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第40話 ファームとファームを
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リーナはまず、家に戻ったら勝手にくつろいでいる人物を見てびっくりした。
「よ、リーナ。楽しんでいるようだな?」
「……ハル、おにい……ちゃん?」
「おう」
コーヒーを勝手に淹れたのはまだいい。ストックはいくらでもあるし、この持ち家を築いてくれた宝の種をくれたのは実質目の前の彼だ。風呂場で身支度を整えてよかったと思い直し、まずは状況説明だと向かいのソファに腰かけた。
「……あの国は。どうして攻め入られたの? 単なる、時間の問題だった?」
「そこまでわかってんなら、詳細はまた話してやる」
「……種を分けたのは、クーちゃん以外いるの?」
「いるいる。お前さんら抜いても、あと四人」
「……ってことは。ハルお兄ちゃんが言ってた『アイバ』って私なの!?」
「そゆこと。向こうのマスター側ではお前さんがクルスの婚約者候補だぜ?」
「えぇえ??」
話の流れが速すぎて、顔が真っ赤になるのを止められない。さっきお風呂に入った以上に身体が熱い気がするが、風邪を引かないように整えてきたから大丈夫なはず。それよりも、『クーちゃん』こと『クルス』が将来の旦那候補かもといきなり告げられたことに理解が追い付かない。
わざと、目の前の『ハル神』が種を植えさせた位置を指示したにしても……これでは『幼馴染み』からのやり直しそのものではないだろうか。巫女姫と底辺兵士から、ただの男女の知り合いからのスタート。
夢でも見ているかのような錯覚になりかけたが、ほおを軽く両手で叩いてからハル神に向き直った。聞かれる準備をしていたのか、コーヒーをくいっとあおっていたところだ。
「これから、『閂』を外す。塀向こうはお互いのファームの端と端だ。説明はあいつにもしてやっていいが……ちゃんと言えよ? 自分が今までどういう人物だったくらいは」
「……言えるかな? もとは王族に準ずる家柄って」
「素のお前さんはそれだろ? まあ、そこはなんとか頑張れ。俺も俺で、かみさん候補がまだ全然見つかんねぇんだよ」
「……ナツお姉ちゃんが?」
「神託止まってんだろ? だったら、主神の俺がなんとかするしかない……んだが」
「……寝ちゃってる?」
「…………あり得るな。んじゃ」
カップを消した後に自分の姿もとろんと消えてしまい、残ったのはリーナだけだ。リーナは今のやり取りをかみしめるように思い出し、砕くように繋ぎ合わせていけば。やはり、自分自身でクルスとのやり取りを進めてもいいのだと自覚できた。
「クーちゃんと共同生活目指していいなら、がんばるぞー!!」
叶わぬ初恋だと思っていた相手との共同生活が出来るかもしれないとわかれば。まずは土産などの準備からだ。リーナは元巫女姫だったこともあり、魔法も使えるので生活に必需と思えるものまで行使可能。
収納、保存などの意外に重宝されるそれを駆使し、クルスへの土産を選んでから服装は真冬のをきちんと選んで。
ハル神が言っていた土地同士の『閂』とやらは門ではなく裏口に設置されていた。魔法陣で鍵をかけられていたのだが、今は普通の閂に作り替えられていたので安心。
ゆっくりと中の木材を引き抜き、扉が開くまで調整すれば。きぃっと音が出るくらい引っ張ってから向こう側を覗いてみる。すると、金貨の幻影がすぐに飛び込んできて腰を抜かしそうになった。
「……あーらら。『アイバ』がそんな頑張っているんだね??」
リーナのマスターである『シゲキ』と仲良くしているだけでこの現象。実際には『移動』しているだけで、金貨の幻影をしている『ポイント』が雨あられのごとくあふれかえってしまっている。クルスの姿を探してはみたが、幻影に邪魔されてよく見えない。しかし、これ以上無断で敷地に邪魔するわけにもいかないため、大声で挨拶することにした。
「クルスさん! こんにちは!!」
