100 / 128
第100話 幼馴染みの見解
しおりを挟む
伊澤夏樹ちゃん。
会うのは随分と久しぶりな、桜乃ちゃんと駿君の同級生。ある意味幼馴染みだけど、私の方が過ごした時間が短いから違うらしいのよね?
その子も、偶然とは言え……蔵での秘密を知ってしまった。
けど、わざとじゃないって言うのはわかるから誰も責めない。特に、美濃さんが受け入れているんだから何も言うことはない。
だから、魔法で出してくれた椅子の数もひとつ増えていた。
「……ま、ほう?」
『そのようなものじゃ』
美濃さんはニコニコ笑顔。『ままごとキッチン』の時に遊んではいたらしいって言ってから……夏樹ちゃんがどんな子かちゃんとわかっているのだろう。
私の覚えているのと桜乃ちゃんから聞いた話を合わせても、良い子だと言うのは知っている。今もびっくりしているけど、無闇やたらにあちこちを触ろうとしないし。
「なっちゃん、これがあたしと駿がじゆーけんきゅーでつくったパンなの!!」
焼いたのは段蔵おじいさんだけど、桜乃ちゃん達も手伝ったものね? 手作りバターも添えて、美味しい高加水パンが出来上がっているのを見て……夏樹ちゃんはとても笑顔になったわ。
「すっごい! これ美味しそう!!」
『普通のパンと違うのは、牛乳などの水の部分を多くしたからじゃ。バターは皆の手作りぞ』
「! バターって、手作りできるんですか?」
「あとで、なっちゃんもしよう!」
「うん!」
妬けちゃうくらいに仲がいいわね。駿君は男の子だし、ちょっと桜乃の交友関係が心配だったけど……この様子なら大丈夫だわ。もっと小さい頃は、私の足によくしがみついてばっかりだったもの。懐かしいわ。
それもだけど、せっかくの出来立てで焼きたてのパンを食べなくちゃ。
皆でいただきますをしてから、段蔵おじいさんが切り分けてくれた高加水パンを手に取れば。
(……ふんわりした甘くて良い香り)
酵母もだけど、手作りしたバターのせいかしら? いつものルーブルの食パン以上に、触り心地が良くて良い小麦の香り。
ちぎってみると、ふんわりもっちりしている。まずは素材のまま……とひと口食べてみれば。
「「「おいしー!!」」」
小学生三人が大声を出すくらい、私もそう思った。
白い丸パンよりも、もっちりとしているのに柔らかくて甘味が強い。牛乳とバターの配合が違うだけで……こんなにも味わいが違うのね? せっかくだから、これに手作りバターをたっぷり塗って食べてみれば。
「~~! 美味しい!!」
思わず、声に出してしまうくらいに美味しかった!
ただでさえ美味しいパンに適度な塩気と、こってりしたバターの組み合わせが最高だ! いくらでもあるからたっぷり塗れるし! カロリーの暴力はともかく。
これ、さらにジャムも塗ったら最高じゃないかしら!?
『さらにジャムを共に載せれば美味いぞ?』
さすが美濃さん、わかってる!!
けど、子ども達は美味しいとわかったらどんどん食べ進めていって……三人で大きな高加水パンをひとつ食べてしまったわ。
よく食べるのはいいことね!
私も……段蔵おじいさんと分けたけど、半分は食べちゃったわ。
会うのは随分と久しぶりな、桜乃ちゃんと駿君の同級生。ある意味幼馴染みだけど、私の方が過ごした時間が短いから違うらしいのよね?
その子も、偶然とは言え……蔵での秘密を知ってしまった。
けど、わざとじゃないって言うのはわかるから誰も責めない。特に、美濃さんが受け入れているんだから何も言うことはない。
だから、魔法で出してくれた椅子の数もひとつ増えていた。
「……ま、ほう?」
『そのようなものじゃ』
美濃さんはニコニコ笑顔。『ままごとキッチン』の時に遊んではいたらしいって言ってから……夏樹ちゃんがどんな子かちゃんとわかっているのだろう。
私の覚えているのと桜乃ちゃんから聞いた話を合わせても、良い子だと言うのは知っている。今もびっくりしているけど、無闇やたらにあちこちを触ろうとしないし。
「なっちゃん、これがあたしと駿がじゆーけんきゅーでつくったパンなの!!」
焼いたのは段蔵おじいさんだけど、桜乃ちゃん達も手伝ったものね? 手作りバターも添えて、美味しい高加水パンが出来上がっているのを見て……夏樹ちゃんはとても笑顔になったわ。
「すっごい! これ美味しそう!!」
『普通のパンと違うのは、牛乳などの水の部分を多くしたからじゃ。バターは皆の手作りぞ』
「! バターって、手作りできるんですか?」
「あとで、なっちゃんもしよう!」
「うん!」
妬けちゃうくらいに仲がいいわね。駿君は男の子だし、ちょっと桜乃の交友関係が心配だったけど……この様子なら大丈夫だわ。もっと小さい頃は、私の足によくしがみついてばっかりだったもの。懐かしいわ。
それもだけど、せっかくの出来立てで焼きたてのパンを食べなくちゃ。
皆でいただきますをしてから、段蔵おじいさんが切り分けてくれた高加水パンを手に取れば。
(……ふんわりした甘くて良い香り)
酵母もだけど、手作りしたバターのせいかしら? いつものルーブルの食パン以上に、触り心地が良くて良い小麦の香り。
ちぎってみると、ふんわりもっちりしている。まずは素材のまま……とひと口食べてみれば。
「「「おいしー!!」」」
小学生三人が大声を出すくらい、私もそう思った。
白い丸パンよりも、もっちりとしているのに柔らかくて甘味が強い。牛乳とバターの配合が違うだけで……こんなにも味わいが違うのね? せっかくだから、これに手作りバターをたっぷり塗って食べてみれば。
「~~! 美味しい!!」
思わず、声に出してしまうくらいに美味しかった!
ただでさえ美味しいパンに適度な塩気と、こってりしたバターの組み合わせが最高だ! いくらでもあるからたっぷり塗れるし! カロリーの暴力はともかく。
これ、さらにジャムも塗ったら最高じゃないかしら!?
『さらにジャムを共に載せれば美味いぞ?』
さすが美濃さん、わかってる!!
けど、子ども達は美味しいとわかったらどんどん食べ進めていって……三人で大きな高加水パンをひとつ食べてしまったわ。
よく食べるのはいいことね!
私も……段蔵おじいさんと分けたけど、半分は食べちゃったわ。
1
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる