満腹マッドサイエンティストはガリガリホムンクルスを満足させたい!〜錬金術の食事を美味いと言わせたいだけのスローライフ〜

櫛田こころ

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24-1.幸せな減量生活?

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 ★・☆・★







 また日にちが過ぎ、俺様はまだまだ太っていた頃のように、汗だくになる日々を過ごしていたのだった。


「……はー、はー!」

「頑張れ、がんばれ、クロームぅ!」

「ああ、頑張るとも!」


 セリカによる肉体強化週間とやらで、ポーション製作以外は出来るだけ、そのトレーニングに明け暮れてはいるのだが。

 ガイウスの計画では、俺様を妬んでいる輩や取り巻きだった女どもと一緒に、ショック療法と言う方法で洗脳を解くとは言ってはいたが。


(本当に……うまくいくのだろうか?)


 ガイウスを信用していないわけではないが、単純過ぎやしないかと疑わしくも思ってしまう。

 しかし、ある意味幼馴染みとも言えるこの国の第一王子であり、現王太子殿下とは付き合いが長い。一国の王子ではあるが、転生者と言う真実を知らされてからは、気兼ねなくしているとは言え。

 黙っていれば、社交界の華とも言われる奴は……本当に黙っていれば、俺様以上の高嶺の花ではあるが。

 根はちゃらんぽらんな、チェストとよく似た話し方の男だ。とは言え、いずれは一国の王になる地位だ。

 昔の俺様だったら、関わって損はないと思ってた程度だったが、セリカと過ごしてきていくらか変わった。

 いつか、俺様以上に痛い目に遭うのではないかと。

 だが、俺様よりも根回しがうまいあいつなら大丈夫だとも思っている。

 俺様も自覚して、周囲に意外と助けてくれる存在がいるとわかったからだ。あいつは、俺様以上に他人との関わり合いが強い。


「ーム、クローム! 疲れた?」

「!……あ、ああ。平気だ」

「何か考えごと?」

「……ガイウスについてだ」

「……あの胡散臭い笑顔の王子様?」

「ぶ!……くく、初対面であの態度で出られたら、セリカにもそう思われるな?」

「?……クロームと出会った時から、あんな感じだったの?」

「ああ、愉快な奴だった」


 まあ、最初の俺様も不愉快な奴だなとは思っていたが。

 あいつがいなければ、錬金術師を目指そうとも思わなかったかもしれない。

「とりあえず、トレーニング続ける?」

「もちろんだ。ガイウスの策に乗ると言うわけでもないが、やれるだけはやるぞ!」

「おー!」


 さらに美しい俺様を、妬んでる輩達に見せつけるためにも、セリカのためにも体を整えていかなくては。

 だがその中でも、特に忍耐を試されるトレーニングがあった。


「51……52」

「はーい、あと10回」

「ふぎぎ!……53……54」


 セリカを背に乗せながら、腕立て伏せの要領で鍛えていくトレーニングだ。

 これが、セリカの体の柔らかさをダイレクトに背中に感じるので、いろんな感情が揺れて、大変よろしくない!

 胸ではないにしても、どこもかしかも柔らか過ぎるんだ!

 造ったのが俺様だからとは言え、女の体とはこんなのだったのか? それか、好きな相手だからか?


「……はーい。降りるねー?」


 セリカはなんとも思っていないのか、俺様からひょいと降りてくれたが。俺様は、疲れた両腕をさすったが筋肉痛に耐えている場合ではない。


(そう言えば、ガイウスも弟王子へ減量生活を強いていたと言っていたが)


 いったい、どんな鍛え方をさせられたのか?

 まさか、その報復で俺様は巻き込まれ……いや、ルーイス王子は俺様も妬んでいたとは聞いたが。


「まさか、両方か?」

「クロームぅ~、クールタイム終わりだよー!」

「ああ、わかった」


 考えたらキリがないが。とりあえず、今はできることをすべきだと俺様はトレーニングに勤しむことにした。

 それから、約一時間後で。


「はーい、プロテイン」

「も、もらうぞ……」


 今日一日のトレーニングメニューが終わってから、セリカは俺様にプロテインと言う飲み物を用意してくれている。

 食事に肉類も増えたが、筋肉を美しく身につけさせるためらしい。

 俺様としては嬉しい限りだが、このプロテインも重宝していた。何故なら、このプロテインとやらは。


「ぷは! 今日はライムヨーグルトか!」

「暑いし、アイス食べ過ぎよりはこっちのがいいでしょう?」

「うむ。甘さは控えめだが、飲みやすいしな」


 トレーニングは辛いが、こんな幸せな生活でいていいものか。

 いかに、俺様が今まで腐っていたか思い知らされる。

 であれば、一度マールにも謝罪せねばな?

 昔の……あれからの告白を無碍に突っぱねたことについてだが。
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