「どわぁ!?」
意外と近くにいたのか、壁沿いに視線を向ければ数歩先で休んでいたのである。
「よ、リーナ。楽しんでいるようだな?」
「……ハル、おにい……ちゃん?」
「おう」
コーヒーを勝手に淹れたのはまだいい。ストックはいくらでもあるし、この持ち家を築いてくれた宝の種をくれたのは実質目の前の彼だ。風呂場で身支度を整えてよかったと思い直し、まずは状況説明だと向かいのソファに腰かけた。
「……あの国は。どうして攻め入られたの? 単なる、時間の問題だった?」
「そこまでわかってんなら、詳細はまた話してやる」
「……種を分けたのは、クーちゃん以外いるの?」
「いるいる。お前さんら抜いても、あと四人」
「……ってことは。ハルお兄ちゃんが言ってた『アイバ』って私なの!?」
「そゆこと。向こうのマスター側ではお前さんがクルスの婚約者候補だぜ?」
「えぇえ??」
話の流れが速すぎて、顔が真っ赤になるのを止められない。さっきお風呂に入った以上に身体が熱い気がするが、風邪を引かないように整えてきたから大丈夫なはず。それよりも、『クーちゃん』こと『クルス』が将来の旦那候補かもといきなり告げられたことに理解が追い付かない。
わざと、目の前の『ハル神』が種を植えさせた位置を指示したにしても……これでは『幼馴染み』からのやり直しそのものではないだろうか。巫女姫と底辺兵士から、ただの男女の知り合いからのスタート。
夢でも見ているかのような錯覚になりかけたが、ほおを軽く両手で叩いてからハル神に向き直った。聞かれる準備をしていたのか、コーヒーをくいっとあおっていたところだ。
「これから、『閂』を外す。塀向こうはお互いのファームの端と端だ。説明はあいつにもしてやっていいが……ちゃんと言えよ? 自分が今までどういう人物だったくらいは」
「……言えるかな? もとは王族に準ずる家柄って」
「素のお前さんはそれだろ? まあ、そこはなんとか頑張れ。俺も俺で、かみさん候補がまだ全然見つかんねぇんだよ」
「……ナツお姉ちゃんが?」
「神託止まってんだろ? だったら、主神の俺がなんとかするしかない……んだが」
「……寝ちゃってる?」
「…………あり得るな。んじゃ」
カップを消した後に自分の姿もとろんと消えてしまい、残ったのはリーナだけだ。リーナは今のやり取りをかみしめるように思い出し、砕くように繋ぎ合わせていけば。やはり、自分自身でクルスとのやり取りを進めてもいいのだと自覚できた。
「クーちゃんと共同生活目指していいなら、がんばるぞー!!」
叶わぬ初恋だと思っていた相手との共同生活が出来るかもしれないとわかれば。まずは土産などの準備からだ。リーナは元巫女姫だったこともあり、魔法も使えるので生活に必需と思えるものまで行使可能。
収納、保存などの意外に重宝されるそれを駆使し、クルスへの土産を選んでから服装は真冬のをきちんと選んで。
ハル神が言っていた土地同士の『閂』とやらは門ではなく裏口に設置されていた。魔法陣で鍵をかけられていたのだが、今は普通の閂に作り替えられていたので安心。
ゆっくりと中の木材を引き抜き、扉が開くまで調整すれば。きぃっと音が出るくらい引っ張ってから向こう側を覗いてみる。すると、金貨の幻影がすぐに飛び込んできて腰を抜かしそうになった。
「……あーらら。『アイバ』がそんな頑張っているんだね??」
リーナのマスターである『シゲキ』と仲良くしているだけでこの現象。実際には『移動』しているだけで、金貨の幻影をしている『ポイント』が雨あられのごとくあふれかえってしまっている。クルスの姿を探してはみたが、幻影に邪魔されてよく見えない。しかし、これ以上無断で敷地に邪魔するわけにもいかないため、大声で挨拶することにした。
「クルスさん! こんにちは!!」
「どわぁ!?」
意外と近くにいたのか、壁沿いに視線を向ければ数歩先で休んでいたのである。
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