変だったわ!!


「「いい匂い~!!」」


 駿と一緒に言っちゃうくらい……いい匂いだったの!

 甘くて……なんかチョコがトロトロしたようないい匂い!!

 蔵の中が匂いでいっぱいになるの!!


「ほんと、焼くとこんなにもいい匂いなのね?」

『フィリングを入れてあるからのお?』

「……豆腐屋でも、おからクッキーは作るから。チョコがけもいいかも」

『その発想は良いぞ』


 で、みんなで待って焼き上がったら。

 あたしはポイントがもらえたけど……まだ次のレベルまで150はいるって言われて。

 美濃さんと澪ちゃんが出してくれたチョコクリームパンは、どこもやぶけてなくて……見ただけだと普通の白パンだったわ。

 でも、チョコのいい匂いがすごかったわ!


「これに、チョコで絵かくの?」

『そうじゃ。可愛らしかろう?』

「……できるかな?」


 おとうさんやおじいちゃんだったら、かんたんにできていたけど。

 ちょっと、失敗しそうだなあって考えてたら……おじいちゃんが帰ってきたのか、蔵の扉が開いたわ。
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