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21-3.おやつにパンケーキ(セリカ視点)
しおりを挟む★・☆・★(セリカ視点)
まさか、まさかまさか、と思わずにいられなかったわ!
マスターと……クロームと相思相愛になれるだなんて!
嬉しくて嬉しくて、もう可愛くない仮面は取っ払って、シャインに見せていたような素の状態になったんだけど。
よっぽど気に入ってくれたのか、クロームはよく私の髪を撫でてくれた。
「へへ、えへへ~」
「さて、今日の八つ時にはなにを作ってくれるのだ?」
「うーん。クロームの好きなパフェもいいけど……せっかくだからパンケーキにしよう!」
「ぬ? パンのケーキ?」
「違うの。フライパンで焼くケーキだから、パンケーキ」
「ほう?」
とりあえず、ちょっと時間がかかるから……と最近一緒に作ることが多いから、今回も手伝ってもらう。
「大変なのは、焼く以外だと。ホイップとメレンゲ作りかな?」
「ホイップ……メレンゲ?」
「ホイップは生クリームのこと。メレンゲは卵の白身を泡だてて、固くしたものだよ」
「それが、パンケーキの要なのか?」
「特にメレンゲがね? クロームにはホイップ作ってもらうから」
「わかった」
混ぜ方と分量を教えたら、クロームは鍛えてきたお陰で腕っぷしも強くなったせいか、混ぜるのも様になっていた。
(ああ……ああ! この人が本当に私の恋人に!!)
嬉しくて鼻血が出そうになるが、今はおやつ作りが優先。
だから、私は卵を黄身と白身に分けてから冷却の魔法で白身の方を少し冷やした。
「ほう? 生クリームもだが、冷やすと凝固する水質を利用するのか?」
さすが、クローム! 天才錬金術師だね!
「そう。あと食感もよくなるらしいの!」
「食感がか?」
「楽しみにしてて」
「ん、わかった」
さてさて、冷やした白身を泡立て器で軽く白っぽくなったら少しずつ砂糖を加えて、泡になるまで混ぜていく。
冷やすと、たしかにクロームの言うように固まりやすくなるのもだが、口当たりが良くなると私に組み込まれている異世界レシピに載っていたのだ。
それが終わってから、黄身の方にもある程度材料を入れて混ぜて。
焼く準備をするのに、濡れ布巾と油、などなど。
用意出来たら、さっそく焼いて行こう。
「……? 何故濡れた布巾がいるのだ?」
「表面に綺麗な焼き色をつけれるからだよ!」
「ほう?」
私は生まれてからまだこの屋敷を出たことがないから、クロームがこれまでどんな食べ物を食べてきたかは知らない。
でも、私が生まれて。最初に口にした美味しくない錬成料理で、クロームが太らされたのについカッとなって可愛くない態度をとってしまったのがきっかけだったが。
それから、私の料理を美味しい美味しいと言ってずっと食べてくれている。
はじめは嫌がってたトレーニングなども、今も続けてくれている。
だから、成果もだが、ずっとわがままだった性格も変わってきた。けど、今の方がずっとずっと魅力的だわ!
「まず、フライパンに薄く油を引いて。軽く熱して」
出来たら、濡れ布巾の上にフライパンを置いて軽く冷やす。
そして、コンロに戻したフライパンの上に生地をスプーンで落として、蓋をして焼く。
「焼き目がついたらひっくり返して」
「ほう。たしかにに美しい!」
均一に、綺麗な茶色の焼き目がついたら、ひっくり返した面にも焼き目をつけて。
皿に載せたらいいクロームが作ってくれたホイップにカットした果物などを添えて。
二人分出来たら、完成!
「出来立てが一番だから、食べよ食べよ?」
「ああ、そうだな」
ああ、そのちょっと口元を緩めた表情もカッコいいわ!
「「いただきます」」
けど、私はすぐに手をつけずにクロームの様子を窺う。
「!? な、なんだ!? 溶けた……だけでなく、シュワッと!?」
「ふ、ふふ。それがメレンゲの効果だよ?」
「……うむ。たしかに美味いが不思議な食感だな?」
驚いたけど、気に入ってくれたのかどんどん食べ進めてくれる。
ここで、私もひと口食べると、ふわっと、シュワッと二つの食感が舌を楽しませてくれた。
(うん。美味しい)
クロームが作ってくれた、ホイップもちょうどいい固さだった。
「うむ……うむ。これはアイスも載せたら美味そうだな?」
「あ、それもあるけど……。あと十キロが遠退くよ?」
「う。……我慢する」
「はいはい」
ほんと、本当に。
あと十キロ、されど十キロ。
脂肪もだが、筋肉が増えてきたから体重はむしろ増えちゃうかもだけど。
あの体重計は脂肪をメインに測れるようにしてるから筋肉が増えても大丈夫!
目指せ、クロームのシックスパック!
(そ、そう言う誘いのつもりじゃないけど……。もしそうなったら、見たいわ!)
痴女のつもりではないけど、クロームだから。クロームだから、見たいわけであって。
だって、クロームだから!
「ふむ。ギルマスはチェストと明日来るらしいから、茶請けに何か作ってやってくれないか?」
「ん、わかった」
本当、最初の頃とは違って。
気遣いが出来るいい男になったわね、クローム?
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